ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 包帯戦争。
- 日時: 2009/12/05 08:37
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
……ぬーがー。
もうダメだ。消えてしまったぁ……。死亡。
あー、じゃあ続きから。
コピるの大儀なんで、
http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12380
ここで読んでからどうぞ。
- Re: 包帯戦争。 ( No.12 )
- 日時: 2009/12/06 12:19
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
第十章
気づかないけどそこにいる
夏休みの宿題は正直アッパーだった。何だこれ。
やっべー、全然わかんね。英語何コレ。フランスじゃねーわけ?
小春ちゃんは相変わらずフリーターに近いし。
学校が僕とヒナトのために自習教室を設けてくれたらしいけど、ヒナトが断ったらしい。
何でも、
『あたしはもうどーせ勉強なんて今更しても遅いし、少年だってそうだと思います。だから、もう電話しないでください。迷惑だから。死んでください』
と言いやがったらしい。
天晴れだ。先生たちもお手上げだろう。
春瀬さんの命も守れた事だし、さて。さて。
そろそろだ、「な「祝詞、来たぞ」
あー、おしい。
もう少し早めにカウントしとけば良かった。
駄菓子屋の方に行くと、「よっす」直射日光を集めそうな黒いワンピースを着て、大きな白い帽子をかぶっている。
「早いね」「……時間通りに来たぞ」
まぁ、そうなんだけどね。
ヒナトの持っている荷物を見て、「……貸して」「うん」躊躇いもなく渡されたトランクを開いてみる。
あった。ナイフが。二本。
「これ、何」「何って、少年が死にそうな時にこれでざくっと殺すのだ。防衛だ」
やめてくれ。
「やめた方がーいいと思うよ」「殺されて、いいのか」じゃなくて。
- Re: 包帯戦争。 ( No.13 )
- 日時: 2009/12/06 19:19
- 名前: 藍羽 (ID: oVVCFUDs)
あわわ・・・
消えてしまったのですか。残念です。
「ざっくと殺す」って!そんな簡単に・・・笑
- Re: 包帯戦争。 ( No.14 )
- 日時: 2009/12/07 15:30
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
殺すこと=少年を守る
がこの子の思考回路です。
- Re: 包帯戦争。 ( No.15 )
- 日時: 2009/12/07 15:54
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
これは、少し前の話だ。
ヒナト宅に行き、春瀬さんの壊れっぷりを堪能して、ヒナトの『母親殺害計画』らしきものもナチに話して解決。その後に、「遊びたい」とヒナトが言い出した。
「いつも遊んでるじゃん」それこそ学校のある日でも。
「そーゆーのじゃない。何か、もっと豪華に!」
ばーんっと大きく手を広げるヒナトさん。いや、お金のない学生が夏休みを豪華にしていいのか。
いいわけないでしょ。
「豪華……旅行は、ちょっと費用かかるよなぁ」
「でも、泊まりたいぞ」
「んー。旅館とかじゃなくて、どっかに泊まれる場所ないかな。こんな田舎じゃないかもなぁ」
もう少し中心区域に行けばあるかもだけど。
「なら、いい所知ってるっ」
「お。どこ?」
「秘密ー」
おい。行き先わからずってどんだけだよ。
「え、何で行けるわけ?」
「バス。一回行った事ある」
「誰と?」
「一人で」
怪しいんですけど。行きたくないんだけど。でもヒナトはそわそわして、
「費用、バス代とかだけだし」「民宿?」「それに近い。でも、ちょい違う」
どんなところだよ。てかせめて目的地だけでも知らせてくれよ。
「着いてからの、お楽しみ。さぷらいず」
というわけで、僕は全く行く先が分からないまま、こうしてヒナトとバス停まで向かう途中って事。
はー…………、出来れば今すぐにでも振り切って帰りたいのだけど。
だって、アレだよ。どこ行くかわかんないんだよ?
この不安感、あんま体験した事ねーな。
ヒナト曰く、二泊三日らしい。本格的。
空色のバスが来て、中に入る。かすかな扇風機の風が直視する席に座る。
僕らのほかにも、数人人間が座っていた。行く場所は同じだろうか。ぬー。
ヒナトが窓側に座り、外の景色を全く見ずに目を閉じた。
「寝るの?」「寝ない。まぶい」「カーテン閉める?」「別にいい」
本人がいいと言ったので、良い事にした。
バスは山道をどんどん登っていく。幾度か涼しくなった。
セミが五月蝿い。一瞬だけリョウカの姿が浮かんで、消えた。
「ねっみー。マジでちょーねみー」
僕の後ろで、多分小学生くらいの女の子の声が聞こえた。チラッと振り返ると、黒の短髪に大きな目の、学級委員とかしてそうな女の子が足をブラブラさせてくつろいでいる。
その隣には、明後日の方向をボーッと見ながら女の子を無視している、僕より少し年上の男がいた。
でっかい指輪をしている。重くねーのか。
てかさっきから女の子の動かしている足が椅子に当たって鬱陶しく僕に震動が伝わってくるんだけど。
「まったくー。いい迷惑だー。なーんであんな所に行かなきゃいけねーわけだー」
「うっせー」
やっと口を開いた男だが、そこからは肯定でもなく自己感情だった。
「うっせくねーもん。こんな所まで連れて来てどーっす気だよ。責任とれー」
「黙れ」
「黙らーんっ。ここどーこー。おなかすいたー」
セミにも負けないノイズのような声で女の子が人目を気にせず大声を上げる。
「あたしー、そろそろ帰りたーい。このバスもどんねーって感じっすかー?」
「…………………………」
「あーもー。あたしどーしてついてねーわけー」
「…………………………」
「あ、もーそろそろじゃねー?」
この子が僕らと同じ目的地なら、もうそろそろらしい。ヒナトが裾を引っ張ってきた。
「もうそろそろだ」
もうそろそろらしい。
- Re: 包帯戦争。 ( No.16 )
- 日時: 2009/12/07 16:16
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
バスが止まって、僕ら二人と先ほどの女の子と男が降りた。
「ここだ」
ヒナトが指差すのは、ヒナトの家の屋敷よりも少し大きい民宿だった。少し古い。化けて出そうな。
山の中にあるもんだから、蛇とか出そうー。ヒナトが解体しそうー。
「あー。ねっみー、まじでちょーねむいっしょー」
眠たがりやの女の子は男の腕に絡まってうだうだ。
男は迷惑そうに顔をしかめている。
「あいつらも、カップル?」
「いや…………違うと思うけど」
違わないといけない。はてはて。
「てか、ヒナト」「はい」「ここ、何」「自殺サイトで見っけた」
……。はい?
僕、今衝撃的な発言をサラリと言われた気がした。
「ヒナト、何それ」
「ここ、自殺する人が集まる場所なんだって」
「……ヒナ、自殺するの?」
「しねーし」
「何でここ来たわけ」
「タダだからっ!」
ああ、無料という言葉に惑わされてしまった!
冗談じゃねーよ、何自殺志願者と二泊三日もしねーといけないわけ!
「ヒナト、帰るぞ」
「は?少年、二泊三日は?」
「これ、やべー集まりだって。集団自決だって。一酸化炭素中毒だって」
「あたしら別に自殺しないから、いーじゃん」
よくねぇよ、何言っちゃってんのこの子!
いやだよ、僕。
朝起きたら死体沢山転がってんの。
「それに、バス来ないし」
あー、ちくしょう。
必死にヒナトから目的地を聞き出すべきだった。
失敗した。
「ホントにここに二泊三日するわけ?」
「あたしとしては、自殺なんかより少年が襲ってくるほうが心配だぞ」
「あー、そっすか」
「うぬ。カップルとはいえ礼儀は守れ」
襲うなんて一ミリも考えてなかった。てか、僕の場合女性とそういう事なんて絶対にできない。
鳥肌がたつから。おぞましい記憶も、一緒に蘇るから。
「入るっぺー」
女の子と男がガラガラと戸を開ける。湿っぽい匂いがした。てか、僕達四人だけなのか?
「お、靴があるー」
という事は、他にも自殺志願者がいるって事か。
さて、
誰がいるんだろうか。
この掲示板は過去ログ化されています。