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紅の花束 参照100突破★コメント求むです!
日時: 2011/03/28 20:14
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

はじめまして、璃郁と申します!
ここで書くのは初めてなので、色々と至らない点もあると思いますが、読んで頂ければ幸いです。
あと、コメントくださると嬉しいです!舞い上がります!
アドバイス等もぜひ!お願いします。

★注意★
・うっわ何だこの駄作
・神文求む
・グロちょっとでも苦手or何それおいしいの?
…な人はブラウザバックを推奨します。

♪お客様♪
1:緑紫様(店長★)
2:羅螺様
3:かな様
4:かりん様
5:ひろあ様(←一応お客様なんでw)
6:稚瑠様
7:銀弧様

プロローグ
2人は幸せだった。
あの日が来るまでは。
2人は満たされていた。
全てを、世界を知るまでは—。

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Re: 紅の花束 ( No.1 )
日時: 2011/02/28 21:15
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

人物紹介

フィリーナ・マインフォード
双子姉妹の姉。ふわりと巻いた茶髪に同色の瞳。
しっかり者で早熟。通称フィリ。

リリーシャ・マインフォード
双子姉妹の妹。姉と同じ色の瞳と髪。
好奇心旺盛で無邪気。通称リリィ。
現在は記憶を失っている。

ローブス・マインフォード
双子の父親。娘たちに屈折した愛情を抱いている。
現在消息不明。

アレイア・ヤン
双子が逃走先で出会った少女。腰まである赤毛に翡翠の瞳。
優しくて冷静で姐御肌。

ジェラール・トルトニス
リリィの雇い主。黒マントに身を包む謎の青年。

Re: 紅の花束 ( No.2 )
日時: 2011/01/20 14:13
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

1 双子の少女
「ねえフィリ、『外』には何があるの?」
きらびやかな小部屋の中で、少女が隣にいた姉に尋ねる。
「わからない。ここと同じようなのかもしれないし、絵本のようなのかもしれないわ」
尋ねられた少女は、答えながら部屋の中を見渡した。
室内は、あらん限りの豪華な家具で彩られ、少女たちの望むものなら全てが存在していた。
ただ1つ、外部の情報を除いて。
そして—少女たちは、今まで外に出た事が1度もなかった。
「『パパ』なら知ってるかな」
「多分ね」
『パパ』—少女たちは、自分たちに食事を運んで来る男性をそう呼んでいた。
「頼んでみようよ、外に出たいって」
「うん」
ふたりは軽く頷きあった。


ローブス・マインフォードは、変わり者だった。
莫大な財産を持ちながら、小間使いも雇わず屋敷で1人で暮らしている。—正確には、『3人』なのだが。
その屋敷の1室に、彼は自分の宝物を隠していた。
「フィリ、リリィ」
呼び声に反応し、少女たちが駆け寄ってくる。彼女らはローブスにとって、自分だけを頼りにする絶対的な伴侶だった。
—この子らは誰にも渡さない。
—私だけのものだ。
ドロリとした所有欲を秘め、彼は2人に優しく微笑みかけた。

Re: 紅の花束 ( No.3 )
日時: 2011/01/20 21:12
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

「ねぇねぇっ、パパっ!」
「なんだい?リリィ」
少女の1人—リリーシャが、明るくローブスに声をかけた。
「あのねあのねっ、あたし、外に出たい!」
「・・・え?」
少女の言葉に、ローブスは表情を凍らせた。
外に、出たい?
私だけの娘を、外に—?
「・・・駄目だ」
「どうして?お外には、絵本みたいに綺麗なんでしょう?」
「駄目だ!お前たちは、外に出てはいけない!」
その剣幕に、リリィはびくりと肩を震わせる。
—これ以上、2人にこんな感情を抱かせてはいけない。
焦燥に駆られ、ローブスは部屋にある書物を持ち出し、焼き払った。
—2人は、私のものだ。

その頃、少女たちは呆然と父の消えたドアを見つめていた。
やがて、フィリが口を開く。
「・・・パパは、あたしたちを閉じ込めたいんだ」
リリィは瞳を震わせ、やがて目を伏せた。
「・・・信じていたパパに、監禁されていたなんて・・・」
2人はしばらくそうして黙り込んでいたが、やがて目を見合わせ、頷きあった。
「逃げよう」


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