ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- E2(エキストリーム・エキセキューション)
- 日時: 2010/11/26 17:56
- 名前: 林 大介 (ID: .O7WJzbr)
はじめまして。
なるべくリアルに迫力のある小説を書きたいと思います。矛盾点や問題点が多々あると思いますが、素人の勉強不足だと思って見逃してください。
よろしくお願いします。
- Re: E2(エキストリーム・エキセキューション) ( No.23 )
- 日時: 2011/06/20 23:29
- 名前: レッドラム (ID: w1UoqX1L)
<コーヒーブレイク>
→紅蓮の流星さんへ
コメントありがとうございます。南のように諦めず地道に更新していきたいです!頑張ります!
- Re: E2(エキストリーム・エキセキューション) ( No.24 )
- 日時: 2011/06/22 21:16
- 名前: レッドラム (ID: w1UoqX1L)
「よろしい。お渡ししましょう。門田を処刑する政府公認の武器を。」
御堂は席を立ち、さらに奥の部屋へと姿を消した。
そして3分後、御堂が戻る。
御堂は大切そうに両手で漆塗りの長細い箱を持っていた。
あれが、武器…
美尾の興奮が高まる。
「お待たせしました。」
御堂は静かにその箱を手前のテーブルに置いた。
「どうぞ、開けてください。ご自分自身で確かめてください。」
「…わかったわ」
御堂は美尾の顔を凝視する。
美尾はその箱を静かに開ける。
「こ、これは…」
美尾は静かに呟く。
「名刀虎鉄。日本刀です。」
御堂は答える。
「こっこんなもの…私に使えるの?私はもっと、こう…銃器的なものかと…」
「そんなものは使いません。武器の選考としてはより相手に激痛を与え、なおかつ一瞬ではなく継続的な苦しみを与える武器…それが日本刀だと思いました。その継続的な時間の中、門田は考えるでしょう。自分の犯してきた過ちと後悔、そして反省。しかし反省しても遅い。いずれ訪れる完全な死。それがエキストリームエキセキューションです。」
「なる…ほど…」
「この刀はよく切れますよ。うまい介錯人でしたら一撃で相手の首と体を離すことが出来る優れ物です。しかし、この時代実際の日本刀を使える人間がどれだけいるか…恐らくは突き刺すとか致命傷ではない所を何箇所も切らないといけないことになる。見るも無残な姿にされることは必死。そう時代劇のようにはなりませんよ。」
美尾は御堂の話を聞きながら、唾を大きく飲む。
- Re: E2(エキストリーム・エキセキューション) ( No.25 )
- 日時: 2011/06/23 19:49
- 名前: レッドラム (ID: w1UoqX1L)
美尾は想像した。
自分自身が日本刀を持ち、門田を襲う光景を。
刀がヒットした時の生々しい感触。
そして門田の悲鳴ともいえぬ奇声。
御堂の言う通り、一撃で仕留めることも出来ず、何度も切りつけ刺し殺す。血は潮の如く噴き上げ、美尾の体や顔に飛び散る。内臓は剥き出しになりながらも、痙攣しながら顔を上げる門田。
血を吐き出しながら美尾に怨念をも撒き散らす門田。
その状況を想像すると、今まで自分が殺人を行いたいと力説していたことが馬鹿らしかったというか、幼稚というか、何も分かってないというか…
もし武器が銃なら一撃で仕留める事が出来るのに。
少なくとも相手に触れることなく殺すことが出来るのに。
そう、自分自身で手は下しているが、どこか遠くの出来事のように過ぎる。まるでどこかの大統領が敵対国にミサイルを撃ち込むかのように。
しかし、日本刀となると超接近戦。
相手の息遣いから臭いまで感じながら、斬り付けなければいけない。
その時、少しでも躊躇してしまったら、文字通り門田は血祭りになってしまう。
私は南とは違う。この門田という男とは何の接点もない。あかの他人。その他人をただ殺すのであれば、やはりきれいな形が良い。怨念が残るような終わり方ではなく、一撃で…
一撃で仕留め、殺す実感を味わう。これがベスト!
美尾は少ない時間で、大いに自問自答を繰り返していた。
「こうも違うものでしょうか。」
御堂はボソっと呟く。
美尾は我に返り、御堂に顔を向ける。
「先日、あなたたちの許可抜きで南さんを一時退院させました。それはご存知ですよね」
「はじめ聞いたときはびっくりしたわ。本当にこんなことをするなんてってね。それで余計にあなたと南の関係に疑念を持ったのよ」
「退院したついでに、ここに招き彼にもこの刀を渡しました。その時の彼の様子ですが、まさに武士が宿ったかのごとく震えていましたよ。武者震い。これから自分の敵を成敗する武士のように見えた。しかし、あなたはまた違うように見える。うまく説明はできないのですが。」
「分かってるわよ。あなたの言いたいこと。これでも25年間精神科医をしてきた訳じゃない。自分自身のこともよく分かる。はっきり言って今私は人を殺すことにビビッてるわ。そう、分かりやすい単語でビビッてるの。しかし、このE2を見逃すわけにはいかないことも分かってる。なぜなら私には目的があるから。今後、恐らくは一生成しえることはない人を殺すという行為を法も下実行でき、殺人者の心理を分析するという目的。この目的はある意味私の臆病さを凌駕するほどのプロフェッショナルな感情なの。
だから、私は自分自身で向き合うわ。対立する感情をコントロールしてみせる。そして南より先に門田を斬るわ。」
「フフ…あなたがもう一人の標的者で良かった。」
「皮肉のつもり?これから刀を使えるよう訓練しなければいけないから、今日は帰るわ。」
「訓練する時間などあるでしょうか?そうこうしている間に南さんが門田を殺しているかもしれないですよ。」
「南は私の患者よ。彼の行動パターンや感情は掌握しているわ。彼は今まだ考えてるはず。どうやって門田を追い込み、どうやって殺すか、はたまた自分自身の過去への決別に関しても…まだ時間が必要なはず。」
それを言い残し、美尾は事務所を後にした。
御堂はテーブルにある紅茶を一口飲み、これからのことを考えた。
第4章 もう一人の標的者 完
- Re: E2(エキストリーム・エキセキューション) ( No.26 )
- 日時: 2011/06/23 23:16
- 名前: 風そら (ID: 71lV5Qtr)
面白すぎです…
美尾のキャラが気に入りました
期待してます!
更新頑張ってください!
- Re: E2(エキストリーム・エキセキューション) ( No.27 )
- 日時: 2011/06/24 14:51
- 名前: レッドラム (ID: w1UoqX1L)
<ティーブレイク>
→風そらさんへ
コメントありがとうございます。美尾は私にとっても大事なキャラなので大事に育てていきたいです。頑張ります!
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