ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 泡沫姫—うたかたひめ—
- 日時: 2008/11/09 16:32
- 名前: ころな (ID: Mgo.shQL)
ダーク初進出ですっ!!
めっちゃ不安なんで、応援よろしくお願いしますっ
ここでは、愛と呪いと殺戮が交錯する、どろどろ系をいきたいと思います。
だめな方は、ダッシュで逃げ→
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.42 )
- 日時: 2009/08/13 00:02
- 名前: ころな (ID: HWi2eFEJ)
またまたすんませんすんません!!
伯爵ちゃいます
侯爵どす。
まちがっちゃったよぉぉ(泣)
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.43 )
- 日時: 2009/09/20 15:40
- 名前: 紫水 琴音 (ID: NQa2PI2Y)
女の子同士のおしゃべり。
まさにこれを待ち焦がれていたのだ。
突然のハプニングからの出会いだっただけに、打ち解
けるのも突然なほどに早かった。
パーティーに出席されている若い男性の噂を聞いた
り、家族や趣味の話をしたり。
何か一言言っては、クスクスと笑い、またお話しては
ケーキを口に運んだり。
一見、いつものティータイムのような行為も、いつも
と違う友達、いつもと違う場所だと、胸の奥から湧き
上がるものがある。
違う世界をみにまとっている自分は、今どのように映
っているのだろう。
これまでの自分が、今の自分を見たら、きっと指を咥
えて、羨ましそうに見つめるだろう。
今度は、あそこにいる婦人が持っているような扇子を
持ってこようと決めた。
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.44 )
- 日時: 2009/10/26 14:59
- 名前: ころな (ID: NQa2PI2Y)
「それでね、彼女は、あのアルデローニ伯爵と、チェ
スで対局なさったことがあるんですって」
翌朝、オーディンの話でもちきりになった。
もっとも、話していたのはベクシェただ一人だけだ
が。
「でもベクシェ」
ルシエーヌは、相反して不満そうであった。
「メルティアット男爵令嬢のような身分の低い娘なん
かじゃなく、もっと身の丈に合った友人がふさわしい
んじゃなくて?」
誤解されるかもしれないが、彼女の言うことは一寸も
間違っておらず、この位の婦人なら当然なる心配事な
のだ。
決して嫌みを言っているわけではない。ただ、
オーディンといういかにも低俗な呼び方が、ルシエー
ヌの高貴なプライドを、ちょいとスープに浸してしま
ったのだ。
だが誰だって、気分よく自分の新しい友人のはなしを
しているのに、こんなことを言われれば失望してしま
うものだ。たとえ、愛すべきルシエーヌであろうと、
「オーディンはちゃんとしたマナーレディーですわ。
卑しさなど皆無と言っても」
やはり、初めての夜会で出会った友人を、そう簡単に
は除外することはできない。
「分かっています。男爵夫人を見ていればそのくら
い」
これは稀に見る親子喧嘩なのだ。
「でも、あなたはただのマナーレディーじゃないので
すよ。マルカトス侯爵家の、 高潔なる マナーレデ
ィーなんですから。もう何も分からない少女じゃない
でしょう?」
ベクシェはいつもより多めにパンをちぎり、口に放り
込んだ。
「夜会は昨日で終わりではないんですから」
ルシエーヌが執事を呼ぶまで、すがすがしく晴れやか
な朝食の時間が続いた。
「つまり、もっと他の、 高潔なる 友人を探せ
と・・・・?」
母のドレスの裾につぶやいた一言だった。
ダメと言われれば、欲しくなる。
あの蛇の林檎のように・・・。
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.45 )
- 日時: 2009/11/13 19:18
- 名前: ころな (ID: NQa2PI2Y)
当然、バルトの耳にも、オーディンの話は入っていた。
そして、妻子の意見が些か折り合わないことも。
自分としては、妻の気持ちが分からなくもない。
いや実際、同じ心境でいなければならないのだが。
パーティーの翌朝、娘を廊下で見かけたとき、ウキウ
キと、まさに羽でも生えているかのように歩いてい
て、まあそのような調子なもんだから、あまり強気で
はいられないでいる。
一応、(侯爵の身が言っては皮肉になるが)男爵の令
嬢だし、男爵閣下も立派な貴族であり、いくつか慈善
事業も行っていると聞く。学友として付き合う上で
は、十分ではないか。
一度、家へ招いてみるのもいいかもしれん。
まだベクシェさえも考えていない、オーディンとのあ
れこれを、娘の代わりに考えているバルトであった。
まあ、杞憂で済むことになるだろう。
若い髭は、そっとコーヒーに浸かった。
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.46 )
- 日時: 2009/12/10 20:38
- 名前: ころな (ID: NQa2PI2Y)
「アルデローニ様、」
「ん?なんだい」
昼下がりの資料倉庫で、メイドの声がページをめくる
手を止めた。
「ラドッセ様がお呼びでございます」
「え、先生が?わかった、行くよ」
アルは、自分の叔父、ラドッセのことを“先生”と呼
ぶ。実際に、アルに直接教えているのは、ラドッセで
あり、ジャブーアは学問そのものに関しては一切教え
ない。だが彼自身も、熱心に教え込んだり、そうい
うことはせず、研究あるのみのこの世界においては、
一番有効的だとそれぞれが思っている。アルがこの家
に引き取られてから後、静かに世話をしてきたのも彼
である。アルにとっては兄的存在なのだ。微笑みこそ
ないが、アルはラドッセにこの上ない安心感を抱い
ている。今では、決して饒舌ではない彼の言いたいこ
とも、少しばかりなら察することができているかもし
れない。何分、感情を表に出さない彼である。メイド
や、実の父であるジャブーアでさえも、その心中が分
からず溜息をつくことがしばしばだ。
「失礼します。先生?お呼びでしょうか」
「座りなさい」
別に怒っているというわけではない。必要最低限しか
言わないし、行動も最小限に留める。
「先月来たベクシエーラという娘」
「はい」
「・・・気づいたか?」
「え?」
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ちょっとお茶飲んできます。
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