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*79*
アルセウス
「.....」
ハプウ
「さっぱり分からんぞ!!1から説明しろ!!」
ミルラ
「アルセウスさん、下でティーさんがどうなっているか、確認できませんか?」
アルセウス
「良いだろう」
アルセウスは氷から水晶を作り、そこにティー達を映し出す...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キリマ
「.....」
????
「キューーッ!!」
ヒカル
「聞いていい?」
キリマ
「はい」
ヒカル
「何のために生きているの?」
キリマ
「分かりません」
ヒカル
「だよね」
キリマ
「私は、ボス...ブルーマ兄さんに従うしかないんです、飽きたら捨てられるんですから」
ヒカル
「捨てたりとかするの」
キリマ
「はい、彼はただ集めるのが好きではないんです」
ヒカル
「というと?」
キリマ
「彼は...」
????
「キュッキューッ!!」
キリマ
「...どうしたの?」
小さなポケモンがキリマを呼ぶ...その先にはゴルバットに追いかけられるティーが
ティー
「うわーっちょちょちょ...あ、二人ともいた!!」
システマー
【あ、あの...これなんとかしてください!】
キリマ
「な、なんとか...と言われましても、私にはもうポケモンが...」
ティー
「ヒカル!ライボルトを出せ!!」
ヒカル
「なんで?」
ティー
「なんでじゃねーよ!なんとかして!!」
キリマ
「..あ、そうだ...げんしのちから」
????
「キューーッ!!」
ポケモンが岩石でゴルバットの群れを蹴散らしていく
ティー
「た、助かった...おいヒカル!なんでポケモンを出さない!」
ヒカル
「どうでもいいもん、ポケモンなんて...」
ティー
「...はぁ、だろうな」
システマー
【大丈夫ですか?今メディカルキットを用意しますので】
キリマ
「ええ...ううっ」
????
「キュッキュッ...」
ティー
「こいつは...ポケモンの子供!?」
カノン
「ポケモンの子供かぁー、初めて見たなー」
ティー
「まぁポケモンだって年は取るからな...に、しても珍しいポケモンだ、これもブルーマが?」
キリマ
「彼は関係ありません...私が見つけたんです...その、可愛くて」
ティー
「まあ、別にいいよ...こいつもお前になついてるみたいだし」
????
「キュッキュッ」
キリマ
「ふふふ...」
システマー
【これでどうにか立てるようになりましたよ】
キリマ
「ありがとう...」
ヒカル
「.....」
カノン
「ヒカル君は何ともないみたいだよー」
ヒカル
「それで、続きを言って」
ティー
「続き?」
ヒカル
「何のために生きてるのって」
キリマ
「ブルーマ兄さんはコレクションが好きなんじゃないの」
ティー
「兄さんって...お前ら兄妹かよ」
キリマ
「本当の兄妹でもないけど...」
キリマ
「兄さんは【集める】のではなく【奪う】のが好き」
キリマ
「あの人は物を集めるんじゃなくて、物を無理矢理奪い取って傷付く顔を見たいだけです」
キリマ
「ブルーマ自身は気付いていないけど」
カノン
「...なんで言い切れるの?」
キリマ
「簡単なことです」
『兄さんは妹がほしかった』
『妹というものを【奪いたい】為に私の全部を壊したから』
キリマ
「何もない私の支えがこの小さなポケモン」
キリマ
「たまたま拾っただけだけど、絶対にブルーマには見られたくない」
キリマ
「もし気付かれたら私を殺してでもこの子を手にいれるのがブルーマという男」
キリマ
「せめて、この子だけは...」
ティー
「キリマ...だったか、何だかお前も哀れな奴だよ」
カノン
「...なんだか、キリマってキュレムみたいだねー」
キリマ
「...私が、キュレム?」
カノン
「うん、知ってるー?キュレムって元々あんな姿じゃないんだよー」
システマー
【そうなのですか?】
ティー
「あ、ああ...キュレムはな、とあるポケモンが理想と真実を司る二つのポケモンを分離したときの余り物...『虚無』を司るポケモンだと言われているんだ」
カノン
「空っぽのまま、自分を埋めてくれる物を探している...ほら、なんか心当たりあるんじゃない?」
ヒカル
「うん」
ティー
「お前じゃねーよ」
キリマ
「...そうかもしれない」
????
「キュッキュッ!」
ティー
「...さて!どうにか自分達も上へと上がらないとな」
システマー
【昇ることは出来ませんが、一体何を?】
ティー
「居場所を伝えることは出来るだろう!狼煙を上げてくれ!」
システマー
【了解!遭難用狼煙機能を起動します!】
ティー
「...ま、アルセウスの事だから自分達の声は聞こえてるんだろうけどな」