コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝!
日時: 2016/06/03 07:37
名前: 夕陽&智菜 (ID: IhITrV6o)

こんにちは!
夕陽&智菜です。
この話は学園とファンタジー、コメディ、少し恋愛で書いていきたいと思います。
アドバイス等、よろしくお願いします!

目次
登場人物>>1

本編
プロローグ>>2
1話 紅葉学園オカルト研究部〜美樹side〜>>6
2話 顔合わせ(翔太視点)>>8
3話 天使召喚!(翔太目線)>>17
4話 調査開始!(綾乃目線)>>19
5話 みんなが向かったその先に……>>21
6話 事件の詳細>>23
7話 天使の情報>>25
8話 和輝の考え>>27
9話 〜出てきた悪魔〜>>29
10話 悪魔の調査>>38
11話 おじいさん>>40
12話 悪魔強制契約>>42
13話 紗奈の過去>>47
14話 悪魔強制契約法、実践>>54
15話 目覚めた悪魔>>56
16話 悪魔が知っている事>>60
17話 元の世界に戻るには?>>62
18話 おじいさんの正体は?>>65
19話 おじいさんの悪魔>>67
20話 新悪魔登場!?>>69
21話 天界のカケラ>>71
22話 天界のカケラ〜海〜>>73
23話 天界のカケラ〜山〜>>75
24話 天界のカケラ〜川〜>>77
25話 天界のカケラ〜丘〜>>79
26話 天界のカケラ〜紅葉学園〜>>81
27話 天界の世界へ >>83

番外編
兄弟編〜堂本兄弟〜>>7
   〜樽井兄弟〜>>11
   〜黒野姉妹〜>>18
   〜森園兄妹〜>>20
   〜一人っ子達の雑談〜>>22
過去編〜森園綾乃〜>>16
   〜相川翔太〜>>24
   〜堂本隼人〜>>26
   〜新庄美樹〜>>28
   〜樽井和輝〜>>30
   〜黒野奈美〜>>39
   〜花谷紗奈〜>>41
魔術編〜プロローグ〜>>43
   〜相川翔太〜>>44
   〜森園綾乃〜>>53
   〜堂本隼人〜>>55
   〜黒野奈美〜>>57
   〜花谷紗奈〜>>61
   〜樽井和輝〜>>64
   〜新庄美樹〜>>66
行事編〜相川翔太〜>>68
   〜森園綾乃〜>>70
   〜堂本隼人〜>>72
   〜黒野奈美〜>>74
   〜花谷紗奈〜>>76
   〜樽井和輝〜>>78
   〜新庄美樹〜>>80
未来編〜相川翔太〜>>82
   〜森園綾乃〜>>86
参照10000突破記念>>50
参照15000突破記念>>58
参照20000突破記念>>63

イラスト
堂本隼人(なゆたさん作)>>10
花谷紗奈(遊雪さん作)>>12
黒野奈美(遊雪さん作)>>13
森園綾乃(にじいろ作)>>14
    (甘楽作)>>15

相川翔太(守(かみ)さん)>>31
樽井和輝(猫とタケノコさん)>>32
新庄美樹(せんちさん)>>33
堂本隼人(まる。さん)>>34
黒野奈美(晴歌さん)>>35
花谷紗奈(彩花さん)>>36
森園綾乃(十七夜さん)>>37

新庄美樹(せんさん)>>45
樽井和輝(猫とタケノコさん)>>46
黒野奈美(彩花さん)>>48
堂本隼人(まる。さん)>>49
黒野奈美(晴歌さん)>>51
森園綾乃(Leicaさん)>>52
相川翔太(守(かみ)さん)>>59

お知らせ
11月8日 いつの間にか参照2万超えました! ありがとうございます。また、親スレの記載方法を少し変えました。

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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)イラスト有り ( No.17 )
日時: 2014/04/13 19:25
名前: 夕陽 (ID: ofW4Vptq)

三話 天使召喚!(翔太目線)

「まあ、二人は見学期間だし見ていてくれればいいよ」
 僕は二人にそういい、他の五人と向かい合う。
「じゃあ、やろうか」
 僕が指示を出すと皆はそれぞれ準備を始める。
 そして準備を終えると僕たちは呪文を唱える。
 どうでもいいが、これはこの学校に代々伝わる方法だ。
 なのでみんなが知っているものと違うかも知れないが指摘はしないでほしい。

 この魔術は何かを召喚するというよりも、こっちとあちらに通じる道ができる。
「今日こそ成功できるかな〜」
 紗奈が祈るように呟く。
「できるよ!」
 奈美は自信を持っているようだ。
「とりあえず、呪文唱えないと」
 僕は呪文を唱えるといきなりテーブルから
「僕を呼び出したのは誰なのだ!?」
 天使らしきものが出てきた。
「この子、可愛い〜」
 綾乃がそいつに抱きつく。
 今日思ったんだけど綾乃って可愛いもの好きなのだろうか?
 でも、綾乃の言う通りそいつはとても可愛らしい。
 大きな青い瞳に、肩にかかる位のふわふわしている髪の毛が目を惹く。
 体も三頭身で大きさは僕の膝よりも少し低いくらい。
 そして、そいつの体には

——羽があった。

 これが僕がこいつを天使と思ったわけだ。
 皆もこの羽と召喚の魔法をやったことから天使だと分かったようだ。
「ところで、ここはどこなのだ?」
 天使がきょろきょろして考え込む。
「もしかしてチキュウというやつなのか? それだったら困るのだ!」
 なんか一人で答えに行き着いていた。でも、困るって何が?
「あの〜、お取り込み中のところ悪いんですけど、どうかしたんですか〜?」
 代表して話しかけたのは紗奈。
 彼女のふわふわした雰囲気なら、あいつも落ち着いてくれると思うんだが……。
「わっ。お前は誰なのだ! 僕は食べ物じゃないから食べないでくれ!!」
 すごい、取り乱していた。
「……落ち着いて」
 隼人が今度は声をかける。
「僕は食べ物じゃない……。食べ物じゃない……」
 なんかすごいパニックになってるようなのでしばらく待ってみた。

「ふむ、つまり君たちは召喚魔法をしようとして僕を呼び出したと」
「うん」
「歯を食いしばれなのだ!」
「え? なんで殴られなきゃいけないの?」
 ただ、呼び出しただけなのに……。
「その、なんで? 僕たち悪い事してないよ? みたいな顔をやめるのだ! 僕はここに来たかったわけじゃないのだ!」
 それは、悪いことしたな。
 でも、これなら他の奴も呼び出せるかも!
「それは無理なのだ!」
 何で? それにしてもこいつ心読めるのか?
「なぜなら僕が来る時道が完璧に封鎖されてしまったからなのだ! そして心は読めるのだ!」
 まじかよ……。
 僕は舌打ちをしてしまう。
 せっかくあいつらを助けられると思ったのに。
「でも、大丈夫なのだ! 多分封鎖を解く方法はあるのだ!」
「そうなの? どうすればその封鎖は解ける?」
 和輝が口をはさむ。
「それは、よく分からないのだ……」
 しょんぼりしてしまったので美樹は急いでフォローする。
「大丈夫です! みんなで考えればいいんですよ!」
 確かにそれはいい意見だ。
「それ、いいわね! さすが美樹ちゃん」
「私もいいと思います〜」
「うん、私もいいと思う」
「……賛成」
「俺もいいと思うぜ」
 皆も賛成のようだ。だったらやる事は決まっている。
「じゃあ、みんなでこいつが戻るために封鎖を解く方法を考えよう!」
 まあ、皆いろいろ下心がありそうだけど……。
 僕だってあいつらをあっちの世界からこっちに連れて来るのに封鎖解けないと困るし。
「皆さん、ありがとうなのだ! でも、心が読める身としては複雑なのだ……」
 そういえば、一つ聞き忘れてた。
「あのさ、二人はこの部活入ってくれる?」
 入らないのならこのことを強いる事はできない。
「もちろん、入ります!」
「俺も入るぜ」
 でも、二人は当たり前のようにこの言葉を言ってくれた。
「ありがとな、二人とも。とりあえずまだ正式入部はまだだけど、正式入部したら本格的に調べ始めるか」
 こうして僕たちオカルト研究部の新たな活動が始まった。

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)イラスト有り ( No.18 )
日時: 2014/04/14 17:14
名前: 夕陽 (ID: eyS/yPyK)

番外編
兄弟編〜黒野姉妹〜

「ただいま」
 私はドアを開けると姉も妹も家にいた。
「あれ? 二人とも珍しいね、こんなに早くに帰ってるなんて」
 たいてい姉の奈々は学校の後はアルバイト、妹の玲奈は友達と遊びに行くので5時に家にいるのは珍しい。
「うん、今日はアルバイト休み……」
「お姉ちゃん、寝ながらしゃべらないでっていつも言っているでしょ?」
 私はおねえちゃんに注意する。まあ、起きる気配はないけど。いつもの事だし放っておいても大丈夫だろう。なぜか知らないけど寝た間の記憶とか残ってるみたいだし。
「お、奈美姉。お帰り」
 玲奈はいつも通り足をテーブルに乗せて座っていた。なんかこの子、中学生になってから髪染めたりして不良化しちゃったんだよなあ。
「そういえば奈美姉、金貸せ。あとで1割り増しにして返すから」
 何で誰も注意しないかというと、こんな感じだからである。この子の友達もこんな感じだし……。ただ単に馬鹿なのか、元々いい子なのか……。おそらく両方だろう。
「いいけど……。あとでしっかり返してね」
 私はお金を渡す。たいていこういうことは姉妹間でもしてはいけないのかもしれないが、絶対に言った事は守るので普通に貸す。お姉ちゃんもそうだしね。
「おう、がんばる」
 玲奈は靴を履きどこかへ行ってしまった。
 きっと、例の友達と遊びに行ったんだろう。いつも通り人からお金を巻き上げていると思ったら不良が盗んだお金を他の人に返しに行っているのだろうか?
 ……ちなみにこれは本当にあった話である。
 本人達はなんとなくで人選したのだそうだが、たまたま不良で番長らしき人とけんかして勝ったらしい。
 まあ、照れ隠しでこの嘘ついたのかもしれないけど。
「お姉ちゃん、お姉ちゃんってば!」
 とりあえず、お姉ちゃんを起こす。そうしないと、掃除ができないから。
「う〜ん、何?」
 と言いつつも目は開ける気配がない。でも、意識はあるので自分のベッドに行くようにと促す。
「ふう、とりあえず掃除するか」
 私は簡単に物を片付け掃除機をかける。
 きれいになった、と思うと玲奈が帰ってきた。
「ただいま帰ってきてやったよ」
 ……意味不明だ。
「おかえり」
 私はリビングで返事をする。
「お、奈美姉いつもはえーな」
 この子はさっき会った事を忘れているのだろうか?
 記憶力はあまりよくないと知っていたけど、ここまでとは……。
 テストとかどうしているのだろう?
「そうかな?」
 私は微笑む。
「そういえば、夕食できたからお姉ちゃん呼んできてくれる?」
 何気なく記憶力のないことを証明している話から話題を変える。
「えー、まじかよ? 姉貴どうやってもおきないんだよ」
 確かにそうだ。あの人が目を開けているときをみるのは最近はない。いつも寝ている、もしくは目を閉じている。
「お願い、ね? 玲奈」
 私は手を合わせてお願いする。そうすると玲奈は仕方ないなと言うように肩をすくめながら起こしに……こっちに連れてくるようにしてくれた。

 久しぶりに姉妹三人が食卓にそろった。
『いただきまーす』
 皆で食べるのは二年ぶりだろうか?
 まあ、すれ違いなら何回もあったが最初から最後まではなかなかない。
 たまにはこういうのもいいな、と私は思った。

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)イラスト有り ( No.19 )
日時: 2014/04/15 20:40
名前: 夕陽 (ID: aUfirgH8)

4話 調査開始!(綾乃目線)

「じゃあ、部活をはじめようか」
 その言葉で部活は始まった。
「今日の活動は、封鎖された道を考える……だったよな?」
 アタシは部長に確認を取る。
「そうだな。もう一年生も入ってくれたしはじめるか」
 そういえば結局一年生は二人しか入らなかった。残念だが去年もそれくらいなので気にする事はないだろう。……卒業後が心配だが。
 五人いれば同好会にはなるからいいだろう。
「そういえば、どうやって調べるの〜?」
 紗奈が首をかしげる。
 それは、部長なら考えているだろう。だって、部長だし。
 皆同じ事を考えたみたいで部長の方に視線を向ける。
「一応いくつか考えがある」
 部長はそこで一つ深呼吸する。
 考えをまとめるように目を閉じてしばらく黙っている。アタシたちも黙っている。
 数秒後、目を開けると部長は言った。

「あそこに行こう」

 あそこ? どこだろうか?
「そっか、あそこか」
 奈美は納得したように頷いている。
「え? 奈美はどこか知ってるの〜?」
 アタシも疑問だ。奈美は部長と家が近かったならありえるかもしれないけど、そこまで近くないはずだ。
「知らないけど?」
「知らないならなんで頷いたの〜?」
「うーん、なんとなく」
 なんとなくでいったのか……。まあ、奈美は子供っぽい所あるからな。
「……とにかく、行こう」
 堂本が椅子から立ち上がる。
 皆もそれに習って立ち上がる。
「じゃあ、僕の後についてきて」
 部長はそういってドアの向こうに姿を消した。

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)イラスト有り ( No.20 )
日時: 2014/04/19 15:16
名前: 夕陽 (ID: aUfirgH8)

番外編
兄弟編〜森園兄妹〜

「ただいま」
 誰もいない部屋にむかっての挨拶はむなしくなるが小さい頃からの習性なのでやめられない。
「おかえり」
 どうやら、耳の調子が悪いようだ。幻聴まで聞こえるとは……。
「どうして無視しちゃうの?」
 アタシは渋々振り向くと
「何でここにいるんだ?」
 その相手に疑問を投げかける。
「だって綾乃のお兄ちゃん何だから別にいても不思議じゃないでしょ?」
 確かにこいつはアタシの双子の兄だ。
 二卵性なのであんまり顔が似ていないが、こいつはなぜか顔が女の子みたいに可愛い。
 色白の肌や、長くてきれいなまつげ。にっこり笑うと出てくる八重歯も凄く可愛らしい。
 なんで男として生まれてきたのか謎だ。
 でも、兄だからといってもここに入れるはずはない。なぜなら
「アタシ、一人暮らししていて合い鍵は隼人にしか渡していないんだが」
 そもそも、家族に渡していないからである。だって家族に渡したらこいつが絶対私の様子を見に来るから、あえて渡さずに幼馴染の隼人に渡したんだぞ?
「そんなの、僕には関係ないよ! 愛さえあれば何でもできるんだから!」
 ちなみにアタシが自分の兄なのに全く尊敬しないのも、むしろ嫌っているのもこの性格だからである。うざったい。
「どうでもいいけど、どうやって入ったの? ドアも窓も全部閉めたはずだけど……」
 アタシは毎回外に出るときはそこらへんをチェックしている。泥棒に入られたら困るしな。
「ふっふっふ、それはね——」
「笑い方うざいからやめろ」
 こいつは悪役に一番合う人物№1だと思う。
「綾乃にうざいって言われた……。僕はもう生きている価値がない」
「だったら死ね!」
 これは実際そう思っているわけではないので軽く受け流す。
「綾乃ひどい。昔はごめんね、お兄ちゃん死なないで! って泣いてくれたのに」
 絶対嘘だろう。
「嘘じゃないし!」
 心が読めてるのか……?
「当たり前だよ! 愛に不可能なんてない!」
 もしアタシの力が強かったらこいつを殴ってたと思う。
「別にいいよ。綾乃はそういうことでしか愛情表現できないもんね!」
 訂正。アタシの力が全くなくてもこいつを殴る!!
「こんなのぜんぜん痛くないよ! 綾乃の愛情がこもっていると思えば」
 どうしてこんな兄になってしまったのか……。こいつにばれないように一人暮らししてきたのに。三年間欺きとおせたと思ったのに……。
「まあ、ここに住んでいることは一人暮らしはじめたときから知っているけどね」
 そんな、馬鹿な……。
「ほんとだよ。これくらい朝飯前だよ!」
 誇らしげに胸を張っているがそれは決して威張れる事じゃない。
「はじめは楽しそうだったから放っておいたけど、最近疲れた顔をするのが去年より少し増えたから励ましにきただけ。すぐ帰るから心配しなくていいよ」
 いきなり真剣そうな顔になったのでアタシは黙り込んでしまう。
「まあ、これで大丈夫かな」
 いつものようにアタシの頭をなでてにっこり笑う。
 やっぱり、可愛い顔だな。羨ましい。
「ごめんな、心配かけたりして」
「いいよ。僕は綾乃のお兄ちゃんだからね!」
「もう帰るだろう? 途中まで送っていこうか?」
「うん。でも送ってくれなくてもいいよ。また明日」
 そういってドアが閉まる。
 やっぱり何も言わずに出て行くのはまずかったかな。
 たまには、家族にでも会いに行こう。

 しかしそのとき、アタシはまったく気づかなかった。
 あいつの別れの言葉の違和感を。

 次の日、休日なので学校はない。
 アタシは家族のところに行く事にした。
 準備を整えて出ようとしたその時、来客をあらわす音が鳴った。

——誰だ? こんな朝早くに。

 今は7時ちょっとすぎだ。一体誰だろう?
 疑問に思いつつドアを開けると
「隣に引っ越してきた森園久遠です! よろしく!」
「…………」
 無言でドアを閉める。あれは幻だ。そうだ、アタシの兄はもう帰ったんだ。
 もう一度あける。
「ひどいなあ、綾乃。閉める事ないじゃないか」
 全く変わらない現実がそこにはあった。
「何でここにいるんだ!」
 とにかく、こういうことは連絡してほしい。

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)イラスト有り ( No.21 )
日時: 2014/04/24 21:56
名前: 夕陽 (ID: atf90J33)

5話 みんなが向かったその先に……

「ここだよ」
 翔太が立ち止まってその館を見上げる。
 その館は、蔓があちこちにまきついており元々の色が全く見えない。門もさび付いていて簡単に壊れそうだった。
「…………」
 みんな、何も話さない。想像を超えるところだったので戸惑っているのだろう。
「ところで、何でここにつれてきたんだ?」
 綾乃は一番早くいつもの調子を取り戻した。
 疑っているわけではないが、信じることも出来ない……というような表情だ。
「それはね、」
 翔太はいったん区切り

「ここで異世界に巻き込まれた事があるからなんだ」

 詳しい説明はせず、一言で済ませる。
 呆気にとられていたが、
「……だから、ショウはオカルト研究部に、入った?」
 隼人の問いかけに
「ああ、そうだな。これ以上はいえないけれど」
 翔太はごまかさずに答えた。
「とにかく入りませんか〜?」
 紗奈の言葉で皆は館に入ろうとした。しかし、

「これ、開かないな」
 男子三人組みで押したがびくともしない。
 どうやら、新しい針金で固定されているようだ。
「そういえばここ、前事故あったような……」
 首をかしげて呟いた奈美の言葉に
「じゃあ、その影響かもな。とりあえず、今日は戻るか」
 皆は学校に戻った。

「そういえば、思いついたことがあるのだ!」
 部室に着くなり天使は叫んだ。
「思いついたこと、ですか?」
 美樹は不思議そうに首をかしげる。
「その事故が怪しいとおもうのだ! だからそれを調べるのだ!」
 机の上に乗っかりえへんと胸を張る。
 しかし、背丈が低いので皆に見下ろされていて威厳はないのだが。
「確かに、ちょっと気になるな。とりあえず調べてみよう」
 一回不思議な体験をした翔太は納得したように頷く。
「じゃあ、明日の議題は“事件を調べる”だ。今日は時間だし帰ろう」
 みんな片づけをはじめる中、天使は部室に設置されている小さな部屋に戻った。
「では、また明日なのだ!」
 そんな言葉を残して。
 他のメンバーも「じゃあね」や「また明日」と声をかけ部室を出た。


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