コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 私が辞書を貸す理由。【参照800感謝】
- 日時: 2015/05/04 17:37
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
≪プロローグ≫
あの日、私は先輩にぶつかった。
男嫌いな私は、やばいと思いました。
でも、迷惑ながら先輩はその日から毎日私の教室に顔を出して辞書を貸してと頼むようになりました。
そして、不思議なことに男嫌いなはずの私なのにだんだんと先輩にかれて惹れていきました。
先輩。
私が辞書を貸す理由。
笑わないで、聞いてください。
小倉 千尋 OGURA CHIHIRO 高一
チビなので、通称、おぐちび。
目が大きく色が白いのでモテる。
東 涼介 AZUMA RYOUSUKE 高三
青木 佑真 AOKI YUMA 高一
朝倉 萌黄 ASAKURA MOEGI 高一
小倉 朔来 OGURA SAKURA 中三
*イラスト*
>>38 ちひろ
>>39 萌黄
>>40 先輩
2014.9.14 〜第一期 *END*
>>64 【赤ずきんちゃん】
>>65 【東先輩×萌黄だったら】
>>66 【佑真×ちひろだったら】
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪更新≫ ( No.23 )
- 日時: 2014/07/06 07:46
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
「おじゃましまぁす」
さくらが可愛く言った。
「お昼、ご一緒させてもらいます」
文章にしたら語尾にハートが付きそうなさくらが、言った。
さくらが言うと、どんな言葉でも甘くなってしまう。
まるで、魔法みたい。
「あぁ、適当に座って」
でも、佑真は動じない。
それでも、佑真の家に来れたのが嬉しいのか、さくらはニコニコで佑真の隣に座った。
「で〜お昼何〜?」
私が聞くと佑真は
「コンビニで買ってくるから待ってろ」
と、出て行ってしまった。
昼、用意してあったから家によんだんじゃなかったのか。
「…お姉ちゃん」
「何?」
「あのね…。お姉ちゃん」
「どした?さくら。」
さくらは自分のワンピースの裾をギュッとつかんでいる。
今にも泣き出しそうだ。
「私…」
「ん?」
「佑真さんが!好きなのっ!」
さくらがちょうど大きな声で、言い放った時。
玄関の方でガチャッと音がして、佑真がその場で突っ立っていた。
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪更新≫ ( No.24 )
- 日時: 2014/07/06 08:18
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
「ゆ…ゆう…ま、さん」
震えた声でさくらが言った。
…いやいやいや。
この展開ありえない。
神様、いくらなんでもさくらがかわいそすぎやしないか?
「さっきの聞いてた?」
私は頑張ってフォローをしようと、言葉をはさむ。
佑真は私の言葉に頷くと、さくらの方に向き直った。
「あの、佑真さん!私…、佑真さんが…」
「ずっと前から好きでした。」
窓から涼しい風が入ってくる。
まるで、さくらの真っ赤になった顔を冷ますように。
気まずい沈黙が走る。
沈黙を破ったのは私だった。
「ふぇくしょんっ」
最悪だ。
こんな場面でくしゃみをしてしまった。
風が涼しいからだ。
「大丈夫か?!」
佑真が私に駆け寄ってくる。
「大丈夫…だよ くしゃみが出た…だけ」
「お前顔真っ赤!!」
「へ?」
「本当に、顔真っ赤!熱でもあるんじゃないか?」
佑真は私の額に手を当てた。
「ほら、運んでやる」
佑真がしゃがんで私に背中を向けてきた。
乗れ、ということだろうか。
私は遠慮なく佑真の背中に身を任せた。
「よいしょっ」
と、佑真の重々しげな声が聞こえたのは覚えている。
階段を一段一段上ったのも覚えている。
ただ、そのあとの事は何も覚えていない。
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪更新≫ ( No.25 )
- 日時: 2014/07/06 08:39
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
額に冷たい居心地よさを覚えた。
ゆっくりと目を開くと、そこは佑真の部屋の天井だった。
「少し、熱下がったな…!」
佑真が部屋に入ってきていった。
「さくらは?」
「…帰ったよ」
…そうだ。
私があそこでくしゃみをしたせいで告白の返事が中断されてしまったんだ。
「返事は…した?」
私が聞くと、佑真は優しくうなずいた。
「俺には好きな人がいるから、無理だって。」
佑真に好きな人…?
いつの間にそんなものが存在したんだろう。
なぜさくらよりその人を優先する?
どこまでその人を想っている?
「佑真の好きな人って」
私が口を開く。
佑真は期待しているかのように私の次の言葉を待つ。
「萌黄?」
ガクンと、まるで漫才でもしているように佑真がうなだれる。
「違う」
そういう佑真の目は哀しく輝いていた。
「えーじゃあ…同じクラスの子とか?」
「うーん… 強いて言えば、アホみたいな友達みたいな、そんなやつ。」
「えぇ?アホな友達?誰だろ…」
「お前だよ」
「……?!」
私の額に手が置かれる。
「本当さ、もっと早くに気づけよ。俺、お前の事ずっとずっと見てたんだよ。」
「ちひろのことが、好きなんだよ」
その時、先輩の顔が私の脳裏をかすめた。
何でこんな時に先輩を思い出すのか、自分でも不思議だった。
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪佑真の告白シーン≫ ( No.26 )
- 日時: 2014/07/06 08:38
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
「あの…それって…」
「…もう三時だぞ。腹減ったろ?帰れよ」
佑真は私を起こした。
いきなり態度が、冷たくなる。
私を玄関に連れて行くと、佑真は部屋に引き返そうとした。
でも、何かを忘れたようにこちらに戻ってきた。
「先輩なんて、やめろよ」
私の耳にそっと囁くと、私の唇に佑真が唇を重ねてきた。
短いキスだった。
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪佑真の告白シーン≫ ( No.27 )
- 日時: 2014/07/06 09:24
- 名前: わーにゃ ◆A4jsQTgi.Q (ID: MuN5clNF)
はじめまして!
めっちゃおもしろいです!
続き楽しみにしてます(>_<)
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
この掲示板は過去ログ化されています。