コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 黒猫と女剣士
- 日時: 2017/08/10 20:16
- 名前: 幼音アリア (ID: a0p/ia.h)
コツ、コツ、コツ・・・・・
おや?お客様ですか、珍しい・・・こんな森の奥の図書館に入るなんて、
相当の変わり者とお見受けしました・・・・・
いえいえ、悪い意味で言ったのではございません、そうだ、変わり者の
お客様にぴったりの「変わり者が出てくるお話」をご紹介します・・・
と、その前に・・・
お客様は、昔からある「言い伝え」をいくつご存知ですか・・・?
夜には口笛を吹いてはいけない、や、黒猫に横切られると不幸になる、
等の言い伝えは有名です・・・・・
今回ご紹介するお話は、今話した言い伝えの後者に関係のある
お話でございます・・・・・
では、どうぞごゆっくり・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.24 )
- 日時: 2018/03/12 20:23
- 名前: 幼音アリア (ID: fE.voQXi)
「違・・・う・・・・・違うの・・・・・お姉ちゃん達はこんなに優しくしてくれるのに、僕は
ずっと・・・・・怖がってばっかりで・・・・・」
「・・・・・」
「ごめんなさい・・・ごめんなさいぃ・・・・・」
「・・・無理はしないで、ゆっくりと、落ち着いて・・・・・」
「・・・うん・・・・・」
「・・・誰にでも、接し方に困ってしまう時はあるんだよ、それが今まで自分が怖がっていた
存在なら尚更だ・・・・・なのに、それなのに・・・・・こんなに小さいのに、ルーは本当に
偉いな・・・・・」
私はそう言いながら、ルーの頭を撫でた・・・・・
「偉くないよ・・・・・僕、皆が・・・・・酷いことされて・・・・・いるのに・・・・・
一人で逃げちゃった・・・・・」
「・・・そうか・・・・・」
この小さな命は、恐怖や絶望を数え切れないほど体験してきたのだろう・・・・・
長い間、怯えた命と助けられないまま消えていった命・・・・・
私は心の中で・・・・・
「助けられなくてごめん」
・・・・・そう呟いた
「・・・・・」
「寝てしまったか・・・・・」
私はその日、胸に新たな決意を抱え、ルーの寝顔を見守った・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.25 )
- 日時: 2018/03/26 20:53
- 名前: 幼音アリア (ID: MHTXF2/b)
明くる日・・・ーーー
「・・・んっ・・・んん・・・いつの間にか寝てしまったのか・・・・・」
私は、朝早くに目が覚めた・・・どうやら、ルーのことを見ている内に寝てしまっていたらしい・・・
「・・・特訓・・・するか・・・・・」
剣士にとっての日々の特訓・・・国を守る身として、剣の腕の上達は大事なことだ・・・・・
「・・・・・」
バッ・・・
ザンッ!
「・・・結構深く入ったな、剣を抜いてから斬るまでの時間は二秒・・・ぐらいか・・・・・」
随分古い木・・・樹齢は300歳と聞いたことがある・・・特訓はいつも、この木に手伝ってもらって
ばかりだ・・・・・
「・・・いつもありがとう」
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.26 )
- 日時: 2018/03/28 20:42
- 名前: 幼音アリア (ID: rBo/LDwv)
私はいつもこの木に感謝の言葉を伝えている・・・・・
そして、剣でできた傷は、私が唯一使える時間戻しの魔法で治している・・・・・
「・・・今日の特訓はこれくらいにしておくか、そろそろ戻らないと・・・・・」
ガサッ・・・
「・・・っ!そこに隠れているのは誰だ!?」
「ひっ・・・!」
ガサガサッ・・・
「・・・ご・・・ごめんなさい・・・・・」
「・・・ルーだったのか・・・声を荒らげてしまってすまない・・・何をしていたんだ?」
「お、お姉ちゃんがどこに行こうとしているのか・・・気になって・・・・・」
「・・・そうか・・・だが、こんな朝早くから子供が一人で出歩くのは危ない、一緒に帰ろう」
「うん・・・」
そう言って私は、ルーの手を握った・・・・・
本当に小さい・・・少し力を入れてしまえば、泣かせてしまうのではないかと・・・・・
「お姉ちゃんの手、暖かい・・・」
「そ、そうか?・・・・・ルーの手も、暖かい・・・・・」
「あ、ありがとう・・・」
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.27 )
- 日時: 2018/04/30 20:16
- 名前: 幼音アリア (ID: fE.voQXi)
「・・・ルー」
「何・・・?」
「・・・・・」
「・・・・・?」
以前いた場所で、何をされたんだ・・・?そう聞こうと思ったが、聞けなかった・・・・・
心に穴を開け、そして抉る・・・・・そんな感覚に襲われた・・・・・
「・・・朝ご飯は何だろうな?」
「・・・・・?」
いきなり言われても、そりゃあ困るよな・・・・・
「いや、今のは忘れてくれ・・・」
「・・・?うん・・・・・」
「そうだ、今日は午後に買い物へ行こうと思うんだが、ルーも一緒に行かないか?」
「買い物・・・?」
「あ~、まぁ来ればわかるさ」
「行きたい!」
「じゃあ行こう」
「うん!」
徐々に距離が縮んでいくのがわかる・・・・・
そして、午後はすぐに訪れた、約束の買い物の時間だ
「何か気になる物はあるか?ルー」
「・・・・・」
「どうした・・・?」
「・・・・・こ、怖い・・・・・」
そうか・・・大事なことを忘れていた・・・・・ルーは黒猫族、人間は恐怖の対象・・・・・
こんな人気の多い場所に来て、平気ではいられない・・・・・
自分に懐いていることで、大事なことを忘れていたのだ・・・・・
「ごっ・・・ごめんルー!帰ろうな、今すぐ・・・・・」
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.28 )
- 日時: 2018/05/02 19:17
- 名前: 幼音アリア (ID: T0oUPdRb)
「で・・・でも・・・・・お姉ちゃんとのお出かけだし・・・・・」
「・・・でも、怖いんだろう・・・?」
「・・・・・うん」
「・・・買い物はまた後日にしよう、少々早過ぎた・・・」
「・・・・・?」
「・・・・・今日は帰ろうな」
「うん・・・」
私は、ルーのの手を握り、歩き始めた・・・
だが、その時に、ルーは躓いてしまった・・・・・
「うわぁっ!?」
どてっ・・・
「大丈夫か?ルー・・・」
「う、うん・・・痛いけど、大丈夫・・・・・」
「怪我はしていないか?」
「うん、大丈夫・・・・・あれ?」
「どうした?」
「これ、何だろう・・・?」
「これは・・・・・」
ルーが躓いてしまったその場所には、落書きがあった・・・・・
そう、何も知らない人間が見れば、これはただの落書き・・・・・
だが、魔法に関しての知識を持つ人間が見れば、これは落書きではない・・・・・
恐らく、何かの魔法陣だろう・・・・・
人通りの多い市場だから今まで気が付かなかった・・・・・
それか、これはつい最近書かれたのだろうか・・・・・