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*61*
「何故かと言うと...私は貴方の事は詳しく知りませんが、貴方は姫、そして我々は単なる人間、立場が違いすぎるんです」
「旦那様(ますたぁ)もそうだと?」
「はい、例え貴方が気にしなくていいと言おうとも中々実行できるものではないでしょう、人間というのは臆病なものですから」
「...なるほど、だからあの人は武者修行をなさるとおっしゃったのですね」
「ええ、自分では貴方に充分な愛を伝えられない、愛する女として見ることは難しいと思っての事でしょうね..」
立香の発言を聞いて清姫の目が輝きだす
「なんてこと!マスターがここまで辛い思いをしていたというのに気付かないなんて...わたくしという人は...分かりました!気を使ってしまうならばわたくしの方から積極的に向こうに愛をぶつければ良いのですね!一刻も早く準備をしなくては!待っててください!」
「あの、清姫さん?」
「ますたああああああああああああ!!!」
清姫は急に乗り上がって窓から飛び出し、ガラスを破壊しながらどこかへと飛び出していった、残った牛丼をジャックが手を付けようとするが立香がそれを制する
「...不思議な人だったなぁ」
...
次の出勤日、立香はマシュや同僚に清姫の事を説明した
「あいつ、相談したいなら言ってくれればよかったのになぁ」
「そうだな、こんなことしなくても素直に言えばなぁ」
職員達が口々に不満を漏らすが、マシュが写真を見せる...そこには××が話す影で覗く清姫の姿ばかりが移っていた
「えっ、なにこれストーカー?」
「たぶん先輩のときも...」
「全然気付かなかったよ...で、肝心な彼は?」
「お、おはようございます!」
噂をすればなんとやら、立香が××の心配をしてすぐに彼が慌てた様子でやってくる
「おお、ギリギリ遅刻ではないけど遅かったじゃないか、息も切らしてるし」
「ハァハァ...監視されてないか確認しながら乗り物乗り継いだからね...ここまでやれば先回りされないはずだ」
「え?先回り?」
「いやいや、こっちのは」
××が椅子を出すと、机の下には丸まった清姫の姿が
「えっ」
「好き!!!(挨拶)」
「ぅゎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
END