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- 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】
- 日時: 2011/11/18 18:54
- 名前: るりぃ ◆wh4261y8c6 (ID: yE.2POpv)
<い>ったい誰の
<き>まぐれなのか知らないけど
<て>っていてきに抗ってやるよ。
はじめまして、るりぃと申します。
今回はちょっと息抜き程度に更新できる短編シリーズらしきものをかいていきたいと思います。
今回は基本等はあえて無視すると思いますのでご了承ください。
目指せ二分で読める文章。
その上、私の趣味が詰め込まれています。
以上に危険を感じた方は戻るボタンをクリックしたほうが身のためかと。
それ以外の方はどうぞお進みくださいというか読んでいってくださいお願いします。
━━━まとめ━━━
目次 >>151 >>152
オリキャラ一覧 >>153
━━━━━━━━━
ロードナイトの宝石言葉【優しさ・繊細・愛情・美・調和・穏やかな心】
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- Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.74 )
- 日時: 2011/06/04 10:15
- 名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)
「反則である! もう一回なのだッ!!」
「もう50回越えますよ……」
彼が挑んできた『腕相撲』で勝負をしたら、すぐに勝ってしまった。
速さ的にはコンマ1秒だ。腕相撲がこんなに弱い人初めてみたよ。
ため息をつくと、通りすがりの人と目が合った。
「あの、すいません」
「なんだい?」
「あの、この人と腕相撲してあげてくれないでしょうか」
そういえば彼はしばらく私と彼を見合った後頷いて私と席を入れ代わる。
失礼するぜ、と言う通行人さんに対して50過ぎ連敗中の彼。45敗を越えた時点で彼が泣きすぎによって眼が真っ赤になっていたのは内緒だ。
「参、弐、壱……始めっ!」
「ふんっ!!」
「ぎゃぁああぁ!!!!」
通行人さんの腕から繰り出された渾身の一撃は、見事に彼の腕を机に平伏させた。
勢いあまって机にヒビがいったのは見てみぬフリをしようと思う。
彼は相模 直人。
自分以外に完璧を求める完ぺき主義者。
自分に甘く相手に厳しくがモットーだ。
彼もプレイヤーキャラだった記憶はあるのだが、使ったことは一度も無いだろう。
だって彼は非力だから。
だから私は彼の技も知らない。
唯のジンジャーエール好きの人間としか認識していなかったから。
「もう一回! 俺の周囲の霊たちが反則だと訴えている!」
「いい加減にしましょうよ……はい、ジンジャーエール」
非力な権力者
(通行人が去った後にジンジャーエールを飲ませたらご機嫌になりました)
- Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.75 )
- 日時: 2011/06/06 06:34
- 名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)
あの人はまるで鈴だと誰かがぼやく。
あの人はまるで黒風だと誰かが嘆く。
「鈴ちゃん」
「あ……こんにちは」
えへへ、元気に微笑む彼女の足元には積み上がった屍の山。
彼女は石動 鈴。
鈴の音のように可愛らしい子に育つようにと願いを込めて育てられた武術の名門である旧家の出身の娘。
何不自由なく一身に愛を受けて育ってきた。
でも、彼女が11の時に戦争で兄を失い、それに追い討ちをかけるように一年前に姉と、一ヶ月前に両親を亡くしている。
もう亡き家族の意思を継ぐため、石動流の道場を起こそうとしている。
「泣かないで、鈴ちゃん」
その言葉を口にして屍から彼女へ目を向ければ彼女は小さく苦笑していた。
どんな姿でも美しいのは彼女の白さ故に映える赤の所為か、夕日の朱のせいか。
「泣いてなんかないわ」
「ううん、鈴ちゃんは泣いているよ」
「泣いてなんか……」
「気付いて、ないの?」
そう言われて彼女は自分の頬に触れて手についた液体をじっと見つめてからうっすら微笑む。
「こんなのだから家族を守れないんだよね」
いやだなぁ、こういうの。そう呟いて彼女は頬の水滴を拭った。
「いつまでも同情なんかしてられないのに……」
「でも、」
声を発した私を彼女は小首を傾げて見つめる。
「それが、普通だと思います」
全ての感覚が麻痺してしまいそいな世界の中、まだ相手を想える。
それはとても素敵な事。
殺してしまった罪悪感に涙を流せる人なんかほとんどいないだろう。
「弱いんじゃなくて、鈴ちゃんは強いんだよ。自分の意志がまだあるから。きっと。だから泣くのが本当は正しいんだ」
「…………だと、いいのだけれど」
優しい嘘つき
(この乱世で一番優しいのは貴女)
- Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.76 )
- 日時: 2011/06/06 17:16
- 名前: 篠鼓 ◆6rD.0ypKNs (ID: 1j9Ea2l5)
永らく待たせてしまった支援小説第二部の二番目。
注意事項
※前回(>>71)の続きだが大丈夫か?
※前回より短いが大丈夫か?
※視点が変わる(残月→諒)が大丈夫か?
※ギャグだが大丈夫か?(この次からシリアス(シリディ?)かも)
※誤字脱字、大丈夫か?
※ってか終わりそうにないんだが大丈夫かァァァァァァ((
—————————————————————————————————————
「悪かったな、残月。 …待たせて。」
古びた扉を乱暴に開けると、散らかった部屋の隅に残月が膝を抱えて座っていた。
一応椅子とか出しておいたつもりなのだが…相変わらず隅の方が落ち着くらしい。
残月は俺の方をまじまじと見つめた後、どこか虚空を眺め始めた。
「……師匠。」
「ん?」
「……お元気そうで、何よりです。」
聞き取ろうにも聞き取りがたい言葉を、残月は発した。
数年経とうが、何故か残月は俺を『師匠』と呼ぶ。 …子供の頃から、ずっとそうだった。
意味もロクに理解せずに使い続けているあたり、昔と変わらない様子が伺えた。
足元にある衣服を蹴り飛ばしながら、俺は台所に置いてあったペットボトルを手に取った。
…あー、賞味期限ギリギリだけど良いか。 どうせ賞味だし、消費じゃないし。
「…あの、師匠。」
「一応茶は出すけど、お腹壊したらごめん。 トイレ近くにあるから。」
「…ししょー。」
あれ、まともなコップ無いな… 昨日外で騒いでる若者にぶつけたんだっけ。 あ、やべ。
…皹の入っていないコップは……いいやこれで。 十二分に飲める。
取り合えず、茶を残月に手渡しておいた。 椅子に座ってくれそうにないし。
「…師匠。」
「何?」
「これ…ソーメンの汁入れるヤツじゃ…」
「飲めるんだからいいだろ、文句言うな。」
あまり表情に変化はないが、残月はやはり不安げに茶を見ていた。
…二人分いれて気付いたけど、これって麦茶だっけ?
色は麦茶っぽいけど…まぁ、いいか。 飲める飲める。
残月の方を見やると恐る恐る飲もうとしていたので毒見の為に放置してみた。
何度か匂いを嗅いでみたり、凝視したりしていた。 あ、飲んだ。
「………。」
残月の表情が珍しく変わった。 この世の物で無い物に遭遇した感じに。
「……あの。」
「何?」
「…苦酸っぱい…」
「…あ。」
いい加減諦めて新しいのを買いに行ってきました。
アイツの方は下痢にはならなかったみたいだけど、気分が悪そうだった。
残月、ごめん。 悪戯心っていうななんつーか…まぁ、ごめん。
- Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.77 )
- 日時: 2011/06/09 19:07
- 名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)
>>76
おい諒君!
と画面の前で笑いました。
毎度毎度ありがとうございます!
- Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.78 )
- 日時: 2011/06/10 18:08
- 名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)
- 参照: 予告的な何か
——ねぇ
やっぱり私は
此処にくるのが遅すぎたの……?
—KATANA—
-HEROES' ENDS-
「待ってくれ兄貴——!
それは……それは罠だ!」
俺の叫びに
兄貴は背を向けて行ってしまった。
兄貴にはもう——
俺の声は届かない
——ゆっくりと短剣を手に持つ。
……否、
俺に声など必要ない
——切っ先を喉に向け
自嘲の笑みを浮かべた
それでも
お前なら
諦めないんだろうな——
「なんだか最近、荒れてるらしいが——
まぁ、こっちのスラムには俺達がいるから誰も手出しはできないけどな
最強を有する彼奴七詩と——
——紅に濡れた大地の上に、見覚えのある色がある
日本一の人形使い
唐鏡 雀!!
——雨が降りぬかるんでいるが気にせず膝をついて手を伸ばした
俺達が組めば……そうだな、世界だって夢じゃないぞ?」
「……七詩さん、飲みすぎです」
「でも
——はにかんだような笑みを浮かべたあの人の笑顔が見えた、気がした
負ける気はしない、だろ?」
——あの神のように十字架に磔にされていた
——炎のように紅い血潮を溢れさせながら——
「また来いよ!」
——七詩さんの声が聞こえた気がしたら、俺の頬を何かが滑り落ちた
『——折角 仲良くなれたんだから
大事にしなきゃ駄目だよ、桜祈』
冗談じゃないと おもったけど
……鈴となら、
——鈴の体温を背中に感じた
友達になっても、いいかな って
でも ほら
——そして、鋭い痛みを
ムリだ
——背中には、包丁が刺さっていた
もう、無理なんだ——
「見てよ 父さん 母さん!
すごいでしょ!」
——幼い頃の俺が、自分で育てた大根を持って両親に微笑んでる
「あらあら、凄いわね 凪風」
「凄いなぁ、一生懸命育ててたもんな!」
……幼い頃、いや今も
幾度か 思った事がある
俺が、
生まれてこなければ良かった——と
そんな事を考えて
『それも悪くない』なんて……
……だけど、仮に もしも
今と違う生き方があったなら
両親の笑顔が
もっと見られたのだろうか——
「異界の神子は、此処にいるわ!」
——そう叫ぶと、血塗れになった身体を木に預ける
そうだ まだ生きている
——いつか、生きてとあの人にいわれたことを思い出した
まだあなたが生きている限り
世界は滅びはしない——!
——あの人は、今は美月の牢で匿われているはず
まだ、終わりじゃないんだよ 神子さん
「おい、知ってるか?
面を付けた『紅宵月』の話……」
「戦が起こると ふらりとやってききて、
出会った奴に質問するんだと」
「へぇ、それで?」
「答えられないと
即あの世行きだってさ」
「……で、なんて聞いて来るんだ?」
「あぁ。……ただ一言——」
『 敵 ハ 、 何 処 カ シ ラ ? 』
「——何……これ…………」
——僕は目の前の戦場を見て愕然とした
「もう戦争はやらないんじゃ
なかったの……!?」
——唯の殺し合いと化した戦争に吐き気を覚える
「——誰の為の戦なんだよ……」
——乱暴に頭を掻き毟った
「——何の為の戦なんだよ……!?」
「——まだだよ」
——こんな事するつもりはなかったけど
「まだ死ぬ時じゃない」
——こうしないとあの人が悲しむから
自分には 出来なかったけど——
——喉に向いてる短剣を掴んで、放り投げる
声は 届く————
——私は魔女じゃないわ
もちろん神なんかでもないの
私は人よ
戦って護って 血を流す 人
だから、ね、残月
全部に決着を付けるために
——私、いってくるわね——
今なら全てを
乗り越えられると思うんだ————
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