ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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泡沫姫—うたかたひめ—
日時: 2008/11/09 16:32
名前: ころな (ID: Mgo.shQL)

ダーク初進出ですっ!!

めっちゃ不安なんで、応援よろしくお願いしますっ


ここでは、愛と呪いと殺戮が交錯する、どろどろ系をいきたいと思います。


だめな方は、ダッシュで逃げ→

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Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.27 )
日時: 2009/02/18 13:58
名前: ころな (ID: aicm.51Q)

かなり登場人物がややこしくなってきたので、改めて整理しておきたいと思います;

№2〜№26までの登場人物

マルカトス家
侯爵家。王室とも交流のある由緒正しい貴族。


ベクシエーラ・マルカトス
主人公。呼び名、ベクシェ。10歳のとき、母親と離れマルカトス家の養女に。薄めの茶色の髪。


マリアーヌ・マルカトス
ベクシェの妹(血は繋がっていない)。呼び名、マリー。ベクシェが11歳の時に生まれた。ルシエーヌと同じく金糸のような髪。


ルシエーヌ・マルカトス
ベクシェとマリーの母親(ベクシェと血は繋がっていない)。呼び名、ルシエーヌ、ミセス。マルカトス家当主の夫人(二人目の妻)。金糸のような髪が特徴。


バルト・ド・マルカトス
マルカトス家の当主。16の時に子供を作ったが妻と別れ、今のルシエーヌを迎えた。ベクシェを実のマリーよりも溺愛する。ライトグリーンの目が特徴。


アルデローニ・ド・マルカトス
バルトが16の時の妻との子供。呼び名、アル。生まれてすぐに叔父の家に預けられ、父とは離れて暮らしている。バルトと同じライトグリーンの目。


ジャブーア・ド・マルカトス
バルトの叔父、アルの育て親。呼び名、ジャヌー。若いころは議員だった。科学者でもあり、アルの良き指導者。話好き。メタボな体。


ラドッセ・ド・マルカトス
ジャヌーの息子、バルトの兄。当主の座をバルトに譲り、科学者の道に進む。無口で、丸い眼鏡をかけている。バルトとはあまり仲が良くない。


メアリー
ベクシェの実の母親。女当主であり、没落寸前の貴族。マルカトス家と親交があったが、ベクシェが養女としてマルカトス家に行ってしまってから、行方不明に。


乳母
マルカトス家の乳母役。ルシエーヌが唯一心のおける存在。


アーバルト殿下
王室の殿下。あとあと出てくる。

Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.28 )
日時: 2009/02/20 18:43
名前: ころな (ID: aicm.51Q)

一つ訂正があります;;


バルトは16歳に子供を作ったのではなく、

18歳、でした!!
本文を見たら間違いが発覚しました(笑)

16で子供なんてかわいそすぎる。

あ、今の発言は不適切でした(汗)

Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.29 )
日時: 2009/02/21 14:45
名前: ころな (ID: aicm.51Q)

続き。。。


「ええっ!お姉さま、行かないの!?」

口についている食べ残しを、母に丁寧に拭き取られな

がら、マリーは小さな手をニギニギして驚いた。

「忘れたの?マリー。姉さまは夜会に行くから、変わ

りにマリーは特別にお船に乗りに行くのよ。だから私

は我慢しなくちゃ。そうでしょ?」

「ホントに残るの?ベクシェ」

「ええ、お母様。わたし、ここが気に入りましたの。

野花でも摘んで待ってますわ」

そう言って3人を促すと、しぶしぶ馬に乗り、再び森

の中へ入って行った。


急に静かになった。

聞こえるのは、とろとろと漂う水の音と、深くこだま

する動物の音。

水面に指で触れてみる。

「つ・・めたい・・っ」

温まることのない湖の水は、さっき湧き出てきた清水

のように冷たかった。この場所は陽だまりになってい

て暖かいのに、急に何かに嫌われたような感じがし

て、切なくなった。

早々に手を吹くと、何かほのかに甘い匂いが鼻をかす

めた。一瞬驚いて瞬きをする。

「なにかしら」

花の匂いにしては、あまりに刺激のない香りだ。

ふいと手を動かすと、先ほど嗅いだあの匂いの波が強

くなった。

まさか。

おそるおそる、まだ拭き切れていない手を顔に近づけ

る。


「・・っ !ぁ、」

手を濡らす滴から、覚えのない香りが鼻を一気に通り

抜け、一瞬にして胸いっぱいに広がったのだ。

その、甘美な香りに軽い目まいがし、一歩後ずさる。

この香りが、湖の水の香りだというのか。

しかし、こんなに水辺に立っているのに、さっきの香

りは感じられない。

刺激は少ない。だが、どうにもこう、胸が侵される。


それから、手を顔から離せなくなってしまった。

何か別のものにか変わってしまったのではないかとい

うくらい、狂おしく求めている。

深く吸い込む。

目まいがする。



「くくくっ、その水は甘いだろう・・・?」

急に、自分だけの世界で異物な声をとらえ、背筋が跳

ね起きた。

「フっ、!・・ク、だ、れ・・・?」

「なぁんだい、まだ小娘じゃないかい」

歯の奥がぎゅぅっと鳴り、深く噛みしめて動揺と恐怖

を隠す。


姿は見えない、


ただ、甘い滴は



乾いてゆくのに。

Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.30 )
日時: 2009/02/25 14:34
名前: ころな (ID: l6pfUsAS)

わおっ

いつの間にか参照200越え・・・。

いやぁ、ありがたいです(照)


まだまだ頑張っていきまぁっす!!↑↑

Re: 泡沫姫—うたかたひめ— ( No.31 )
日時: 2009/02/28 16:19
名前: ころな (ID: l6pfUsAS)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=10846

続き。。。


甘い香りとは対称的な、不愉快な声の波長。

足の先から頭の上まで、変な支配が這いずりまわって

いるようだ。

「おまえは隠している。その純真な身体と心に。それ

は待っているのさ、お前がそれを必要とする時をね」

「誰なのっ!なに、を・・・」

必死に自分自身をこの身に留め、存在の不確かな恐怖

から逃げまいと奮う。

「あーあぁ、臭い臭い、臭うねぇ。その腐臭もお前に

とっては好物だろう?  ククク・・・、その濡れた手

もやがて憎悪と悲しみで汚れて、お前好みの薫りを放

つさ。いつになるやら・・・、クックククク・・・」

その老婆のような声の嘲りが消えてゆくと同時に、足

もとがドロドロと波打っていることに気づいた。慌て

て、水辺から離れるため岸側に戻ろうと振り返ると、

そのドロドロは岸の方から湖の方へ流れ込むように迫

ってきた。また、湖の方へ向き直ると、ザブザブと激

しい水しぶきをあげて水の中に入っていった。

ドレスが水を含み、湖全体に体を引っ張られているよ

うな重量感。そのあとに、遠慮なく攻め込んでくる水

の冷たさ。

「逃げなきゃ、捕まったら・・。逃げなゃ・・・!」

それでもベクシェは水の中を進む。腰から、胸、そし

て肩までつかるほど深いところまできた。

「・・・あっ!」

急に足もとの湖底が無くなり、ついには頭まで湖につ

かってしまった。四肢を必死に掻いて水面に出ようと

するが、抵抗も空しく、ずんずんと沈んでゆく。


冷たい

怖い

悲しい





湖の中からは、陽の光は見えなかった。


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