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【第五章更新!】古本少女!【コメント返信遅くなります><!】
日時: 2012/03/11 21:36
名前: 月読 愛# (ID: 1/l/Iy6H)

月読 愛(つきどく こう)
といいますわ。

『古本少女』もいよいよクライマックス突入ですわぉ!
残りあとわずか(の予定)、頑張りますわ。


……何はともあれ、クリックしてくださった方々に感謝の塊を届けたい勢いです。
頑張ります。

これからも温かい目で見守ってやって下さいねω

少しでも多くの方に見ていただけるよう、
頑張っていますので、
是非、コメントやアドバイス、意見、要望などあれば
どんどんお願いします!
勿論、お客様が書いてらっしゃる小説の宣伝でもかまいませんわ。

ただ……誹謗中傷はやめて下さいね☆



大切なお客様っ▼

ポテトチップス様、芽璃様、まにゃ様、黎様、
魅音様、チョゴリ様、miku(≧ω≦)様、
盾椅 神南様、ハイリ様、アキラ様、らるか様
黒兎様、コウタ様、ヒマワリ様、紗夢羅様、レキ様
翔亜様、だいこん大魔法様、仁都様、風猫(元;風様、鴉咲様
インク切れボールペン様




ありがとうございます☆
これからもよろしくですわ(ω)/


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Re: 古本少女! ( No.58 )
日時: 2011/03/22 21:05
名前: 月読 愛 ◆o9WCM38pVQ (ID: OJbG5PHc)


チョゴリ様!
感謝です、ありがとうございます☆!

見にいきますねぇ(=ω=●)

Re: 古本少女! ( No.59 )
日時: 2011/03/22 22:07
名前: 月読 愛 ◆o9WCM38pVQ (ID: OJbG5PHc)


「……湊……」
バレないと思っていたらしいが、今回は限界だ。
 僕の母は父が死んだのと同時に愛人をつくってこの家と、僕を捨てた。
 以前にも同じようなことがあったのだ。
 中学生のとき、僕は誰もいない家に帰ってきた。
見覚えのあるハイヒールが置いてあった。
その頃の僕は今よりもっと素直で、純粋な性格だったからかもしれない。
今すぐにでも母の元へ駆け出して「おかえり!」
って言いたい。
でも、今はダメな気がする。いや、これから先、ずっと……
 そんな感情が僕をその場から動かさなかった。
さらにそんな出来事はないかのように胸にしまっておいた。
あの時に思いっきり言ってればよかったのかもしれない。
「もうここはあんたの来る場所じゃない」って。
今頃後悔しても再びおきてしまったことは仕方がない。
僕にも責任はあるのかもしれない。
でも……だからといって、いやだからこそ、今回は言わなければならない、実の母に、面と向かって。
「何やってんの?」
母さんはおどおどしていて、戸惑っていたが、この空気に耐え切れなくなったらしい。
その場に情けなく崩れ、弱弱しい声で僕に尋ねるのだ。
「どう?最近学校は、楽しい?」
「……」
「勉強ははかどってる? 高校も合格したし、とりあえず安心ね」
「……」
「あ、ののかちゃんはどう?最近は家に来ないのね」
「……」
「もしかしてけん……」
「いい加減にしてくれよ!」
「……」
「僕の前から勝手に消えたくせに、なんでこんなことするんだよ!」
「違うの、これは……」
「知らないよ!……今回だけじゃない。僕は知ってるよ、母さん何回か同じことしてたよね」
「それは……」
「いいよ。今回も許すよ」
「! みな……」
「でも!もう僕の前に二度と現れないでくれ! どうしてこんなことばっかりするんだよ。意味が分からないよ」
「みな……」
「迷惑なんだ! どこから情報を入手したかしらないけど、やめてくれよ、そういうの!困るんだ!」
なんて僕は子供なんだ。
「迷惑なんだ!」
言っても仕方がないのに。
「新しい家族だっているくせに」
止まらないんだ。
「僕を巻き込まないでくれええええええ!」
 涙が止まらなかった。流れるのを止めようともしなかった。
自分でも分からないけど、自然と流れた。
でも、一つだけ分かったことがある。
それは———

 人間なんて所詮こんなものなんだ

ってことだ。

儚くて、もろくて、でも頑張ってて、
どうにかしてでもすがりたい、優しくされたい、
そしてあの人のように孤独を抱え、ついには見放される。
様々な感情が交錯する。

 本当に僕はついてない人間さ。
 平凡重視の凡人だ。

 ……あいつにあってから、もっと運が減った気がする。
別に罪を擦り付けたりはしない。でも……
今だけは無性にそうしたい気分だった。

 夜の街灯に照らされた誰かの人影がカーテンに映った。
僕は明かりもつけずにその影を見ていた。

そうか……あいつはこんな感情も察知してくれるのか。
ならいっそ、僕ごと捧げてしまおうか?
それもいいかもしれない。

「なんだか今日は興奮する……」

僕はそのままベッドにも潜らず、床に寝転び、静かな時計の針の音だけの世界で、なんともいえない心地に堕ちる。

 


「今日はさすがに来なかったか。用はないようだな」
一人の少女が暗い道でつぶやく。
(しかし……)
彼女は恐怖を感じていた。
「藍川 湊……心だけは壊れないでくれよ……。
もし……もし壊れてしまったら!うっ」
頭がうずく。呼吸も荒く、うまく出来ない。
「くっ」
足がバランスを崩し、大きく倒れこんだ。
ヤバっ!
「無理しすぎ」
「!」
優しい声の男性が視界に映る。
(誰?)
そんなことを考えている余裕もなく、完全に少女は気を失った。
「よく眠るがいい。後は俺に任せろ」
男はある一軒の家を見つめる。
その瞳は冷酷ともいえるほど青白く、しかし綺麗であった。
(藍川 湊……今からこんな調子じゃ……ダメかもしれないな。)

「期待はずれってとこか」
男は軽々少女を抱え、あの場所へと歩みを進めるのだった。
「そう思わねぇか?……古本少女さんよぉ」



Re: 古本少女! ( No.60 )
日時: 2011/03/22 22:26
名前: 月読 愛 ◆o9WCM38pVQ (ID: OJbG5PHc)


第三章突入ですぅ☆
はうっ

Re: 古本少女! ( No.61 )
日時: 2011/03/23 20:35
名前: 月読 愛 ◆o9WCM38pVQ (ID: OJbG5PHc)


シリアス・ダークのほうから初めて
短編のほうなんだけど、コメいただきましてぇ!
にゅう〜〜〜テンション上がっちゃうっ*

Re: 古本少女! ( No.62 )
日時: 2011/07/06 00:25
名前: 月読 愛 ◆o9WCM38pVQ (ID: akJ4B8EN)

第三章

 僕は次の日学校を休んだ。
どうしても行けなかった。こんな気持ちのままじゃ、授業だって無駄なだけだ。ならば行く意味なんてない。こんな感じだ。
 あの後、母さんは嗚咽をもらしつつ靴も履かずに、自分の家庭に帰っていった。
 玄関に立ちすくむ。そこにあるビビットの見慣れたヒールを見下ろす。
「これ、どうすんだよ……」
僕には一生必要のないそれを持ち上げ、今日捨てるはずだったゴミ袋へとぶち込む。
 僕の靴しかない玄関。三年前までは三人の靴がそこにはあったんだ。
そう思うと、一層あの人への憎悪間が深まった。
でも、今そんなことを考えていたって仕方がない。
僕は居間に戻った。
 テレビを見ても、雑誌を広げてみても、音楽も、勉強も、何もかも無意味に思えて、自分になにも利益なんかないんじゃないか
とまで思い始めた。
どうして僕はこんなになってしまったのだろう……


 気分転換にはここしかない。
そう、あの場所だ。
僕は大きな木のそばに座った。
そしたらだんだん睡魔が襲ってきて、僕はあっという間に眠りにおちた。


 気がつけば、そこはいつもの野ばかりで、家など存在しなかった。
(こういう日もあるんだ……)
 初めて彼女に会った日から、一度も担い手の仕事をしなかった日はなかった。
(別にいいけど……)
僕は再び眠ろうとする。
しかし一度目が冴えてしまうとなかなか眠れないのだ。
 僕は仰向けに寝転がり、どんよりとした灰色の空を見上げた。
今にも一雨降りそうな天気だった。
風はさすがにぬるくはあったけれども、僕の心は相変わらず冷たくて。
「みなとぉ〜!」
「うわあっ!」
にこぉ〜と顔を歪ませて僕の顔をのぞいてきた。
「何すんだよ、ののか!」
「それはこっちの台詞よ! 何で今日休んだの? 風邪だったらどうしようって悩んでたらこんなところにいたから、きっと違うのよね?」
僕は言葉に詰まってしまう。でも、ののかには話すべきなのかもしれない。
 僕は昨日の母とのことを話した。ののかに古本少女の話はできないからな。
「そうなんだ……」
どこか残念そうに彼女は俯いた。
「でもさ……湊はそれでいいの?」
「へ……?」
「お母さんきっと今、凄く傷ついてると思う」
「そんなの、ののかに分かるわけ……!」
「あるよ!」
 あまりの勢いに僕は思わず足がよろめいてしまった。
「あるよ! あたしだって、そういうことあるんだから!
いつもヘラヘラしてるんじゃないのよ……ただ、ああでもしてないと、
あんたが……」
「僕が?」
「っ……何でも……ないよ。湊が元気でよかった、安心したよぉ〜!
じゃあ明日は学校来るんだよ〜?金曜日だから一日行けば休みだし!
がんばりましょう!」
去ろうとするののかは足を止めると、僕を見据える。
「あのね、もう一つ……」
「……」
「今日ね、霜月さんも欠席だったの」
「え?」
「それだけ、じゃあね!」
「ちょっと!」
さすが陸上部に勧誘されるだけはある、逃げ足も速い。
 それにしても……
「古本少女……どうしたんだよ?」
というか。
(ののかはなんでここの場所を知ってるんだろう)



 角を曲がったところで、足を止める。
「はぁ……はぁ……」
額の汗を右手でぬぐう。そこには運動のためにかいたものでは
ないものも混じっているのかもしれない。
「あたし、バカじゃないの? あいつにこんな情報教えたって……
自殺未遂じゃない」
 征服のポケットから鏡を取り出す。
自分の顔を映しては見つめる。
「そうよ、この姿なんだから、利用しなきゃもったいないわ」
「これはこれは、お久しぶりね」
「!……古本、少女」
「覚えてていただいて光栄だわ。ふふ、感謝しなきゃね」
「……まだ邪魔をする気?」
「邪魔?失礼ね、邪魔なんていつしたっていうのよ、このあたしが」
「ふん。担い手を殺されたのにヘラヘラしてられるなんて、すばらしい根性ね。もう立ち直れないかと思ったわよ。
今だって新しい担い手に会ったけど……あんなへたれがいいの?
あんたも趣味が変わったわね! あははははははは!」
「うるさいわ」
「あら、そろそろティータイムの時間だわっ。また会いましょう。
see You!」
 彼女は首に下げたスプーンをモチーフにしたネックレスに軽く接吻。
眩しく光が溢れ、姿を消した。
 古本少女はどっと疲れがましていたが、なんとかこらえた。
ずっと目眩が凄い。
「だから、無理すんなって言ったのに」
「……うるさいわね」
 近くの屋根の上から全てをみていた、七島 雄(ななしま ゆう)
は降りてくるなりそう言った。
「さっきのが、三年前の?」
「そう。三年前にあたしと……湊のお父様を殺した、メルヘン童話少女、莉乃(りの)。最悪の相手よ。今は湊の幼馴染の姿を借りてるけど……いいえ、ののかは最初からいない。三年前にあのイカレ女にやられたのよ。あたしが混乱がないように、日常を構成しているだけよ」
「なるほどねぇ〜。でも、仕方がない。古本管理人の仕事が世界の古本回収なんてのは嘘だ。口実にすぎない……。だが、人間の世界を構成するには、こうするしかない」
「分かってるわ。古本っていうのは、本当は罪を犯してしまった人間の過去の履歴」
「そういうことだ」
雄は面白そうに唇をなめる。
「でも、あんたの担い手が今のままじゃ勝てるはずないぜ。また振り出しかもしれねぇ」
「分かってるわ、そんなこと。ねぇ……」
「どうした?」
古本少女は雄の顔も見ずに問う。
「なんで……あたしのところに来てくれたの?」
雄は彼女の頭を軽くなでた。
「そりゃあ、俺はお前の兄貴じゃねえかよ」


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