ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 死神の懺悔
- 日時: 2011/08/11 23:08
- 名前: 比泉 紅蓮淡(ヒイズミ グレンダン) (ID: ID28wqen)
駄作一直線!
- Re: 死神の懺悔 ( No.33 )
- 日時: 2011/10/09 12:21
- 名前: 比泉 紅蓮淡 (ID: ID28wqen)
「お前・・・足が速いんだよ」
息を切らしていた。
「紅旗が遅いんだよ」
そんなやり取りを交わしていた・・・・直後、
「!?」
いきなりこちらの手を引いて駆け出した。
「ちょ!?って、おい!!」
引きずられる形で退散を余儀なくされる。
その数秒だろうか。
ドゴォン。
二人で走り回っていた近くの公園が爆発で吹き飛ばされた。
粉じんを巻き立て哀れにも粉々に砕かれた残骸が辺りに散らす。
同時に五度修正してきたか、
ズドン。
かなりの近距離に砲弾のようなものがさく裂した。
「危ねえ!?炸裂弾とかそんな域じゃねえぞ!?」
「殺されるって・・・前に言ったよね!?」
驚愕する俺に尋ねる。
「ああ。あの詐欺まがいの」
が、あえて冷静に、いや、ビビりながらも冷や汗をかきながらも平静を保ち澄ました態度をとる。
「詐欺じゃない!!」
今度は思いっきり否定された。そら、この事態だからか。
いや、何より俺が冷静を保ちたいだけなのかもしれない。こんなこと昔にもあったような気がするが、変わってないのは脈拍と心拍数。
そうとも言ってられず自分で俺は走り出す。
とりあえず距離を置くことが適切だ。
間を置かないと危険すぎる。どうにも相手は人間には見えないようなんで。
「家には・・・戻らない方がいいよな?」
「うん。吹き飛ばされるから」
歓迎できるワードではないようだ。
「てか・・・殺されるって・・契約しないと・・・とか言ってなかったっけ!?」
まだ爆発が続いてるせいか大声を張り上げないと伝わらない。
「時間の問題ってことは経過を追って説明するつもりだった!あのときはあの手段を使うしかレーダーをかいくぐれないから!!」
「どういうことだよ!?」
レーダー・・・はて、該当するのは電子装備くらい。
異次元な連中にもそういう装備が内蔵されてるわけか。
「契約すれば存在を抹消できるから!死神は死神しか探知することしかできないレーダーを備えてる!」
「えらく便利な機能だなそりゃ!!」
そういって二百メーターは離れたため木陰に隠れる。
「それで。お前はなんで追われてる?」
「・・・・・」
一瞬ためらったように見えたが思い切って言ってきた。ていうか、この状況でだんまりは寄せ。
「裏切ったから・・・」
お前が、かい。
「その・・・あるやつを殺すっていう?」
「うん・・・人間」
「あ。人間って・・・死神の間違いだったな」
「いや、人間だよ」
「え・・・」
「とりあえず順を追って話すよ。ただ、現状としては・・・今はロンドンが迫ってる」
誰だよ。
言いかけて爆風にやられた。
気を抜くとろくなことがないのを今頃習った。
せいぜい移動できたのはビルの真横だった。よりにもよって市街地とは縁がない。
急な猛風で受け身をとれず無残に転がされる。
爆風の威力はシャレにならないため、ガラスの破片なんかが頭部に来ないようにかばう。
三十メーター上から降り注いでくるだけでも十分な歓迎パーティになりうるのだ。
寸前、
「よう・・・眠り姫・・・お迎えに来ましたよ?」
ふざけた口調で一人の男らしき人物が迫ってくるのを聴覚だけで感じ取る。ほかの全器官は危険察知に使う。
「ふざけんな!!あんたらとはやってられない・・・・」
振り乱したエヴァに無理やり近づいていく男の顔を見ようと踏ん張ってみる。しかし硝煙ではっきり見えない。
「俺はお嬢ちゃんの同意は求めてはないんだな・・・ただその・・・絶対零度(アブソリュートゼロ)が欲しいだけさ。いや、組織には必要なんだ」
むかつくぐらいのスマイルを浮かべてハンサムな軍装の男がつぶやいた。
- Re: 死神の懺悔 ( No.34 )
- 日時: 2011/10/09 12:34
- 名前: 比泉 紅蓮淡 (ID: ID28wqen)
「が・・・ざけんなよ・・・」
「あれ・・・目覚めたか・・・?普通ある程度のパニックを起こしていいんだけど・・・知ってた?砲弾が降り注ぐと屈強な兵隊も頭をおかしくするんだよ?」
まったく動じない人を小馬鹿にしたような態度。
「古い常識だな・・・世界はグローバル化一直線なんだよ・・・馬鹿野郎」
耳が若干つぶれたような感覚がする。至近距離で轟音が鳴り響いたからだ。
「ひどい常識だね・・・まぁどうでもいいけど。それより、早くいこっか。エヴァ」
そういって三、四歩近づいてエヴァの手を引く。
「やめろ!!」
本当の拒絶をしたのか、思いっきり手をはじく。
それに若干気が障ったのか男は目つきを変えた。
「おい・・・いい加減にしろよ・・てめぇ、この町ごと吹き飛ばされたいか・・・?」
まるで子供のような面を見せるが言ってることの規模のでかさはなかなかだ。
「待てよ・・・・それはぜひ県議会に申告するのが先だな・・・」
「黙れただの人間がほざくなよ」
「茶番だよ。乗ってんじゃねえ」
軽い挑発に乗るあたり・・・気分屋と受け取る。
「大体なんだお前・・・?人間だよな?」
侮蔑の色を浮かべてあえて確認してくる。
それなりの優越感、いや嫌悪感があるのか。
エヴァの手を引くのを忘れたのか今度は新しいターゲットになったのか俺を餌と勘違いして寄ってくる。
「おい三流。狩の方法教えてやろうか?」
「ちょうどいい。てめぇから殺してやるよ」
「やれるもんならやってみろ」
あともうひと押しのところで息を殺して男は武者震いする。
「直射って知ってるか・・・?間近に受けるやつってどんな感じだと思うよ・・・?はは」
「砲弾がお前のツールか?どうやって遊ぶか教えてくれよ」
そういって駆け出す。いい加減距離を離さないと命がなさそうだ。
「まぁ楽しもうぜ。これを」
死神の特徴か物体を別空間から取り出して何の差支えもなく片手に握る。
それを空中に放ると同時、
すさまじいスピードでスパイクを打つ感じで砲弾を点火させた。
「おいおい信管ぐらい抜けよ馬鹿」
我ながらその突っ込みはどうかと思ったが伏せてみた。
振動が背中を伝うたびにぞっとする。
一瞬が一分。
そんな感じだった。
- Re: 死神の懺悔 ( No.35 )
- 日時: 2011/10/09 12:50
- 名前: 比泉 紅蓮淡 (ID: ID28wqen)
「って、へこんでられないか・・・」
過ぎ去ったと同時駆け出す。
「おいてめぇ逃げるのかよ!?男らしくないぞ!?」
「すまないな。すでの種族間が違うんでなしで頼むわ。だってそうなんだろ?」
「くそ・・・待て!!」
そういって同じような手口で打ち込んでくる。
距離をあらかじめ稼いだのでジグザグに進路をとることで砲弾の直撃弾は避けた。こまめに破片を避けるのは乙といいたい。
が、本題は俺が逃げることではなくエヴァを逃がすことだ。
もういい加減気付きだろうか。
河川敷までおびき出したころには追手はなかった。
作戦・・・成功か?いや、何か嫌な予感がする。
うずめいたものが暗雲を作り出しているようで不気味だった。
そして空を眺めることさえやめた。
黒いしずくが降ってくるころには始まっていたのだ。
新たな影が。
- Re: 死神の懺悔 ( No.36 )
- 日時: 2011/10/09 15:50
- 名前: 比泉 紅蓮淡 (ID: ID28wqen)
- 参照: http://第三話
「まったく手のかかる小僧だ・・・これだから新参者は困る」
くぐもった機械で作ったような声を発している気違いはロンドン。
俺の・・・いや、憎たらしい上司だ。
「・・・・すまん」
「ふん。愛想のない社交だな。もう少し口のきき方を学習したらどうだ」
「知るか。てめぇだってあてを外したじゃねえか。なんだあの人間は。聞いてないぞ」
「たかが人間に後れを取るなど無粋な・・・・恥を知らんのか」
「な・・・・!!」
こうだから奴はむかつくのだ。
全身をコートに覆ってマスクからサングラスまで、深々と帽子をかぶりすっかりインビジブル・・・透明人間に成りすました上司は素顔と声を明かさない。ただ分かるのは無愛想な点のみだ。
「鬼の時代はまだしもだ。霊力などとっくに失った人間が死神に勝るとは思えん。どうせつまらない策に出し抜かれたんだろう」
「知るかよ。そんなこと」
こんなくそ狭い空間でこいつと二人っきりなんて最悪だ。なんてことだ。
「聞こえてるぞ」
そういわれ蹴たくられた。なんだ。ちゃんと怒りはあるのかよ。
「で、収穫は一応あるわけだ?」
にやにやしながら聞いてみる。
「吉良。お前がこいつを見つけたことだけは褒めておいてやろう。が、爪が甘いのは自覚しておけ。マスターは二度の失敗は望まない」
「わかってるよ。それでもノルマクリアだろ。何も問題はないよ。で、眠り姫、気分はどうなんだ?」
そういって縛り付けられたエヴァからガムテープをはがしてやってしゃべれるようにする。
「最悪・・・」
短くそうつぶやいた。可愛げねえな・・・。
「そんなことは、どうでもいい。問題は貴様を強制送還することだけだ。どこぞのバカが砲弾など不用心に打ち込むせいで最悪なことになってしまった。
- Re: 死神の懺悔 ( No.37 )
- 日時: 2011/10/12 20:22
- 名前: 比泉 紅蓮淡 (ID: ID28wqen)
- 参照: http://第三話
「最悪なこと?」
「連中が嗅ぎつけた」
思わず聞き返したがよっぽどな事態が起きてるらしい。面倒な事態だ。
「私をもう一度組織に連れ戻すなんて不可能だよ」
エヴァが口を挟んだ。
「うるせえよエヴァ。黙ってろ」
「吉良・・・あんたもずいぶん減らず口叩くようになったのね。無駄に口だけは一人前になったんだ」
「うるせえってんだよ・・・」
こめかみに青筋を走らせたあたりからロンドンが説教を始める。
「黙れ吉良。貴様・・・この事態の収拾にどれだけの時を費やすと思っている?自衛隊一つ撒くのにこの人数で・・・しかも人質を護送しながらだぞ」
「は、少数ならなおのことやりやすいじゃねえか。いいぜ。俺がこいつを連れてってやるよ」
「ふざけるな三流」
聞きたくないワードが耳をつんざいた。
同時にロンドンはじだんだ踏む。しかし表情は見えない。
「監督責任・・・今しばしは目をつむるが今度問題行為を起こしてみろ・・・・焼き殺してやるからな」
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