コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ファンタジー(仮)
- 日時: 2015/12/20 10:58
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: bIAXyXLC)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=16841
■お知らせ■
ひっそりとこの物語をベースに、新たな僕アリを書き直しております。
複雑ファジー板で執筆中のウェルリア続編が完結したら、再アップしようと考えております。
設定に若干の変更がありますが…なんとか完結させますよ(涙)
いつも閲覧くださるそこのあなた、本当にありがとうございます!
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■お客様♪■
・書き述べる様『2次創作(紙)板:AsStory』
・シア様『コメディ板:白銀の巫女姫』
・一ノ瀬美鈴様『コメディ板:Clear the Dimension』
・如月神流様
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『コメディ・ライト板』書き始め日*2014.07.21〜
参照100突破*2014.07.29 参照200突破*2014.08.04
参照300突破*2014.08.20 参照400突破*2014.08.31
参照500突破*2014.09.23 参照750突破*2015.04.01
参照800突破*2015.04.06
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- Re: 僕とアリスと白ウサギ【Chapter2 更新】 ( No.23 )
- 日時: 2014/08/06 16:28
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: lyw636O3)
「し、しろうさぎ……デスか」
「みんなから、そう呼ばれてます」
【白ウサギ】はそう言って柔らかなブロンドの髪をくしゃくしゃっとかきあげた。
緩くウェーブのかかった髪は夕陽に照らされて、ほのかにオレンジがかっていた。
確かに、小動物っぽい……
心の中でそうつぶやいた僕の目の前で、少年は(もちろん見た目はどう見ても人間である。)自身の右手を食い入るように見つめていた。
握りしめていた金色の懐中時計を覗き込み、次いで声を上げる。
「ああっ、ぼんやりしてたっ……約束の時間だっ……!」
白ウサギ……懐中時計……そして、アリス……
「ぶつかってしまってスミマセンでした、私はこれで失礼します!」
あたふたと懐中時計を白衣のポケットにしまい、少年は体勢を立て直した。
そうして、働かない頭で思案していた僕に向かって、
「またお会いするでしょう……!」
何の宣言なのか。
別れ際の挨拶にしては、至極前向きな言葉である。
そして、まさに文字通り、【白ウサギ】は嵐のごとく去って行ったのであった。
「……ハハ。まさか、ね」
しばらくして、僕はそのような言葉を吐いていた。
その場で立ち尽くして、【白ウサギ】が駆けていった方を呆然と見つめる。
【アリス】【白ウサギ】、そして【不思議の国】。
"彼"が口にしていた単語を並べて、僕はある1つの結論に達していた。
「これって【不思議の国のアリス】……だよな」
イギリスの数学者、ルイス=キャロルが書いた名作『不思議の国のアリス』。
幼い少女アリスが白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込み、しゃべる動物や動くトランプなど様々なキャラクターたちと出会いながらアリスがその世界を冒険する児童向けのファンタジー小説である。
しかしーー
これはあくまで、小説の中のお話である。
まさか『現実に【アリス】が現れた』などと考えるほど、僕の頭は緩んじゃいない。
「さっきのは夢だ。夢オチだ」
不思議の国のアリスが絡んでいるだけに、先ほどの少年との出会いを強引に『白昼夢内の出来事である』として片付けた僕は、そうして自宅のアパートに帰宅したのであった。
まさかその先で、そんな彼と望んでもいない再会を果たすことになるとは、この時の僕は知る由もないーー
- Re: 僕とアリスと白ウサギ【参照200ありがとうございます】 ( No.24 )
- 日時: 2014/08/04 21:59
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: lyw636O3)
Ⅱ.
「なんで……いるんだよ」
「今日からお世話になります、【白ウサギ】です!」
「新手の勧誘はいいです、サヨナラ」
「ちょっ……ちょっと待ってくださいってば!」
呼び鈴が鳴らされ、夕飯作りで手が離せない母親の代わりにドアを開けた僕。
その先に待ち構えていたのは、白衣の少年ーー
僕は、反射的にそのドアを閉めていた。
しかし少年はガンガンとやかましい音を立てて、僕の家のドアを叩く。
「開けてくださいってば! 開けてくださいってば!」
あまりの騒々しさに、果ては近所迷惑になるだろうと予想した僕は、少ししてから渋々ドアを開けた。
目の前の少年がホッとした顔つきで僕を見上げている。
「……キミ、僕の夢の住民じゃなかったのね」
「私は白ウサギです!」
会話になっていない。
「えーっと、じゃあ……なんで僕の家を知ってるの?」
「私の家がここだからです!」
「…………ん?」
「だから、私、この隣に住んでるんです」
こんな奴がお隣さんだったなんて、僕は存じ上げていない。
「本日、不思議の国から引っ越してきました。よろしくお願い致します」
ぺこりと頭を下げて、【白ウサギ】はそう言った。
そうしてから、彼は手に持っていた白い紙袋を僕に手渡した。
「あの、これっ。この地では挨拶する時にプレゼントを渡すのが礼儀だと」
紙袋の中を覗くと、駅前の百貨店名が印字された包装紙が目に飛び込んできた。小箱の大きさからして、百貨店内で人気の高い満島屋の饅頭であることは容易に想像出来た。
意外と礼儀は心得ているらしい。
「ああ、どうも……」
「で、質問なんですけど」
ぐいっと顔を寄せて、【白ウサギ】が僕の目を見つめる。
「【アリス】、知りません?」
「だぁから、知らないって」
「本当ですか?」
「本当だってば!」
「まさか、アナタの家の中にいるなんてこと……」
「んなこと、あるか!」
「ああ……そんな。女王様に怒られる……」
つぶやいて、彼はその場にがっくりと膝をついた。
よほどショックだったらしい。
しかし、知らないものは知らないのだ。
「ホラ、他に用が無いんだったら帰った帰った」
ドアを閉めようと試みて、その場に座り込んでしまった白ウサギがつっかえてドアが閉まらないことに気がつく。
僕はその場から退いてもらうように頼もうと口を開きかけて、思い直した。
目の前の彼が、酷く可哀想に思えてきたのだ。
シュンと背中を丸め、ひたすら地面を見つめている。
ーー話だけでも、聞いてやるか。
我ながらお人好しだなと、苦笑する。
「なあ【白ウサギ】。その……【アリス】って、何者なんだ」
途端、【白ウサギ】は我に返ったようにその場で跳ね起きた。
目を輝かせて僕を見る。
その様を目の当たりにした僕は、思わず小動物のようだとつぶやいた。
「きっ、聞いてくれますか」
「まあ……話だけなら」
「【アリス】は、完璧なんです!」
嬉しそうに【アリス】について語る【白ウサギ】は、まるで我が子を語る保護者のようであった。
- Re: 僕とアリスと白ウサギ【参照200ありがとう】 ( No.25 )
- 日時: 2014/08/05 16:58
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: nlsJQUXH)
「本当、我が子のように可愛い子なんですが……それが、【不思議の国】から逃げ出してしまいまして」
「【不思議の国】……」
「そうです。それで私は女王様の(めい)により、そうしてこの地にいるであろう【アリス】を探し回っているって訳です」
「女王様って、まさか……【ハートの女王】か」
そこで、【白ウサギ】は目を丸くしていた。
日本人離れした色素の薄い目が大きく見開かれる。
「スゴイ……なんで知ってるんですか?」
「まあ、そりゃあ……」
【不思議の国のアリス】といえば、アリスと白ウサギの他に、ハートの女王なる登場人物が存在する。
トランプの衛兵を従え、些細なことで激昂して口癖のように「首をはねろ!」という台詞を頻発するかんしゃく持ちなキャラクターである。
しかしながら、そこまで読書好きでも無い僕が良く不思議の国のアリスの内容について覚えていたなあと、我ながら感心した。
「我らが女王様も、有名ということでしょうか」
「ハハ……じゃあ、まあそういうことで」
ドアを閉めようとした僕を、力づくで押しとどめる【白ウサギ】。
「待ってください。折角なんで、お名前を教えてください」
「……なんでだよ」
「だって、なんて呼んだら良いのか困りますから」
「兼人」
【白ウサギ】の手が、ふ、と緩んだ瞬間、僕はここぞとばかりに思い切ってドアを閉めた。
心臓がまだ強く波打っている。
ふう、と息を吐いて、僕はドアを背に玄関先でしゃがみ込んだ。
母親がリビング奥のキッチンから誰が来たんだと大声で尋ねてきたが、僕は返答するのも何だか躊躇って、そのまま自室に引っ込んだのであった。
ちなみに、手渡された饅頭は夕食の時に母親と一緒に美味しく戴いた。
- Re: 僕とアリスと白ウサギ【参照200ありがとう】 ( No.26 )
- 日時: 2014/08/05 17:59
- 名前: シア (ID: 0dFK.yJT)
お隣に白うさぎって……………!(笑)
コホン、……………すみません。
なんか、なんていうか………うん、ツボりました。
でもお隣に白うさぎ………リアルであれば楽しい日常になりそうですね。
本当にあったらな………。
でわ、今回はリアルの方での用事があるので、これで失礼致します。
応援してるので、更新頑張ってください!
- Re: 僕とアリスと白ウサギ【参照200ありがとう】 ( No.27 )
- 日時: 2014/08/06 16:06
- 名前: 明鈴 ◆kFPwraB4aw (ID: lyw636O3)
>>シア様
いつもありがとうございます!
お隣にやってきちゃいました、白ウサギ(笑)
これからどんなドタバタが起こるやら……^^;
リアルにいたら、私なら即警察に連れて行きます(笑)
リアルでの用事、お疲れ様です!
お忙しいのにコメントくださって、、本当ありがとうございます(///)
執筆がんばります〜ありがとうございます(^ ^)
明鈴
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