ダーク・ファンタジー小説
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- イギリスからの使者
- 日時: 2013/08/09 09:39
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
普段は複雑・ファジーで投稿させてもらっている者です。向こうではレメリアンズムと言う小説を書かせてもらっていますがネタ切れに陥りちょうど原稿用紙に書いていた本作を投稿することにしました。向こうの作品も時々更新しますし,こちらもできるだけ早く更新するのでよろしくお願いします。
尚,本作には歴史が絡んできますが3分2は作者の考えた架空のできごとです。ですので,実際の史実どうりの場合もありますが,ほとんどがまったく関係の無い出来事です。
簡単な作品説明 本作は途中分岐があります。A編,B編,C編があり,それぞれ主人公が違います。ですから,A編だけ読むの良いし,B編だけ読むのも結構です。A編は序章の100年後で,序章には直接関わっておりません。B編も序章の100年後ですが序章の主人公の100年後の姿がB編の主人公です。つまり,序章とB編の主人公は同じです。(A)−がA編で,(B)−がB編です。
序章はB編が始まったら読めば話がまとまるかもしれません。(一応A編の序章でもあるのですが。)
- Re: イギリスからの使者 ( No.21 )
- 日時: 2013/04/21 22:50
- 名前: 牟川 (ID: pWi.Yh66)
(B)−第4話 動き出した敵(日本時刻2045年12月26日)
私は,北朝鮮の件は北朝鮮当局とCIAに任せることにし,東京へ戻ってきた。本来な
ら北朝鮮にしばらく滞在するつもりであったが今度は,東京で無差別殺人事件が起きたの
だ。まず,交番が燃やされた後,周囲の一般市民が突然燃えだしたり,・・・かつての東
京府東京市の無差別殺人事件を思い出せる事件だ。で,今回は大量に例の飴がそこら中に
落っこちていたらしいのだ。
「新木特別法廷検事は本日は被告人の弁護役を引き受けてもらう。」
今回の東京無差別殺人事件で,初めて自称であるが幹部を名乗る者が捕まった。本来な
ら問い詰めてやりたいところだが,私は弁護役を任されたのだ。検事として職務を行うの
は何年ぶりだろう?とり合えず,私は被告人の待つ拘置所へ向かい,その幹部と名乗る被
告人と対面した。
「あ,あなたが弁護役の方ですか?」
その被告人は,立日と同い年ぐらいの少女だった。なんと言うか,こんな少女が本当に
人を殺すのだろうかと思ってしまうほど私はその被告人の姿に驚いた。まあ,過去に恐ろ
しい少女は何度か見てきたがいつも限定して9〜10歳ぐらいだった。
「ええ,そうです。特別法廷検事の新木と申します。」
「え,新木さん?」
被告人は私の名字に何故か反応した。
「私の名字がどうかしましたか?」
「いえ,私の知り合いに新木さんと言う人がいまして驚いてしまっただけです。すみませ
ん。あ,自己紹介してませんでしたね,私はイリィ=シュタイナー,16歳です。」
被告人イリィについての詳しい概容はせっかちで馬鹿な職員が資料を持ってくるのを忘
れたらしく今この場には無かったので私は事件についての事も含めここで聞くことにし
た。
「えっと,あくまで私らがそう呼称してるだけですが,そのイギリス秘密武装組織の幹部
であると名乗ったそうですが本当ですか?」
「ええ,今は組織名は言えませんが大体はその呼び方で良いです。」
私は,ここで組織については深く詮索しないことにした。理由としては深入りして被告
人がまた気絶でもされたらせっかくのチャンスを無駄にすると考えたからである。
「なるほど,それでシュタイナーさんは今回の事件の被告人ですが完全無罪を主張してる
とか聞いてますが。」
「はい,今回の事件は私たちにとっては無関係です。」
被告人イリィからの情報はこれくらいでしか無かった。結局私は事件現場に行くことに
し,そこで調査をすることにした。今回の事件は間違いなくイギリスの連中であると思わ
せる証拠はたくさんある。まず,あの飴がたくさん落ちていることや,被告人が幹部だと
名乗ったりと・・・・,だが,ロシアの連中の仕業も考えなくてはならないので,私は全気
力を使って彼女を弁護すると誓った。
拘置所を出た私は事件現場にやって来た。今回の事件は突然人が燃えると言う不可解な
事件である。まあ,そんな不可解な連中を相手にするのが陸圧隊と特別法廷であるのだ。
そもそも,日本国憲法で特別裁判所の設置は禁止されていたが,私が協力した憲法改正に
よって陸圧隊設置と同時に設立された裁判所だ。まあ,それはさて置き早速私は事件現場
を調査することにした。とり合えず事件現場を見渡すと大量の飴が落っこちている事が分
かる。で,人が燃えたというのにガソリンや灯油といった類の物質は検出されず何故交番
もあのように燃えるかも謎。イギリスやロシアの秘密武装組織が引き起こす事件は本当に
謎だらけで直接的な証拠と言う物がないというのが特徴だ。
「全く,飴だらけだよ。・・うん?何だこの紙・・・。って,おいおい復活ニコライってま
さかこの事件は・・・。」
今,私が拾った紙には「復活ニコライ」と言う文字が書かれていた。これはロシアの組
織が絡んでいる可能性を示していたのだ。
第4話 完 次回B編5話
- Re: イギリスからの使者 ( No.22 )
- 日時: 2013/04/03 22:57
- 名前: 牟川 (ID: uwFalb0C)
何とか下手ですが,ここまでやってこれました・・・・・。だったら書くなよと言われればそれまでですが,新しく別館の社会問題系小説掲示板に死のゲーマーという小説を投稿しましたのでそちらもよろしければ読んでくださると嬉しいです。(期待はしないほうがよいです。)
- Re: イギリスからの使者 ( No.23 )
- 日時: 2013/04/05 23:23
- 名前: 牟川 (ID: 5EErTwqm)
(A)−第9話 新たな疑惑(12月28日)
次の日も,俺たち探偵部は図書館へ来て事件について調べた。既に新聞の事件に関連す
る記事は殆ど読んだので,今日はオカルト系の雑誌やゴシップ系の雑誌の記事を読むこと
にした。ゴシップ系などの雑誌は新聞とは違って信用性が落ちるが,意外と本当の事も書
いてあることもあるのだ。
「新木,昨日の本のラストは凄かったぞ,お前も読めよ」
「いやいや,昨日結局その本に集中して何も調査しなっかたよな。それと断る。」
「まあ,良いじゃないか。意外とそう言う本からも何か判ったりするもんだぞ。って聞い
てるのか!」
俺はローレンスの話は放っておき雑誌の記事を読むことにした。やはり,こういう雑誌
はストーリー要素の入った書きかたをする記事もあるようで,パリ火災事件は魔法使いの
仕業であると書いてあったり,CIAの仕業とか,北朝鮮の工作員の仕業と書いてあった
り,さらには日本の秘密武装組織の仕業とか何と言うか書きたいだけ書いてあるようだ。
ちなみにその雑誌は「ヨーロッパの秘密」と言う名前からして小説みたいな雑誌だ。
「おい,新木,パリってロンドン魔法騎士団の基地があるって知ってるか?」
俺が,雑誌の記事を読んでいるとローレンスが突然声を掛けて来た。しかも,先程は違
い,真面目な話だ。
「突然どうしたローレンス。」
「まあ,俺もそろそろ調べようかと思って,で,あくまで俺の推測であるけど複数犯であ
る事とその複数犯は少なくても何かの組織的なものだと考えてるけど。」」
さすが,探偵部部員であるだけそれなりの推測をローレンスはしているようだった。だ
が,俺は事実上これが最初の部活動経験であるから推理と言うものには慣れていない。と
言うより俺は証拠を使って調査するほうが向いてると思う。
「さすが,古参の部員だ。ローレンスはどうしてそう思うのだ。」
「ロンドン魔法騎士団の関係する建物だけが燃えたし,使われた魔法が結構強力な魔法だ
と魔法戦闘研究部の部員から聞いたからもしそれが本当であるなら,ある程度の組織力の
ある連中だ。」
ローレンスはどうやら前々からこの事件については個人的に調べてあるようで,いろい
ろな所から話を聞いているらしい。俺とローレンスは引き続き雑誌の記事を調べようとし
た時,ようやくメイリンとシャル先輩が来たようだ。
「あ,ローレンスさんと立日さんだ。何か判った?」
「今,見てる記事によるとパリの火災事件の仕業はCIAか北朝鮮か日本の秘密武装組織
とか,デタラメな事を書いてあることだけは判りました。」
「・・・・,確かに,CIAとかはデタラメだと思う。」
俺の仕入れた情報に,シャル先輩は呆れてしまったようだ。まあ,当然の事か・・・。
「と言うことはやっぱり,進展は無いか。・・・でね,パリへ明日行くことになって美紀
さんやメアリー先輩も同行することになったのだけど,明日は用事とかある?」
どうやら予定が変更され,明後日だったところを明日になったようだ。と言うかメアリ
ー会長や美紀も同行すると言うことは結構本格的に調査する事になるのだろう・・・。
「特にありませんので大丈夫です。」
「俺も大丈夫だ。」
「わかった,じゃあ明日午前8時に探偵部の部室で集合ね,メアリー先輩は担任として朝
だけ1年A組のクラスへ行くから出発は9時だからそれまでは準備とかするからね。」
「「了解・イエス マム」」
と言う事でまた調査の続けようかと思ったが,一旦今日の日系(東沖系)新聞を読むこ
とにし,新聞コーナーへ行って新聞を取ると一面には東沖行政府の行政長官選挙に相乃幹
雄氏が当選と写真付で載っていた。
「おい,幹雄さんって美紀の父さんじゃないか。」
美紀から美紀の家はかなりの名門だと聞いていたが,まさか行政長官に就任するほどの
名門だとは思ってもいなかった。それに比べて俺の家はいつも親である大平は家にはおら
ず毎回,海外へ出かけている始末だ。(義父もある意味凄いのですが・・・。)やはり,美紀
もメアリー会長も義父も俺の周りの人たちは皆凄すぎるのだった。
第9話 完,次回A編10話
- Re: イギリスからの使者 ( No.24 )
- 日時: 2013/04/21 22:45
- 名前: 牟川 (ID: pWi.Yh66)
(A)−第10話 パリ!(12月29日)
『ええ,実はロンドンへ来てから見失ってしまって・・・・。えっ,今なんて言いました?
マホウ?・・・。ロンドンの○○と言う教会にゲートがあると・・・。了解。』
スーツ姿の男は携帯をしまって○○教会へ向かった。
「立日さんはその教会の中にいるのか?・・・まあとり合えず言って見るか。」
・・・
俺は昨日指定された通りに午前8時に探偵部の部室へやって来た。本当は明日,パリへ
行く事になっていたが予定が変更され今日になったのだ。そして今更だが相変わらず俺は
魔法が使えないのは置いておいて,怖い時の美紀が探偵部の部室にいた。すでに,シャル
先輩とメイリンは部室で待機していた。
「あ,兄さん。一分遅れですね。」
「ごめんよ。・・・でもたったの一分だよ。」
「もしこれが飛行機だったり電車だったらどうなりますか?置いてかれますよ。」
久しぶりに見る美紀の氷のように怖い目つき。その目をしばらく見続けていたら恐らく
俺の心は凍死してしまう・・。
「ああ,ごめん俺が全面的に悪いから,この通りだ。」
「今回は大目に見ましょう。どうせ後で獲物がもう1人来ますからね。」
美紀に土下座をして何とか許してもらい,まだ来ていないローレンスにも感謝する俺だ
った。当然であるが,ローレンスは美紀の恐ろしく怖い説教に逢った。それから俺たちは
ミーティングを行い軽く調査について確認して,メアリー会長と合流しユーロスターと言
う高速列車に乗ること2時間半程でパリに到着した。
「やっと到着したわね。じゃあ早速,各ペアに分かれましょう。まず,私とシャルでち
ょっと特殊な調査をしてくるわね。で,タチニチとミキで雑誌編集社を当たってくれる?
それで,ローレンスとメイリンは事件現場へお願いね。」
メアリー会長の指示で俺たちは各自動くことになった。まず俺は,正騎士である美紀とペアとなり,メアリー会長とシャル先輩は聖騎士と従騎士でおそらく今回の調査のリーダ
ー的なペアである。そして,ローレンスとメイリンはどちらとも騎士ではなく少々不安だ
が特に異論は無かったのでメアリー会長の人事に従う事にした。
「よろしく,兄さん。」
「おう,俺だってあの義父に育てられんたんだからな,頑張るしかない。」
と言う事で,各ペアごとにパリの街巡り?が始まった。まず,俺たちが訪問したのはパ
リ火災事件は幽霊の仕業だとオカルト的に編集したクレオヒトラー社だ。そこで仕入れた
情報は,目撃証言によれば突然,火がつきはじめたちまち燃えていったと言う事である。
確かに,幽霊ではなくても魔法が関連する可能性を示す情報だった。次に訪問したのは反
政府テロだと編集したパトラナチス社で,この編集社では魔法関連から見ればあまり有力
な情報は得られなかったが近年フランスの過激な政治団体が数々の事件を引き起こしてい
るのは分かった。
「兄さん,ちょっと気になったのですが,あの義父に育てられたと言いましたけど大平さ
んがどうかしたのですか?」
突然,美紀がよりにもよって義父の事を尋ねてきた。
「もう,本当のこと言うけどさ,あの人は130歳なんだよ。」
「えっ」
今の俺の言葉にはさすがの美紀も驚いたようであった。
「で,日本が戦争してたころに特別高等警察の捜査官を務めていたらしい。」
「へえ,大平さんは前から凄い人だと思ってたけど,やっぱり凄い人だったのですね。し
かも130年も生きてるなんて。」
「そう言えばさ,美紀の父さんが行政長官に就任したとか新聞に載ってたけど。」
俺がさり気なく美紀の父さんの事を話すと美紀は突然態度を変えて話し出した。
「そう,ようやく私たちは目的が達成できるの。」
「何だって?」
今度はこちらが驚く番なのだろうか?しかもどうやら俺の義父の話題とは吊り合わない
話になる予感がした。
「実は,ロンドン魔法騎士団は何十年か前に当時まだ特別行政区では無かった東沖島を日
本から独立させようと工作してたの,でも,突然当時の日本の首相たちが東沖島を特別行
政区にさせる計画を発表してその計画は頓挫したわけなの。」
突然すぎる美紀の話に俺はどう答えてよいかわからなかった。
第10話,完,次回,第11話
- Re: イギリスからの使者 ( No.25 )
- 日時: 2013/04/26 23:05
- 名前: 牟川 (ID: pWi.Yh66)
(A)−第11話 パリ巡り
突然,美紀が言い出した事は国家機密に相当する内容の話だった。昨日俺は美紀の父親
である幹雄さんが東沖特別行政区,行政長官に就任したと新聞で見たので先程,それにつ
いてさり気なく聞いたところ美紀は態度を変えて語り始めたのだった。
「・・・・・・。」
「兄さんが驚いて当然ですね。でもこれは事実です。私の父はロンドン魔法騎士団上級正
騎士にして東沖島駐留隊司令でありながら長い期間,東沖の行政長官に就任する為に必死
だったのです。だけど,どう東沖を独立させるのかについてはあまり詳しくわからないの
ですが。」
「と,と,ととと,東沖を独立させる計画をしてたんだ・・・。」
一体俺の周囲では何が起きているのやら,ここ最近と言うより12月に入ってからいろ
いろなものに遭遇していると俺は思う。まだまだ俺の知らないことはたくさんあるのだろ
うか?
「兄さん,とり合えずこの話はおいて早く調査の続きを始めましょう」
「あ,ああ。」
美紀の言ったとおり俺たちは調査に戻ることにした。
「ええと,次は,・・・・・って,あのヨーロッパの秘密と言う雑誌を出版している編集
社じゃん。」
「その,ヨーロッパの秘密と言う雑誌にCIAとかいろいろ書いていたと聞きましたけれ
ど本当ですか兄さん?」
「CIAどころか北朝鮮や日本も関与していると書いてたけどな。」
俺が昨日読んだ「ヨーロッパの秘密」と言う雑誌はとにかくデタラメな事を書くだけ書
いたような印象があった。現在,探偵部やメアリー会長などの調べでは魔法による火災で
あったというので,本来なら魔法に関連する情報のほうが有力なのだろう。
「デタラメだと感じますが一応は行きましょう。」
とり合えず,美紀の提案でその「ヨーロッパの秘密」を出版しているレニンシホン社ま
で行ったが結局,魔法関連の情報は1つも得られなかった。こうしてほとんどの編集社を
巡ったのだが有力な情報と言えるのはなく,唯一目撃者らが見たらしい「突然火が燃え出
した」ということしかわからなかった。すでに時刻は午後4時をまわっていた。
「とり合えず,集合場所の駅まで行きましょうか。」
俺と美紀はメアリー会長らと集合するため駅に向かうことにした。
※
『ええ,今,立日さんらはパリにいるのですよ。ええ,そうなんです。例の教会へ行く途
中彼らを発見したので尾行したところパリまできたのです。で,会話をきいたところパリ
で原因不明の火災事件が起きたとか行ってましたが。』
スーツ姿の男はパリの火災現場にいた。その男の周りにはスーツ姿にサングラスをかけ
ている数名の人間が辺りを警戒していた。彼らにとってはこのヨーロッパの地は敵地のど
真ん中なのである。
『え,何ですって捜査チームを派遣するのですかパリまで?ええ,こちらも1個小隊いつ
でもスタンバイしていますので万が一の時は立日さんを保護することは出来ます。ってこ
れ,ロシアじゃないか?・・・。あ,すみませんちょうど今,とんでもない紙を拾ったので
すがその紙に復活ニコライって書いてあるのですが。』
どこかで聞いた「復活ニコライ」の文字。それがパリの火災現場にあるということはど
ういうことのなのだろうか?
※
俺と美紀は他のペアに少し遅れて駅に到着した。
「皆集まったわね。じゃあ,早速ユーロスタで帰りましょう。今日調べたことは明日の午
後に報告すれば良いから。」
メアリー会長の指示で報告は明日となり今日はロンドンに到着しだい解散ということに
なったのであった。
第11話 完,次回A編12話