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*7*
「えっ、私呼ばれた?」
えっ、何?呼び出し?私呼び出されるような事したかと考えた...そうだ、マシュのことだ
よくよく考えれば本部の人間を連れ出して家で泊めるなんてとんでもないことだ、なんて軽はずみな事をしてしまったのだ
「どうしたの?」
ジャックも心配そうに私の方を見る、やばいどうしようリストラしたらこの子がぴょーん!
...
「はぁ...減給とかで済めばいいけど...いや、私にとってはそれでも致命的か...」
脳内が錯乱しながらもどうにか私は会議室へと辿り着く...何されるんだろう私、明日も無事に生きていければいいけど
「失礼します」
「おお、来た来た」
会議室は一人...見たことのない茶髪の女性がソファの真ん中に座っていた
日本支部では見たことのない人間だが、私の想像しているマシュ絡みならすぐに分かる...本部の人間。
謝罪ではすまないけど、言っておかなくては...
「あの、私...」
「まあとりあえず、そこ座りなよ」
「は、はい...」
今日ほど背筋が凍る日もないだろう、正直早く話だけ聞いて楽になりたい
「君も想像していると思うけど、マシュの事なんだけど」
「やっぱり...その、申し訳ありません!」
「君料理できるの?」
「え?...で、出来ますけど言うほどではありません、調理師免許とかはありませんし...」
「へぇ...まぁそのことはいいよ、今日あの子が来たとき妙にご機嫌だったから聞いてみたら君の事が出てきたんだ」
「マシュが?...あの、貴方は一体?マシュとどんな関係で?」
「ああ、そういえば言ってなかったね...日本人はこれを渡すのが風習なんだろ?はいコレ」
そう言って女性は私の目元に名刺を置く
...『レオナルド・ダ・ヴィンチ』
レオナルドとはあの絵描きのレオナルドの事なのか?まさかそんな...その人は男性、今目の前に存在する人物はどう見たって女の人だ。
「私はマシュと同じで本部からやってきたんだ」
「は、はぁ...」
「それで本題に戻るが...別にマシュの事を咎めるつもりはないことは分かってほしい、むしろ感謝しているんだ」
「感謝?どういうことです?」
「あの子が喜んでる姿なんて、初めて見たから...どうも料理を趣味として始めたくなったそうな」
マシュがそんなことを...料理を自分からするようになるって、それほど楽しかったのか...あの出来事が...
「ははあ...それを伝えるために私を?」
「もちろん君に頼みたいことがあって呼んだが...今仕事中だね?」
「あっ...」
「では午後六時にまた入り口で会おう、さあ頑張ってきたまえ!」