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- 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】
- 日時: 2013/08/16 05:41
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
初めまして。
シアといいます。
なかなか更新できないと思いますが、コメントをお待ちしております。
目次
プロローグ >>1
登場人物 >>4
用語解説 >>5
第一話 >>6
第二話 >>7
第三話 >>8
第四話 >>9
第五話 >>11 >>12
第六話 >>13 >>18
第七話 >>19 >>22
第八話 >>25 >>30
第九話 >>31 >>35
第十話 >>37 >>42
第十一話 >>43 >>47
第十二話 >>48 >>52
第十三話 >>56 >>57
第十四話 >>60 >>61
第十五話 >>64 >>65
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- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.9 )
- 日時: 2013/06/25 22:56
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
第四話
私は今日、いつもの時間に起きられなかった。
それもこれも、イアルのこっ、告白のせい!!
ちなみに、私は今着替え中だ。
ミラージュもイアルも、部屋には居ない。
身の回りの事は、一通りミラージュに教えてもらったため、家事は得意だ。
今日は、青を基調にしたドレス。
スレンダーラインの、装飾なしの、シンプルなドレス。
「入って来ても構わないわよ」
そう言うと、ミラージュが先に入って来た。
イアルが入りかけたのを、私は止めた。
…………………………今は会いたくない…………………………。
だから私は、無理矢理に、強引に、強く、強調した。
「イアルは、入って、来ないで!!!!!」
イアルは驚いた顔をしていたが、渋々という感じで、部屋から出て行った。
「あの………フィーア皇女陛下?」
私は、椅子に腰掛けた。
そして、口を開いた。
「ミィ」
ミィ。
それは、ミラージュの愛称。
私がミラージュの愛称を呼ぶ時は、ミラージュに今だけは、幼馴染でいて、という合図。
「どうかしたの?フィ。イアルを部屋に入れないなんて。珍しいじゃない」
「そっ…それは………」
私は顔を朱にしながら、口ごもった。
ミラージュは、首を傾げるばかり。
『昨日、イアルとこの部屋で二人きりになった時に告白されたらしい』
「あら、ジルキヴィル」
「なっ、何を言って!!」
『だから今は会いたくないらしい』
「今度はシュヴィル?」
もう割り込んだら、自分が恥ずかしい思いしそうだから、やめる。
『昨夜に眠れないからとかで聞かされたわ』
「次はカーディナル?」
あぁ。
私のプライバシーが壊れていく。
『そんな悩める乙女の相談に乗ってほしいそうよ?ミラージュ』
「イグドラシルだけだね。的を射た事を言ってくれたのは」
もう、駄目だ。
「ジルキヴィル、シュヴィル、カーディナル、イグドラシル」
『『『『何だ?』』』』
「あとで血祭りね?」
私が、思いきり怒気を含んだ声でそう言うと、部屋に居た四天竜達は、開け放っている大きな窓から、飛翔して行った。
「で?どういう事?説明してもらえる?」
「小さい時から好きなんだって言われたの………」
私は、少し間を空けて言葉を紡いだ。
「でも…自分の気持ちが解らないの………。どうしていいのかも解らなくなっちゃって………。だから、さっきはあんな態度を、思わず………」
ミラージュは、私の両手を、自分の両手で包み込んだ。
それは、とても暖かくて。
温もりがあって。
心が、少しずつ落ち着いていく。
「フィ」
そして、綺麗な、澄んだアメジスト色の瞳を、私の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「私には何も言えない。でも………」
ミラージュは、少し間を空けてから、口を開いた。
「貴女の気持ちは貴女のものでしょう?だから、貴女は、あるがままの貴女の気持ちを、イアルに伝えればいいじゃない。貴女の気持ちを、彼は理解してくれる。ありのままの貴女でいる事が、イアルにとって、一番嬉しい事だと、私は思うな」
「あるがままの、私の気持ち…………………………。ありのままの、私…………………………」
そう言い終えた私を見届け、御役御免とでも言うように、ミラージュは部屋から出て行った。
その言葉を呟いた私の心には、今まで、イアルと過ごして来た思い出が、蘇った。
一緒に笑いあった日々。
一緒に喜び合った日々。
一緒に支え合った日々。
一緒に泣きあった日々。
一緒に悲しみあった日々。
イアルと一緒に居た、一つ一つの思い出が、鮮明に蘇って、私は、初めて気づいた。
私がいつも、イアルを見つめていた事に。
私がいつも、イアルを追いかけていた事に。
私がいつも、イアルの喜びを自分の喜びの様に喜んでいた事に。
私がいつも、イアルの悲しみは自分の悲しみの様に悲しんでいた事に。
そして、一番大切な事に、気づいた。
私が、イアルのことを、愛しているという事に。
私が、イアルのことを、慈しんでいるという事に。
「…………………………っ!!」
そして、私は、その事実に、涙を流した。
私はひとしきり泣いた後、ミラージュにイアルを呼びに行かせた。
庭園に、来るように、と。
御察しのとうり、イアルからの告白の返事をする為。
ミラージュの言葉で、私は路(みち)を間違えなかった。
ミラージュに言わなければ、私は、自分の気持ちに、こんなに早く気づく事はなかった。
ありがとう。
本当にありがとう、ミラージュ。
しばらくして、イアルが庭園に来た。
「フィ?」
私は、イアルに背を向けたままだった。
恥ずかしい………。
普通に話しかけれるのがすごい。
一応、褒めてるつもり。
「いっ、一回しか、言わないからね」
「あぁ」
私は、イアルの方に向き直り、頬を朱に染めながら、返事をする。
もしかしたら、一生、気づきたくなかった気持ちかもしれない。
私は、一応皇女で、〈忌まわし姫〉と呼ばれて。
イアルは、セリファス家の跡取り。セリファス家は、有名な大公を進出している名家。私を、受け入れてくれるわけがない。
たとえ、イアルが私を望んだとしても。
けれど、私は、伝えたい。
私の、素直な気持ちを。
「私はね、イル」
イル。
何年ぶりに言ったのだろう。イアルの幼い時に呼んでいた、愛称を。
「私は、イルのことが、好きです」
一言一言、大切な言葉のように、言葉を紡いだ。
イアルは微笑み、私の方に歩みを進めて来た。
そして、私を抱きしめ、耳元で囁いてくる。
「俺も、好きだよ。フィ」
私は、その言葉を聞いて、瞳に涙の雫が溜まって、一粒の涙が頬を伝った。
「………っ!」
知らなかった。
想い合う事が、こんなに嬉しくて、こんなにも溢れ出る気持ちがある事に。
そして、涙が出る程に、嬉しい事に。
「なに泣いてるの?」
私の顔を覗き込んで、そう言った。
「泣いてなんか、ないもの」
涙を拭いながらそう言う私に、イアルは苦笑した。
「でも、周囲には、隠さなきゃいけない。ミラージュはともかく、ね」
私がそう言うと、イアルは、
「なら、会う時は、この庭園で。どう?フィ」
「それでいい。イルに会えるのなら」
「あぁ」
そして、イアルはまた、抱きしめた。
さっきよりも、少し、強い力で。
私は、そんな、イアルの鼓動を聞きながら、イアルの温もりを感じ、この上ない幸せを、感じていたのでした。
- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.11 )
- 日時: 2013/06/25 23:01
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
第五話
あの、嬉しい日の次の日の朝。小鳥達の声で、私は目覚めた。
が、今日は朝からなぜか雨。珍しい事この上ない。
「ミラージュ」
「はい」
「今日、嫌な事が起こる気がする」
「皇女陛下?」
私は言いたい事を言い終えると、ミラージュとの会話を中断させた。
窓から見えるのは、大雨を降らす、雨雲。
この、広い空の下、戦をしているとは、考えたくもない。
そして、私が戦に出るという事も。
すると、部屋の扉が開き、イアルが入って来た。
ノックをせずに入って来た事に、ミラージュは腹を立てていた。
「ねぇ、ノックをしてよ。急に入って来られたら迷惑なのよ」
「ノックぐらい、いいじゃないか。気にする事でもないだろ」
「ここは貴方の部屋じゃないわ。皇女陛下の御部屋よ!」
ミラージュは少しキレ気味で怒鳴っている。
これ以上続けられても迷惑なので、仲裁に入る。
「いいのよ、ミラージュ。私は構わないから」
「ですが………」
なおも何か言いたそうだったが、ミラージュは口をつむぐ。
すると、今度はノックが二回鳴った。
「ミラージュ」
ミラージュには、これだけで意図が伝わる。
この部屋に出入りできる人間もまた、限られている。
それは、あの庭園に出入りできる者達と同じで。
ミラージュが扉を開けると、そこには、見知らぬメイドが立っていた。
「入りなさい」
私がそう言うと、ラベンダー色の髪を、顔の横で二つに結んでいる少女は、「失礼します」、と言いながら入ってきた。
そして、扉をミラージュが閉め、私の側へと戻ってくる。
「お初に御目にかかります、フレミアイル・フィーア・シュヴァルツヴァイス公式第一皇女陛下。私は、ユウ・ファレストと申します。皇帝陛下から、貴女様の世話役を任じられました」
その言葉を聞いた途端、私、ミラージュ、イアル、そして、私のベッドの上で成り行きを見守っていた四天竜達が驚いた。
この子は何を言っているのだろう、と。
「貴女、何を言っているの?父君様の御命令?」
「はい」
ユウ・ファレスト。
得体の知れない彼女のことを知るには、父君様の所へと赴く方が早いだろう。
父君様に聞けば、彼女から聞き出すより、より多くの情報が得られる。
「ミラージュ。父君様の所へ行くわ」
「かしこまりました」
「イアルはユウ・ファレストの監視をお願いするわ」
「はい」
イアルに任せておけば、大丈夫だろう。
イアルは皇族直属軍の隊長。
〈神速のイアル〉という二つ名は伊達ではないのだから。
私は急いで支度を整え、部屋から出て行った。
- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.12 )
- 日時: 2013/06/26 18:42
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
私は、足早に、父君様の所へと向かう。
「ミラージュ、貴女、何か聞いてた?」
「いいえ。皇帝陛下からは、何も聞いておりません」
父君様は何を考えていらっしゃるの?
着くやいなや、私は、謁見の間の扉を魔術でこじ開けた。
それには、父君様も、父君様の傍にいた母君様も驚いたようで。
「フィーア?どうかしたのか」
「父君様、ユウ・ファレストという者ですが………」
「あぁ。我が命を下した」
「どうして………!」
「いつまでも、ミラージュとイアルだけにも任せるにはいけまい。護衛も一人増やした」
「私にはイアルとミラージュだけで十分に御座います!この二人以外の者を付き人にしとう御座いません!!」
「そなたが何を言おうが、もう決定した事だ。下がれ」
「…………………………っ!」
私は、その言葉に、従う事しかできなかった。
父君様自身が命を下したのであれば、私にできる事は何も無い。
ただ、事の成り行きを見る事しか出来ない。
そんな無力な存在。
私はミラージュを引き連れて、部屋へと戻った。
ユウはずっと立っていたらしく、部屋に入って来た時と同じ場所に立っていた。
「貴女が父君様の命で私の世話役に成ったのはわかったわ。最初の仕事はミラージュから習いなさい」
「承りました」
「ミラージュ、ユウに仕事を教えてあげて」
「承りました」
会話が済むと、ミラージュは、ユウを連れて、部屋を出て行った。
部屋には私と、イアルが残った。
「フィ、大丈夫か?」
心配気に、私に訪ねてくるその姿は、護衛ではなく、恋人そのものだった。
「大丈夫。時間はかかるだろうけど、頑張るわ」
私が、人に心を開くのは、奇跡に等しい。
信じられる人間かは、私が決める。
醜い言葉で罵られてきた私が今を生きられるのは、ミラージュやイアル、父君様と母君様、そして四天竜達が居てくれたから。
ユウがそんな存在に成るかは、まだわからない。
けれど、同じ時間を過ごしていれば、いつか、その時が来る。
その時がいつかは解らないけれど、私が彼女を知ろうという事はできる。
いつかのその時まで、私は、頑張って彼女を知る努力をしよう。
たとえ、受け入れる事が、難しくても。
そんな思いを胸に、私は、窓から見える景色を眺めて居た。
- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.13 )
- 日時: 2013/06/27 21:08
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
第六話
私は、夢を見た。
いや。
夢と言い表すのは、不適切だ。
私が見たものは、予知。
それは、私が戦で、致命傷の傷を負うという内容だった。
血塗れで、衣服も、髪も、自分の血の色で染まっていた。
そんなこんなで、起きたくなるわけがなく、朝からベッドに横になっていた。
「フィ」
「………イル?」
私を呼んだのは、イアルだった。
さっきまで部屋の外に居たはず。
私は、部屋の扉が開く音にも気付かなかったらしい。
私は体を起こした。
目についたのは、イアルが持っていたトレイだった。
その上には、粥が入ったお椀が乗っていた。
「ミラージュからだ。いつもの食事は受付ないだろうからって言って、作ってた」
そう言うイアルの服装は簡素だった。
今日は愛剣を腰に吊るしてはいなかった。
「イル」
「ん?」
イアルはトレイを机の上に置き、ベッドに腰掛けて来た。
「愛剣は?」
「あぁ。このままここに居ようかと思ってな」
「そう………」
ミラージュとイアルは、私がどんな予知を見たか、知っている。
昨日から私付きの世話役に成ったユウには言ってない。
まだ信頼していいのか、解らないからだ。
私はいつになく暗い顔をしていたのか、イアルが、私の頭を撫でて来る。
「イル?」
「大丈夫だ」
イアルがそう言うと、何だか、本当にそうなる気がした。
私が微笑むと、イアルは顔を近づけて来た。
イアルの意図を察し、イアルの澄んだ空色の瞳と焦点が合わなくなったところで、私は、瞳を閉じた。
すると、温かいものが、私の唇に重ねられた。
私はすぐにそれが、イアルの唇だと言う事を認識した。
それは、イアルと付き合い始めての、初めてしたキスで。
いわゆる、ファーストキス。
数秒間、私とイアルは、そのままだった。
イアルの唇から伝わる熱は、私の不安を取り除いてくれるかのようで。
とても、安心できた。
同時に、気恥ずかしくもあったが、イアルの熱が、私のそういう気持ちを溶かしていった。
イアルの唇が離れてから、私は、イアルの瞳を見つめながら言った。
「イル。私を愛してくれて、ありがとう」
微笑みながら。
すると、イアルは、
「あぁ。フィ。俺のことを愛してくれてありがとな」
そう言った。
私とイアルは、恥ずかしさからか、お互いの顔を見て、笑いあった。
- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.14 )
- 日時: 2013/06/27 23:24
- 名前: いろはうた (ID: VHEhwa99)
ぶっふぁあおおおおおおおっうう
な、なんですか!!
なんですかいきなりこのいちゃこらっぷりは!?(゜Д゜)
イアル君に愛されるなんてうらやますいぞ皇女陛下!!
いいな〜いいな〜
いろはうたもこんな風に愛されちゃいたいな〜(;∀;)
ううう…
更新頑張ってね!!(^^)
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