コメディ・ライト小説(新)
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- 黒猫と女剣士
- 日時: 2017/08/10 20:16
- 名前: 幼音アリア (ID: a0p/ia.h)
コツ、コツ、コツ・・・・・
おや?お客様ですか、珍しい・・・こんな森の奥の図書館に入るなんて、
相当の変わり者とお見受けしました・・・・・
いえいえ、悪い意味で言ったのではございません、そうだ、変わり者の
お客様にぴったりの「変わり者が出てくるお話」をご紹介します・・・
と、その前に・・・
お客様は、昔からある「言い伝え」をいくつご存知ですか・・・?
夜には口笛を吹いてはいけない、や、黒猫に横切られると不幸になる、
等の言い伝えは有名です・・・・・
今回ご紹介するお話は、今話した言い伝えの後者に関係のある
お話でございます・・・・・
では、どうぞごゆっくり・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.4 )
- 日時: 2017/10/23 19:39
- 名前: 幼音アリア (ID: OypUyKao)
《・・・人間にやられたのだろうか・・・・・逃げることができないようにする為か、両足に
傷が集中している・・・・・こんな小さな子供が同族同士で血が出るほどの殺し合いをするとは
考えられない・・・・・やはり、人間の仕業か・・・・・》
「・・・えっと・・・・・」
《こんな時、こんな自分が嫌になる・・・・・ただ助けたいだけなのに、何て声をかけて、何を
するのが最善か、頭の中ではわかっているつもりなのに・・・・・自分を変えなければ、いつか
誰かを守らなければいけない時、絶対に守れない・・・・・》
「・・・大丈夫か・・・?」
「・・・・・」
《・・・とにかく、この子を連れて家まで戻ろう・・・》
それからは、助けたい一心で家まで急いだ・・・傷だらけの体に負担がかからないように、
走らずに早歩きで戻った・・・・・
ガチャッ・・・
「ただいまー・・・」
「おっかえりー!随分早かったわ・・・・・」
ここまでわかりやすい戸惑い方があるだろうか・・・恐らく、私がこの子をここまでボコボコ
にしたと勘違いしているのだろう・・・・・
「これは違うぞ?」
「わ、わかってるわ・・・よ?その子が何かしたんでしょ・・・?で、でもちょ~っと
子供相手に暴力は・・・・・」
やはり、わかっていなかった・・・
その後、事情を話し、何とかわかってもらえた・・・
「ふーん・・・で、その子を助けた、と・・・」
「あぁ、そのままにはできないじゃないか・・・」
「でも大丈夫なの?確か黒猫族って・・・」
「・・・はぁ・・・ラシア、貴女までそんな言い伝えを・・・」
「だって有名な話じゃない・・・「黒猫族は不幸を招く」って・・・」
黒猫に前を横切られると不幸になると言われるように、黒猫族と関わりを持ったり、触れたり
した者は不幸になると言われていた・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.5 )
- 日時: 2017/12/05 23:23
- 名前: 幼音アリア (ID: MHTXF2/b)
「今は昔と違って魔法も発展しているんだし、いつまでも不確かな迷信を
信じていたってねぇ・・・」
「ま、まぁ、そうだけど・・・・・」
「それに・・・」
「・・・?」
「こんな小さな子供が、人の幸運や不運を左右できるとはとても私には
思えないわ・・・・・」
「・・・貴女って、子供には弱いわよね・・・・・」
確かにそうだ・・・私は子供には弱い・・・だが、それだげではなく、
もう一つ・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.6 )
- 日時: 2017/12/06 23:41
- 名前: 幼音アリア (ID: lQjP23yG)
「・・・雨が酷くなってきたわね・・・・・」
「最近降らなかったから、その分多いんじゃないか?」
「そんな感じの理屈なの?雨って・・・」
「・・・私にもよくはわからん・・・」
「・・・ねぇ、ハンナは何で妙に口調が男勝りなの?可愛いんだから
もっと女の子らしくすればすぐにでも男ができるわよ?」
私はただ、一国の剣士らしくしていただけだが、そこまで男勝りに
聞こえていたのか・・・・・
「男がどうこうより、今は一日でも早く国同士の争いが失くなることが
先決でしょうに・・・・・」
「まぁ、それもそうね・・・・・」
次の瞬間・・・
ガシャアァァァァン!!!
私達二人の会話に割り込むかのように、雷鳴が響いた・・・・・
「・・・ありゃ~、今のは結構大きかったわね・・・」
「確かに今のは大きかったな・・・」
「・・・その子を連れてきたから・・・とかだったりして・・・・・」
「何てこと言うのよ・・・・・」
「だって・・・やっぱり昔からある言い伝えや迷信は、ちょっとだけ
でも信じちゃうじゃない・・・・・」
「今のはお前のせいじゃないからな・・・・・」
そう言うと私は、そっとその子の頭を撫でた・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.7 )
- 日時: 2017/12/07 20:45
- 名前: 幼音アリア (ID: qXcl.o9e)
ピクピクッ・・・
「・・・う・・・ぅぅ・・・」
「・・・!ラ、ラシア!今この子動いた・・・!」
「いや、生きてるんだから動くの当たり前でしょ・・・」
「お、起きたらどうしよう・・・猫だからやっぱミルクとか・・・!?」
「まずは落ち着きなさいよ・・・・・」
ラシアの言う通りだ・・・少し取り乱してしまった・・・まずは自分が
落ち着かなければ、この子が起きた時の対処にも影響が出てしまう・・・
「・・・さて、落ち着いたし、ミルクの準備をするか・・・」
「ミルクなら私が準備しておくから、ハンナはその子の側にいてあげたら?
起きていきなり知らない場所に一人・・・いや、一匹?だけだったら
びっくりしちゃうかもしれないし・・・・・」
「そうね、じゃあお願いね、ミルク」
「わかった」
そう言うと、ラシアはミルクの準備をしに行った・・・
「・・・・・」
改めて見ると、不思議だ・・・見た目はほぼ人間・・・だが、頭から
生えているのは、本物の猫耳・・・・・お尻には尻尾までちゃんと
ある・・・・・
他の人間は、本当にこの種族が不幸を招く存在だと信じているのか・・・
「・・・う・・・ぅ・・・ん・・・・・?」
「・・・!」
落ち着け、落ち着け・・・こんな時こそ冷静に・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.8 )
- 日時: 2017/12/11 20:53
- 名前: 幼音アリア (ID: w32H.V4h)
「うぅ・・・う~・・・・・」
間の抜けた声だ・・・恐らく寝ぼけているのだろう・・・
だが、それも長くは続かなかった・・・・・
「・・・!お、お姉ちゃん誰・・・!?ここどこ・・・!?」
・・・相当怯えている・・・人間にかなり酷いことをされた証拠だ・・・