コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ある日の放課後の魔科学 更新再開っ
- 日時: 2011/03/17 13:51
- 名前: 遮犬 (ID: Q2XZsHfr)
クリックありがとうございますw遮犬と申しますw
えーとコメディではー…2作目、ですかねwシリアスは見て見ぬふりをしておきましょうw
さてさて…今回は非日常コメディファンタジーでございますw
とか言っておいて思いっきり学園モノとか入ってもいいじゃない!萌えキャラいたっていいじゃない!
そんな願望の物語ですけどもw立ち読み程度にどうぞb
…つきまして注意事項…
・亀更新とか、ないな(笑)という方はご遠慮をw
・遮犬の小説を見ているとアレルギー反応が(笑)という方はご遠慮をwてかいっそ苦しみなさい(ぇ
・ファンタジーとか言ってるけどコメディ学園入ってるじゃん(笑)っていう人もご遠慮をw
・多少スパイシーシリアスとか入ってますけど…何か?(殴(蹴
作品イメージソング【】…
ヒロイン的イメージソング【WORLD'S END UMBRELLA】…>>31
〜目次〜
プロローグ…>>1
第1話:ある日の放課後の雇われ救世主
♯1>>7 ♯2>>8 ♯3>>9 ♯4>>10 ♯5>>15
第2話:ある日の放課後の憂鬱
♯1>>16 ♯2>>17 ♯3>>18 ♯4>>19 ♯5>>20
第3話:ある日の放課後の白き小さな王女
♯1>>21 ♯2>>29 ♯3>>30 ♯4>>35 ♯5>>36 EX…>>38
第4話:ある日の放課後の銀髪王子
♯1>>37 ♯2>>41 ♯3>>42 ♯4>>44 ♯5>>45 EX…>>46
第5話:ある日の放課後の学園非日常
♯1>>49 ♯2>>50 ♯3>>51 ♯4>>52 ♯5>>55
第6話:ある日の放課後の休日今日この頃
♯1>>56 ♯2>>60 ♯3>>62
〜【キャラクターデザイン担当】〜
〜【お客様方】〜
月鈴さん
むーみんさん
真珠さん
夜兎〆さん
ハッチしゃnさん
優舞さん(凛さん)
陽風さん
玖織さん
瑠乃さん
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- Re: ある日の放課後の魔科学 ( No.53 )
- 日時: 2010/12/31 16:45
- 名前: 瑠乃 ◆pNDBzxq/uE (ID: EUGuRcEV)
こんにちわー!
はじめまして、瑠乃っていいます。
小説読みました!
いやあ、一気に夢中になってしまいました(o^^o)
ファンタジー大好きっ子なんで、楽しくかったです〜!!
木葉君の突っ込みはいいですね!テンポよく読める気がしますっ
後ですね、木葉君は熱いものを持ってますね!
白雪ちゃんを助けたところとか、木葉君カッコイイ!!と思いましたー!
魔科学ってまったく別の物同士(科学と魔術)が混じっているじゃないですか、
だから新しくてよかったですー
とても面白いので、次のお話も早く読みたいです(*-o-*)
では、これにて失礼します!
- Re: ある日の放課後の魔科学 ( No.54 )
- 日時: 2010/12/31 23:50
- 名前: 遮犬 ◆ZdfFLHq5Yk (ID: fREd0x4b)
>>瑠乃さん
あ、こんにちはですーwはじめましてっ!w
お読みいただき、ありがとうございますw
ファンタジー大好きですか?w自分も好きなのですが学園とかも好きでして…w
それなら混ぜてしまおうとこのような形にwファンタジーと学園が半々のものですねーw
木葉のキャラがないとこの話のテンポが失われますなwあのツッコミが本当、貴重な宝ですね…w
あーw基本面倒臭がりの設定なんですけどねw感情的になることはたびたびにありますかねw
熱血とはいえない、奥に熱いものは秘めたやる時はやるキャラ、ですかねぇw
科学と魔術の配合点についても、現実と異世界が混ざるということとかで、合体させましたw
面白いと言っていただいてとても嬉しいですwありがとうございますw
現実と異世界が混ざって色々とゴッチャになったりややこしいところが多くなると思いますが
なにとぞ宜しくお願いいたします><;コメントありがとうございましたーっ!w
- Re: ある日の放課後の魔科学 ( No.55 )
- 日時: 2011/03/17 17:28
- 名前: 遮犬 ◆ZdfFLHq5Yk (ID: Q2XZsHfr)
「ただいまー……」
俺の気だるそうな声が6畳の部屋、つまり俺のマイルームに響く。
部屋は散らかり、他人が見るとまず最初に出るであろう言葉は汚いということは容易に考えられる。
そしてまたそれと同時に面倒臭がりな男の一人暮らし感満載だといっても過言ではない。
「お邪魔しまーすっ!」
元気の良い挨拶が俺の後に続く。
「うわっ、汚い……ちゃんと掃除しときなさいよ」
何とも無愛想な挨拶でもない罵倒が元気の良い挨拶の次に続く。
「僕もお邪魔します。やっぱり大変そうですね……一人暮らしは」
僕っ娘な可愛らしい声が罵倒の言葉の次に続く。
「お邪魔するわねー。あーやっぱり一人暮らしって大変そうねぇ」
僕っ娘な可愛らしい声の次に近所のおばさんのような口調をかましている声が続く。
「お邪魔するよー。きっといい部屋なんだろうなぁ」
近所のおばさんのような口調の次に部屋を目の前にして言う言葉ではない声が続く。
ていうかだな……。
「まだ入ってきたらダメって言ったでしょうがっ!」
「「え? 言ったっけ?」」
「来る前に何度も言ったよっ!! 10回ほど言ったよっ! 片付けるからまだ入らないでって!」
そんな俺の声などまるで無視して中に入り込む一同。
「客人を外で待たせるなんて外道のすることよ」
瀬菜がそんなことを言いながら勝手に座り込む。
「当然のことだったんだから仕方ないだろっ! だから日を改めようって言ったんだっ!」
「うるさいわね、この外道」
「外で待たせてないよねぇっ!? 外道って言われる理屈はいずこにっ!?」
「はいはいっ! せっかくの歓迎会なのにケンカしなーい」
俺と瀬菜が言い合っていたらまた拍手が二度ほど聞こえた後に朔夜さんが沈めた。
とは言っても俺の人権というものをことごとく無視するからな、この娘。
「でも狭いなー。木葉君ボンボンかと思ってたのに」
「なわきゃないですよっ! 一人暮らしでアパートで学生っていったらこんなもんでしょうっ!」
「まあまあ落ち着いてー。とりあえず酒飲もうか、皆」
と、白犬先輩が酒をどこからか取り出す。無論俺の家に酒などない。
「どこから取り出したですかっ! てか100%酒じゃないですかっ! 未成年で飲んだらダメでしょ!」
「はは、当たり前じゃないかー。冗談だよ、木葉君」
ぐっ……とてもムカつくことこのうえない。
俺が握り拳を作って怒りのあまりに震えていたら横からトントンと肩を叩かれた。
見るとそこにいたのは真っ赤な顔をした白雪。
「えへへ、木葉の家は狭いですけどいいですね」
ちょっと待て。白雪の顔が真っ赤だし、酒臭いんだが……。
「おま、まさか……?」
手に持っているどこから見つけ出したのかコップが握られてある。その中には半透明の液体……。
そこから漂う匂いは間違いなく酒の匂いだった。
「白犬先輩っ! 何飲ませてんすかっ!」
「え? あぁ! ジュースと間違えちゃったみたいだね」
「間違えるも何もジュースなんておいてないんですけどっ!?」
何故ジュースという未成年のためにあるともいえる美味しい飲み物ではなく、酒を持ってきたのか。
「あ、安心してください。僕がちゃんとジュース持ってきてますから」
「おぉっ! ナイスっ! 伊集院!」
伊集院の何ともファインプレーだと思えるジュースを手に取る。
「……ちょっと待てええええッ! これチューハイじゃねぇかっ!!」
見るとラベルにはしっかりと酒の有名メーカーと宣伝見たことあるチューハイの名前が記されていた。
「あ、アルコールとか全然ないんでジュースと変わらないです」
「そういう問題かっ!? でも少量はあるんだろ!?」
「無礼講、無礼講」
もう何を言っても無駄のようで伊集院もグビグビとチューハイを飲む。
「私、酔ってきちゃった……」
突如として瀬菜が赤い顔をして俺に攻め寄ってきた。いい香りが俺の鼻元にちらつく。
「え、瀬菜……?」
「木葉ーっ!」
「ま、待てっ! 白雪っ!?」
どんどんと俺に詰め寄ってくる二人。
待ってくれ、これは——。
「おーい。木葉くーん、大丈夫?」
「はっ! こ、ここはっ!」
白犬先輩の言葉で目が覚めた場所は俺の家の中。
どうやらこういうことになるだろうなぁという回想に入っていたらしい。
終盤とてつもなく我ながらアホな回想をしていたものだと思った。
どうやら片付けている最中に回想していたみたいで俺は山となっている洗濯物を抱えていた。
それをなんとか隠し終えると玄関まで走っていく。
「もう入っていいよ」
そういうとぞくぞくと中に放課後部メンバー一同が流れるように押しかけてきた。
「うわー汚いわね」
とか予想通りの言葉をくらったことはくらったが回想ほどひどくはない。
「白犬先輩。もしかして酒とか持ってきてないですか?」
俺がそういうと白犬先輩はキョトンとした顔をして
「え? お酒? もってきてないよー。未成年は飲んじゃいけないってきまりだよ?」
と、当たり前のことを言われた。回想通りじゃない……これは喜ぶべきなんだろうな、うん。
一同は俺の部屋にあがりこんだかと思えば狭くてもとりあえず一人一人座った。
「で、なんで俺の家で歓迎会なんすか」
俺の言葉に白犬先輩がどこから取り出したのかクラッカーを鳴らす。
「っていちいちうるさいですよっ!!」
「はは、僕はクラッカー大好きだからね」
これまた奇妙なものが大好きなことで。白犬先輩っぽいけどな。
「君の家で開いたのは、色々と事情があってね……」
「「事情?」」
俺の言葉の他に瀬菜の声も重なる。俺と瀬菜はつい顔を見合わせてしま——んで俺は殴られると。
「不公平だーッ!!」
「あんたが私の言うことを真似るからでしょっ! バカッ!」
んなこと言われても……直しようがないじゃないか。
「えっとねー……」
と、白犬先輩が言おうとしていたが朔夜さんが横から白犬先輩にチョップした。
いや、もうわけわからんが朔夜さんが口を開いた。どうやら言いたかったことなのだろう。
「白雪を、木葉の家で預かってもらおうと思ってるのよ」
「……えーと? 理解が全く出来ないんですが……?」
いや、まてまてまて。
俺のこの狭い6畳の部屋で白雪を預かる? てか預かるってなんだ。言い方違うくない?
「白雪はね。孤児なのよ」
……え? どういうことだ?
「孤児? それってあれですよね? 親がいない子の……」
瀬菜も驚きを隠せない様子で言った。
そりゃそうだろうな。いきなりこの子孤児なんですとか言われたらビビるきまってる。
その話を平然と聞いてる白雪もどうかとは思うけどな。
「まーつまりね……白雪君には帰る家がないっていうのかな」
白犬先輩が補足をする。孤児ということを突如としてたたきつけられた俺たちは一体どうすれば?
「一人暮らしだし、そもそも杜坂君が呼んだんだから責任取りなさいということで……」
朔夜さんがそう言うが俺は納得が無論できない。
「そうは言われても……俺たちで決めることじゃなくて、白雪に決めさせたほうがいいんじゃないですか?」
その俺の言葉に一同は頷く。
「そうだね。その方が白雪ちゃんのためになるかな」
伊集院がそう微笑しながら言った。
なるほどな。苗字がないというのは孤児という理由があってこそか。
そんなこと、微塵も考えられなかった。何せ異世界にいたときは親がいたんだ。それも王女だったんだぜ?
もしかすると、異世界に居た時から白雪は孤児だったのか……?
「白雪。お前はどっちがいいんだ?」
俺はとりあえず白雪に聞いてみる。
第一、白雪が何故この部を選んだのかの動機すら定かではないというのにこんな勝手に決めるのはおかしだろう。
返事を待つこと数分して白雪は俺の顔をじっと見つめる。
透き通った目だった。綺麗だと感じさせるほどに。
「私は……木葉の迷惑になるので、遠慮しておきます」
そう言っていつの間に出したのかお茶を啜った。
その言葉にとても痛烈なものを感じたのは俺だけか?
「まあ……食費とかも難しくなるかもしれないしね……」
白犬先輩が「ふむ……」と、考える仕草を出す。
いや、でも待て。
俺は白雪を守りたいと思ったんじゃないのか? それは異世界を救うということが最大の目的であったけど
実際のところは白雪を守るということは真の目的だったんじゃないのか?
——「姫様を頼みましたぞ、木葉殿」
突如としてエルゲート将軍の言葉が思い出される。
白雪の顔を見ると、その顔はどこか不安がっている顔のように感じた。
はぁ……俺はなんて約束をしちまったんだろうと心の中で思う。
だが、その約束をしたことについて後悔はしない。ただ、大きすぎる約束だと思ったからだった。
「待ってくれ」
俺の言葉に一同は俺に振り向く。
「別に構わないよ。白雪を預かる……っていう言い方はおかしいけど、大丈夫だ」
と、言った。別に言う必要はなかったのに。あの約束は異世界までだというのに。
俺は現実のこの白雪を守ってこそが本当に守るべきものなのかと思った。だから言ってしまったんだ。
「え、でも……」
白雪が戸惑いというより、あたふたと動揺した仕草をする。
「木葉君なら言ってくれると思ったよ」
とかなんとか本当かと疑いたくなるようなことを白犬先輩は言った。
「給料はずむからね、安心して」
「そうしてくれるとありがたいんですがまだ給料もらったことないのでなんともいえないですよ」
と、返してやった。
「あの……いいんですか?」
白雪が俺の表情を伺うかのようにして言った。
このまま孤児院かどこかに預けるぐらいならば俺が預かってやろうじゃないかと思った。
「あぁ、大丈夫だよ」
すると白雪は華やかな笑顔を見せた。
預かる期間はとりあえず白雪が自分の家を見つけるまでのこと。つまりまあ、アパート探しということか。
(でもなぁ……)
そうは言っても他に色々と気になることがあった。
そんな木葉の気持ちなどとは裏腹に瀬菜は一人、とても複雑な思いのままでいた。
- Re: ある日の放課後の魔科学 第5話完! ( No.56 )
- 日時: 2011/01/03 23:30
- 名前: 遮犬 ◆ZdfFLHq5Yk (ID: zWHuaqmK)
「ん……」
今日は久々にグッドモーニングだ。
それは足がつって起きたのではなく、普通に起きれたからである。
これはもうグッドと呼ばずしてなんと呼ぶか。
時計を見るとまだ針は余裕の時刻を差していた。
「さってと……用意しない……と?」
ぷに。
何かがが俺の腕の方に当たったな。それも柔らかい……。
「すー……すー……」
何故だか寝息も聞こえる。うーん……?
ゆっくりと俺はその寝息の立つ音の方へと目を向けてみるとそこにいたのは。
白き可愛らしい幼女ともいえる美少女、白雪の姿。そして腕についてあるのは白雪の赤く綺麗な頬っぺた。
「……あのー? 白雪、さん?」
気持ちよさそうに俺の腕に抱きつきながら寝ている白雪を見ると心安らぐってものだが……。
いや、ちょっと待てええええッ!! これはいかんだろっ! なんていうか放送禁止だろっ!
「ちょ、どうして白雪さんと俺は大分離れて寝ていたというのにここまで来てらして!?」
ちゃんと区切りをつけてまで俺と白雪の接触を断固して拒んだのは瀬菜である。
「いいっ!? 変なこと、白雪にするんじゃないわよっ!? 朝見にくるからね!? してた場合は……!」
とか、死亡フラグ立ちまくりなこと言われてたような……。
ピンポーン。
そんなとき、俺の思考回路をすべて遮断させるかのように鳴り響くインターホン。
(ひ、ひぇぇ〜〜〜〜ッ!!)
「ちょっと、来たわよっ! あけなさいよっ!」
「ま、まだこんな時間帯なのに来ますかねぇっ!?」
俺の焦りの声がどうやらインターホンに届いたらしく「何? ……ちょっと! あけろっ!!」と、ドアを叩く始末。
完全に勘違いか何かされてませんか? 俺。
「お、おいっ! 白雪! まずいって! これ見られたらまずいって! 起きろぉぉっ!!」
「ん、ん〜……木葉、うるさいよー」
可愛らしく唸りながら目を瞑ったままの状態で俺に言う白雪。
いや、そんな萌えはいらねぇんだよっ! 今はほら! ドア前で魔王が……!
「これ見られたらまずいって……! それどういうことよっ! 覚悟しなさい! 木葉ぁっ!!」
「か、勘違いですってっ!! 俺は何もしてねぇよっ!」
「してないなら早くあけなさいよっ!!」
朝っぱらだというのに近所迷惑という四字を知らんのかあいつはっ!
「白雪っ! 頼むから起きてくれっ! 何でもするからっ!」
「……何でも?」
いや、まて。どうしてそこに食いつくよ?
白雪は俺の言葉を聞いたとなるとすぐさま飛び起きた。
「約束ですからね?」
「え? いや、何をだ?」
白雪は小悪魔じみた顔で笑うとパタパタと可愛らしく騒がしいドアまで駆け寄るとカギを開けた。
そして即座にドアが開く。俺のいる位置からでも見えたのは魔王の怒りの片鱗である顔だった。
真っ赤になって魔王たる風格を醸し出している。
「木葉ぁぁぁぁっ!! ……って、あれ? 白雪!? 大丈夫?」
何が大丈夫だ。俺の心中は大丈夫ではないんだがな。
「何もされなかったですよー」
「人聞きの悪いことを……」
俺が一人ぶつぶつと呟いていたら瀬菜が睨みを利かせて俺を見てくる。怖すぎる……。
「まあいいわ……お腹もすいたし、ご飯でも作りましょう」
俺は瀬菜の言葉に驚く。
「ちょ、待った! お前もしかして飯食ってきてないのか?」
靴を脱いで家の中に入ってくる瀬菜を見ながら俺は言った。
無愛想な顔つきで瀬菜は口を開く。
「そうよ。文句あんの?」
「いや、文句あるとかじゃなくてだな……」
俺は食費が、と言おうとしたところで声を押しとどめる。
とつてもなくかっこ悪い気がするし、同級生にそんなことを言っても無駄だと思ったからでもある。
「材料ならあるから」
と、後ろ手に膨らんだスーパー袋を持ち上げて見せてきた。
「わざわざ買ってきたのか?」
「は? んなわけないでしょ? 昨日あまり作らなかったからその材料の残りよ」
瀬菜は顔を少々紅潮させながら言いつつ、狭すぎるキッチンに袋を置いた。
いや、どう見ても朝市で買ってきたとしかいえないような新鮮味のある食材につい苦笑してしまう。
「な、何よ!」
「いや、なんでもない。俺も手伝うよ」
俺は立ち上がって瀬菜の手伝いをしようと近づいていくと、右手の平を見せ付けられる。
「あんたは来なくていい。私だけで料理する」
「え? いや、二人の方が早いしきっと美味しいものが……」
「いいからっ! あんたと白雪は座ってなさいっ!」
何故だか切れる瀬菜。血糖値高いんじゃないのか? そんなこと言ったらただじゃすまないから思うこともやめるけども。
そうして俺と白雪は言われたとおりに座って待つことにした。
その間、何もやることがないので洗濯物をとりあえず干したりしようと立ち上がる。
「何をするんですか? 木葉」
この口調のおかしいのは白雪特有だな。だけどまたこれがいいと思うんだけどな……いや、待て、何か俺おかしいな、最近。
「洗濯物を干すんだよ。手伝ってくれるのか?」
「はいっ!」
即答の笑顔で頷いてくれる白雪。結構洗濯物を干したりするのは腰にきて面倒なんだよな……。
横から少し不器用でも丁寧に洗濯を渡してくれる白雪の存在は腰に優しかった。
「熱っ!」
その最中、後ろのキッチンで瀬菜が思い切りよく火傷まがいなことをしていた。
「大丈夫か?」
俺が近寄ろうとするとまた右手のひらを見せられる。どうやらこれ、近づくなってことみたいだ。
しかし、瀬菜の表情はいつになく涙目でとても女の子らしいといったらあれだが、か弱くみえた。
本当に痛いのだろう。火傷した部分を必死で隠そうと手で覆っている。
「見せてみろよ」
俺は瀬菜の右手のひらを左手で遮ると近づく。どうやら瀬菜も堪忍したようで何も抵抗はしてこなかった。
「うわ……本当、痛そうだな。冷やさないと」
俺はせっせと氷を用意して白雪にビニールの袋を取ってもらうように指示し、氷を袋の中に入れてそれを火傷の上に乗せる。
「〜〜〜〜ッ!!」
どうやら相当痛いようで足をジタバタさせている。
こんな一面もあるんだなぁとか思いつつも相手は女の子ということもあり、俺は出来るだけ丁寧に処置を行った。
「よし、このまま押さえてろよ?」
俺がそう言っても瀬菜はケガを見つめるばかりで頷きもしない。
その時だった。
ジュ〜〜っと焦げ臭い匂いと共に焼ける音が聞こえる。
「木葉っ! ご飯がっ!」
白雪がキッチンの方を指さす。
「やべ……っ! 火、消すの忘れてた!」
俺は急いでキッチンへ駆け寄り、火を消した。
「あー……黒コゲだな……」
フライパンにあるものはもはや食えるものではなかった。
「ふう……しょうがねぇな……」
俺は余った食材で適当にメニューを決める。
その食材たちは俺の生活費では到底買えないような代物ばかり。腕によりをかけて作ろうと準備に取り掛かった。
「ほらよ」
俺は次々とテーブルの上に料理を置いていく。少し張り切りすぎたとも思ったが久々に腕が鳴ったから仕方ないこともあるだろう。
「朝ご飯なのにこんな食べれないわよ……」
まだ少し涙目の瀬菜がボソリと呟く。
かなりの量の料理が所狭しと小さなテーブルにある。とても朝飯という量ではない。
時間はさほどかかっていないのは俺の時間短縮術のたわものだろうな。
「まあ、食べてくれよ。結構頑張ったからさ」
俺はそういいながら瀬菜に勧める。白雪は言わなくてもバクバクと美味しそうに食べていた。だが上品である。
「美味しいですー! とっても美味しいですー! 瀬菜様! 食べないと損だと思いますですー!」
白雪ってこんな喋るような奴だったかと思いながら瀬菜の顔を見る。
そして瀬菜だけ様付けでなんで俺は呼びつけ?
「ん……じゃあ少しだけ」
すると瀬菜は近くにあったスープを一口飲んだ。
鬱な表情はだんだんと和らいでいき、それは驚愕の表情となった。
「美味しい……!」
「だろ?」
俺は笑顔で返してみる。
こういう時に母と姉の一人でも生きていけるようにということでの料理特訓は使えるもんだなぁ……。
「あ、でも結構やばいな……! 早く食べろっ! 食べろっ! ……てか俺何の用意もしてねぇよっ!」
俺は慌ただしく動き始めた。何の用意もしてなく、学校があることすらも料理中は忘れていた。
「何言ってるの? 今日は休日じゃない」
「……え?」
瀬菜の言葉に首を傾げる。
そういえば今日は何か記念日がどうたらこうたらで……。
「創立記念日ね」
「あぁ、そうだったな……」
力がだんだんと抜けていってへたりこんでしまった。
「え、じゃあお前は何しにきたんだ?」
瀬菜を見ながら言う。すると呆れた顔をされて即答された。
「部活動は休みの日にもあるものよ。ただし午後からだけどね」
「あぁ……なるほど」
俺は妙に納得点が不自然だと思いつつも納得しとくことにした。
「でも用意しなさいね、二人とも」
「え?」「へ?」
俺と白雪の呆けた声が同時に出る。
瀬菜は人差し指をさして先ほどの涙顔とは打って変わって自信満々に言った。
「買い物に行くのよ」
「買い物ぉ?」
何か色々と面倒なことに巻き込まれそうな気がとんでもないほど俺の五感に当たったんだが気のせいだろうか?
——そして、俺の見てないところで瀬菜はさりげに笑顔を見せた気がしたことも
これも、気のせいだろうか?
- Re: ある日の放課後の魔科学 第6話スタート ( No.57 )
- 日時: 2011/01/09 20:23
- 名前: 瑠乃 ◆pNDBzxq/uE (ID: xNEWqzJN)
こんばんわー!
5話完おめでとうございます!
6話も楽しみにしているんで、ファイト!です(o・u・o)
6-1では瀬菜ちゃんのちょっと可愛い面が見られて感激です!
ツンツンの瀬菜ちゃんも好きですが・・・・・・、こういうギャップの面も大好きです!
買い物・・・何買うんですかねー?、・・・気になります。
では、また遊びにきたいと思いますー(*´∀`*)
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