ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 包帯戦争。
- 日時: 2009/12/05 08:37
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
……ぬーがー。
もうダメだ。消えてしまったぁ……。死亡。
あー、じゃあ続きから。
コピるの大儀なんで、
http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12380
ここで読んでからどうぞ。
- Re: 包帯戦争。 ( No.2 )
- 日時: 2009/12/05 09:56
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
「ねぇ、あのさ」「は、はい」「あのリョウカって、何で苛められてるわけ?」「…………わかんない。でも、人を殺したって噂が、流れてて……」「何ソレ」
「リョウカちゃんと仲が良かった子が死んじゃったんだよ……。溺れて。その時リョウカちゃんだけが一緒にいたから……それで……」
志乃岡さんの声は聞き取りにくい。小さすぎて。でもある程度はわかった。
「で、でも一条くんて、リョウカちゃんの事呼び捨てにするんだね」
「あ?あーうん」
そりゃあ、苗字知らないから。
志乃岡さんはそれ以上は何も言わず、俯いてしまった。
放課後の中庭の掃除は嫌いだ。
早く帰って退屈な時間を過ごしたいのに、屁理屈並べて邪魔してくるから。セミは五月蝿いし。
掃除係が当たってしまって、いつもより遅く家に帰る。一緒に下校する人もいないし、いてほしくないから一人で。
遅くも早くもないペースで、ほとんど山道を歩いていく。
「…………あの、さあ」
たまらず振り向いて声をかけた。
「何で着いてくるわけ?」
リョウカは黙ったままだ。
掃除が終わったときから気配は感じていたけど、ストーカーだよ、キミ。
リョウカはまったく動じず、大きな目で僕を見てくる。
「何か、似ているからです」「何が?」「雰囲気がです」「誰と?」「トキオと、です」
涼しい澄んだ声が心地いい。この子、声は悪くないんだよなぁ。派手な女子よりマシだし。
「トキオって誰」
「友達です。死んじゃったけど」
少しだけ、目が虚ろになった。気がした。
「何で、死んじゃったの?」
「溺れ、たんです。目の前で」
「…………キミは、助けなかったの?」
リョウカの肩が少しだけびくつく。志乃岡さんから聞いた事が頭を過ぎった。
助けなかったのか、
助けられなかった、のか。
どっちにしろ、罪悪感は感じるはずだけど。
「助け、ませんでした」
あぁ、決まりだな。
どうして?なんて聞くつもりはない。分かるから。
殺したかったんだ。
「海を見に行って、二人で。トキオが落ちたんです。……ん。落としたんです。ふざけるフリをして、そのまま」
「どぼーん」と言いながら、落ちていく素振りを表現するリョウカ。
「それで?」「そのまま、です。おしまい」
作文を発表するような感じで言い終え、ペコリとお辞儀。何がしたかったのか。
「どうして、殺したの?」
「嫌いだったからです」
「何で?」
「いつもいつも、キレイだったから」
それが何を指しているのやら。
「キレイに笑って、キレイに夢を語って、キレイに一日を終えて……。この人はキレイなまま人生を終えて、キレイなまま死んでいくんだろうなって思ったんです。それなら、最期くらい汚い終わり方でも、いーんじゃないかって思ったんです」
だから、
「だから、殺しました。苦しむ彼女を、私は笑いながら見てました。私は、汚いから。キレイな人が、嫌いだから」
だそうだ。
リョウカがランドセルを背負いなおす。
「でも、どうしてそんなキレイな人と僕の雰囲気が似てるなんて言ったの?」
どう考えても、僕は薄汚れて真っ黒になった人間のはずなんだけど。
「あぁ、それは───」
リョウカが何かを言いかけて、口をつぐんだ。
「やっぱ、言わないです。よく考えて見たら、トキオと全然違うんですね」「当たり前だよ」
汗が流れる。
透き通ったリョウカの肌にも汗は水滴となり、地面に落ちた。
「警察によく見つからなかったね」
「これでも、演技は得意です。ヒステリックになって近所の人に名演技をして逃れられました。よかったです」
「……これから、どうするの?」
「キレイに死にたいので、生きます」
足元の小石を軽く蹴る。僕のつま先に当たり、速度が緩められ、止まった。
「セミになって、潰されて、死にます」
「それがキレイな死に方?」
「私にとっては、です。個人的価値観はそれぞれ違うから、なので」
リョウカが僕を追い越す。立ち止まり、その華奢な後姿を見つめた。
「バイバイ、一条くん」
「ばいばい、向坂さん」
その数日後、リョウカは見事に自殺未遂をして、病院送りとなり、学校も転校してしまった。
セミは延々と鳴き続け、最後には死骸の群れだけが残った。
- Re: 包帯戦争。 ( No.3 )
- 日時: 2009/12/05 10:17
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
<宇美でごじゃります>
本日も晴天なーり。
のほほん、今日もいい天気でごじゃりますなぁ。
うちのダメ弟は今日もダメダメだけど、私は元気に仕事しますしー。
おや、アレは祝詞ではないかー。相変わらず可愛い顔じゃのー。
ま、美形が多いよねぇ。
私だって、この美しさ、マジぱねーよっ。
しっかしセルフのうどんは安いねっ!もう完璧だよっ、完璧!
お金がない私だってかなりイケちゃうしねー♪
るんるん。あー、でもでも会社に行ったらうっせータラシの上司・斉藤デブオが待ち構えてるー。
ばりうざー。うざすぎていやー。
とにもかくにも、仕事をしないと給料がもらえず、私とその家族は路頭に迷うわけでして。
お姉ちゃん、頑張っちゃおうかなー♪
無駄に分厚い書類を上司に叩きつけて、パソコン弄繰り回してりゃ何とかなる話なわけだしー。
こんな楽して仕事して私いーのかなー。
ま、おふざけモードはこの際封印して。
何の因果か家族はのう一人増えて、しかもちょっと傷物の子で、その子も養うため、切磋琢磨してるわけでありまして。
飲み屋も今週あたりから行くかなー。
知り合いのツテ使って、月給いくらかなぁ♪♪
私かなーりオッサンにモテるんだよねぇ。援交とかはマジ無理だけどー。
私はこう見えても意志は堅いのです!!
愛し合う人にしか私はあげませーん。
まぁ、もうすでに何人か男はいるんだけどー、弟みてーに格好よくてちょいアホでクールな奴がいねぇんだわ。
ちょい、マジで私ブラコンじゃん?やっべー。
てかキャラ変わりすぎでしょ((笑。
お昼のおこげスープを食べながら、同僚のシガちゃんと恋について話中なのだ♪
「でもさ、アレだよね。身近な奴ほどきにナルっつーか」「だよねー。宇美の弟とか?」「やめれー」
ほとんど弟の話っすけどな。
ほんで夕方5時に帰宅った〜♪
ぬ?ぬおおおおおおおおおおおおおおおっ!
しょ、衝撃のワンシーンを見てしまった!!
な、なな何と我が弟がいたいけな小学生の男子を押し倒してるではないかぁぁぁっ!!
「おっめー!何してやがるっ!」
「ぬおっ!」
慌てて弟を蹴り飛ばす。
何、コイツ!こんな趣味があったのか!?
つか、前!前はだけてるし!!
「女にモテねーからって(モテるだろー)何男児に手ぇ出しとんのんじゃ、ゴルアッ!」
「ちっげーよっ!祝詞がちょっとまたっ」
「あ?何?何だって!?」
「祝詞がまたちょっと変になってたから、宥めてたんだよっ!」
…………………あぁ。そういう事か。理解できた。
「何アホな事に結び付けてんだッ!俺が女に苦労してるわっけねーだろうがッ!」
「あーまーねー。そーだよねー」
格好いいしね。
んで、肝心の祝詞はといいますと。
目をぱちくり開けたまま、思考停止。まるで電池の切れた玩具みたいに動かない。
「祝詞ー?」
「おい、祝詞。大丈夫か?大丈夫だから」
弟がそっと祝詞の手を握る。
祝詞は、何ていうか、少々壊れた子だ。…かなり壊れている。
監禁されて、茅野兄弟に変に玩具扱いされたから。
「だ、て、ててててててててて」
「ん、大丈夫だ」
祝詞から、何を言っているのかわからない、文法が不成立な羅列が並ぶ。
「死、血、あなななな。ひ、ひなっ、てててててて」
血生臭い光景が蘇っているのか、かすかに体が震えている。
「アンタ、よく引き取る気になったねぇ」
「糞メジロにも言われた」
ほへー。メジロがねぇ。
元元元元彼かなー。
- Re: 包帯戦争。 ( No.4 )
- 日時: 2009/12/05 16:23
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
『んー、そんで?叫んだりとか自傷行為とか、そういう異常な事はねーんだな』
「まーねー。ウチの格好いい弟くんが何とかしてくれまして〜」
『ならよかった。あんな壊れたガキいつまでも置いてたら、ヤシロが何て言うか』
「ヤシロ?」
『こっちの話だ。んで、その後はどーなってんだ』
「今は落ち着いて寝てる。でも変な言葉の羅列ばっか言ってて怖いもんよ」
『それだけならまだマシだ。もう一人みてーのになってみろよ。もうアレはダメだわ』
「もう一人って……」
確か、茅野ヒナト。とかいう名前だったはず。
『そ、そいつ。病院来ねーし。大人ナメてんじゃね?みてーな発言多いし。態度でけーし』
メジロに言われたくないと思うけど。
だって、ハゲた教頭に向かって唾吐いてたじゃんかー。いい思い出じゃーないかー。
「ま、それはどーでもいいけど。でも、アレだよ。うん。自傷行為があった場合、どうすりゃいーわけ?」
『もし、その行動に自覚が無かった場合は、止めてやってくれ』
……っつー。
「え……じゃあ、自覚があったら?」
『止めないでやってくれ』
意味を理解するのに、数秒かかった。
それはつまり、
つまり何の事です、か、
『自分で決めた死なら、止めないでくれっつー意味だよ』
「意味わからん」
まったくだ。
何言ってんの?このアホ。本当に社会人?大人?医者?一人の人間?
『あいつが死のうと思ったときは、もう心は枯死してんだよ。……わかるか?もう限界なんだよ。いいや、今ももう心はねーし、限界が来ているはずだ。なんせまだランドセル背負ってるガキじゃねーか。なのに人間の恐ろしい所ばっか見せ付けられて、穢されて。そりゃ死にたいとも思うわけよ』
否定は、しなかった。
『いや、あいつの場合死ぬのも怖い……って思ってるわな。目の前でどんどん自分の親やらが肉団子やミートにされていくんだ。そりゃ“死”も“生”も怖くなる。今、あいつは灰色だ。何も考えてねーように見えるが、大人でも耐え難いものを背負ってる大したガキだよ。それがだんだん重くなって、心が潰れた時にヒナトみてーのになるんだ』
「ギリギリ、だね」
『そんな簡単じゃねーけどな』
いや、本当にギリギリ。
だからお風呂は弟と入っているのか。怖いから。
自分の体を見るのが、本当に苦痛でどうしようもないから。
「……止めない、事にした」
『それがいい』
「でも、小春はわかんないよ。アイツは止めるって」
『……姉貴だろ。言ってやれよ』
「私、そんなシリアスな話、無理だもん」
『かわい子ぶるな』
きしょい、とは言わなかった。
ぬー。
でも、そうだよね。自殺しようとする人を止めるなんて勇気、サラッサラ無いし。
携帯を切って、祝詞が起きないようにマナーモードにする。
一人駄菓子屋の座敷で煙草を吸っている弟くんが、面倒くさそうにこっちを見た。
「大体、聞いてた」「聞かれてたかー」「自傷行為を、止めるなだって?」
怒ってるなぁ。当たり前か。ここはとばっちりを食うのもアレだから、素直に答えましょうか。
「そだね」
「姉貴、それ了承したのかよ」
「……あえて、何も言わない」
「したんだろ。さっき言ってた」
さすが14歳で煙草を吸い始めた事だけはある。目つき、ムッチャ怖ぇ。美形だけど。
「犯すぞ、てめー」
「決めるのは、祝詞だよ」
「何抜かしてやがんだよ。しめっぞ、オラ」
姉貴だからとて容赦はしないか。
でも、残念。こっちだって15歳の時に路上でオッサンに痴漢されそうになった時、見事警察に突き出したっていう誇り高き履歴がある。
空手黒帯なのだー♪♪
「女の子には優しくしなさーい」
「本当に、見逃していいのかよ」
我が弟ながら、声が震えている。
「メジロは、そうしてほしいって」
「あんな腐れ外道の事、本気にしてんじゃねーよっ!」
さっすがタイマン張ってボロ負けした事はあるわ。けっこー根に持つタイプだからね、弟よ。
「じゃあ、もし祝詞が殺してくれって言ってきたら、アンタはどーすんの」
「殺すわけねーだろ!」
「それが、祝詞の願いでも?」
ボリュームを下げましょう。祝詞が起きるから。
せめて夢の中では、楽しい事を考えて欲しいのです。
「小春〜アンタあの子が何見てきたかわかってんの?私らなんて想像がつかないヤバイ光景見てきてんのよ。けっこーつらくね?」
「でもっ」
「できれば、もうこの世界になんて居たくないはずなんだよ」
皮肉だよねぇ。
何であんな小っさい子が苦しんで、そこら辺にウジャウジャいるどーしようもない人間がいいツラしてんだろうね。
例えば弟とか。笑えないけど。
- Re: 包帯戦争。 ( No.5 )
- 日時: 2009/12/05 16:36
- 名前: ラビ ◆bIXnO7zfJs (ID: gqZQq2JR)
こーんばんわー(゜×゜*)
姉さまはブラコンブラコ(ry
すごい……疾風サン小説上手いです……
こーしん乙です(・×・´)キリッ
ちゃっかり宣伝←
「壊れた玩具と××」っての書いてます
亀の日向ぼっこ並みに暇んなったら来てみてくらさい。
嘘です。サーセン。
良かったら見に来ていただけると嬉しいです。
- Re: 包帯戦争。 ( No.6 )
- 日時: 2009/12/05 21:04
- 名前: ジョーカー (ID: iaFUGUi0)
やっぱりおもしろいなー
ウットリ♪・:*:・ (‾* )
合作とかできたらおもしろいですよね
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