コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝!
日時: 2016/06/03 07:37
名前: 夕陽&智菜 (ID: IhITrV6o)

こんにちは!
夕陽&智菜です。
この話は学園とファンタジー、コメディ、少し恋愛で書いていきたいと思います。
アドバイス等、よろしくお願いします!

目次
登場人物>>1

本編
プロローグ>>2
1話 紅葉学園オカルト研究部〜美樹side〜>>6
2話 顔合わせ(翔太視点)>>8
3話 天使召喚!(翔太目線)>>17
4話 調査開始!(綾乃目線)>>19
5話 みんなが向かったその先に……>>21
6話 事件の詳細>>23
7話 天使の情報>>25
8話 和輝の考え>>27
9話 〜出てきた悪魔〜>>29
10話 悪魔の調査>>38
11話 おじいさん>>40
12話 悪魔強制契約>>42
13話 紗奈の過去>>47
14話 悪魔強制契約法、実践>>54
15話 目覚めた悪魔>>56
16話 悪魔が知っている事>>60
17話 元の世界に戻るには?>>62
18話 おじいさんの正体は?>>65
19話 おじいさんの悪魔>>67
20話 新悪魔登場!?>>69
21話 天界のカケラ>>71
22話 天界のカケラ〜海〜>>73
23話 天界のカケラ〜山〜>>75
24話 天界のカケラ〜川〜>>77
25話 天界のカケラ〜丘〜>>79
26話 天界のカケラ〜紅葉学園〜>>81
27話 天界の世界へ >>83

番外編
兄弟編〜堂本兄弟〜>>7
   〜樽井兄弟〜>>11
   〜黒野姉妹〜>>18
   〜森園兄妹〜>>20
   〜一人っ子達の雑談〜>>22
過去編〜森園綾乃〜>>16
   〜相川翔太〜>>24
   〜堂本隼人〜>>26
   〜新庄美樹〜>>28
   〜樽井和輝〜>>30
   〜黒野奈美〜>>39
   〜花谷紗奈〜>>41
魔術編〜プロローグ〜>>43
   〜相川翔太〜>>44
   〜森園綾乃〜>>53
   〜堂本隼人〜>>55
   〜黒野奈美〜>>57
   〜花谷紗奈〜>>61
   〜樽井和輝〜>>64
   〜新庄美樹〜>>66
行事編〜相川翔太〜>>68
   〜森園綾乃〜>>70
   〜堂本隼人〜>>72
   〜黒野奈美〜>>74
   〜花谷紗奈〜>>76
   〜樽井和輝〜>>78
   〜新庄美樹〜>>80
未来編〜相川翔太〜>>82
   〜森園綾乃〜>>86
参照10000突破記念>>50
参照15000突破記念>>58
参照20000突破記念>>63

イラスト
堂本隼人(なゆたさん作)>>10
花谷紗奈(遊雪さん作)>>12
黒野奈美(遊雪さん作)>>13
森園綾乃(にじいろ作)>>14
    (甘楽作)>>15

相川翔太(守(かみ)さん)>>31
樽井和輝(猫とタケノコさん)>>32
新庄美樹(せんちさん)>>33
堂本隼人(まる。さん)>>34
黒野奈美(晴歌さん)>>35
花谷紗奈(彩花さん)>>36
森園綾乃(十七夜さん)>>37

新庄美樹(せんさん)>>45
樽井和輝(猫とタケノコさん)>>46
黒野奈美(彩花さん)>>48
堂本隼人(まる。さん)>>49
黒野奈美(晴歌さん)>>51
森園綾乃(Leicaさん)>>52
相川翔太(守(かみ)さん)>>59

お知らせ
11月8日 いつの間にか参照2万超えました! ありがとうございます。また、親スレの記載方法を少し変えました。

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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.77 )
日時: 2015/04/03 13:52
名前: 夕陽 (ID: IcK/upD1)

24話 天界のカケラ〜川〜

「昨日は山、一昨日は海にいったから今日は川に行くか」

 という翔太の発言でオカルト研究部員達は川に来ていた。

「で、どこにあるの〜?」

 紗奈があたりを見回し天使に問う。

「それはあの中なのだ!」

 天使は空を飛んで上から見下ろし若干偉そうに指を指す。

「え? 水の中?」
「ほ、本当です! 水のそこにそれらしき物が見えます!」

 天使の言葉に一斉に水の中を除く。
 そうすると確かに、昨日や一昨日見つけたようなカケラが澄んだ水の奥に見えた。

「で、これ誰がとる?」
「……こういうことがあると思って、虫取り網持ってきた」
「流石隼人。準備がいいわね」

 和輝が尋ねたらどうやら隼人が虫取り網を持っていたらしい。
 それを器用に使いカケラを川底から取り出した。

「綺麗だね〜」

 まだ少し濡れているカケラを見て紗奈がほうっとため息をつく。
 宝石といっても過言ではないほどの輝きがあるからそうなるのは当然といえば当然かもしれない。

「じゃあ明日は丘だね。今日はここで解散!」

 翔太が宣言し、今日の部活はお開きになった。

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.78 )
日時: 2015/04/19 10:40
名前: 夕陽 (ID: 5oJbC9FU)

番外編
行事編〜樽井和輝〜

「今日はハロウィンだな」
「そうね。つまり……」

『和人を驚かせる日!』

 リビングルームにて双子のように息をそろえて同じことを言う和輝と和歌奈。

「そうと決まったら驚かせるための準備よ!」
「了解」

 二人はいたずらを思いついた子供のようににやりと笑った。

     *     *     *

「で、協力して欲しいなって思って」

 準備ということで和歌奈は、自分の友達にも手伝ってもらおうと梨依の家を訪れた。
 もちろん和輝も一緒だ。

「でも、和人君騙すのはなんかな……」

 梨依は少し迷ったように視線を泳がせる。

「あら、ごめんなさい。やっぱり好きな人を騙すのは嫌よね?」

 その様子に和歌奈はわざとらしく謝った。
 それを聞いた梨依は、

「そ、そんなことない! 分かった、手伝うよ!!」

 と顔を真っ赤にして頷いた。

「(やっぱり梨依って分かりやすいわね)」
「(くっ、和人何気にもてるんだな……)」

 と樽井兄弟が思っていたことを梨依は知らない。

     *     *     *

「さて、じゃあ驚かせるために仮装でもしましょうか」
「賛成!」
「仮装、するんだね……」

 和歌奈の言葉に和輝は目を輝かせ、梨依はため息をつく。

「まあ、この未来は見えていたけど……。ちなみに和人君を驚かせるならただ単に“お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ”じゃ効果ないよ」
「確かに毎回その手を使っているからな」
「じゃあどうすればいいのかしら?」

 公園で相談をしている3人。
 まだ午前中なので少し肌寒い。
 腕を組み、目を瞑って考えていた梨依がふといいアイデアを思いついたかのように顔を輝かせた。

「あのね、——すればいいんだよ!」

     *     *     *

「まあ、梨依の言うことだから信じるけど……」

 和歌奈は驚きつつも納得して両手で大量のお菓子を持った。
 ちなみに和輝はその二倍ほどのお菓子を持っている。
 このお菓子は和歌奈の一声で集まったものだ。
 だからか、和歌奈の好きなチョコレートが多いがそれは気にしてはならない。

「でも和歌奈、お前本当に人気者だな……」

 半分呆れつつ、半分感心して和輝は手で持っているお菓子を見る。

「これ位当たり前よ。まあ和輝には無理でしょうけど」

 さらりと毒舌をはいて和歌奈はインターホンを押した。

「はーい」

 和人の声の数秒後、玄関から出てきた。
 そして3人は——、

『お菓子をもらわないと、いたずらしちゃうぞ(よ)?』
「普通逆だろ!?」

 声を合わせて意味不明な言葉を言ったのだった。

     *     *     *

「確かにびっくりしたよ……。今日はハロウィンだし二人ともいないから何かあるかなとは思っていたけど」
「流石梨依ね」
「梨依さんの提案か〜。確かに兄さんやわかちゃんは考えなさそうだもんな……」
「驚かせてごめん」

 リビングでお菓子を広げて雑談をしている。

「でもこのお菓子どうするか……」

 和人は眉間に指を当てて考えている。
 リビングに埋まるほどのお菓子(しかもほとんどチョコ)。
 賞味期限はまだまだ先だが、冷蔵庫で保管することが出来ない。

「折角だし、皆で食べましょ? 私、食べたい」
「確かにそうだね。僕一人じゃ食べきれないし」

 和歌奈の提案に和人は頷く。

「じゃあお皿持ってくる」

 和人はキッチンへ行きお皿を数枚持ってきた。
 お菓子をお皿にいれ、そこからお菓子パーティーが始まった。

     *     *     *

あとがき
消えてしまったので最初に書いたのとは違うハロウィンです←
まあ行事自体は変わっていないのですが、最初は普通に仮装するだけでした。

ちなみに梨依ちゃんは短・中編集で出てきた子です!

最後は美樹ちゃんかな?
どんな行事になるのかお楽しみに!

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.79 )
日時: 2015/05/09 19:13
名前: 夕陽 (ID: 7Dg46Prl)

25話 天界のカケラ〜丘〜

「さて、今日は丘ね」
「そうだな。……それにしても紗奈って今日休みか?」

 紗奈がいないことに気付き、翔太が同じ学年の奈美に訊ねる。

「いえ、体育の時はいましたよ?」

 紗奈と奈美は体育をする時は同じクラスらしい。
 そのときは確かにいたと奈美は証言した。

「サボりな訳、ないわよね……。紗奈に限っては」
「……外せない用事が、あったのかも」
「まあ邪推しても仕方ない。とにかく行くか」

 翔太は鞄を持って立ち上がった。

     *     *     *

「本当にこの丘、低いわね」
「私は高所恐怖症なので高くなかったのでよかったですっ!」
「俺はもっと高くてもよかったけどな〜? まあ新庄はよかったな」

 数分歩いただけでついてしまう。
 楽ではあったが景色はそこまで良くはない。

「で、ここはどこにあるんだ?」
「カケラは石碑の中にあるのだ!」
「石碑の中? どうやって取るの〜?」

 天使の言葉に奈美は首をかしげた。

「ここはそこそこ難しいのだ! “森の女神”に協力してもらうのだ!」

 天使はそういうなり、ぴょんと跳ねると近くの木の上に乗った。
 そしてその木の中で一番大きい葉を見つけると、その葉を大事に手で包んで目を閉じた。
 しばらくすると……、

「何か御用ですか?」

 姿は見えないが声が聞こえてきた。
 よく見ると天使が包んでいた葉が微かに光っている。

「お願いがあるのだ! 石碑の中の天界のカケラがほしいのだ!」

 天使がお願いした。

「……いいですけど、ただでは無理ですよ?」

 少しの間があった後、返事があった。
 その言葉にオカルト研究部員は息を呑む。

「どうすればいいのだ……?」

 天使が不安げに訊ねる。

「そうですね……。この果実、食べてくれませんか?」

 声が響いた瞬間、葉の近くで花が開き、すぐにしぼんだ。
 その後もどんどん成長していき最後には、さくらんぼに似た小さな果実が出来た。

「これを食べると、どうなるんだ?」

 和輝が不審そうに聞いた。
 見た目はスーパーに売っているさくらんぼそのものの果物を見つめながら。

「簡単に言うと、“この世にいないもの”が見えるようになります」
「この世にいないもの……ですか?」
「ええ。幽霊、お化け、妖精……。天使と悪魔もそれにあたりますが、この子達は姿を消すことは出来ないみたいですね。そのような物があなたの視界に見えます」

 声は淡々と説明した。

「しかし、この効果は1ヶ月程度で切れますが」
「それであなたに何のメリットがある?」

 和輝の質問の答えは、

「…………」

 無言だった。

「誰が食べますか?」

 もう既に食べること事態は決定しているような言葉。

「……俺が食べる」

 “この世にいないものが見える”ということは大変だろう。
 皆に見えないものが見えるのは、自分が一人になったような孤独を感じるかもしれない。

「でも、これを食べると……」
「確かに“この世に見えないものが見える”のは大変かもしれない。ただ、俺はオカルト研究部だ。折角だし見てみようかなって思って」

 しかし、翔太は明るく笑った。
 多分、本心だろう。

「だったら俺も食べるぜ!」
「……僕も」
「ならアタシも食べてみようかしら?」
「わ、私も食べますっ!」
「じゃあ私も!」

 結局全員食べることになった。

「では、本当にいいんですね?」

 声がそういうと、先ほどまで一つだった果実が分解されて六つになった。

「では、どうぞ」

 6人は一つずつ天使から果実を受け取ると一口かじった。

「なんか変化があるのか?」

 皆がそんなに変わってないのを見て悪魔が不思議そうに訊ねる。

「私にはそんなに変化ないかな」
「アタシも」
「……僕は少しだけ」
「俺も少しだな」

 しかし、美樹と和輝の二人は結構変化があったようで……。

「た、樽井君の後ろに幽霊が!」
「新庄の後ろに妖精が見えるぞ!」

 美樹は怖がりながら、一樹は嬉しそうに言った。

「よし、とりあえずこれで天界のカケラは出してもらえるんだよな?」

 翔太が訊ねると、

「はい、これですね」

 いとも簡単に葉の中から天界のカケラを出してくれた。

「よし、これで後一個だ」

 天界のカケラを受け取って翔太は呟いた。

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.80 )
日時: 2015/06/06 23:06
名前: 夕陽 (ID: WOWRJwNN)

番外編
行事編〜新庄美樹〜

「し、新庄っ! 明日暇か……?」

 美樹は部活が終わり帰ろうとした矢先、和輝に声をかけられた。

「明日……。確か土曜日ですよね? 大丈夫です、暇ですよ」

 その言葉に美樹は微笑んで返す。

「じゃ、じゃあもしよかったら一緒に出かけないか?」
「いいですよ」

 美樹が了承し、和輝がほっとする。
 しかし、和輝にとっては青天の霹靂のような言葉が背後から出た。

「もしよかったらアタシも一緒に行っていいかな?」

 不敵に微笑んでいるのは綾乃。
 その言葉に美樹も賛成する。

「いいですね! 綾乃先輩がいると私も楽しいです!」

 本当に嬉しそうな美樹の顔に和輝は、反論が出来なくなるのであった……。

「それにしても、和輝がクリスマスに美樹ちゃん誘うなんてね……」

 綾乃のひとり言は美樹には届かなかった。

     *     *     *

「美樹ちゃん、一緒に行こう?」
「ま、待って下さいー! 私、男の子と出かけるの始めてなんです。こんな格好でいいでしょうか……?」

 美樹は本気で考え込んでいた。
 ちなみに今は、淡いピンク色のワンピースだ。
 優しそうな美樹にピンクはよく似合う。

「むしろ部屋着でもいいと思うけど」

 綾乃は和輝がそこまで好きではないのでつっけんどんに言う。

「流石にそれは……。まあこれくらいでいいですよね! あまりおしゃれにするとデートみたいですし」


 綾乃は心の中で(本人は最初からその気だったけどね)と思ったが言わない。

「早くしないと遅刻するわよ? 遅刻の方が申し訳ないんじゃない?」

 と急かす。

「すみません!」

 美樹は時計を見て、慌てて白色のロングブーツに足を通した。

     *     *     *

「お、遅れてごめんなさいっ!」
「あら、早かったのね」
「大丈夫、俺も今来たとこだし。丁度5分前に来た」

 綾乃の毒を含んだ言葉をさらりとかわし、和輝は続けて、

「隼人さんと待ち合わせしたら少し遅れちゃったんだよね」

 爆弾発言をした。
 確かに隣には隼人がいる。
 綾乃はそのことに気付き目を見開いた。

「勝手に来ちゃって大丈夫……?」

 綾乃の変化に心配そうに隼人が聞く。

「だ、大丈夫」

 挙動不審な態度に和輝がにやっと笑う。

「綾乃先輩いつも、隼人先輩と兄弟でクリスマスパーティーしていたんでしょう? 本当は兄弟の方も誘いたかったんですけどね……」
「いい。来なくていいっ!」
「あ、綾乃先輩大丈夫ですか……?」

 美樹が心配そうに綾乃の顔を覗き込む。

「美樹ちゃんはこんなにいい子なのに……!」

 和輝をにらみつけると隼人は淡々とした口調で言った。

「……アヤは僕と一緒なの、嫌?」
「別に隼人のことは嫌じゃないわよ。嫌なのは……」

 綾乃は一度区切り、

「アタシが隼人と出かけようとすると必ずついてくる過保護兄貴のことよ!」

 綾乃が後ろを振り向くと、

「過保護っていうなら綾乃も同じじゃないかなあ? 美樹ちゃんが和輝君に……」
「それ以上言ったら、管理人さんに頼んで部屋の鍵変えてもらうよ?」
「ごめんごめん」

 涼しげな笑顔で久遠が立っていた。

「……なんでアヤのお兄さんがここにいるの?」

 隼人はすでにこのことにも慣れたのか呆れもせず淡々と言う。

「だって大事な妹がどこの馬の骨か分からない奴と出かけると聞いたから心配でね」
「アタシ、久遠には何も今日のこといってないし大体隼人がくることも知らなかったのにどうして知ってるの?」

 綾乃がもっともらしいことを聞くが久遠はさらりと

「愛の力」

 と答えるので無視をした。

「この人が綾乃先輩のお兄さんか。やっぱり似てるな」
「確かにそうですね! 雰囲気とか顔の形とかそっくりです!」
「俺が言ってるのは人の恋路を邪魔する性格ってことだけどな……」

 和輝と美樹が話し合っていると、

「とにかく、兄貴は来ないで! 美樹ちゃんにこんなお兄さんがいるとは思われたくない!」
「いいお兄さんだと思いますよ?」
「美樹ちゃんもこういっているしいいじゃん」
「美樹ちゃん、少しは空気読もう?」

 美樹はふんわりとした笑顔で久遠がついてくるのを肯定したので綾乃はげんなりした顔をした。
 よほど嫌なのだろう。

「まあとにかく行きますか」

 こうして5人はショッピングへ繰り出した。

     *     *     *

「ふう、疲れました……」

 美樹が公園のベンチに座る。

「ごめんな、連れ回しちゃって」

 その隣に和輝が座った。
 普段ならこの間に綾乃が座るが、今はいない。
 なぜなら隼人と久遠のケンカを仲裁しているからだ。

「大丈夫ですよ。楽しかったですし」

 美樹の笑顔が明かりがついたばかりの街灯の光で明るくなる。
 空はすっかり暗くなっており田舎なら星が見えるほどだろう。
 ここはそこそこ都会なので未だに一番星さえ見えないが。

「それならよかった」

 和輝がほっと息をつくとその息が白くにごる。

「綾乃先輩、いつ帰ってきますかね……?」
「しばらくは続きそうだけどな」

 原因は綾乃にはどんなアクセサリーが似合うか。
 綾乃が友達と遊ぶとき用にアクセサリーがほしいといったことから始まった。
 そろそろ1時間経つし決着はそろそろつくだろうが。

「そろそろ帰らないと親に心配されませんか?」
「大丈夫だよ。それより新庄は大丈夫なのか?」
「ええ。私、一人暮らしですから」

 少し寂しそうな笑顔で言った後、

「だから綾乃先輩は本当のお姉ちゃんみたいでとても仲良しです」

 今度は嬉しそうな笑顔で言った。

「それはよかったな。……そういえば、この公園夜にあかりがつくらしいって知っていたか?」
「いえ、そうなんですか?」
「ああ。そろそろだと思うけどな……」

 和輝がそういった瞬間、ぱあっときれいな光が周りの木につき始めた。
 木にはライトが装飾されており、枯れ木をきれいに彩る。

「綺麗ですね」

 目を見開いて見入る美樹に、和輝はふと(今なら邪魔者もいないし、告白しようかな……)とうっすらと考える。
 その気持ちは無邪気にライトアップを喜んでいる美樹を見ると更に膨らんでいき……、

「二人ともやっと見つけた」

 しかし、綾乃の言葉でしぼんだ。
 二人が振り返ると綾乃は二つの袋を持っていた。

「結局二人がすすめるものどっちも買ったわよ」

 視線に気付いたようで綾乃は説明をする。

「お疲れ様です!」

 美樹はやや空気を読まない発言をしてから、

「それでは、帰りましょうか!」

 ライトアップされた木を見ながら言った。
 少し名残惜しそうな様子に気付いた綾乃は、

「折角だし皆で写真撮らない?」

 と誘う。

「いいんですか……?」

 それでも遠慮気味な美樹に、

「いいのよ」

 と押し切り近くの人にスマホのカメラ機能を使い撮るように依頼する。

「早く並んで」

 綾乃の言葉に5人は一つの木の下に並んだ。
 そして何枚か写真を撮ってもらうとお礼をいい、

「さあ、帰りましょ」

 と歩き出した。

     *     *     *

あとがき
どうやら2700字位書いてしまったようです……。
読んでくれた方、お疲れ様でした!
美樹編って書いてあるのに美樹ちゃん主役っぽくなくてごめんなさい……。
次の番外編は何にしよう……?

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.81 )
日時: 2015/06/30 20:12
名前: 夕陽 (ID: WOWRJwNN)

26話 天界のカケラ〜紅葉学園〜

「最後の一個はここか……」

 翔太はオカルト研究部の部室で言った。

「実際はオカルト研究部室とは限らないけれど」
「でもおじいさんの話だとここの可能性が高いんですよね〜?」

 綾乃の言葉に紗奈が反論する。

「確かにここなら何でもありそうだよな」
「……同意」

 和輝と隼人も賛成のようだ。

「ただ、今まで部活動やっていたのに見てないってことはないんじゃないかなあ?」

 奈美がもっともな事を言う。

「確かにそうですよね。じゃあやっぱり別の場所でしょうか……?」

 美樹は皆の顔色を伺うようにきょろきょろしていると……、

「……!」

 突然瞳孔が大きく広がった。
 いつもは大人しそうなたれ目に驚きの色が浮かんでいる。

「どうしたの? 美樹ちゃん」

 その変化に気付いた綾乃が声をかけた。

「あ、ありますっ! ここにありました!」

 そう言って指差したのは魔方陣の真ん中のあたり。
 しかしそこには何もない。

「どういうこと? 何もないよ?」

 困惑気味に翔太が声をかける。
 しかし美樹は「あります!」の一点張り。
 普段は大人しい美樹の強情さに皆驚いていた。

「いや、俺には見えるけど。……というか俺と新庄しか見えないのかもな」

 少し考えてから和輝は納得したように頷いた。

「……あの果実の、せい?」

 隼人は和輝の言葉に思い出したように昨日のことを言う。

「多分そうだろうな。とりあえず天使にも見えるだろ? これで全部そろったじゃないか」

 そう言いながら和輝は天使の方を向く。
 天使は天界に帰れることが分かって嬉しそうな顔をしていた——それが和輝の予想だったが、実際は天使も困惑していた顔をしていた。

「おい、天使! お前には見えないのか!?」

 そして何故だか焦っている悪魔。

「ま、全く……見えないのだ……」

 少し震えた声で天使が言う。
 その目は少し涙目だ。

「一体どういうことだ?」

 和輝が深刻そうな様子に驚きつつ悪魔に聞く。

「天界のカケラは基本天界に住むものしか見えない。もしくは天界に行きたいと強く願っているもの。しかし一個だけ天界に住むことが許されているものしか見えないものがある」
「それがこの最後のカケラということか」

 和輝は誰よりも早く理解し次の言葉をつむぐ。

「そういうことだ。きっと昨日食べた果実は一時的に天界にいける果実だろう。反応が出ない人でも1週間くらいなら大丈夫だろう」
「でも、僕は食べてないから戻れないのだっ! 食べていたとしても一週間しか戻れないっ!」

 天使は泣いていた。
 瞳から涙をボロボロ流して。
 顔がくしゃくしゃになるのも構わずに。

「なら、この世界に住めばいいじゃない」

 その時、いきなり2頭身の影が現れた。
 ポフトだった。

「どういうことだ」

 少し怒った口調で悪魔が詰め寄る。

「だーかーらー、この世界に住めばいいじゃん。そうすれば帰る必要ないでしょ?」
「だが天使にはあちらの世界に家族がいる。天使だって家族に会いたいはずだ」
「今の時代電話くらいならいくらでも出来るでしょ〜? それにどうせあっちの世界でも一人暮らしだったしいいじゃない」

 あくまでも軽く言い放つポフト。

「でも回収してくれたのはありがと。天界のカケラ回収するの結構大変なんだよね〜」

 そこで一度切り、

「天界のカケラを集めると一つだけどんな願い事でも聞いてくれるらしいんだよね、天界の主が。だからこれを使って天界への道開けようとしたけどその必要はないか」

 可愛らしい、だけど悪意のある笑顔で微笑んだ。
 まるでこうなることは知っていたとでもいうように。

「じゃあ、私の願い叶えちゃおうかな」


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