コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 黒猫と女剣士
- 日時: 2017/08/10 20:16
- 名前: 幼音アリア (ID: a0p/ia.h)
コツ、コツ、コツ・・・・・
おや?お客様ですか、珍しい・・・こんな森の奥の図書館に入るなんて、
相当の変わり者とお見受けしました・・・・・
いえいえ、悪い意味で言ったのではございません、そうだ、変わり者の
お客様にぴったりの「変わり者が出てくるお話」をご紹介します・・・
と、その前に・・・
お客様は、昔からある「言い伝え」をいくつご存知ですか・・・?
夜には口笛を吹いてはいけない、や、黒猫に横切られると不幸になる、
等の言い伝えは有名です・・・・・
今回ご紹介するお話は、今話した言い伝えの後者に関係のある
お話でございます・・・・・
では、どうぞごゆっくり・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.9 )
- 日時: 2017/12/12 20:53
- 名前: 幼音アリア (ID: 06in9.NX)
「怖がらないでくれ、何も酷いことはしない・・・・・」
「う・・・うぅ・・・ぅ・・・・・」
・・・やはり口で何と言おうと、信じてもらえないか・・・・・
悲しいが、納得はできる・・・・・
この子はずっと、人間の勝手な差別の感情のせいで苦しんできた
だろうから・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.10 )
- 日時: 2017/12/17 00:53
- 名前: 幼音アリア (ID: KZRMSYLd)
《・・・どうしよう・・・接し方がわからない・・・・・頼むラシア・・・
ミルクを・・・ミルクを早く・・・・・!私は今、結構気まずい状況下
にいるんだ・・・!》
「・・・ぅ・・・ぅ・・・・・」
「お待たせ~、ミルク持って来たわよ~って、もしかして今の私の声で
起きちゃった・・・?」
「・・・いや、少し前からだ・・・・・」
「そう、にしても・・・」
「うぅ・・・・・?」
「本当に人間と黒猫を足したような見た目なのねぇ~・・・」
ちょんちょん・・・
「ひいぃっ・・・!」
ラシアは私と違って初対面が相手でもグイグイ接する性格だ・・・・・
たった今も黒猫族の子供の耳を人差し指でつついて怖がられた・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.11 )
- 日時: 2017/12/17 18:21
- 名前: 幼音アリア (ID: KZRMSYLd)
「や・・・やめ・・・て・・・ください・・・つ・・・つつかないで・・・
ください・・・・・」
「ご、ごめんごめん!まさかここまで怖がられるとは思ってなかった
から・・・・・!」
「今のはラシアが悪い・・・」
「ちょ、ハンナまで・・・」
「・・・でも、ミルクはありがとう」
「・・・何かいつもと違って女の子らしくない?」
「そう?普通だと思うけど・・・・・」
・・・そんな会話をした後、私は黒猫族の子供との会話を試みた・・・・・
「・・・ミルクは好きか?」
「・・・ミルク・・・・・?」
「・・・まだ少し熱いな、冷めてから飲むんだぞ」
私はそう言うと、その黒猫族の子供にミルクが入ったコップを、
そっと渡した・・・・・
「・・・・・?」
《・・・ここまで不思議そうな顔をしているってことは、今までミルクも
飲めないほど過酷で悲惨な生活をしていたんだろうな・・・・・》
「・・・・・」
私は、無言で黒猫族の子供の頭を撫でた・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.12 )
- 日時: 2017/12/18 20:53
- 名前: 幼音アリア (ID: MgJEupO.)
その瞬間、私は一つの誤ちに気づいた・・・・・
まだ人間に慣れていないこの子を、いきなり撫でてしまったこと・・・・・
今まで散々人間に酷いことをされて心が傷だらけのはずのこの子を、
撫でることさえ、今は禁忌に近いのかも・・・・・
「・・・・・?」
と、思ったが、撫でられたことを不思議そうにしているだけで、無邪気に
ミルクを飲み続けている・・・・・
単なる私の思い込みだろうか・・・・・
- Re: 黒猫と女剣士 ( No.13 )
- 日時: 2017/12/23 23:23
- 名前: 幼音アリア (ID: KZRMSYLd)
「・・・・・美味しいか・・・?」
「・・・!・・・う・・・うん・・・・・」
私にはこの子の気持ちがわかる・・・・・今この子は「大きな恐怖」に
襲われている・・・・・
原因は明らかに私・・・いや、ラシアもこの場合含まれるか・・・・・
この子は人間が死ぬほど怖いのだ・・・、温かいミルクがあっても、
ふかふかのベッドの上にいても、そこに「恐怖の対象」である人間が
いるから、安心感を得られずにいる・・・・・
どんなに優しく接しようとしても、この子の人間に対する恐怖心が
ある限り、私に心を開いてはくれないだろう・・・・・
今も怯えた目で私を見ている・・・自分が嫌になる・・・・・