完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*43*
炒めた野菜を焼いた肉で巻き上げていき...肉巻きが完成した
「出来ました」
シンプルながら少し物足りない感じのする料理にダ・ヴィンチは疑問点を出しながらマシュを見る
「これはどこで知ったんだい?」
「藤丸先輩が一番好きな料理です、本人から聞きましたので間違いありません」
「ふーん、これが彼の好みなのか...これで腹を満たせるのか彼は」
「ですが美味しいですよ」
そう言いながらも、肉巻きはあっという間に無くなっていく...大きいもののちょっと食べたら尽きるため、確かに物足りないだろう、立香はそんなことは思わないのだが
「先輩はこれを食べていると...ですが、次からはもっと沢山の料理を食べられるんですね」
「ああ、どんなにしたっぱでも令呪さえ手に入れば給料は何倍にまで跳ね上がるかな...そして、この先の選択をどうするか、だ」
お金というものはよく人を狂わせる、無欲な人間も一度大金を手にすると手放すのを拒むようになっていく...
立香自身孤独を恐れている節がある、金の扱いに気を付けられるとは...
「まぁあのセレブな女王のマスターなんだ、なんとかなるだろう」
「だと良いですが...」
マシュは立香の事を気遣いながら、今昼聞いてきた肉巻きの皿と茶碗を洗い、ダ・ヴィンチはソファから起き上がり鞄を取る
「まあ結局は彼次第だ、それはそうと物足りないなら何か買ってこようか?」
「あ、私は大丈夫です、ダ・ヴィンチちゃんは何を?」
「んー、見てから考える、じゃあ!」
ダ・ヴィンチは部屋から出ていき、マシュは本棚から本を取り出してソファに座る
「藤丸先輩...貴方はサーヴァント達にとって星のような方です、どうか狂わないでもらいたいものですが...」
...
「どれが喜ぶかな...」
一方立香はたまに与えるジャックのお菓子選びに頭を悩ませていた、グミかチョコレートか...どちらがジャックが気に入るかをコンビニで選んでいたのだ
「フルーツグミもプチチョコもいいが...うーんどうしようか」
「やあやあ、立香君!」
と、その時夕飯を買いに来たダ・ヴィンチが立香の肩を叩く
「あ、ダ・ヴィンチさん...こんばんはです、こんなところで会うなんて...」
「何してるのかな?」
「見ての通り、お菓子選びですよ」