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- 私が辞書を貸す理由。【参照800感謝】
- 日時: 2015/05/04 17:37
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
≪プロローグ≫
あの日、私は先輩にぶつかった。
男嫌いな私は、やばいと思いました。
でも、迷惑ながら先輩はその日から毎日私の教室に顔を出して辞書を貸してと頼むようになりました。
そして、不思議なことに男嫌いなはずの私なのにだんだんと先輩にかれて惹れていきました。
先輩。
私が辞書を貸す理由。
笑わないで、聞いてください。
小倉 千尋 OGURA CHIHIRO 高一
チビなので、通称、おぐちび。
目が大きく色が白いのでモテる。
東 涼介 AZUMA RYOUSUKE 高三
青木 佑真 AOKI YUMA 高一
朝倉 萌黄 ASAKURA MOEGI 高一
小倉 朔来 OGURA SAKURA 中三
*イラスト*
>>38 ちひろ
>>39 萌黄
>>40 先輩
2014.9.14 〜第一期 *END*
>>64 【赤ずきんちゃん】
>>65 【東先輩×萌黄だったら】
>>66 【佑真×ちひろだったら】
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- Re: 私が辞書を貸す理由。≪更新≫ ( No.13 )
- 日時: 2014/10/05 21:06
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
「もう、青木君かっこよすぎる〜」
萌黄が黄色い声を出してはしゃいでいる。
朝、学校についてからの休み時間に私と萌黄は椅子に座って雑談をしていた。
「萌黄ってそれしか言ってないよね」
私が言うと、萌黄は口角をあげて、
「青木君は私の王子様だもん」
と、言う。
王子様とか大げさだな…と、私が言うと萌黄は「もうっ」と頬をふくらます。
「あっ、昨日のクイズ見た?あれやばいよねー。高1レベルとか出てるけど私全然分かんなかった」
萌黄がいきなり、話題を変える。
「見たけど…もしかして、萌黄あんなのがわかんなかったの?」
「え〜?だって〜、そりゃ、おぐちびは賢いかもしれないけど私には…」
そこまで言ったところで、萌黄の動きがピタッと止まった。
「お〜い。萌黄?」
目の前で手を振っても、萌黄は一点を見つめたままで動かない。
「…?!」
私は萌黄が見ている方をバッと振り向いた。
「あっ小倉〜」
そこには、辞書に落書きをした犯人が手を振っていた。
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪更新≫ ( No.14 )
- 日時: 2014/06/08 10:05
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
「先輩っ!」
ニコニコしながら先輩は教室に入ってきた。
みんなの視線が先輩に集中する。
そして、私の前に来ると先輩は私に行った。
「小倉、辞書貸して」
「…また、ですか。」
「うん。俺、辞書犬にビリビリに食われちゃったからないんだ。」
先輩が、言い訳をする。
私と先輩は、今莫大な注目を浴びている。
私は、手提げの中からゴソゴソと辞書を取り出し、先輩に渡した。
「ありがと」先輩は私の額をトンっと、小突くと教室から出て行った。
「お…おぐちび。」
萌黄が私を揺さぶる。
「今の…誰?」
「あ、あれ、先輩…だけど」
「超カッコいい——!!」
萌黄が大きな声を出してはしゃぐ。
「なんていう名前っ?教えてっ」
「東…だったような気がする」
「アズマ?ひゃーかっこいい!メアド聞き出しといて!!」
萌黄の言葉にさっきまで硬直していた女子たちが私の周りに集まってくる。
「ちいちゃん私もあの先輩のメアド教えてっ」
女子たちが私にすがる。
「わ、わかったよ…」
私がOKすると、女子たちはキャーッと喜びの声を漏らして手を取り合った。
あぁ、面倒なことをしてしまった。と、私は心の中で後悔するのだった。
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪更新≫ ( No.15 )
- 日時: 2014/06/29 10:24
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
「今日もありがとな」
先輩が私に辞書を渡してきた。
私は、辞書を受け取った。
「メアド持ってますか。」
私は、下を向いて聞いた。
「持ってるよ。交換しようか」
先輩が、ポケットからスマホを取り出す。
「あ…」
私は、戸惑った。
女子たちに頼まれたからこんなことしてるけど、私は先輩とメアドを交換したいわけじゃない。
第一、メアドを知られてしまったらますます先輩と、つまり男と仲良くなってしまう。
「赤外線。」
「…はい。」
やっぱり、今日も先輩のスマイルに負けてしまった。
私は、先輩とメアドを交換してから自分の家に向かったのだった。
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪更新≫ ( No.16 )
- 日時: 2014/06/22 11:10
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
「今日もありがと。じゃあな!」
先輩がひらひらと手を振って歩いて行った。
私はその後ろ姿見えなくなるまで見送った。
先輩が、私の教室に出現するようになってから、約二週間。
先輩が辞書を催促してくるのはもう、当たり前のようになっていた。
そして、私は先輩を嫌がらなくなった。
なんていうか————。
男としゃべらないようにするって言うのはバカバカしく思えてきたし、
第一それは無理だということに気が付いた。
先輩だって、優しくていい人だし悪くはないと思ってる。
私は心の中で密かにつぶやいた。
「ちひろ。」
「はいぃっ!」
突然、名前を呼ばれびくっと体を震わすと、後ろから佑真が追い抜かしてきた。
「車きた。あぶねーぞ。」
後ろを見ると、車にクラクションを鳴らされた。
「すいませんっ」
私が道をどくと、車は走って行った。
「なあ、お前最近変じゃね?」
「え?何が?」
佑真が顔をしかめて私をにらんでくる。
「…やっぱり、変。」
「ねえ、何が変なのよ」
「だって。」
佑真の足が急に止まる。
「だって、急に誰とでも話すようになったじゃん。お前、男嫌いなんじゃねーの?」
「そ、それは…」
先輩のおかげ、
そう言おうとして口を留めた。
「何でもないよ。」
私がそっけなく言うと、佑真はふうんと呟く。
「なあ。」
「もう、何よ。また質問?」
しつこいので私が振り向くと佑真は私の頭にチョップを入れた。
「痛っ このバカ佑真」
「へ〜引っかかる方がわりぃんだよ」
私が佑真めがけて手を振り上げると佑真に腕をつかまれた。
「明日、暇?」
「…は?」
佑真が珍しく頬を赤くして話している。
「暇っていうか、別に用はないけど…」
「じゃ、明日どっかいこーぜ」
佑真はそういうと、私の手を放してまた歩き出した。
「いいよ別に。」
私がその背中に言うと、佑真は振り向かずに軽く手を挙げた。
- Re: 私が辞書を貸す理由。≪更新≫ ( No.17 )
- 日時: 2014/10/05 21:11
- 名前: チィク (ID: as61U3WB)
「…でさあー、明日遊びに誘われたのよ」
「ゲフッ!」
萌黄が幸せそうに頬張っていたシュークリームが口から噴き出した。
「わっ汚い」
私は布巾を取りに、立ち上がった。
放課後、萌黄と二人で私の家で雑談をしている。
それで、私が佑真に遊びに行こうと言われたことを言うと、萌黄がいきなり噴出したのだ。
「ほら、吹いて」
「あふぃふぁと…」
萌黄が口をもごもごさせながら渡した布巾でシュークリームの残骸を
ふき取った。
「もー、いきなり言わないでって。びっくりして吹いたじゃん。」
「うん。口から汚物が飛び出した」
「汚物なんて言うなっ」
萌黄が私をにらんだ。
「で、どこ遊びに行くの?」
萌黄が興味津々な顔で覗いてくる。
「え、そういえば聞いてないなー」
私が答えると萌黄は、
「私も行っていい?!」と、いつもより半音高い声で言った。
「私はいいけど…」
「ひゃったー!!」
萌黄が喜ぶ。
"ひゃー"と"やったー"が混ざっていることはあえて突っ込まない。
「青木君と出かけるなんて初めてー!!ね、おぐちび服貸してよ。可愛いのいっぱい持ってたでしょ」
萌黄が勝手に私のクローゼットを開けて服を取り出す。
あっという間に私の部屋は萌黄ファッションショーになってしまった。
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