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スパイは荒事がお好き——第一章完結
日時: 2010/11/14 21:21
名前: agu (ID: gzQIXahG)

スパイ物です。
舞台は1940年代のフランス。ナチス・ドイツに占領されています。

一応、現実の歴史ではなくそのパラレルワールド設定しておりますので、
現実の歴史とは色々と違う場面が出てくると思います。


そこら辺はご容赦ください。





【スパイ名簿】

*持ち出し厳禁!


・ハンニバル・アンダーソン

・ニコラス・ブロウニング >>2

・クラウザー・シューダー >>4

・イヴァン・カルメフスキー >>9

・メル・アルス・エネルス >>38

・サミュエル・ジョンソン >>43

・テレーゼ・ライリー >>65




「序章」>>11



一章【スパイ・コネクション】

>>13 >>19 >>20 >>24
 >>28 >>49 >>59 >>64
 >>68 >>69 >>72 >>88



二章【大西洋からの来訪者】

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Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.10 )
日時: 2010/08/04 21:08
名前: agu (ID: zr1kEil0)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/saku5811/17090280.html

金平糖氏からスパイを提供してもらうとは・・・
何か恐れ多い気がしますねw

こういう面白い個性があるキャラは好きです。
大きいのに隠れるのは凄く上手なんて可愛いじゃないですかw

Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.11 )
日時: 2010/08/17 22:31
名前: agu (ID: zr1kEil0)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/saku5811/17090280.html

「序章」


1939年、ナチス・ドイツのポーランド侵攻により連合国の首脳は決断を強いられた。

「ドイツに対して宣戦布告を行うか、否か」

彼らは決断した。

「侵略を許す訳にはいかない。我々連合国は、ヒトラー率いるナチス・ドイツに対して宣戦を布告する」

こうして、後に「第二次世界大戦」と呼ばれる、その名の通り世界規模の、地球の裏側まで巻き込んだ戦争が始まったのだ。







ドイツと国境を挟んで睨み合うフランスにはある切り札があった。

「マジノ・ライン」

ドイツとの国境に沿って配置されている要塞線である。
この近代的な要塞線は過去の大戦において、フランスを侵略しようとしたドイツ軍に立ち塞がり、そして撃退している。

この無敵の要塞はドイツにとっては鉄壁の悪魔として、フランスにおいては頼もしき盾として存在してきた。

フランス軍の司令官達はナチス・ドイツがこの盾の元の屈することになるだろうと考えていた。

しかしドイツはその裏を付いた。

盾を突破することが無理ならば、盾を迂回すればいいと彼らは考えたのだ。

ベルギーとフランスの国境沿いに存在するアルデンヌの森から、フランス国内に侵入する。
前大戦時代にもあった作戦計画だが、実行には移されなかった。
それをドイツ軍は復活させ、修正を加えたものを彼らは採用したのだ。


無論、フランス軍も手をこまねいていた訳では無い。
イギリス軍と協調し、ベルギー国境に防衛線を築いた。

それに当時は「機甲部隊や戦車がアルデンヌの森を通過するのは不可能である」という説が信じられていた。
ドイツ軍の主力は機甲部隊であると推測していた司令官達はそれほど、ドイツ軍のアルデンヌ侵入を警戒していなかったのである。



だが、その予想をドイツ軍は見事に覆した。



ドイツ軍の優秀な指揮官と兵士達は、不可能だと信じられていたアルデンヌの森からの侵攻作戦を、成功させたのである。
彼らはそのまま花の都「パリ」まで進軍し、フランス全土を座巻した。

1940年、ついに大国フランスはドイツに降伏したのである。


この戦争を静観していたアメリカも、このフランス降伏にナチス・ドイツを危惧した。
アメリカは急遽、連合国に参加し、ナチス・ドイツと戦う姿勢を見せた。


こうして連合国と枢軸国の戦いが始まったのである。

Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.12 )
日時: 2010/08/05 18:34
名前: 危機 ◆TylvI6wUQw (ID: 5Ru2iDax)

>>8
いいですよ〜。何かかっこいいですね!

Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.13 )
日時: 2010/08/07 17:02
名前: agu (ID: zr1kEil0)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/saku5811/17090280.html

【1章、スパイ・コネクション】


0SSの諜報員である、ハンニバル・アンダーソンは、眼前に聳え立つ「塔」を見上げた。

ここは文化の中心地パリ。

今はナチス・ドイツに占領されたこの街に、占領前の活気や華美さは無い。
しかし、街の象徴とも云えるこの「塔」は悠然と空に向かって伸びている。
市民達は何が起こっても変わらないその「塔」の姿を見て、祖国を蹂躙された悔しさを晴らすのだった。

不意に、ハンニバルの耳にゴムが擦れる、あの自動車特有のブレーキの摩擦音が飛び込んでくる。
彼は緩慢に、ゆっくりと後ろに振り返った。

道路の脇に自動車が止まっている。
そして、自動車のドアに寄り掛かっているトウヘッドの男が、ハンニバルに手を振っていた。

ハンニバルはもう一度だけ「塔」を見上げると、その男の所まで歩き始めた。
彼はドアに寄り掛かっている男に声を掛ける。

「ニック、五分遅刻だぞ」

男、ニコラス・ブロウニングは肩を竦める。

「悪い、悪い。途中で軍の検問に引っかかっちゃってさ。いや〜、連中しつこいのなんのって」

ニコラスはハンニバルが助手席に乗ったのを確認すると、自分も運転席に乗った。

ハンニバルが質問する。

「クラウザーはアジトにいるのか?」

ニコラスはエンジンを掛けながら、その質問に答える。

「クラウなら、また女を引っ掛けに行ってるよ」

それを聞くと、ハンニバルは溜息をついた。




***************





場所は変わって、パリ市内の喫茶店。
そこでは1組の男女が甘い雰囲気を漂わせていた。

男の方、ブロンドの髪をしたハンサムな優男は女に声を掛ける。

「マリアンナ、君はいつ見ても美しいな。溜息しか出てこないよ」

女の方はそれを聞くと、恥ずかしそうな、それでいてまんざらでもない様な、そんな表情を浮かべた。

「もう、エドワードったら。お世辞がうまいんだから……」

エドワードと呼ばれた男はそれを聞くと、口元に笑みを浮かべる。

「世辞なんかじゃないさ、君はまるで女神の様だよ」

エドワードは女に気づかれない様に、店内の時計を見た。

午前十二時四十七分。

彼は女に向かって言った。

「どうやら、仕事の時間が来てしまったらしい。本当に残念だな」

女はそれを聞くと少し不満げに言った。

「しょうがないわね。それじゃあ、次はいつ会えるのかしら?」

男、エドワードはそれを聞くと見惚れる様な笑みを浮かべ、言った。

「Une semaine plus tard」






喫茶店から出たエドワードに、声が掛けられた。

「クラウザー!」

先ほどエドワードと女に呼ばれ、今はクラウザーと呼ばれた男は、声の方向へ顔を向けた。

向けた先には、熊とみまごうほど程の大男
これにはクラウザーも驚いたのか、少しの間、硬直してしまった。

「クラウザー。僕だよ、イヴァンだよ。何固まってるの?」

大男、イヴァンは不思議そうにクラウザーの肩を叩く。
クラウザーはハッと我に返ると、咳払いした。

「申し訳ありませんね、イヴァン。まだ慣れなくて……」

クラウザーはそう言うと、イヴァンを見上げる。
2mほどの身長に、無骨で大柄な身体。

(スパイよりも、陸軍にでも志願した方が良かったのではないでしょうか?)

クラウザーはそんな事を思っていた。
イヴァンは首を傾げながらその様子を怪訝そうに見ていたが、不意に声を掛ける。

「あ、そんな事どうでもいいんだよっ。ハンニバルが本部へ召集を掛けたんだ、行かないと怒られるよ」

早く早くとイヴァンが道に停めてある自動車を指差す。

クラウザーはふうと息を吐くと、自動車に向かって歩き始めた。

Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.14 )
日時: 2010/08/07 17:05
名前: シュルル (ID: saz7BosX)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

すげえwww 面白い作品だ!

応援してます!


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