完結小説図書館
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*44*
「お菓子選び?そんなこともするのか君は」
「ええ、ジャックもまだ子供ですからたまには与えないと可哀想じゃないですか」
立香は悩んだ末に粒のはいった果実グミの袋をレジに置き財布を取り出す
「えーと小銭小銭」
ダ・ヴィンチが財布を覗くと、財布が膨らんでいるかのように見えるほど100円玉と10円玉が大量に詰まっていた
「小銭多くない!?」
「ああ、お札とかは食費で消えるんですよ...母さんに小銭は貯めとけと言われましてね、気がついたらこんなに...おっとっと」
立香はこぼれ落ちないように丁寧に置いていき、グミを購入しポケットに入れる
「...君、変なこと聞くけどいくら貰ってるの?カルデアって結構もらえるはずじゃないか?」
「15万円ぐらい...ですかね、家賃は数千円くらいで電気代はほぼゼロ、水道代は結構かかってしまいまして、後は」
カルデアは仮にも『公務員』に当てはまる仕事場、通常の職員でも30~40万は貰えるのだが...立香はまだ20万を越えるほどの給料を貰えておらず、年収は約180万円...あまり信じられない額だ
「まぁ、私一度サーヴァントに逃げられてますからね、ペナルティみたいなものですよ」
「そんなに減るのかい...でも良かったじゃないか、マシュから聞いたぞ?令呪授与おめでとう!」
「いや...こんなのまぐれですよ、半年もすればまた剥奪されますって」
「お弁当温めますか?」
「あ、お願いするよ」
ダ・ヴィンチは立香と話していくうちにレジの最前列になり、唐揚げ弁当の料金を財布から取り出す
「ではダ・ヴィンチさん、また明日」
「ああ!次の給料日を楽しみにしておくんだぞ!」
...
マシュは考える、明日は何を食べよう?
カルデアから支給されたものか、自作か...肉か、野菜か、魚か...
晩御飯を考える楽しみ、些細なことだが立香と会って初めて手に入れたマシュの娯楽。
何か物足りない生活に、料理というスパイスが立香とマシュに楽しさをくれた
そして立香は何よりサーヴァントと楽しく過ごすために料理をする、自分よりサーヴァントの為に
だから立香を気に入った、誰よりもカルデア日本支部でサーヴァントを愛する彼を
そしてマシュは思った、彼とアイコンタクトだけで食べたいものを聞けるような関係を築きたいと...
「先輩、食べたいものはありますか?」
END