ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 泡沫姫—うたかたひめ—
- 日時: 2008/11/09 16:32
- 名前: ころな (ID: Mgo.shQL)
ダーク初進出ですっ!!
めっちゃ不安なんで、応援よろしくお願いしますっ
ここでは、愛と呪いと殺戮が交錯する、どろどろ系をいきたいと思います。
だめな方は、ダッシュで逃げ→
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.37 )
- 日時: 2009/04/29 15:16
- 名前: ころな (ID: NQa2PI2Y)
うっす!
久々にうpしようかね。
続き。。。。。
「まぁっ!なんて綺麗なのかしら!あなた、この色が
よく似合ってよ」
ベクシェの髪は、柔らかなクリーム色だ。濃紺のドレ
スは、ベクシェの大人らしさを引き出し、艶のある若
さも感じさせる。するんとした緩やかなウエーブの髪
が、ドレスを纏った細い体を包み込むようだ。
今日は、待ちに待ったパーティーだ。大人達だけが許
される、午後九時からのパーティー。それまでのこと
なんて、ただの晩餐会に過ぎない。これからが、社交
場での、大人たちの本領発揮なのだ。子供の前では、
噂話もろくにできやしない。みなそう思っているの
だ。
決して、美しいことではない。だが、思春期のベクシ
ェにとっては、そんな醜い大人の世界さえも、憧れの
対象になるのだ。どんどんこうやって足を踏み出すご
とに、自分が変わっていくと同時に、焦燥感も積もっ
ていった。
ルシエーヌが、ベクシェの髪を結っているメイドにあ
れこれと指示を出す。マリーは、姉の変身ぶりに終始
喜び、手を叩いていた。
どんな人に会えるかしら。
素敵な方に声をかけてもらえるかしら。
期待が、砂浜の波のように押し寄せては冷静になり、
また昂ぶっては不安になったりと、一向に落ち着くこ
とはなかった。
「綺麗じゃないか、ベクシェ」
「あ、お父様っ」
バルトが、部屋の様子を見に入って来た。鏡に映るベ
クシェを見るなり、優しくその白い手をとった。
「これでは言い寄る男がたくさん居そうでかなわん
な」
「ふふっ、お父様ったら」
家族のみんなが、自分の新たな一歩を喜んでくれてい
ることがうれしくてしかたがない。
これからどんなものに自分が染まりゆこうとも、ここ
ならいつだってまっさらな気持ちでいられるような気
がする。
大人の皮をかぶった者は、いつだってミルクの匂いの
する毛布を欲しがるものだ。
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.38 )
- 日時: 2009/04/29 15:33
- 名前: ころな (ID: NQa2PI2Y)
ひやぁぁぁぅっ
さ、参照300越えでありますっっ!!
うれしいなぁ、おい!!
ここまで自分が続くとは思ってなかったで;ホンマ。
これからも、よろすく。
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.39 )
- 日時: 2009/07/14 22:13
- 名前: ころな (ID: NQa2PI2Y)
前回の更新が4月ってどうよ・・・。
学校のみんなに宣伝しちゃった以上、つつずけなきゃだよなぁ
ではでは。
続き。。。。
この香り、この輝き。
いったいなぜこんなに胸が躍るのだろう。
窓から入ってくる夜の闇と、部屋中を照らす蝋燭の明
かりと熱気、そしてそれらを自らのものにして妖しく
光る、婦人たちの宝石。
その情景全てが、学友のお姉さま方から聞いた通り
に、ベクシェの目に飛び込んだ。
「まぁ・・・っ」
ホールをゆっくりと歩いて行く。
いつもより高いヒールの靴は、歩くのに少し苦労する
が、それさえもベクシェを満足させるには調度よかっ
た。
「さぁベクシェ。素敵な紳士がたくさんいてよ」
「でもどうしよう。不安だわ」
飛び入り参加の自分が、うまくこのパーティーを楽し
めるかどうか不安になってきた。今までは、ああしよ
う、こうしようという若い期待だけが胸を占めていた
が、熟練された彼らの輝きを見ていると、自分がより
小さな子供に思えてならないのだ。でもこの不安を、
せっかく連れて来てくれた母に告げたくはない。見栄
だってある。
「大丈夫よ、焦らなくても。じゃあまずは、女の子の
お友達を作ってみたらどうかしら」
そうだ。このパーティーには、自分以外にも同じ年頃
の子がちらほらと見える。女の子になら話しかけられ
るかもしれない。
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.40 )
- 日時: 2009/07/20 17:17
- 名前: ころな (ID: NQa2PI2Y)
「私はご挨拶に回ってきますから、その間好きなよう
にやってみるといいわ。あ、それと、なるべくいつも
よりお上品にね」
そういってルシエーヌはワイングラスを持つと、すぐ
に人の多い場所へ行ってしまった。
ここはまず、自分から声をかけたほうがいいのだろう
か。でも勝手の分からないままうろちょろするより
も、しばらく周りの様子をうかがたほうがいいかもし
れない。そう決め込むと、そろそろと後ずさって、壁
際に向かおうとした。
壁の花なんてかっこ悪いのかもしれないけど、いまの
自分は、むしろ壁になりたいくらいだ。
「きゃっ」
急に真後ろから小さな叫び声がした。どうやら誰もい
ないと思っていた壁際に人がいたらしく、足を踏んで
しまったようだ。自分の注意の浅さと運のなさに、震
えあがってしまった。
「ああどうしようっ!ごめんなさい、もうあたしった
ら、なんて不注意なのかしらっ。お足痛かったでしょ
う?怪我はないかしら」
振り返ってみると自分より少し背の低い女の子だっ
た。
「あ、あ、あのっ、こちらこそっ、あの、わたしも、
ぼ、ぼーっとしてたっていうかっ、その、」
彼女は顔を真っ赤にして、自分より焦っていた。こっ
ちが悪いのに、だんだんとおかしく思えてきて、少し
笑ってしまった。
年下だろうか。顔も手も、なにもかも自分とワンサイ
ズ小さく見える。
「あ、これ、あそこにあったフルーツよ。一緒に召し
上がらない?」
まだおどおどしている彼女を落ち着かせてあげようと
思い、さっきとってきたフルーツがのった小皿を勧め
てみた。
「あら・・・、いい、のかしら?」
「もちろん。ほら、おいしそうよ」
「じゃあ、いただくわ」
すでに落ち着きを取り戻したベクシェは、これをチャ
ンスだと思おうと思った。この子に話しかけて、お友
達になってはどうだろうかと。
さっきまで、主人に怒られた使用人のようにおどおど
していた彼女だが、普通に貴族の令嬢の振る舞いに変
わっていた。よく見るとそんなに年下にも見えない
し、もしかしたら年上なんじゃないかと思えてきた。
「私は、ベクシエーラ・ド・マルカトスよ。ベクシェ
って呼んでね。あなたは?」
“マルカトス”という姓を聞いたとたん、彼女はすぐ
に自分に向きなおり、深々とお辞儀をした。
「ベクシエーラ様っ。わたくし、大変ご無礼
を・・・!」
このままだと、自分の手を取ってキスをしかねないと
思い、やめてよと止めた。
「それにあなた、きっと私より年上よ。私、パーティ
ーだって初めてなんだから」
「ベクシエーラ様・・・」
「違うわ。ベクシェって呼んでって言ったじゃない。
あなたの名前、教えて?」
「お、オーディーヌ・メルティアットでございます
わ」
「あら、メルティアット男爵夫人になら、一度お会い
したことがあってよ。オーディーヌね、良かったわ
ぁ、私知り合いがいなくて困ってたの」
「あ、あの、よろしければ、・・オーディンと、お呼
びください」
「ええ、わかったわ」
侯爵令嬢と男爵令嬢では、同じ貴族でもけた外れに違
うということは分かっている。同じぐらいの年の子か
ら、こうやって敬われるのは好きではないが、一人で
も“パーティーでできた知り合い”が欲しかったベ
クシェにとっては、丁度いいくらいだったかもしれな
い。
蝋燭の明かりが、若い娘の影を落とす。
- Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.41 )
- 日時: 2009/07/20 17:27
- 名前: ころな (ID: NQa2PI2Y)
ぎゃー
すんませんすんませんっ!
侯爵 ちゃいます。
伯爵 どす。
自分呪うわぁ・・・(泣)
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