コメディ・ライト小説(新)

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  の甼
日時: 2019/05/28 00:20
名前: Garnet (ID: zbxAunUZ)

題名は『  の甼』です。
『の甼』ではありません。

※次回更新分は、最新レスに加筆、という形で掲載する予定です!


Contents >>


【Citizen】(おもな登場人物 隣のかっこ内は誕生日)

氷渡ひど 流星りゅうせい  (12/23)
上総かずさ ほたる (5/4)

佐久間さくま 佑樹ゆうき
柳津やなぎつ 幸枝さちえ
 >>23(本編未読の方は閲覧非推奨)

志賀しが 未來みらい
小樽おたる あずみ
すぎうち たえ
池本いけもと ゆずる
柳津やなぎつ 睦実むつみ
 >>


○ひよこ
○てるてる522
○亜咲 りん
○河童
○上瀬冬菜
(敬称略)


 2018年夏 小説大会 コメディ・ライト小説部門 銅賞
 ありがとうございます。
 これからも少しずつ、大切にこの作品を書いていけるよう、精進を重ねてまいります。

彼らがうまれた日◎2016年5月4日
執筆開始◎2016年5月7日

イメージソング
『Crier Girl&Crier Boy ~ice cold sky~』 GARNET CROW


*





 ──────強く、なりたい

Re:   の甼 ( No.28 )
日時: 2016/11/16 19:15
名前: 亜咲 りん ◆1zvsspphqY (ID: hd6VT0IS)

 
 やっほう。やっと来れました。いつもお世話になってます。感想、遅くなって本当にごめんね。

 まず。……文章が素敵。私はすごく会話文が苦手で、がねさんの文章にすごく憧れます。会話がまるで流れるように綺麗。自然な感じ。
 地の文自体もすごく素敵で、人物の心情がとてもよくわかる。章の終わり方も、謎をさんざん散りばめて散りばめて、不思議なところで終わらせてゆくから、続きが気になって仕方ない。はやく(・_・)
 緑から青。はじめはほたるちゃんの目のことかな、と思ったんだけれども、緑はおばあちゃんのことだったのか。だって、緑色を青色だって言うし、そうでも全然不思議じゃないなって。瞳の色がキーになっているのかな。青い目だなんて、羨ましい(・_・)
 コメライにしては少し暗い内容かな、とも思った。けれども文章はどちらかといえば軽い感じだし、最終的にはライトかな、と思いました。再度言うけれどもがねさんは言葉選びが上手。まるで星みたい。
 村のお話。随分と壮大で、時代背景とかもよく練られてる。もしかして、歴史好き? そうじゃなくっても、きちんとそういうのを調べて書いているのってすごいことだと思う。
 ほたるちゃんが本当の名前ではないということは、とてもびっくりした。え、えええええええ??? となりました。本当、伏線の貼り方が……やばい(語彙力) 本当の名前が明かされる日を待っています。

 思ったよりもこの作品、長かった笑 それでも、すらすら読めて苦痛を感じませんでした。さすがベテランさんだ。精進して参ります。
 最後に。甼、という題名が気になって調べてみたら、まち。市街。まち。ちょう、と出てきたので、ああ、なるほど、と思いました。そんな言葉、知らなかった……(悔しがる)
 題名の意味を知ってから読み返すと、また違った味わいが出てくるような、そうでもないような。
 もう、素敵な作品、これからも読み続けたい作品、としか言えないほどに素敵な作品です。これからも、一読者として応援しています。頑張れ!
 

Re:   の甼 ( No.29 )
日時: 2018/11/19 15:11
名前: Garnet (ID: LXdRi7YQ)


>りんしゃん様

(りんりん様にしようかと迷ったのはここだけの話)

やっほうりんしゃん!
こちらこそ、いつもありがとう。
りんしゃんからの感想を読み終わったら、感激で泣きそうになりました……来てくれてほんとにありがとう(号泣)
具体的に色んなところを褒めてくれて、がねさんめためた嬉しい……【スヤァの絵文字】
ただベテランではないのでね、そこは、わたしから訂正を!
これでもカキコはまだ2年目っす、おっす!


地の文や物語の構成を褒められることなんて滅多にないのであせあせしてます。読者さん目線では伏線の張り方がどう映ってるのかな〜?とも気になっていたので、そう言ってもらえてとてもはっぴーよ!
段々ほたる視点の書き方にも慣れてきたので、できる限りばりばり進めてきますW
彼女の本当の名前も明らかになりますので……。

会話文は、今は苦手ではないなという自覚はあるのだけど、昔は結構自分で読み返すと何か変だなあってなってました。回数重ねて何とかなってる感じ。だからりんしゃんも得意になれるはず!ふぁいっ!

碧眼良いですよね。
国や地域によっては、青い目をセクシーに思う方々もいるらしいと聞いて最初は意味がよくわからなかったんだけど、ここ数ヵ月、わかるようになってきた気がするようなしないような。
お察しの通り、瞳の色はちょっぴりキーになってます。
それぞれの章のタイトルも、完結後にもう一度見てみると、また違った意味に感じられるかも。

歴史はね、好きなんだけど得意じゃない。特に日本史は。()
平安〜鎌倉、WWⅡ前後は比較的覚えられるし、学ぶのも好き。因みにわたしは、日本史より世界史派です。りんしゃんはどっち?
時代背景の設定、思ったよりも難しかったから、うまくできたみたいで安心しました。

確かにこの話って薄暗いよね(笑)
コメライの小説達や作者さんって、ハイハイみんなハッピー!朝だよ起きてー!外が明るい!!カンカンカン!なイメージだから、ときどき肩身が狭い思いをします……。だからこそと言っては何だけど、書き味(?)はさくさく軽めに、登場人物や読者さんの幸せを祈りながら執筆を続けているので、それをわかってくれる方が増えたらなあなんて、願ってたりして。
ダークとかファジーに根を下ろしちゃうと、それと全く逆のことをしてしまいそうだからコメライが今のところの我が家です。コメライから家出したら、きっと登場人物たちをばんばん殺してしまいます。自称うちの子好き好き創作マンだから、できる限りそれは避けたいです(苦笑)

題名について。
読んでくれてる人がほとんど「"甼"って何だ??」となるので、微笑みます。そして調べてくれる人にはさらに好意を抱きます。現在カキコに投稿している物語の中でもかなり気に入っている題名であり、そこに注目してくれるのはとても嬉しい。
詳しいことは本編完結後に、あとがきにて記載しますが、言ってしまえば、本作においては町≒甼となります。真偽はわかりませんが、みち、とも読むとか読まないとか。
空欄部分は空欄のままか、それとも文字が入るか。甼、という字はどう解釈するか。これから、ほたると流星たちを見て、是非想像してみてください。
手のこんだ手抜きとかは言わないで……【スヤァの絵文字】


本当はりんしゃんの言葉にいちいち返事を書いていきたいくらいの勢いなんだけど、それやるとただのうざい人になっちゃいそうだから抑えておきます(笑)
それでも本当に嬉しいコメントだってことに変わりはありません。
ありがとうございました!
これからも頑張ります!


そちらへの突撃準備も着々と進めてるから、ちょっと待っててね( ^ω^ )←


(2016/11/18 原文投稿)
(2018/11/19 加筆・訂正)
 
 

Re:   の甼 ( No.30 )
日時: 2016/11/20 20:10
名前: Garnet (ID: ubqL4C4c)






 この夜以外で、彼がわたしを「ほたる」と呼び捨てたことは、後にも先にも一切なかった。それは彼なりの意志の表明で、たくさんの想いが混ざり合ったものなんだろう。
 いつか、遠い未来でも良いから、わたしの本当の名前を呼んでほしい。そうしたら、わたしはその名で生きていく。きっと、生きていけると思う。
 午前5時もまえの、早朝。まだ朝日さえ昇らない、夜と同じ暗がりの中、目覚めに吐いたあくびが白く淡く広がっていくのが見えた。隣の部屋から物音がして、それを合図にわたしもなるべく早く、静かに支度を始める。
 ──今日、わたし達は、ここからずっと西の、山のほうにある明陽町に行く。昨晩、わたしと流星くんとで話し合い、ふたりの手持ちのお金で、何とか月美と明陽を今日中で往復できるという結論を叩き出した。わたしのお金に関しては、今までおばあちゃんからもらったお小遣いやお年玉だけ、このお屋敷のある場所にきちんと隠しているという習慣があるから心配はない。
 歯磨きやお手洗いを済ませたあと、パジャマから、この前おばあちゃんに買ってもらったニットのワンピースに着替え、黒いコートに腕を通した。さすがにマフラーや手袋は調達できなくて、家を出てからコンビニででも買うことになった。それまでは流星くんが貸してくれるというから、つくづく優しい人だ。
 ひとりで微笑みながら、布団を押し入れに戻していたら、大事なことを忘れていたのに気がついて、一瞬だけ背筋がひやりとした。

「あ、流星くん、着替えは大丈夫なの?」

 ふすま越しに訊ねながら、何も考えずに開けたりしなくて良かったと、心底ほっとした。たとえ上半身でも、露にされた肌を見てしまうなんて、わたしが耐えられそうにない。それは決して、気持ち悪いとかいう意味ではなくて。

「中庭に干してあった、昨日着てた服が何とか乾いたから大丈夫。コートと荷物も、昨日、こっそりこっちに持ってきていたから」
「わかった。じゃあわたしは、自分のお金を取ってくるね」

 彼の返答に改めて安堵のため息を吐いてから、足音を殺して向かう先は仏間。
 いつにも増して沈黙を厚く纏うそこに、まるで、本当におじいちゃんが待っているみたいな気配を感じた。
 ここに来て、紫紺色の座布団に正座すると、わたしの中にいつの間にか積もってしまった埃が、きれいにはらわれるような感覚になる。けがれはすべて、透明な光に浄化されて消えていく。

「おじいちゃん、おはよう。わたしはこれから、行かなくてはならない場所があります。……ここにもう一度帰ってこられるかはわかりません。でもこれは、おじいちゃんは勿論、おばあちゃんや、お母さんやお父さん、そしてご先祖様、今のわたしを支えてくれている流星くんの為でもあるの。だから…………見守っていて、くれませんか」

 りんの音の残響と、いつ消えてもおかしくないように瞬くお線香の灯りに、意識のすべてを繋げて、祈る。


「ねえ、おじいちゃんは」

「わたしが何者なのか、全部知っていたの?」


―――知っていたよ。君は、幸枝と私の、大切な孫娘だからな。


 段々と力強くなるりんの音と、鮮明なおじいちゃんの声に、かたく閉じていた目蓋を思わず開くと。
 さっきまでいた寝室の前の廊下に、いつのまにか立ちすくんでいた。

「………………あれ?」

 反射的に吐き出した言葉と一緒に、白い息が、テディベアからほどけたリボンみたいに宙を舞う。
 さっきまで必死に何かを念じていたような、祈っていたような気がするのに、記憶が混線して、思い出そうとする度に、古いネオンサインのうなる不快な音が、耳元でじりじりと響く。耳鳴り以上に厄介だ。こんなことは、たぶん初めてなんじゃないだろうか。

「わたしは……何を、」

 一体どうしたものなのかと、ひとり困惑していると、ここから少し奥の部屋の扉ががらりと開いた。流星くんだ。
 「持ってきた?」と訊こうとしたらしい言葉が3文字しか声にならず、あとの2文字は沈黙に呑み込まれて、彼の柔らかい笑みがふと消えて。

「ほたるさん、いつもその服着てるけど、大丈夫?」
「え?」
「いくらなんでも寒いんじゃないかと思って……」

 急に言われたその言葉を理解するのに、20秒くらい時間がかかった。そうか、この人には"そう"見えるのか。
 あんまりわたしが動かないものだから、彼が怪訝な顔をして、恐る恐る近づいてくる。手を伸ばせば触れられるところまで彼がやってきたとき、さっきから両手に感じていた重みがお金の入った巾着袋なのだと気づき、コートのポケットにしまってから「ちょっと来て」彼の手を引いて、昨夜の姿見の前に連れていった。質問に答えず、更にはほぼ無言で引っ張られたのだから当たり前だろうけど、珍しく困惑の表情を浮かべつつ、流星くんはわたしの隣に立ってくれた。

「流星くん、鏡の中を、よく見ていて」
「……ああ、うん」

 ちゃんと頷いたのをこの目で確かめてから、わたしは再び、桃色の布を引き下ろす。次の瞬間、鏡の中を覗きこむ彼の顔色が、みるみるうちに白く変わっていくのがわかった。

「え?何で?」

 鏡に映り込むわたしと"ホンモノ"のわたしを見比べながら、眉を寄せたり歪ませている。
 そのうち気付くだろうと思って何も言わずにいたのが、吉とは出なかったらしい。もっと早く仕掛けてしまえばよかった。
 無意識に苦笑してしまいながら、彼のほうに身体を向け、思いきって言ってみることにした。

「間違い探し!おかしいところはどーこだ」
「は?」

 期待していた答えとはあさっての方向に飛ばされた台詞に、ふざけていると思われたらしい。わたしの顔が映る目が、点になっている。

「いいから言って!」

 わたしは極めて真剣にきいているのだと、目で訴える。
 その数秒後、彼のほうから視線を逸らされた。頭を少しわざとらしく掻きながら、渋々答えを言い出す小さな声を、聞き逃すまいと耳を澄ませる。

「わかったよ……。えっと、まず服が違う。ほたるさんは白いワンピースのはずなのに、鏡の中のほたるさんはニットのワンピースに冬物のコートをちゃんと着てる」
「正解。……もう、ひとつは?」
「え?」

 はっと彼がわたしのほうを向いた。言っても平気なの?という心の声がそのまま聴こえてくるけど、何も聴こえないふりをする。ただ微笑んで、待ち続ける。
 "上総ほたる"になってから、時々、あくまでも時々、人の心の声が聴こえるようになっていた。何故なのかはわからない。ただ、通行人や会ったばかりの人間の心の声は決して聴こえないから、信頼関係とか時間の積み重ねなんかが影響しているんだろう。

「もうひとつ、あるはずだよ」

 もう一度問いかけながらも、自分でも声が震えているのがわかるくらい、怖かった。
 ちゃんとこの人は答えてくれるだろうか。なぜ違うのかと訊かれたとき、わたしはきちんとした答えを、今ここで述べられるだろうか。もしここで失敗したら、すべてが水の泡になる可能性だって、充分にある。
 そうなったとしたら。わたしは有無を言わさず存在を消されて、流星くんやおばあちゃんからも、上総ほたるとして共有した記憶を剥ぎ取られてしまう。そういう危険性は、彼らと出会った頃からずっとまとわりついていた。
 ああ、何でこんなときに。馬鹿ばか、ほたるの馬鹿。
 今、すべてが終わるか。望みが叶ってから、思い残すことなく本来の自分の場所に帰るか。それは天が決めることであり、わたしなんかが決められることじゃない。おしまいは常に、わたしたちの背後で牙を光らせ、舌なめずりしているんだ。遠くでカラスの叫ぶ声が、この空間を細く貫いていった。
 やがて、彼の中で生まれた動揺が鎮まり、一呼吸おいて、最後の答えをそっと呟く。

「瞳の色だ。鏡の中の、君の色は、緑色をしている。青い色のはずなのに」
「…………正解」

Re:   の甼 ( No.31 )
日時: 2016/11/23 05:07
名前: 河童 ◆KAPPAlxPH6 (ID: DxRBq1FF)

 こちらではお話したことはありませんでしたよね。河童です。
 お世話になっているのにGarnetさんの小説を拝見したことがないという大変失礼なことをしておりました、すみませんm(_ _)m

 読ませていただいて最初に、優しい文章だなあ、と思いました。難しい言葉を使って、書くことだってできると思いますが、このお話はこの文章であることによって『  の甼』というお話なんだな、と。当たり前のことを言うんじゃない! と怒られてしまいそうですがね笑 本当に優しく、心の奥にまで届くような深い文章でした!

 そして、話の切り方が凄かったです! 上総ほたるになる? え? え? なんで白いワンピースに見えてるの? 鏡と目の色なんで違うの? と、今読み終わった直後の河童は錯乱しております(^_^;)

 なんで今までこんな素晴らしい小説を読んでこなかったのだろう、と後悔しています。これからどうなっていくのかとてつもなく楽しみです。

 更新、頑張ってください(*^^*) 
 

Re:   の甼 ( No.32 )
日時: 2018/11/19 15:15
名前: Garnet (ID: LXdRi7YQ)


<河童しゃん様


朝早くからコメントありがとうございました!
そういえばこちらでは初めましてですよね。 わたしも読まないときは読まないのでお気になさらないでください(笑)

実はTwitterで繋がる前から、河童さんの『巫山戯た学び舎』は何度か読んでいたことがあって、カキコでは珍しい書き方だなあと思ってました。
ギャグ方向に持っていく小説って、どうしても表現がおろそかになる傾向を感じて読みにくくなり、結構いくつも読むのを諦めたのだけど、ふざまなはそういうところが全然なくて内容もとても好みです。
……これ以上書くと、河童しゃんのところに直接行け!ってなっちゃうので、また後日突撃に参りますW ふふふ……。

『  の甼』らしさを褒めていただけてがーねっとはうはうはしています。怒りませんよ、嬉しいです(笑)
他の物語とはちょっと書き方を変えたもので(とはいっても自分にしか違いがわからないレベル)、やっぱりこまめな更新はできず、レス数が増えていく度にメモ帳とにらみ合いを始めることが増えてきました。でも、河童しゃんはじめ、応援してくれる方がどんどん増えてきたから、その気持ちを大切にするためにも努力を続けていこうと思います。


このような系統のファンタジーは初挑戦なので、うまくまとめられるか不安ですが、河童しゃんの言葉ですこし、自信が出た気がします。ありがとう【スヤァの絵文字】

鏡の中との違いなどは、だんだん理由がわかるようになるので、是非楽しみにしていてください(笑)

応援ありがとう、頑張ります。
 
 
(2016/11/25 原文投稿)
(2018/11/19 加筆・訂正)
 
 


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