ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

包帯戦争。
日時: 2009/12/05 08:37
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

……ぬーがー。
もうダメだ。消えてしまったぁ……。死亡。
あー、じゃあ続きから。
コピるの大儀なんで、

http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12380

ここで読んでからどうぞ。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



Re: 包帯戦争。 ( No.32 )
日時: 2009/12/13 21:03
名前: 藍羽 (ID: WVvT30No)

セミのように死ねる、ですか。
アレですか。

じ、自殺願望者って・・・汗

Re: 包帯戦争。 ( No.33 )
日時: 2009/12/14 16:05
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

自殺者よー集えー((藁

Re: 包帯戦争。 ( No.34 )
日時: 2009/12/14 16:37
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

さて、大切な思い出を出会って別れて、興味本位で屋敷内を歩き回る。こういう冒険って、好きだ。冒険心って子供から大人までワックワクな感じのイメージがあるんだけど、私的にはワックワクっつーよりは、『ドッキドキ』なんだけどなぁ。
心臓の鼓動が高鳴り、血液の循環が巡り巡って、テンションが上がってくる。
そういうのとはちょっと違うけど、私はその一歩手前の段階を踏んでいた。
屋敷は埃っぽいし、クモの巣あるし、正直気持ち悪い。虫、嫌いだし。
ずーっと歩いていてみる、「あ」「あっ」目が合った。「・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・」そのまま、お互いに停止。
先に口を開いたのは、
「誰さん?」
私。
その男の人は少しキョドりながら、「えっと、お、遅れました!石沢コバトっていいます!こ、高校生です。えっと、自殺志願者でして・・・・・」「あーそ」
頼むから、そんな大声で自己紹介しないてほしい。鼓膜が破れそう。大げさだけど。
「声、かけてくれればよかったのに」
「いや、えーっと。部屋が多くて、誰がどこにいるのか分からなくて。えっと、男の人に会って部屋にいれば?って言われたんで」
・・・・・・・あぁ、あの眠たがりやの女の子を連れていた人か。それ以外だったら・・・・・・誰だろう。

「とりあえず、全員揃ったみたいだから、自殺、しましょうか?」
「え??えっと・・・・・・・・・いや、えっともう少し後でもいいんじゃないのかなーって思って・・・・・」
「何でですか?」
「こ、心の準備が・・・・・」
意気地なし、なんて言わない。誰だって、自殺志願とはいえ躊躇う事もわるのだろうし。
「どうして、自殺したいんですか?」
「えっと、不幸体質だから・・・・・生まれつきの」
不幸ねぇ。
でも人の見方によって価値観があるから、別に何も言わない。個人的な思いもあるだろうし。
第一興味ないし。
「例えば?」
「隣の子が蹴ったボールが頭に当たって病院行き。運動会の綱引きで力んで漏らしちゃったし、卒業式の時には合唱中に貧血で倒れてお別れの言葉を言わずに終わって、受験の時には流行が終わったインフルに校内でただ一人かかって撃沈。公立に行ったものの入学式の三日前に事故で全治二週間」
「・・・・・・・・・・・・・うわーお」
これだけ不幸が続くと、そりゃ気も滅入るよなぁ。
よく今まで生きてきて白髪の一つもないものね。
「生まれつき幸せに縁がなくて、もう人生どうでもよくなったんです」
「それは・・・・・・・・・・ご愁傷様です」これくらいしか言えないし。
「あははは。ありがとうね、俺の不甲斐ない話聞いてくれて」「いえ」
「面白かったです」なんて言ったら失礼だろうから、そう言っておいた。

「あぁ、あと一つだけ注意が」「はい」「ここ、死体がいくつか置いてありますが、気にしないで下さい」「・・・・・・・・・・・・け、いさつには?」「言ってませんが」「わかりました」
どうして警察なんだよ。突っ込みどころ全然違うんだけど。可笑しいだろー。

Re: 包帯戦争。 ( No.35 )
日時: 2009/12/14 19:20
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

…木庭里輪廻…


何だか外で声がする。目はダメだけど、耳はいい方なのだよ。手を使って戸を開ける。
「うわっ、びっくりした」「・・・・謳歌ちゃんね。男の人の声がしたんだけども」「あぁ、遅れて来た自殺志願者さんです。さっき決めた部屋に戻っていきました」
あらら。お会いしたかったのに、残念ねぇ。と姉ぶってみるけれど。どんだけだよー。
「みんな揃ったみたいだから、そろそろ・・・・・」
「あ、でもその人は心の準備がどーたらで、もう少し待って欲しいみたいですよ」
「らら〜、そうなんだぁ。心の準備ねぇ」
準備をしてここに来たんとちゃうんかい。
そいつを連れてきて、説教してみたくなった。うーん。
「ま、心残りがあって死ぬのはフェアじゃないよね」
「まぁ、はい」
「待ちましょうか。どうしましょうか」
「まぁ、待てばいいんじゃないですか?」
「でも、時間がないよねぇ。いつ警察がここに来るかもわからないし」
早く死にたーいっ。妹に会わなくて、よかったかな。
いいんだよ。そんなの気にしてたら死ねなくなる。

「時間、決めませんか?」
「おっけー。何時から?」
「今から、一時間後」
まるで遊びの約束をするみたい〜。何年振りかな。もしや初めてかもっ!
「わかった。一時間経ったら、みんなを呼びに行きましょうっ!」「はい」「それと、謳歌ちゃん」「はい?」
最後に、確認だけしておきましょうか。
「もう私達、友達だよね」
疑問は含まれていない。確認。
謳歌ちゃんがしばらく黙る。あらら、これでもし「知るか」なんて言われたら、おねーさん泣いちゃう〜。
「そう、みたいですね」
ほほほ。望まれなかったみたいよ。
「正直、友達が何なのか、わかりませんが」
「ゆーじょーは難しいからねぇ」
「・・・・・・・・・・・・・・・そうですね」
でも、本当に私の目を見て驚かないでくれたのは、謳歌ちゃんと、忌まわしいアイツだけだったと思うよ。
眼球のぱっくり開いた私・・・・・。
どんな姿をしているんでしょうねぇ。
眼帯をしろとか、義眼を入れろって言われるんだけど、絶対にお断り。
そんな事したら、真実が見えなくなる。変な違和感するし、第一目にものを入れるなんて言語道断!許しませんっ!

「あとの一時間、少しセミになりきってみます」
「頑張って頂戴♪」
では。さようなら。
私のお友達。
謳歌ちゃんの足音がだんだんと遠ざかっていく。
さぁ、私はあと一時間で何をしましょうか。
何を


      ましょうか
                あ。れ??


急に目の前が暗くなる。

         いえ、元から暗闇なんだけど。




あれ。   れれれれれれれれれ???

倒れる。倒れる。痛っ。倒れた。

それから
それから?

そ     れか、

Re: 包帯戦争。 ( No.36 )
日時: 2009/12/14 20:00
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

…相沢ヒロム…



しまった。眠ってしまった!
腕時計を見ると、晩の5時。そろそろ夕飯じゃねーか。ふと隣を見ると、イナミがいなかった。
・・・・・・・て、えええ!?
あ、あいついねーじゃんっ!何で!?
パニックになる。頭が真っ白になる。逃げた?いや、まっさかー。
寝起きのイナミなんて、亀でも追いつけられる。
慌てて起き上がり、戸を開けると、
「いったー」「うおっ!イナミっ」
彼女は戸を開けてすぐの所にいた。急に俺が出てきたから、戸で背中を打ったらしい。
「ヒロムー、何あわててんのー」「すまん。打った?」
・・・・・・・・・・ん?なんか、落ちてる。
視界の端に映った、人形?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あらまぁ」
それが人間の死体だと気づくのに、あまり時間はかからなかった。
「どしたの、コレ」まさか殺したとか言うなよ。
「落ちてたー」ふぅ、よかった。

「つかお前、いつから起きてたわけ?」
「二時間前ー」
「起こせよ」
「熟睡してたしー」
気遣いどうもねぇ。小学生に気遣いされる俺ってどうなわけよ。
んで、死体は眼球がなかった。っつー事はあいつか。名前出てこねーけど。
「誰がコレ、知ってるわけ?」
「中学生と、不幸くん」
・・・・・・。あぁ、そうですか。
「そいつら今どこにいる?」
「・・・・・・・・・・あ」
イナミの思考が一時とまる。しばらくして記憶を巻き戻しているのか、口で「ジジジジジジジジ」と連呼する。一定のピントがきちんと合った記憶を引きずり出す。
「二人で、屋敷の奥に行った」
「・・・・・・・・ヤベーじゃね?」
呆けているイナミを置いて、急いで屋敷の奥へ走る。何で走ってるわけ?人のために、他人のために。
偽善者面?ちっげーな。何なんだろうな、この感情は。
軋む廊下を全力で走る。名前がわからんっ!えぇい、叫べっ!
「ちゅーがくせえぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」
阿呆か俺は!!
つか、つか!
「イナミ!お前来んなっ!」「いやー、一人残されてもー困るしー」「おま、意外と速ぇな!」「50メートル6秒だぜー?速ぇに決まってんだろー。駅伝出てんぞー」
どんだけだよっ!陸上選手かっ!
てか寝起き最悪で亀以下の遅さだったのにいざとなればこんなに速ぇのかよ。隠れた才能っつーんか?

何度も壁にぶつかりそうになりながら、奥へ進んで行く。
そして、
「ッ!!」「・・・・・・・・・・・」
不幸くん(名付け親イナミ)と中学生がいた。
何、もしかしていい雰囲気だった系?
「・・・・・・・・・・・・・・・何してるん」
自分でもびっくりするほど落ち着いていた。
電気をつける。中学生が無表情で、「その子、連れて来ちゃったんですね」と叱るように俺に言った。
「着いて来たんだよ」
俺の反論は無視された。
んで、さっき会った遅れた自殺志願者は、ご立派に出刃包丁を持っている。
その先端には、黒く乾いた血がこびり付いている。
「・・・・・・・・・中学生、こっち来い」
腕を引っ張って、俺の後ろに誘導させる。よく今まで無傷だったよな。かすかに震えているのがわかった。
「何、てめー。なんなわけ?」
「・・・・・・・・・・殺すのってさ、簡単だよな」
包丁を握り締め、その刃を見つめながらそいつは普通じゃない何かを感じさせる。
「人間、生まれてくるのは辛いのに、どーして簡単に死ぬんだろ。そー思った事、ないか?」
「ある」嘘も方便、だろ?「でも、そこまで深刻に考えた事はねーよ」
実際そんな事考えても仕方ねぇし。

「つか、アレだろ。他の死体。アレもあんただろ」
「・・・・・・・まぁ、そうだけど」
「ここ、何年か前にも自殺志願者の集まり場所だって知ってたか?んで、そういう阿呆な疑問を持ったお前も参加したんだ。自殺志願者たちを殺して、自分はさっさとおうちに戻った」
何で死ぬのか、試すために。
殺して、殺して、殺して、殺して、殺したんだ。
「今は2体しか発見してねーけど、もっとゴロゴロあんだろうなぁ」
「・・・・・・・・・・・そうかもね」
「あと、あの両目のない奴を殺ったのもお前だろ?背中に刺し傷があった。全く同じ犯行だ」
ミステリー小説の読みすぎかな〜。口調が刑事に似てる気がする。
「簡単に死ぬから、どうして死ぬのか試してみたんだよ。でも、一回目は全然わからなかった。二回目はどうだろうって。だから、サイトを作ったんだ」
やっぱなぁ。あの管理者はおめーか。
『K.I』
イニシャルかなんかだろうな。
「そんで集めて、両目のない子を殺した」
「両目を失くしても生きているから、てっきり簡単には死なないと思って・・・・・・・・」
完全な、アウトだ。気狂い。こいつはもう、普通には戻れない。
早送りしたテープを巻き戻すのは簡単だ。ボタン一つでできる。
でも、絡まったテープを元に戻すのは、困難。傷の入ったCDを正確に聞く事も不可能。壊れた花瓶を元に戻すのも、散った花びらを再生させるのも、

「不可能なんだよ」

逃げろ。こいつは完全にヤバイ。早く!
「イナミっ、走れっ!」
反射神経のいいイナミが、中学生の手を取ってやっべーほどのスピードで廊下を走る。
俺も後に続く。
走れーぎゃああああああああああっ!!
マジでリアル鬼ごっこじゃねぇか!
後ろを振り返る。アイツは来ていた。手、手!出刃包丁!!
「ぎゃあああああああ★#”)!(&)”!Y#)!0e”)(&#!)”(#%$&#%$&’!)’$&」
意味不明な奇声を大声で発しながら、そいつが追っかけてくる。
ションベン漏れそうっ!マジで超怖ぇっ!
玄関の戸は、既にイナミが通ったのか開いていた。靴があるっつー事は裸足で出たのか。
外に出ると、もう薄暗い。
イナミが、呼吸を整えている中学生とそこにいた。
「ヒロム」「はぁっ、追っかけてくるっ」「どーすんの。車、ねーよ」
うっわー。絶体絶命のピンチじゃねーか!
あいつも玄関から出てきた。
「逃げるなあああぁぁぁぁぁっっ!!」
えええええええええええええええっ!?
いやいやいや、逃げるって!普通逃げるだろーがっ!
裸足でそいつが近寄ってくる。
つか突進してくる!!
もう、ダメ・・・・・・・・・・、



鈍い音がした。包丁を持つ男の額から、血が流れる。
「あ・・・・・・・・あ・・・・・・・・?」
「五月蝿い。少年の睡眠の邪魔。消えて」
後ろに、ゴスロリ女がいた。んで、両手に構えているのは金属バッド。先端から血が滴っている。
・・・・。
中学生が呆気にとられて口をポカンと開けている。
ゴス女は無表情で俺らを睨む。
「き、貴様あああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
包丁男がゴス女を刺そうと、溢れる血を無視して突っかかっていく。
ゴス女は金属バッドを振り回し、遠慮も容赦もへったくれもなく男を殴りまくる。
頭ではなく、手足を。
「”#$%!)”’#%!$”%#」
訳のわからない奇声。女はそれでも殴り続ける。
これじゃあ、死ぬんじゃね?
「お、おいおい!止めろってっ!」
止めに入る。でも相手は聞く耳も持たず、俺に向かってもバッドを向けてきた。

「少年が寝てるから、静かにして。今コイツも黙らせてる。殺しはしない。殺さないって少年と約束したから」
淡々とそう言い張り、もう一発。ごりっという音がして、男は気を失った。
「こいつは、一番五月蝿い。目障り」
ゴス女がそう言い捨てて、バッドを引きずりながら、屋敷に戻っていく。
中学生がへなへなと座り込んだ。そして、気絶している男を見て、
「・・・・・・・・セミみたいに潰されて、よかったじゃん」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



この掲示板は過去ログ化されています。