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僕の嫌いなモノ。
日時: 2009/11/28 19:23
名前: 藍羽 (ID: eM8uJ0aJ)

こんにちわー!

藍羽(アイハ)と申します。

えっと、このお話には、少しグロイところがあります。
気をつけてください・・・!

では、頑張ります。

♪お客さま

ジョーカー様   朝崎疾風様  架凛様  要竜(のび太)様
白魔女様    叉紗様

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Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.1 )
日時: 2009/11/01 20:44
名前: 藍羽 (ID: h9T9UkU2)

♪ぷろろーぐ♪

人間には、感情があるでしょ?
大好きとか、憎いとか、哀しいとか、怖いとか。
じゃあ、他の生き物も感情を持っているのかな?
どうなんだろうね?

僕ら、人間は。
とても弱く、とても馬鹿で、とても愚かな生き物。
感情を持っている。だからこそ。
僕は、人間が嫌いなんだ。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.2 )
日時: 2009/11/01 21:12
名前: 藍羽 (ID: h9T9UkU2)

♪第1章 僕の居場所♪

もうすぐ冬になることを告げるような、冷たい朝。
いつ雪が降っても、おかしくはないだろう。
僕は、冷たくなった手を制服のポケットに突っ込んだ。

「おはよう、拓真。今日も寒いね〜?ほら、息が白い!」

僕の肩をポン、と叩いて話しかけてきたのは、幼馴染だった。
短い茶髪に、大きな瞳が印象的な、少女。
僕の幼馴染である、佐倉リオはニコニコ笑っていた。
リオは、幼稚園のころから一緒だった。

「あぁ、そうだな。リオ・・・僕の名前は、分かる?」

「何言ってるのさ、これくらい覚えれるよ。黒崎拓真だよ」

「じゃあ昨日、僕と一緒に帰った?帰らなかった?」

「ん・・・・・・。帰らなかった。早退して、病院行ったから」

「正解」

リオは、記憶を忘れていく病気を持っている。
だからこうして、僕が何個か、質問をするのだ。ちゃんと、毎日。
たぶん、いつか。僕のことを忘れていくと思う。

「よぉ、拓真とリオ。今日も朝からラブラブしやがって!」

「あー・・・・・・。陸じゃん!久しぶりだね」

「リオ、今、時間かかったけど・・・?」

「俺とリオが会うのは5日ぶりだからな。仕方ないぜ」

少しクセのついた黒髪で、僕とリオの友達、北条陸。
陸は、バスケットボール部のキャプテン。
運動神経は抜群。女子からは、まあまあモテるらしい。
この3人で、登校するのは何日ぶりだろう?

「拓真!今日さ、一緒に帰ってもいい?」

「いいよ、リオ。今日は病院に行かないんだね」

「俺を置いといて、ラブラブしちゃってぇ、拓真とリオ!」

「らっ、ラブラブなんかしてないよ、陸!」

「実は、付き合ってるんだろ?俺には、見えるぜ」

「何が見えるんだよ。僕とリオは付き合ってない」

本当か〜?と言って、陸はリオをイジっている。
リオは子供みたいに、違うもん!と、否定する。
この光景を見るのも久しぶりだった。
思わず、笑顔になってしまう。

「えへへ、拓真が笑った」

リオが、僕の頬を人差し指で突く。

「ほらな、リオ。こういうのをラブラブする、って言うんだぜ」

「・・・・・・ッ。陸は五月蝿いのーっ」

いつか、と僕は考える。
いつかリオは、忘れてしまうだろう。
僕たちのことを。僕たちとの思い出を。全部。全部、全部。

人間には、嫌いなものがある。
リオは、虫。そして、嘘。
陸は、何だろう?

そして、僕。
僕の嫌いなモノは、人間、だ。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.3 )
日時: 2009/11/03 15:24
名前: 藍羽 (ID: UNmuBzLD)

♪登場人物

■黒崎 拓真 Kurosaki Takuma
16歳、高校1年生。黒髪に、灰色の瞳。
リオの幼馴染。陸の親友。
父親は9年前に病気で他界。
母親と1人の姉と一緒に暮らしている。

■佐倉 リオ Sakura Rio
16歳、高校1年生。短い茶髪に、大きな瞳。
拓真の幼馴染。陸の親友。
だんだん記憶がなくなっていく病気を持つ。
病弱な母親と、外国で働く父親がいる。

■北条 陸 Houjou Riku
16歳、高校1年生。クセのついた黒髪に、紫の瞳。
拓真とリオの親友。
両親は5年前に事故にあい他界。
2人の妹と暮らしている。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.4 )
日時: 2009/11/03 15:35
名前: ジョーカー (ID: yIE1Hsuy)

面白いですねー

良かったら僕の「学校と町と鬼」を読みにきてください

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.5 )
日時: 2009/11/03 15:45
名前: 藍羽 (ID: UNmuBzLD)

わたしの名前は、佐倉リオ。
嫌いなものは、虫と嘘。

わたしは、病気を持っている。
記憶がだんだん、なくなっちゃう病気。
わたしが14歳の頃に、この病気であることが分かった。

これを知ったとき、わたしは泣いた。

何故なら、もう既に、昔の記憶を覚えていなかったから。
12歳までの思い出。全て、忘れてしまったのだ。

拓真と出会った場所、幼稚園での思い出、小学校での思い出。
全部、忘れていた。

「リオ、顔色悪いぞ?」

「・・・そうかな?でも大丈夫だよっ♪」

拓真が心配そうな顔で、わたしの顔を覗きこむ。
・・・近い、よ。拓真。・・・ねぇ、拓真。
わたしは拓真のことが、大好き。
絶対に、拓真のことを忘れないよ。・・・絶対に。

わたし、頑張ってみせるから。

でも、告白はしない。この気持ち、好き、っていう気持ち。
これはずっと言わないつもり。

だって、拓真の嫌いなものは、人間だから。

だから拓真は自分も嫌い、なんだと思う。
だから・・・わたしも嫌いなんだろう、な。

拓真のお父さんは、昔、病気で死んだらしい。
わたしは葬式に行ったらしいのだが、忘れてしまった。
ごめんね、拓真。

「リオ、靴脱ぐの忘れるなよ」

「失礼なっ!これくらい分かってるんだから」

「あはは、ごめん」

拓真が笑う。だからわたしも、笑う。


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