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*52*
ロマニと立香、そしてジャックは喫茶店で軽い昼食を取りながら買ってきたものを見せ合う、ロマニが持っていたのはアイドルのCD...世間知らずの立香でも名前は聞いたことがあるほどの大物アイドル『マギ☆マリ』だ
「まさかお互いあそこで会うとは思わなかったよ」
「そうですね...ただ、お互いに絶対欲しいものがあって来たというのは変わりませんが」
「ああ、それはそうだね!」
ロマニは仕事中は見せないほどのとびきりの笑顔を向けてくる...想像もしていなかった意外な一面に立香は口を塞ぐのが必死だった
「ロマンさんってアイドル...いや、マギ☆マリが好き...なんですか?」
「ああそうだよ!休日はいつも新しいグッズが出ていないか徹底的に調べ上げているんだ、まぁ僕以上に凄い熱心な人は作ったりもするんだけど...君もどう?」
「私のアパートではコンセントが足りません」
「あ、ああ...それはすまなかった、それで君は何を買ったんだい?」
「はい、私は...」
「お待たせしました、オムライスとナポリタンとハンバーグです」
注文した食べ物がテーブルに置かれながら立香は借りてきたDVDをロマニに見せる
「正義の味方?変わったタイトルだね、特撮かい?」
「ヒーローを題材にしたドラマですね、まあ子供の頃は特撮だと思って見ていましたが...この作品は貴方にとってのマギ☆マリみたいなものですね」
「なるほど、君の全てとも言えるんだ!」
「そうですね、カルデアに来たのもこの作品に出てくるような正義のヒーローになりたかったからですし...」
「正義のヒーローになるために?」
「はい、何と言うかその...カルデアって正義のために活動してると聞いたんです、そしたらいてもたってもいられなくなりここに上京して難しい試験や面接もこなして、今の自分があるんです」
立香が熱心にカルデアについて話している中、ロマニの表情は固くなり何かを考えているような素振りを見せるようになり...立香の顔に気づいたロマニは慌ててオムライスに手を付けながら話す
「あっ、それよりも正義の味方とやらが気になるな!君はそれを見て成長してきたんだろう?そういった話は何か教育の参考になるかもしれないんだ!」
「え、ええ...まだ見ていないのでうろ覚えですがよろしいですか?」
「あ、ああ構わないとも!」