ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- イギリスからの使者
- 日時: 2013/08/09 09:39
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
普段は複雑・ファジーで投稿させてもらっている者です。向こうではレメリアンズムと言う小説を書かせてもらっていますがネタ切れに陥りちょうど原稿用紙に書いていた本作を投稿することにしました。向こうの作品も時々更新しますし,こちらもできるだけ早く更新するのでよろしくお願いします。
尚,本作には歴史が絡んできますが3分2は作者の考えた架空のできごとです。ですので,実際の史実どうりの場合もありますが,ほとんどがまったく関係の無い出来事です。
簡単な作品説明 本作は途中分岐があります。A編,B編,C編があり,それぞれ主人公が違います。ですから,A編だけ読むの良いし,B編だけ読むのも結構です。A編は序章の100年後で,序章には直接関わっておりません。B編も序章の100年後ですが序章の主人公の100年後の姿がB編の主人公です。つまり,序章とB編の主人公は同じです。(A)−がA編で,(B)−がB編です。
序章はB編が始まったら読めば話がまとまるかもしれません。(一応A編の序章でもあるのですが。)
- Re: イギリスからの使者 ( No.1 )
- 日時: 2013/07/18 17:23
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
序章(A・B編共通)
1942年8月10日。
大日本帝国の内閣総理大臣である東條の要望で特別高等警察(特高・警視庁特高部)に新たに対英課が設置された。本来,特高は日本国内において反戦的主張をする者や,共産主義者等を取り調べるために警視庁を始め各警察署に組織された機関である。そんな中,1942年からイギリス人工作員による事件が東京府で多発し特に東京市で起きた無差別殺害事件で約50人の犠牲になるなどし,東條首相は特高に対英課を設置させたのであった。
そして,対英課が設置されて3年の月日が経った1945年8月11日,対英課の捜査官である新木大平(あらき たいへい)はあるイギリス人工作員を追っていた。
「くそ,どうなってるんだ。」
新木は目の前にある書類を眺めながら苛立っていた。
新木の追っているイギリス人工作員は陸軍中佐の吉岸守(よしぎし まもる)と20名の兵士の命を奪ったのだ。白黒ではあるが偶然兵士の一人が持っていたカメラでそのイギリス人工作員を撮った顔写真もある。その写真から見て感じることは,工作員は顔立ちや背の大きさからして10歳にも満たない少女のように見えることだ。しかし,何故かその足取りはつかめなかった。・・・・まるで魔法を使って姿を隠してるように。
「イギリスの小娘一人に苦戦するとは。」
新木はまだ30歳で周りの捜査官に比べれば若いが優秀であることは間違いなく,昨年は7人の工作員を検挙している。その成績から今回の事件の捜査主任を任されてはいるが,進展は全く無く捜査は難航している。さらに一般警察や憲兵隊の協力も得ているが結果は同じだった。
「新木さん。9歳くらいだと思われる工作員はまるで手品を使って姿を隠してるみたいに奇麗に痕跡を消してますね。」
部下たちも今回の事件には全く手のつけようが無かったのだ。しかし,もしイギリス人のような白人が街中を歩いていれば目立つことが必然であるから本当ならすでにつかまっても当然である。
「どこかの非国民が匿ってるとしか考えられないのだが。」
新木の考えは当然である。誰かが匿ってるとしか言い様が無いのだ。
「しかし新木主任,地元警察と憲兵隊がすでに日本全国で聞き込みや家内調査を2度も実施してもまったく手がかり無しですよね。まあ,ソ連人工作員は何人か摘発されましたが。」
「そこが問題なんだよな,まだ穴があるとしても検討が着かないよ。」
結局,その工作員の足取りがわからなかった警視庁特高部対英課は3度目の全国調査要請を政府を始め陸軍省へ要請した。しかし,要請を出した4日後の8月15日大日本帝国は英米を中心とする連合国に降伏したのだ。しかし,新木は自分が生きてる内は調査を自
分ひとりで続けることを決心した。今,持っている事件の資料や証拠品では何の役にも立たないがせめて,事件の真実を追うことを。
- Re: イギリスからの使者 ( No.2 )
- 日時: 2013/07/18 17:25
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
プロローグ,(A)
太平洋に浮かぶ東沖島には3万人程の島民が住んでいる。東沖島の3分の1の人口はイギリスやドイツの国籍を持った人たちが住んでいるため,日本本土とは違った文化が見られ,1992年に東沖特別行政区として誕生して53年が経っており,都道府県とは異な
った地方自治体である。しかし,中華人民共和国の香港の様に街が特に発展しているわけでもなく,目覚しい経済発展をしてるわけでもないだ。だから何故わざわざ特別行政区になったのかが,東沖の三代謎の一つでもある。そんな,東沖特別行政区の唯一の高等学校である聖サンターズ学園高校には900人程の在学生がいる。在学生のほとんどは東沖出身者又はイギリス・ドイツ国籍の人間であるため,日本本土出身の生徒はあまり見受けられない。
その聖サンターズ学園に通う新木立日(あらき たちにち)は今日も幼馴染である相乃美紀(あいの みき)の説教に遭っていた。
キャラクター紹介①「第1弾」
新木 立日 聖サンターズ学園高校1年 A編主人公「日本人」
相乃 美紀 聖サンターズ学園高校1年 生徒会副会長「日本人」
メアリー=アリング 聖サンターズ学園高校2年 生徒会長「イギリス人」
シャル=イヴリー 聖サンターズ学園高校2年 生徒会書記「イギリス人」
イリィ=シュタイナー 聖サンターズ学園高校1年 生徒会会計「ドイツ人」
新木 大平 職業不明 立日の義父「日本人」
- Re: イギリスからの使者 ( No.3 )
- 日時: 2013/07/18 17:30
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
(A編)−第1話 作られた始まり(2045年12月22日)
「兄さん,何で今日も寝坊したのですか?」
今日も朝から寝坊をした俺は幼馴染の美紀の凍りつきそうで怖い説教に遭ってしまった。今にでも逃げ出したい気分であるが,逃げる事はほぼ不可能なので取り合えず苦し紛れの言い訳をすることにした。それしか状況を少しでも変える事はできないと俺は判断した。
「いや,ごめん目覚ましをつけ忘れたんだよ。」
しかし,所詮苦し紛れの言い訳など美紀には通用するはずなど無い。俺と幼い時からの付き合いなので俺の嘘や言い訳に慣れているので,
「昨日は何時まで起きてたのですか?」
こうやって早速,ピンポイントの所を的確に突いてくるのだ。
「はい,本日の午前3時まで起きてましたすみません。許してください。」
「次,気をつけてくださいね。明日から冬休みですけど寝坊してはいけませんよ。」
今日はそこまで機嫌が悪いわけではないようなので,説教は終了した。取り合えずバス停まで向かう。
美紀と俺は隣同士の一軒家に住んでいて,俺が幼いときに実の両親を事故で失い遠い親戚であった新木大平に引き取られて以来12年の付き合いだ。しかしながら親父(義父)も恐ろしいことに130歳と言う本来ありえない歳で,大正・昭和・平成と帝国時代から生きている。まあ,外見は70歳程度の爺さんに見えるので親父の歳を知っているのは俺と役所の人間ぐらいだ。だが,親父にはまだ俺でも知らない事がいろいろとあるのだろう。
「兄さん,何を考えこんでるのですか」
俺が1人無意識でいたら,美紀が俺の顔を覗き込んできた。美紀と俺はよく兄妹見たい過ごして来たので,いつも美紀は俺を「兄さん」と呼ぶから学校内ではしばしば本物の兄妹と間違えられる。
「いろいろと悩んでてね。で,何?」
「ものすごく険しい顔をしていたので声を掛けただけです。あ,バスが来ましたよ。」
バスに乗って15分もすれば聖サンターズ学園に着く。いつもこうやってバスに揺られ美紀に怒られながら通学する事に平凡だと感じるようになったのだ。この頃妙に何者かに監視されている感じがし,かなり疲れいるせいかもしれない。でも明日から待ちに待った冬休みだし深く考えるつもりはない。そして,時間が経ち聖サンターズ学園前に到着し俺と美紀はバスを降りて校舎を向う。
「タチニチ,おはよう。」
学校に着いたとたんに生徒会長のメアリ−=アリングに抱きつかれた。いつもの事であるが美紀や周囲に変な誤解をされるから自重してほしい。
「兄さん,良いお楽しみを。先に教室へ行って待ってますね。」
案の定,美紀からはああやって言われる始末だ。
「あの会長,俺を待っていてくれるのは嬉しいですけどここは日本ですよ。欧米では普通かもしれませが」
「別にいいじゃん,この学校には私みたいにイギリス人やドイツ人もたくさんいるのだから。」
確かにこの学校にはイギリス人とドイツ人が合わせて半分以上いるが・・・・・,それはともかく美紀にひどい誤解をされるのでどうにかしてもらいたかった。しかし,今日は何か用事があって,待っていたらしい。
「今日,生徒会によってくれないかな。」
「生徒会ですか。別に良いですけど何か用事であるんですか?」
「まあね,結構重要な用件よ。詳細は後で生徒会に来た時に言うから良い?」
「わかりました。」
俺はやっとメアリー会長に解放され教室へ向かうことにした。メアリー会長の教室とは逆方向なので昇降口で別れた。今日は終業式なので校長先生の話と各クラスで担任から冬休みの注意事項と,冬休みが天国か地獄のどちらかに分かれる通知票をもらって帰りなので,楽といえばらくだ。まあ,俺は生徒会によって行くことになったが。そして,教室に入るとクラスメイトの丸山丸男(まるやま まるお)に話しかけられた。どうやら先程のメアリー会長とのやり取りを見られたらしい。だが丸山は同情的な人柄なため,めんどくさい質問はしてこないのが幸いだ。
「おい新木,日も会長の被害に遭ってたな。」
「全くだ,変な誤解もされるから自重してほしいよ。」
「まあ,今後もがんばれ」
こうやってがんばれと言ってくれるので,丸山はある意味俺の唯一の理解者なのかもしれない。反対に美紀ときたらとんでもない誤解をされる始末だし,いろいろと鋭すぎる。
その後俺らは終業式をすませ,通知票をそれぞれもらって下校となり,俺は帰宅はせず生徒会へよる事になっていたので美紀と生徒会へ向うかうことにした。美紀は何故か緊張した表情で無言で歩いている。
「どうしたんだそんな顔して」
俺は美紀に声を掛けたが,彼女からの返答は無い。そういえば朝,メアリー会長がとても大切な用件があると言っていたので,それに関係しているのかもしれないと考えた。生徒会室に近づくにすれさらに美紀の表情は険しくなっていくことからやはり,生徒会の件で緊張してるのだろう。しかし,それ程緊張する用件なのかと思うと俺も次第に不安になってきた。そして,生徒会室の前に到着する。生徒会室の隣には理事長室があるが,現理事長はラメリー=セリアズと言うイギリス人女性で就任以来一度も生徒や他の教員に顔を見せたことが無いことで有名で,東沖三大謎の一つでもある。一瞬妙な気配がしたが俺と美紀は生徒会室に入った。
「あ,タチニチとミキやっと来たのね。」
どうやら,メアリー会長は先に来ていたらしい。
「メアリー会長,その今日の用件は結局何ですか。」
俺は,真っ先に生徒会の大切な用件についてメアリー会長に尋ねた。先程の美紀の様子を見ていた俺はどうしても気になっていたのだ。
「取り合えず,シャルとイリィが来てから詳しくあなたに話すわ。」
第1話終わり。
次回は第2話ですが原稿用紙で書いたときは第1話の最後のほうだったので極端短いです。ご了承ください。
- Re: イギリスからの使者 ( No.4 )
- 日時: 2013/07/18 17:36
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
(A)− 第2話 魔法
「取り合えず,シャルとイリィが来てから詳しくあなたに話すわ。」
メアリー会長は真剣な顔で,俺の質問に答えた。美紀といいメアリー会長と言い,いつも見る表情とは全然違うので俺はそれを異様な事だとして認識し始めた。おそらく俺もそれに関与することとなるのだろう。・・・・なんだろう,最近,妙に何者か監視されている感じが何故か今ここで,確実に監視されている状態のような気分になってきたのだ。別に根拠があるわけでは無いが。
「兄さんは,そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。」
「うわ! 」
突然美紀が声をかけてきたので俺は思わず声をあげてしまった。たのむから妙なタイミングで声を掛けないでほしいと俺は心の中で呟いた。
「大丈夫ですか兄さん? 」
「ごめん,ちょっと考え事をしてて」
俺は取り合えず呼吸を整えるため深呼吸をした。しかし,例の妙な感じは全くなくなら無かった。やはり,この妙な感じも生徒会の用件に関係があるのかもしれない。そういえば今日は義父が家に帰ってくる日だ。普段は家には姿がなく何をしているのか全くわからないが,今日は義父と夕方から東京へ行くことにもなっていた。もし東京へ行けば直るのかもしれないが。
「「失礼します。」」
大きな声で生徒会室にシャルとイリィが入ってきた。しかし,この2人も真剣な顔つきである。2人は席に着くと,メアリー会長が口をあけた。真剣そのものだ。
「では,早速だけど新木立日に用件の詳細を伝えるわ。今日は理事長がお見えになっていて私たちは何度も面識があるけどタチニチは一度も無いよね。」
「ええ,ありませんけど・・・・,えっ!理事長ですか?。」
メアリー会長が言うには今日,普段姿を見せない理事長がこの学校に来ているらしいくしかも生徒会のメンバーは皆面識があるというのだ。なんだかもう凄いことに巻き込まれなければ良いが。・・・・・。
「でね,ラメリー理事長は本当はイギリスのとある学校長でもあるの,その学校の名前はねロンドン魔法騎士団付属高等学校と言う名前よ。」
ちょっと待てと突っ込みを入れたかったが,もはやそんな状況では無かった。
「・・・・マホウ、ですか。」
これ,何かのドッキリか?と思ったがどうやら信じなければならない時がすぐにやってきた。なんとそれは,美紀が杖のようなものを持ちそこから何かの植物のようなものを俺に向かって飛ばしてきた。俺はよける暇も無く,たちまちその植物のような物に胴体を絡まれてしまった。
「ごめんなさい,兄さん。手っ取り早く魔法と言う物を信じてもらいたいから,つい強引な手を使ってしまいました。」
「あはは,タチニチが植物になっちゃたよ。」
俺はまだ半信半疑であるが,魔法と言う存在に否定をする気力は完全になくなった。何かの夢と言うにしても,俺は今,自分の意思で行動してるので夢ではないことはわかる。しかし,ここに至って幸いにも恐怖心は全くなかった。
「あ,あの,メアリー会長これどうにかしてください。体が締め付けられて痛いです。」
「そうね,じゃあイリィとシャルはタチニチを解放してあげて」
メアリー会長に俺を解放するように言われたイリィとシャルは俺の前にやって来て杖を取り出し,イリィは杖から炎を吹きださせ,シャルは何か白い光のような何かを俺の身体に当てた。炎は熱くてたまらないが,同時に白い光の何かは体が癒される感じがした。
「新木さん,火,熱いけど少しだから頑張って耐えてね」
「耐えろと言われても死ぬぞ,おれ」
「立日さん大丈夫ですよ,私の回復魔法で死なせませんから」
数分後,俺はやっと美紀の魔法とやらに解放された。美紀に植物のような物で身体を束縛された挙句,イリィの炎を喰らうのは・・・全くとんだ災難だ。俺は椅子に座り深呼吸して落ち着かせた。
「これが魔法よ,タチニチ」
メアリー会長の言葉に俺はうなずくしか無かった。魔法否定の俺が電撃的に魔法を信じる側になった瞬間であったのだ。するとメアリーがポケットから飴を数個俺に差し出してきた。
「タチニチ,これあげる。結構美味しいのよ」
「ありがとうございます」
なぜこのタイミングで飴をくれるのか疑問に思ったがせっかくなので貰っておくことにした。
「さ,そろそろ理事長が来る時間ね」
この学校の理事長を俺は初めて見ることになるが,一体どんな人なのだろう。聞いた話ではイギリス人って事だが。
そして,生徒会室のドアが開き,そこに立っていたのは・・・・?
第2話 終わり。 次回A編第3話
- Re: イギリスからの使者 ( No.5 )
- 日時: 2013/07/18 17:47
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
1話の最後に2話が極端に短いと書きましたが,それは3話に変更されました。すみません。
(A)−第3話 小さな理事長さんからの通達
「メアリー会長,あの子が理事長ですか? 」
「ええ,そうよ彼女がラメリ−理事長だよ。そしてロンドン魔法騎士団付属高校の校長でもあるとも言ったよね」
目に前に立っている女性は小学校6年生くらいの少女に見える。まさかとは思ったがこの小さな女の子がこの学校のラメリー理事長らしい。俺は先程の魔法の件もありこれ以上信じられないものは無いので,理事長の姿に驚いているが深く追求はしないことにした。正直言えば宇宙人が地球に攻めてきたなんて言われても俺はもう疑わないだろう。
「へえ,この子が新木って子なの?」
ラメリーの質問に美紀が答えた。
「はい,私の幼馴染の新木立日は彼で間違いありません」
「そうなんだ。初めまして新木君,魔力はあまり無いけど魔法研究学科の方だったら良い線いけるかもね。じゃあ,入学を許可するよ」
俺は何故かラメリー理事長に突然勝手に入学許可をされた。ラメリーは無邪気な笑顔で俺の顔を見てるが、その笑顔をみるとやはり幼女に見えてしまう。
俺はラメリー理事長に最低限の質問はさせてもらった。
「あ,あの。理事長,何で俺が勝手に魔法学校というのに入学することになってるのですか? 」
俺の何気ない質問にラメリー理事長は重い口調で返した。
「2年前にロンドン魔法騎士団とロシア魔法軍団の間で魔法戦争が勃発したの。戦争は2ヶ月で引き分けってことで終了したけどそれ以来,ロシア魔法軍団は日本にも構成員を派遣するようになったの。それでね,その構成員にあなたの命が狙われているのよ」
ラメリー理事長に言うには俺の命が狙われているということだ。俺が狙われている理由に全く心当たりが無かったが,最近何者かに監視されているような妙な感じがしていることと関係があるのかもしれない。
「まあ,そういう事だから命が惜しければ入学して魔法騎士団に守ってもらうことね。」
ラメリー理事長はそう言って,生徒会室を出て行くと,イリィが俺にパスポートのようなを渡してきた。
「新木さん,明後日の13時50分にそのパスポートを持って東沖空港まで来てください。集合したら直に飛行機でロンドンまで行きますから。」
どうやら,すぐにロンドン行きが決定されているようだった。すでに俺のパスポートもどこで作ったのかはわからないが,準備されていた。
「タチニチ,そのパスポート作るの苦労したのよ。絶対なくさないでね」
「兄さん,逃げないでくださいね。私たちは魔女ですからどこに居てもすぐわかりますからね」
メアリー会長と美紀に強く念を推された俺は生徒会メンバーに挨拶をして帰ることにした。相変わらず,妙な感じは残っている。一度,理事長室の前でそれをものすごく感じたが,ラメリー理事長が生徒会室に来たときは特に変化は無かった。どうしてなのか,もしかして理事長室に俺を狙う刺客がいるのか,それともラメリー理事長や生徒会メンバー自身が俺を狙っているのか,俺はあらゆる可能性を考えながら家まで帰った。
第3話 完, 次回A編第4話。