ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

紅の花束 参照100突破★コメント求むです!
日時: 2011/03/28 20:14
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

はじめまして、璃郁と申します!
ここで書くのは初めてなので、色々と至らない点もあると思いますが、読んで頂ければ幸いです。
あと、コメントくださると嬉しいです!舞い上がります!
アドバイス等もぜひ!お願いします。

★注意★
・うっわ何だこの駄作
・神文求む
・グロちょっとでも苦手or何それおいしいの?
…な人はブラウザバックを推奨します。

♪お客様♪
1:緑紫様(店長★)
2:羅螺様
3:かな様
4:かりん様
5:ひろあ様(←一応お客様なんでw)
6:稚瑠様
7:銀弧様

プロローグ
2人は幸せだった。
あの日が来るまでは。
2人は満たされていた。
全てを、世界を知るまでは—。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



Re: 紅の花束 第1章完結★コメント求むです! ( No.14 )
日時: 2011/01/31 20:57
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

2人が会場に着くと、試合はすでに第2試合まで進んでいた。
対峙しているのは、華奢な少女と強面の大男。誰から見ても、勝敗は明らかだ。
「アレイア・・・あの子怪我しちゃうよ」
「んー?ま、戦闘用奴隷なんだし死にゃせんだろう」
アレイアのすこぶる軽い答えに、フィリはそれもそうか、と納得し、観戦に集中することにした。
『Fight!』
耳の痛くなるアナウンスで、試合開始が示される。動いたのは、男の方。
太い腕が少女に向けて振り下ろされ、会場の誰もが目を覆うが------。
彼らの耳へ入ったのは、肉塊の潰れる音でも、少女の悲鳴でもなく。
男の腕が空を切り、バランスを崩し倒れる音だった。
「遅い!」
少女は鋭く叫び、男の腕に駆け上がる。
そして---------そこから先は、本当に目を覆いたくなる凄惨さだった。
少女はただ的確に、男の目を潰し、骨を蹴り砕く。
審判のストップがかかっても、執拗に。
その様子を半ば目を逸らして見つめていたフィリは、気付いてしまった。
彼女の顔が、髪が、声が、自分に酷似している事に。
彼女が------------何よりも探し求めていた、妹だという事に。
「・・・・・・リリィ?」

Re: 紅の花束 第1章完結★コメント求むです! ( No.15 )
日時: 2011/01/31 21:16
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

フィリは瞠目し、何度も何度も、震える声でその名を呟いた。
どうか人違いであってほしい。そんな思いで。
しかし、思えば思うほど少女の姿は昔の妹と、恐らく似ているであろう自分の面影に重なっていく。
「そんな・・・リリィ・・・」
(よりによって、戦闘用奴隷だなんて・・・)
待ち望んでいた再会。
しかし、妹は闘争本能に彩られて、手が届かない。

そんな妹をしゃくり上げながら見つめていたフィリに、アレイアがその涙を指先ですくい取りながら声をかける。
「行くよ、フィリ」
「え・・・?どこに?」
「決まってるじゃん。・・・アンタのリリィを取り返しに、さ」
アレイアの朗らかな、しかし真摯な瞳に、フィリはひとつ瞬きして、それから力強く「うんっ!」と頷いた。

Re: 紅の花束 第1章完結★コメント求むです! ( No.16 )
日時: 2011/01/31 21:28
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

はい。懲りずに第2章のイメソン作詞してみました。
前回に続きへったくそです。
今回は多分フィリ目線かと。

足元も見えぬ暗闇の中 
ただ君の姿 追い求めて
漆黒の世界 駆け抜けるよ

やっと見つけた 君という光
その血に濡れた震える掌
僕が絶対 掴み取るから
君はただ 手を伸ばしていて
------取り返してみせるから。

Re: 紅の花束 第1章完結★コメント求むです! ( No.17 )
日時: 2011/02/02 21:27
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

そんな少女の決意をよそに------いまだ騒然とする会場は、動きを見せた。中央のフィールドに、黒いマントに身を包む男性が歩み寄っているのだ。彼は審判の制止も聞かず、執拗に相手を蹴り続けるリリィに向かって言葉を発した。
「リリーシャ、時間だ。行くぞ」
その一言で、リリィは音もなく男性の方へ歩み寄る。
「…はい、ジェラール様」
2人は驚く周囲をよそに、静かに入口の方に消えた。
(…あれが、リリィの所有者…)
フィリは怯えていた。
先程の男の放っていた異様な雰囲気に。
何より------その不気味な男に傅いている、愛しい妹の姿に。
(……取り戻さなくちゃ)
フィリは深く頷き、その男の背中を追った。

Re: 紅の花束 第2章突入★コメント求むです! ( No.18 )
日時: 2011/02/04 21:38
名前: 璃郁 ◆7jWbERsBtQ (ID: EfshNUBH)

フィリは、男に見つからないように細心の注意を払ってその後を追う。
暗い路地裏、ブロック塀の上と、常人には考えられない通り道を伝う男を、彼女は律儀にも同じ道で追い続けた。

ある1箇所で、男とリリィは立ち止まった。彼らの眼前には、男に相応しく異質な雰囲気を放つ屋敷がある。
まず、窓がない。巨大な屋敷なのにも関わらず、外からの光源は取り入れていないようだ。
そして------その屋敷は、真っ黒だった。
比喩ではなく、一面漆黒の壁で、色彩をたたえているのはただの1箇所もない。
(こんな…こんな不気味な屋敷でリリィは暮らしているの?)
フィリは先程の対戦で血に汚れた妹の手を痛ましげに見つめた。同時に浮かんだ対戦の様子に、彼女は身を震わせる。
(駄目…リリィが、こんな事させる奴に傅いてるなんて)
フィリは爪を噛み、2人の消えたドアを恨めしげに眺めた。
(絶対に…赦さない)


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



この掲示板は過去ログ化されています。