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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 209ページ)
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奏
「今から言うことは少し縁起が悪いと思いますが‥‥我慢して聞いてくれますか?」
或人
「‥‥‥はい」
奏
「このまま行くと、貴方とzaiaの対決は‥‥‥こちらが勝利することが確定します」
奏
「あの社長の言葉を借りるなら、1000%の確率で私はお姉ちゃんに‥‥‥響に勝ちます」
或人
「どうして分かるの?」
奏
「こんな事を自分で言うのも何ですが、昔から私はお姉ちゃんよりよく出来てきました」
奏
「知能や運動神経は勿論、あらゆる分野で‥‥‥‥子供の頃からあまり練習をしなくても普通の人より出来るのが私だったんです」
イズ
「それは人間で言うところの【天才】というものですか?」
奏
「貴方から言わせればそうなります」
奏
「お姉ちゃんは私を愛してくれてると思います、ですがその反面‥‥‥憎んでもいるでしょう」
奏
「私は特別努力をしなくてもなんでも出来て、お姉ちゃんは沢山努力をしても私より劣っていました」
ヒビク
「社長、彼女の言っていることは事実です」
ヒビク
「私が計測した合唱力は奏様の方が上であると言えるでしょう」
或人
「‥‥‥‥‥じゃあなんでギタリストに」
奏
「お姉ちゃんは負けることが死ぬよりずっと嫌いです、なんでも負けたくない性格なのです」
イズ
「ですが響様には、あらゆる分野で自分の上を行く妹がいる」
ヒビク
「彼女も才能がないというわけではないのですが‥‥‥」
或人
「まぁ、超高校級だからね」
奏
「それはお姉ちゃんの努力の成果なんです」
奏
「負けることがイヤなお姉ちゃんは、負けない為に血のにじむような努力をしてきたんです」
ヒビク
「事情が少しわかってきました」
ヒビク
「メロディーリズムのポップな曲調は響様が好む傾向にあるものです、奏様はあくまでサブにすぎません」
或人
「曲調が変わることで2人がメインになって、才能の違いをありありと見せつけられるのを恐れて‥‥‥?」
奏
「ソロ勝負の発端はそんな所‥‥‥かもしれません」
ヒビク
「ならば何故、その勝負をわざと負けて欲しいと?勝てるとわかっているのに」
奏
「私はお姉ちゃんに愛されたいんです、でもこの才能が‥‥‥邪魔をしてしまう」
奏
「だからある時から、私は『わざと』お姉ちゃんに負けることにしたのです」
奏
「何をするにもお姉ちゃんの意見を優先しましたし、メロディーリズムの件も‥‥‥」
或人
「だからギタリストに?」
奏
「はい、そちらも命運が掛かっていることは何となく分かるのですが…………」
奏
「お姉ちゃん…………響の為にどうか負けてくれませんか?」
或人
「………………」
イズ
「或人社長、どうするつもりで?」
ヒビク
「…………分かりません、どうして、そんな結論に至るのか」
奏
「ヒューマギアにはきっと分かりませんよ」
奏
「自分が誰かより優れているとか、劣っているとか………考えない限りは」
或人
「どうしてそこまで…………」
奏
「私はお姉ちゃんを……響を愛しているからです、どんなに言われようが私だけの大切な存在なんです」
奏
「響はいつもああですが、とても打たれ弱くて………予想外のことが起きるとすぐ弱って私を頼ります」
奏
「その時の響はとっても可愛くて愛おしい存在なんです、私が守ってあげなければならない存在です」
或人
「………だったら」
或人
「響さんを説得するしかないよな」