ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Bloody End〜染血の姫君〜 完結。
- 日時: 2012/02/15 17:51
- 名前: *荊* (ID: LNgGYvWh)
*荊*です。
未熟者ですが見ていってくださいm(__)mペコリ
気に入ってくださいましたら
ぜひコメントよろしくです!!
◆キャラ紹介◆
茅 冥(ちがや めい)
吸血鬼(?)
朱の魔術師と呼ばれているが、姿を知っているものは皆死んでいるので正体を知っている者は少ない。
十字 花蘭(じゅうじ からん)
研究心旺盛な、笑顔がチャーミングポイントの小さな幼女。
三神 天霞(みかみ かみか)
吸血鬼のような違うような、あやふやな存在。
多重人格者。
シロー(046号)
人造吸血鬼ながら心を持つ。
王に対して不信感を持っている。
ブレイク
最初の人造吸血鬼。
■用語■
人造吸血鬼
王に作られし、吸血鬼。元は人間で、吸血鬼との中性的な面も持つが、吸血鬼になる段階で心を失っていっていることが多い。
ハーフの吸血鬼
人間と吸血鬼の間にできた子ども。吸血鬼は互いに血を交える事で契りを交わすが、稀に人間とその契りを交わす者がおり、その二人の間でできた子ども達はハーフとして生まれる。
呼んで下さった方々、有り難うございます。
心より感謝です!
- Re: Bloody End〜染血の姫君〜 ( No.6 )
- 日時: 2011/09/03 08:55
- 名前: *荊* (ID: MbtYH2rf)
コメント有り難うございます^^
ハンドルネームは「けい」と読みます。
同時に「いばら」の意味も持っています。
血をテーマにしていたらいつの間にかグロい感じになってしまっていました;
私も怖いのは苦手ですw
悪者ですが、それが世の理・・・という自分の中のイメージで書いてます。
頑張りますのでこれからも見ていってください。
- Re: Bloody End〜染血の姫君〜 ( No.7 )
- 日時: 2011/09/03 09:30
- 名前: 比泉 紅蓮淡(ヒイズミ グレンダン) (ID: ID28wqen)
いやぁ・・・リア友見参ということで参ったよ。
とりあえず・・・おめでとう!
俺も更新しないとなぁ!!!あっはっハッハッハ。
- Re: Bloody End〜染血の姫君〜 ( No.8 )
- 日時: 2011/09/03 15:51
- 名前: *荊* (ID: MbtYH2rf)
第一章 朱い記憶
彼女は朱い世界で生きてきた。
記憶の始めから最初までが朱色で染まっている。
吸血鬼・・・のはずなのに太陽の暑さを知っている。
彼女は自分の存在を忘れた。
両親の朱で染められたその時から、彼女は存在を失ったのだ。
幼き頃は皆、親と自分だけの世界で生きている。
世界が突然消えたのと同じ出来事が起きたのである。
自らの心を空虚にすることで彼女は自己の世界の崩壊を免れた。
記憶が無いからといって彼女は思い出すわけでも追い求めるわけでもなかった。
彼女は朦朧とした意識の中で思い起こしたくもない記憶を蘇らせている。
もしこれが死に際の走馬燈のように流れるという記憶の断片だと言うならば、真っ赤な姫は死ぬのだろうか。
モノクロの背景で朱だけが色を持っている。
白いワンピースを着ていた。
だが彼女はそれを知らない。自分が真っ赤のワンピースを着ていたのだと記憶している。
朱いワンピースを着て、それ以外は・・・心も、荷物も何も持たず、住んでいた村を出た。
またもや彼女は喉が灼けるように渇いていた。
手首から滴る自分の血さえ美味そうだと思ってしまう。
「・・・ぁ」
久しぶりに開いた口は重く、声は掠れていた。
しかし村の発見は、砂漠を踏みしめる彼女の足を軽くさせていく。
希望が芽生える。
殺してしまおう、と思った彼女の顔は吸血鬼よりも曲がった笑みを宿していた。
——流れる血を操って新たな染血を産み出す彼女は、朱の魔術師と呼ばれていた。
- Re: Bloody End〜染血の姫君〜 ( No.9 )
- 日時: 2011/09/03 09:46
- 名前: *荊* (ID: MbtYH2rf)
RE 比泉
ありがと!!
俺も更新頑張るから、お前もやれよw
互いにがんばろーね^^
- Re: Bloody End〜染血の姫君〜 ( No.10 )
- 日時: 2011/09/04 11:17
- 名前: *荊* (ID: MbtYH2rf)
身体より大きめの男物のシャツを着た彼女——自分の存在さえも忘れた、茅 冥(ちがや めい)という気高き美女に誰も寄りつこうとはしなかった。
もちろん、誰もが美しさを感じた。
しかし健気だからだとか優しそうだからといった美しさではない。戦場を生きる獣のような美しさだ。
美女であることにかわりはない。
彼女は畏れられていたのだ。
村人とは違う雰囲気をもった彼女に、通りすがる人々が好奇な視線を向ける。
彼女には人を引きつける魅力があった。
それは狩りにも好都合なことだった。
しかし、寄ってくれば引き裂く、そんな感情をさらけ出しているのも影響したからか、視線を向けた彼らは慌てて首を元の位置に直した。
すれ違った村人達は皆奴隷のような格好をしている。
そして彼女に怯えている。
まるで、彼女に支配者の匂いを感じとったかのように。
確かに彼女からは血の匂いが窺えたかもしれない。
男から剥ぎ取っただぶだぶの服にも腐敗臭が染みついていただろう。
怯える者達は敏感なものだ。怯えれば怯えるほどに周りに気を使い、そしてまた大きな存在に怯える。
彼女は彼らに目をやりながら、ただ歩いた。
村に入ったからといって道路が整備されているわけでもなく、足が砂に絡め取られようとする。
砂と合体した風が彼女に吹き付けた。
記憶を振り払うのと同じように、彼女は砂を振り払った。
その手に血はもうない。血が固形化し、流出を防いでいる。
「ぁ・・・」
吹き荒れる砂嵐の向こうに一際大きな建物を見た。
幻想のようだ。しかし確かにある。視界が安定しない。
「く・・・うざったらしいわ」
薄目にしても砂が目を刺激する。
「ああ・・・もう!」
建物に近付くにつれて砂嵐が強くなっていく。
城を守っている城壁のようだ。
砂嵐は意思を持っているのかと思わせるくらいに彼女にきつく当たった。
太陽にも負けず、砂嵐にも負けず、彼女は血を求めて城に向かった。