ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- スパイは荒事がお好き——第一章完結
- 日時: 2010/11/14 21:21
- 名前: agu (ID: gzQIXahG)
スパイ物です。
舞台は1940年代のフランス。ナチス・ドイツに占領されています。
一応、現実の歴史ではなくそのパラレルワールド設定しておりますので、
現実の歴史とは色々と違う場面が出てくると思います。
そこら辺はご容赦ください。
【スパイ名簿】
*持ち出し厳禁!
・ハンニバル・アンダーソン
・ニコラス・ブロウニング >>2
・クラウザー・シューダー >>4
・イヴァン・カルメフスキー >>9
・メル・アルス・エネルス >>38
・サミュエル・ジョンソン >>43
・テレーゼ・ライリー >>65
*
「序章」>>11
一章【スパイ・コネクション】
「>>13 >>19 >>20 >>24
>>28 >>49 >>59 >>64
>>68 >>69 >>72 >>88」
二章【大西洋からの来訪者】
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- Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.65 )
- 日時: 2010/09/23 13:56
- 名前: 月鈴 (ID: 2bmr/VpX)
来ちゃいました!
すっごくタイプの作品です。
本気で小説化して欲しいのですが・・・!
スパイとか、航空機とか、好きです♪
絶対常連さんになっちゃいますよ、いいですか?
貴官を第一級諜報部員として認定する。
名前・テレーゼ・ライリー
希望所属・OSS
性別・女
年齢・18
容姿・長い銀髪で淡い青色の瞳
性格・冷たい美貌だと思われることがあるが、柔らかい雰囲気。
根はとても優しく純粋だが、感情を一切排した一面を見せる時がある。完璧に気配を消せる。
落ち着いた、もしくはおっとりしている。
動物をこよなく愛す少女。
サンボイ
「こんにちは。首尾はいかがですか?」
「そこから動かない方が身のためです・・・殺されたいか?」
「本当はね、暗殺なんかしたくないの。影で、情報操作をしていられればそれでよかったのに・・・ね。」
その他・実は、結構な家柄の出。落ち付いている(おっとり?)しているのはそのせい。
亡くなった母親が、ドイツ系。
描画、ヴァイオリンが趣味。
ちょっと幼いでしょうか・・・?
複雑そうなキャラですし、どうぞお好きになさってください。適当に変えていただいても・・・。
なんか、ごめんなさいっ・・・!
- Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.66 )
- 日時: 2010/09/23 14:05
- 名前: agu (ID: zr1kEil0)
来たよ、来ましたよこれ。
18歳?ええ、結構です、サイコーd(殴打
スパイファミリーがまた増えました、感謝です。
立ち位置としては、情報召集のプロとかそこら辺になると思います。
暗殺もやりますが。
私の小説で良ければ是非とも常連さんになってください。
こちらからお願いしますw
- Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.67 )
- 日時: 2010/09/23 14:19
- 名前: 月鈴 (ID: 2bmr/VpX)
面白い方ですね!
ごめんなさい、笑ってしまいました・・・。
使って頂けるようで、うれしいです。
えっと、ちなみに私はまだ15才なのでテレーゼのような花の盛りではありませんが(笑)仲良くして下さいませ。
スパイとか信じられない・・・!ツボのテーマです!
- Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.68 )
- 日時: 2010/09/25 07:02
- 名前: Agu (ID: zr1kEil0)
翌日の事。集積所にはこれでもかと武器が積まれたトラックが何両も並んでいた。
それを間近で見ながら、ゴードン=ゴロプ中佐は胸に一概の不安を覚える。
(私のした事は正しかったのだろうか?本当にこれで良かったのか?)
彼はそれを振り払う。ここまで来て怖気づく訳にもいかない。
あの秘密文書にはこの作戦がどれほど重要かが長ったらしく書かれていた。
文書に拠れば、暗殺はレジスタンスの中での一部部隊の独断であり、その部隊は元軍属の弁護士によって統制されているとの事。
その件の部隊に対して情報を故意に流し、誘き寄せられてきた所を捕らえ、暗殺計画を粉砕する。
それが今回の作戦であった。
(アプヴェーアの連中は、まったくもって乱暴で斬新だな)
ゴードンがそんな思考を展開してからそのまま少しすると、黒光りする如何にもな高級車が集積所のゲートを潜り、入ってくる。
ロールスロイス————ゴードンは恐らく、あれに大佐が乗っているはずだと推測し背筋を正した。
自動車が止まり、運転席から出てきた黒い制服の男が後部座席を仰々しく開ける。
そこから身を屈める様にして出てきたのは、やはり例の“大佐”であった。
ゴードンはそのまま彼に向かって最敬礼する。
大佐はそれに軽い敬礼で答えると、目線を一列に並ぶ輸送トラックに転じた。
「武器は積み込んであるようだな、宜しい」
「ハッ、予定の準備は全て完了しております。運転手には出来る限り経験が豊富な者を選発しました」
「うむ……やはり評判通り、君は優秀な士官の様だな。さすがに手際が良い」
「恐縮です。大佐殿」
ゴードンはそう返答しながらも、頭の中ではこれからの人生に期待を巡らしている。
大佐が約束を守るというのならば、ゴードンはこの閉職から解き放たれることだろう。
「それでは大佐殿……」
「分かっている」
大佐はジッと車両の列を見つめた後、先程出てきたばかりの後部座席に乗り込んだ。
ゴードンも軍用指揮官車に搭乗する。
2台がゆっくりと車列に入るのを確認した“輸送部隊”は、エンジンの音と共にその車輪を動かし、集積所から出発した。
*
パリ・レジスタンス、第4部隊隊長であるベルトラン=ジルベルスタインは、自分の豆だらけの手が仄かに汗ばむのを感じた。
彼は左手に装着された腕時計を確認する。
(今は9:38。数十分後にはここを国防軍の輸送車列が通り抜ける……上手い具合にやらなければ、な)
彼ら第4部隊が潜伏するこのフェール市道は、周りを林に囲まれた静かな道であり、所々に点在する家屋があるだけで大した特徴はない。
その為、特に検問や軍事施設、駐屯地があるという訳ではなく、レジスタンスにとっては絶好の待ち伏せ場所ともなっていた。
その“猟場”に“獲物”が入ると、アメリカの諜報員から情報がリークされたのが3日前。
情報を受けたレジスタンス上層部はすぐさま“略奪してからの撤退”に定評がある第4部隊をこの市道に派遣した。
到着してからというものの、彼ら第4部隊員600名は、まるで森の一部になったかの様にジッと息を潜め、およそ6時間前からこの道を通過する物、全てに目を凝らしている。
武器弾薬を満載した、しかも護衛車両が何事かの不都合で来られないという、これまた無防備で魅力的な“羊”がやって来るのだ。
彼らが必死になるのもなるほど、道理だろう。
そんな時、第4部隊の副隊長であるジーロンド=ワーテルローがベルトランの肩を叩いた。
顔を向けると、彼はハンド・サインで何事か伝えている。
(…例の相手……無線……作戦……順調)
意味を汲み取った彼は、副隊長にハンド・サインで指示を返す。
(了解……全分隊……襲撃準備……時は近い…)
ジーロンドはその険しい顔に不適な笑みを浮かべ、頭を縦に振ると、足音を出さない様にして近くにいる無線士に命令を伝えに行く。
それを見送ったベルトランはいつの間にか自分の表情が緩んでいた事に気づいた。彼は苦笑らしき表情を一瞬作るが、刹那、それを引き締める。
もうすぐ始まる“宴”に興奮が抑えきれないのか彼は誰にも聞き取れない様な小さい声で呟いた。
「ご馳走はもう間近……今日は良い日になりそうだ」
- Re: スパイは荒事がお好き—スパイ募集— ( No.69 )
- 日時: 2010/10/03 16:25
- 名前: agu (ID: NHSXMCvT)
道路を疾走する何台ものトラック。
荷台にギッシリと武器弾薬が積まれているそれらは今、“作戦区域”であるフェール市道に入った所だった。
その輸送車両群に紛れる様に走る、だがそこには明らかに不似合いな高級車が一台。
中にはやはり、同じ様に高級将校と思われる人物が乗っている。
大佐の階級章を付けたその大男は、その口を開いた。
「“作戦”は順調かね?」
その質問に前部の助手席に座っていた男が答える。
「大佐殿、全て順調であります……奴らは思い知る事となるでしょう。自らの迂闊さと我らの力を」
その返答に、他にも乗っていた男達がニヤニヤと笑い出す。
大佐はそれを見て少し困惑した顔をすると、言葉を紡いだ。
「まったくもって悪辣、救い様がない」
*
変わって、こちらは輸送車両群の後尾に位置する軍用指揮官車。
彼らのかなり前を走っている高級車、ロールスロイスとは違い、その車はとても無骨で実用的なフォルムをしていた。
その上、屋根がない、所謂オープンカー。風は乗員に真っ直ぐと向かい、その猛威を叩き付ける。
集積所司令官、ゴードン=ゴロプ中佐はこの車両が嫌いだった。
(せめて屋根は付けてくれれば……風がうっとおしてしょうがない)
その風が当たるのを好む人々もいるが、ゴードンはどうやらそのカテゴリーに入らない人種の様である。
彼はしきりに手を顔の前に翳し、風の猛威から顔面を守ろうとしていた。
「ゴーグルが常備されるべきだ、この車両には」
愚痴を放ったゴードンに、律儀にも前部の運転手が声を挙げる。
「かの砂漠の狐、エルヴィン=ロンメル将軍は英軍から奪ったゴーグルを着用していると聞きますよ。捕虜が携帯していた物は、重要と判断されなければ集積所に送られます……一つ、掻っ攫ってみては?」
彼の冗談に、隣に座っていた護衛の兵士が可々と笑う。
しかし、ゴードンは冗談という物をあまり理解できる性質ではなかった。
「貴様!私にその汚い口を二度と開くんじゃない!軍の備品に手をつけるなど、言語道断だ!!」
冗談を真に受け取られ、慌てる運転手。それを助手席の兵士が急いでフォローした。
「中佐殿、軍曹の言った事は冗談であります。中佐殿の緊張が少しでも和らげばと……」
ゴードンは彼の言い分に些かその眉を顰める。
「冗談は冗談でも、性質が悪すぎる。もうこれっきりにしておけ」
前部の二人は揃えて了解と口を合わすと、これまた揃えて溜息を付いた。
*
そのようなやリ取りを各車がしていた時、森に潜む“狼”達はじぃとその車両群を見つめていた。
後、数十秒で彼らの“網”に入るというのに、それを知る由もなく暢気に、車両はだんだんこの林道に近づいてくる。
不意に“狼”達の懐から、長い筒が取り出された。
鈍いミルク色に光るそれは取っ手が二つあり、片方は引き金となっている。
明らかに普通の小銃よりも大きいそれは、何処か、凶悪な雰囲気を醸し出していた。
“狼”達は哂う。
(サア、もうすぐ極上の“羊”の群れがやってくるぞ。サア、もうすぐだ)
すでに輸送車両は彼らが待ち伏せする場所のすぐ側まで来てしまっている。
もはやその牙からは逃れられない。
一匹の“狼”がその肩に筒を乗せた。
その筒の左に取り付けられた鉄の照準に、先頭の一台が写る。
触れた引き金は重く、そして金属特有の冷たい感触があった。
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