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*6*
『第二話』
【タコヤキ】
「ふう...んん」
時計を見る、六時半。相変わらずいつもの時間だ。
そしてまたいつものように朝御飯の準備を...と、考え起き上がろうとしたが背中にずっしりと重みを感じた
「あれ?ジャックか...?ん!?」
私の背中に...マシュがくっついて...
「えっ!?」
「あっ...あっ!?すみません!!」
驚いた拍子にマシュも目が覚めて、私から離れる
...ああそうだ、昨日ハンバーグを作った後にもう夜遅いからと私の家に泊めたんだった
「いや、気にしないで...じゃあ私、朝御飯作るから...君も食べてく?」
「い、いえそんな悪いですよ!私買っていくので失礼します!」
マシュは荷物を持って部屋から出ていく...そういえばあの子普段何を食べているんだろうか、気になるけど...調べるなんてストーカーみたいなことはしないが
「おかあさん」
さっきの騒動でジャックも目を覚ましてしまったらしい、私はマシュの事は一旦忘れ朝御飯に取り掛かった...
...
「よし、今日も遅刻せずに入社できた」
午前八時、朝食を済ませ電車を乗り継ぎ毎日300円かけて辿り着く職場...『カルデア日本支部』
公務員のような仕事らしいのだが、まだ入って2年ちょっとなので対した仕事はもらえていない、給料も微々たるもので上司からの圧力も胃に悪い。
私が一体何故そんな職場を選んだのかと言われると、それはもう「この仕事がやりたかったから」としか言いようがない。
それにこの仕事が嫌いなわけではない、この場所がきっかけでマシュとジャックに出会えたのだから。
「さて、今日も頑張るかね...行くよ、ジャック」
「うん」
ジャックも少女その物のような見た目をしているが、私と一緒に働く同僚...というよりは、相棒みたいな存在だ、下手したら私以上に有能なのだが...私より上司からの態度が酷い。
可哀想だが私にはどうにもしてやれない、せいぜい慰める程度だ、この時だけは無力な自分を死ぬほど恨みたくなる...が、資料の山を見ていると、そんなことすら考えられなくなってくる
「...昼御飯はおにぎりでも買っとくか」
時折時計を見ながら仕事を済ませていくと、突然アナウンスが流れる
【えーと...あっここか、Dチームの藤丸立香...でいいのかな?】
【至急相談室に来るように】
...えっ?