ダーク・ファンタジー小説
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- イギリスからの使者
- 日時: 2013/08/09 09:39
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
普段は複雑・ファジーで投稿させてもらっている者です。向こうではレメリアンズムと言う小説を書かせてもらっていますがネタ切れに陥りちょうど原稿用紙に書いていた本作を投稿することにしました。向こうの作品も時々更新しますし,こちらもできるだけ早く更新するのでよろしくお願いします。
尚,本作には歴史が絡んできますが3分2は作者の考えた架空のできごとです。ですので,実際の史実どうりの場合もありますが,ほとんどがまったく関係の無い出来事です。
簡単な作品説明 本作は途中分岐があります。A編,B編,C編があり,それぞれ主人公が違います。ですから,A編だけ読むの良いし,B編だけ読むのも結構です。A編は序章の100年後で,序章には直接関わっておりません。B編も序章の100年後ですが序章の主人公の100年後の姿がB編の主人公です。つまり,序章とB編の主人公は同じです。(A)−がA編で,(B)−がB編です。
序章はB編が始まったら読めば話がまとまるかもしれません。(一応A編の序章でもあるのですが。)
- Re: イギリスからの使者 ( No.6 )
- 日時: 2013/03/01 22:28
- 名前: 牟川 (ID: ARSa.OgH)
ここで少し本作品に登場する東沖特別行政区についての簡単な説明をします。
東沖特別行政区は日本国憲法以外の法律は独自に作られている。東沖特別行政区の議会は,
東沖自治議会で一院制の50名で構成されている。警察は東沖警察庁が管轄しており日本
本土の警察庁とは全くの別組織である。裁判所は下級裁判所(家庭裁判所),上級裁判所と
あり,最終的には本土の最高裁の三審制となる。行政は内閣に相当する行政府がありその
下に東沖警察庁,教育庁,労働庁,健康庁,の5つがある。尚,交通・消防は東沖警
察庁が管轄する。その他,検察官の派遣,裁判官の派遣,刑務所の設置,防衛(自衛隊)
等は日本本土の各行政機関が兼任している。東沖特別行政区のトップは行政長官(首相に
相当する)で,その下に警察長官,教育長官,労働長官,健康長官(国務大臣に相当)と
なる。
以上ですありがとうございました。
- Re: イギリスからの使者 ( No.7 )
- 日時: 2013/07/18 22:00
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
(A)−第4話 父と息子の覚悟
俺が自宅に帰るとスーツ姿の義父がリビングに居た。何やら書類に目を通してるようで,じっと真剣過ぎるほど書類を見つめていた。目つきが険しいので,その姿を見ると書類に関係してる職についていたのかと想像できる。
「父さん,ただいま。」
とりあえず俺は,義父に自分の帰りを教えた。
「立日か,久しぶりだな。元気にしてたか?」
「いろいろと面倒な事はあるけど,いつもどおり元気だよ。それより今回はどこへ行ってたの」
「ああ,今回はロシアのウラジオストクとモスクワと旧満州へ行ってたよ」
相変わらず義父は海外の至る所に出かけているようだ。海外へ行って何をしているのかは全く俺は検討できないがどうやら,最近はロシア国内を中心にうろついてるらしい。何かの偶然か知らないがロシアと言えば先程,生徒会室でラメリー理事長が言っていたロシ
ア魔法軍団と言う組織の本拠地であるため,印象は悪い方向に崩れ始めていた。
「そうだ,立日,今日は東京へ行く前に少し大事な話がある」
「大事って,どんな話」
生徒会の一件や義父の話と今日は大事な話が2度も立て込んでくる。今の俺個人としては生徒会の件を越えるほど大事な話は存在しないと思う。義父の普段の行動も気になるが,魔法と言う話を持ち出されたら他の事などどうでもよくなるほど,生徒会の一件は俺にとって大事な事だ。何故なら,俺自身も関わっていることだから。
「それは,東京へ行くことに関係するのだが,先にお前に言っておこうと思う。今から100年前,そう戦時中の俺は特高の捜査官だったのだ」
「え,神風特攻隊?」
義父は,今「トッコウ」と言ったので,俺は神風特攻隊と勘違いしてしまった。戦時中・トッコウと重なれば神風特攻隊と連想してもおかしくない。
「神風ではなく,特別高等警察だ。捜査官と言ったぞ,神風は軍人だ捜査官ではない」
俺にとって,今の義父の発言で初めて義父の過去の一部を知ったのだ。さっきは勘違いしたが,まさか軍国主義の象徴とされている特別高等警察の捜査官だったとは思ってもいなかった。さすがは義父と言えるだろう。やはり,今日は魔法や義父の過去などいろいろ
と耳に入る日だ。
「父さん,昔はやっぱり凄かったんだ。」
俺は素直に凄いと思った。
「そう言うな。その時の私の失敗が今も続いてるのだから。・・それで,立日に特高だった時から迷宮入りしたある事件の資料や証拠品等を一旦預けたいと思ってる」
「え,ちょっと,捜査の資料って,・・・」
どうやら,義父の本当の用件は,かつての事件の資料を俺に預ける事らしい。俺は義父の今までに見たことのない真剣な顔であったが,世間体も気にしているので返答に戸惑った。いつもの俺なら断っていただろう。しかし,今日の俺は断るか,引き受けるか,戸惑
いが生じた。
「捜査資料を預けてどうするの?」
「まあ,普通に何処か適当なところに保管しといてくれ。私に万が一何かあった時のためだ。別に中身を見られても今さら何もならないしね,小説読む気分で見てもいいぞ」
「わかったよ」
俺はとりあえず捜査資料を受け取ることにした。とは言っても東京のある場所に隠していると言っていたので実際そのある場所が気になっており,また,義父が真剣な目つきだったので引き受けた感じだ。
「そうそう,立日。その飴玉を私に一つくれないか。甘いものがちょうど食べたくてね」
俺がさっきメアリー会長から貰った数個の飴のうち,一つを義父へ渡した。俺の記憶が正しければ義父はあまり甘いものは嫌いなはずだが,たまには甘いものも食べるのだろう。そう思ったが,義父はその飴をポケットの中に入れ結局食べなかった。
そして俺と義父はそれぞれ支度をして,空港へ向かう事にした。空港まではタクシー行き,約30分ほどで着いた。尚,日本本土と東沖特別行政区は一種の国外扱いとされるため一ヶ月以上の滞在をする場合ビザが必要となる。しかし,一ヶ月以内ならビザは必要な
くさらにパスポートなしで行き来できるので,今回,俺と義父はパスポートを持ってくる必要は無い。空港で待つこと40分,俺と義父は東京行きの便に搭乗した。
新木親子が東京行きの便に搭乗したころ,ラメリー理事長が東沖空港に到着した。ラメリー理事長はロンドン行きの搭乗口へと向った。実はこの10分前に彼女はある指令を生徒会メンバーに出していた。そのことをおそらく新木親子の2人は何も知らないだろう。
飛行機に乗ってから約45分で東京に到着した。俺と義父はとりあえず今日はホテルで休むことにしたので,予約していたホテルへと向った。明後日には一旦,東沖へ帰るが空港に着いたとたん今度はロンドンへ向わなくてはならない。ここで1つ俺はあるミスに気がついた。それは義父から捜査資料を受け取ってその後,家に帰ることは時間的厳しいので状況的にそのままロンドンへ持って行かなくてはならない可能性があった。
「立日,明日は午前10時にホテルを出るからな。」
「わかった。」
ホテルに着き,フロントで鍵を貰って俺と義父はそれぞれ別の部屋へ入っていった。
第4話 完
- Re: イギリスからの使者 ( No.8 )
- 日時: 2013/07/19 17:44
- 名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)
今回はB編です。A編4話の直接の続きではありません。
B編キャラクター紹介
・新木 大平 陸圧隊,総司令 B編主人公
・佐東 陸圧隊参謀部,准参謀
・山川 陸圧隊参謀部,参謀長
・島本 武 内閣総理大臣
・ボブ=ルーズ 合衆国大統領
・ダグラス=ブッシュ CIA長官
イギリスからの使者 B編
(B)−第1話 決断(2045年12月22日)
「新木総司令,今日は何故東京に?」
「立日にあれを託そうと思ってな。最近妙にまた騒がしくなって来ただろ,特にロシアの連中とロンドンの連中とかがね」
ホテルから車で10分した所に陸上制圧隊(通称,陸圧隊)の本部に続く地下への入り口がある。私は立日に内緒で部下の佐東准参謀と共に陸圧隊の地下入り口までやって来た。陸上制圧隊とは内閣総理大臣の直属の非公式の準軍事組織でロシアの秘密武装組織とロンドンを中心とする秘密武装組織に対抗するために私がある職についていた時に作らせたのだ。今では,その陸上制圧隊の総司令の任を請け負っている。ちなみに憲法改正を私がある職についていた時におこなったので憲法違反ではないだろう。
「立日さんにあれを?・・・まさか立日さんが秘密武装組織に狙われているのですか」
「ロシア側の組織にな。それとさっき判明したんだが,立日はロンドン側の組織と接点がある可能性がある。さっき,立日がこの飴を持っていた」
「あ,それはロンドンの組織がらみの事件で必ず発見される種類の飴ですよね」
立日が持っていた飴は東沖を出発する少し前に私が発見し1つ貰ったのだ。立日がどういう経緯でその飴を手に入れたかはわからないが,その飴をを2・3個持ってたのでロンドンの秘密武装組織に関わっている人間との接点があると私は考えた。そもそも,秘密武装組織とは言っても私たち陸圧隊を始め日本政府はその組織の詳しい情報などは全くわからない。組織の人間を逮捕しても連中は不思議な事に取調べを行おうとすると気絶してしまうのだ。
「新木総司令,私個人としての意見ですが立日さんを陸圧隊の本部で保護したほうが良いのでは?」
「佐東准参謀,ここは立日を餌にしようかと思うのだ。息子を餌にするなど親として最低だが,ロシア側に狙われつつさらにロンドン側とも接点がある可能性がある。今までの謎が解けるかもしれない」
「確かにそうですね,・・・・。わかりました,もしよろしければ立日さんの警護を私に任せてくれないでしょうか」
私は立日の父として失格なのかもしれない。しかし,私が尊敬していた人物は攻撃こそ最大の守りだと私によく言っていた。私はその人物の言うとおり攻めに出ることにしたのだ。秘密武装組織(ロンドン・ロシア)正体がわからない以上は満足にやつらと戦えないだろう。
「そうだな。佐東,お前に立日の事を頼のむよ。絶対に守ってくれ」
「わかりました」
「それと,万が一のためにお前には1個小隊を預けるから緊急の場合はやつらを使え」
私は立日の父として,そして陸圧隊の総司令として新たな決断をした。今まで100年近くも手も届かなかった奴らにこちらも武力を行使する準備を。不安はある,まだ連中の正体がわからない以上どのような事をするや,組織としての性格や外国政府との繋がりの可能性など,下手すると日本の国そのものを巻き込む事にもなるかもしれない。だが,私はついに決断をしたのだ。それは,奴らに対する復讐や立日を守るためであるのだ。
第1話 完 次回B編2話
- Re: イギリスからの使者 ( No.9 )
- 日時: 2013/12/26 16:33
- 名前: 牟川 (ID: hQv1ULP5)
(A)−第5話 義父の権力? (2045年12月23日)
俺は目を覚ますと腕時計の針は9時ちょうどを刺していた。昨日,義父に午前10時にこのホテルを出発すると言われていたのでまだ1時間程ある。俺は暇つぶしに携帯を開くとメールの受信が7件もあり,履歴を見ると全部美紀からの受信だった。メールの内容は,俺が何処に居るのか・心配してます・早く帰ってきてくださいなど俺の居場所が気になるようだ。そして俺は最後の7件目のメール内容を見ると・・・【今東京ですね何故兄さんは東京に居るのですか?今から迎えに行きます。】と書いてあった。どうやら,俺の居場所はばれていた様だ。おそらく魔法を使ったのかもしれないが,今から迎えに行きますとなると厄介であるので,俺は【明日の午前中には帰るから心配するな】と返信しておいた。もしかしたら,美紀は俺の身を心配してくれたのかもしれない。昨日のラメリー理事長の話によって俺は,ロシア魔法軍団という組織に命を狙われていることがわかった。
何故,俺の命が狙われているのかわからないが俺は今,危険な状態であるのは間違いない。とは,言っても俺自身がそれを確認したわけではないのだが。しかし,いつものあの妙な感じは今はないことからおそらく今は安全なのだろう。
俺はベットから立ち上がり,出発まで時間があるが準備を始めると,ちょうどから電話が掛かってきたので,俺は携帯を取り出した。
『美紀です。兄さん明日には帰ってくるのですね?』
やはり,美紀からだ。返信後すぐに電話してくることから俺を心配しているのがわかる
『明日の午前中には戻ってくるつもりだ。今ちょっと父さんと出かけてし結構大事な用な来たからしょうがないんだよ』
『そうですか。大平さんと一緒なら仕方ないですね,メール7回もごめんなさい。ではまた明日会いましょう』
『ああ,じゃあまた明日』
俺は電話を切り,出かける準備を再開した。その後しばらく部屋で待機していると義父がやって来てそのままホテルを出てタクシーに乗り,国会議事堂の近くで下車した。タクシーを降りると義父は国会議事堂へ向かって歩き出した。
「父さん,もしかして国会議事堂へ向かってるの? 」
「ああ,そうだ。実は国会議事堂のある部屋に捜査資料を隠していてね」
「資料隠してる所が国会議事堂って・・・父さんは何者」
まさか,国会議事堂に隠しているなんて誰が想像するか。前々から思っていたがやはり義父は只者ではないと俺は推測する。まず,年齢が130歳であるのに元気で死ぬ気配も無い。そのうえ,国会議事堂に物を隠すなんて元,特高の捜査官といえど普通なら無理だ。それに,義父が戦後どういう職についてたのかは相変わらず教えてくれない。
「まあ,私が何者か知りたければ後で資料でも何でも見れば多少はわかるよ」
「父さんの昔の捜査資料なんて見る気にならないよ」
「そうか,まあ見ても見なくても今はどうでもいいことだからな」
そして,義父の顔パスで義父と俺は国会議事堂の中へ入った。国会議事堂の中を進むと,義父は「露西亜・英吉利関連室」と言う部屋の前で立ち止まり,ポケットから鍵を取り出すとそれでドアを開けて部屋の中へ入った。先程の露西亜と英吉利をどう読むのかわからなかったが,俺は別に気には留めることなく義父に続いて入室した。部屋の中はそこまで広くなく中はダンボールが山済み状態だった。
「ええーと,これだ」
義父は山済み状態の中から1つダンボールを取り出した。
「立日,これがその資料の入ってるダンボールだ。できれば肌身離さず持って置いてくれ」
義父は真剣な目つきで俺に渡してきた。俺はそれを受け取ったが重い。
「父さん,もしかしてこれ抱えて持って帰れと言うの? 」
「そうだ、がんばれ」
理不尽な義父だった。
その後,義父は用事があるようで俺は一人でホテルまで一旦もどり,昼食も兼ねて4時間ほど東京を散策した。そう言えば今日は12月23日で,何故かわからないが義父にとっては偉大な日であるらしい。
12月23日,午後3時,聖サンターズ高校生徒会室。
「タチニチは今東京なのね? 」
「ええ,兄さんは大平さんと東京に大事な用事があるらしいのですが明日の午前には帰ってくるらしいですよ」
聖サンターズ高校の生徒会にメアリー会長と美紀,シャル,イリィの姿があった。どうやら何か重大な話をしてることがその表情からわかる。
「そのタイヘイって人がタチニチのお父さんなんでしょ」
「ええ」
「タイヘイさんある意味凄いね、運よくタチニチを助けちゃったよ」
なんだか知らないが新木大平は息子(養子)である立日を何かから助けたらしい。
「立日さんを助けたって何ですか? 」
「そうですよ、新木さんに何か問題でも? 」
シャルとイリィはメアリー会長の言っている意味に理解できなかったのでどういうことか尋ねた。美紀はどうやら感づいていたらしいが。
「実は、ある情報によればロシア魔法軍団によってタチニチ殺害が実行されるところだったのよ」
「え、新木さんを今日殺害する予定だったのですか! 」
イリィはメアリー会長の発言にびっくり仰天した。
「たぶん,あのラメリー校長の指令の実行をしたからその報復だとは考えているけどね。タチニチを傷つけたら私は許さない」
「私も報復の恐れがあって兄さんに何かあったらと思って心配だったのです。でも、大平さんタイミング良いですね。安心しました」
立日はどうやら,大平のあまりにタイミングの良ったので殺されずに済んだようである。130年も生きれば運も味方になるのだろうか?
「明日,タチニチが帰ってきたらすぐロンドンへ向かうよ」
「立日さん,疲れちゃいますね」
第5話 完 次回,A編6話。
- Re: イギリスからの使者 ( No.10 )
- 日時: 2013/12/26 16:36
- 名前: 牟川 (ID: hQv1ULP5)
(B)−第2話 首相との会談
昨日,私はロシアとロンドンを中心にしている2つの秘密武装組織に対して事実上の攻撃準備を部下の佐東准参謀との話で決めた。正直なところ,正体もわからない組織を相手にどのような事態になるのか検討もつかないが私は今日,内閣総理大臣の島本武(しまもと・たける)に正式に許可してもらうため,首相官邸前まではるばるやって来た。島本武首相は現在80歳で30年前も首相になっており,2回目の就任だ。島本首相は子供のころかなりの戦略ゲーム好きでその影響で首相に就任するといろいろと周囲を驚かせる事をしばしば実行することで有名だ。例えば北朝鮮に電撃訪問したり陸圧隊設置を認めたりと私自身驚いているものだ。
私はとり合えず,首相官邸の職員に許可をもらい官邸の中へ入り,応接室へ向かった。ちなみに,10年前に首相官邸が一度火事になり陸圧隊が掛けつけたとき,立日の持っていたあの飴とユニオンジャックが描かれている紙がそこらに落ちていたことがあった。私が応接の前に到着し,ノックして応接室の中へ入った。
「おお、新木の爺さん。今日はどんな用だ? 」
応接室の中では島本首相がコーヒーを飲んで待っていた。
「島本首相に例の実行を許可してもらおうかと」
「やはり、その件か。あれから,30年経って何か掴めたのか? 」
島本首相も実はロンドン・ロシアの武装組織を調べている一人で,第1次島本内閣の時に私の、陸圧隊設置の要求に応じてくれたのだ。
「ええ,最近ロシア人の集団が息子の立日を監視していたようで,何者か調べたら例のロシアの秘密武装組織だったのですよ」
「立日君が監視されてるのか」
「ええ,しかも立日はロンドンの組織とかかわりがあると示すあの飴を持っていまして,部下の佐東准参謀らに護衛を兼ねて監視させています」
「そうか,わかった。陸圧隊指揮は新木の爺さんに全権委任するすきにしろ。ただ,何かわかったらすぐに報告してくれよ」
「了解」
島本首相は陸圧隊攻撃準備に許可してくれたので,連中に対していつでも攻撃が可能となったのだ。とり合えず今は立日を監視して連中のアジトを見つけ出すことが先決ある,見つけ次第,アジトが海外だろうと何だろうと大部隊でアジトを制圧することである。日本に対してのテロ行為に近い行為や,私が特高の捜査官であった時,解決しなったあの陸軍中佐殺害事件,これ以上は連中に祖国日本を傷つけさせることが無いように懲らしめてやらなければならない。それは,島本首相も同じ気持ちであるし,そしてあの時代の首相であった東條閣下も同じ気持ちだっただろう。
・だが、あえて、ここで言わせればこの時、私たちは連中を舐めていたとわかる時がそのうち来るとだけは先に言っておく・
首相官邸を出た私は,陸圧隊の本部へ向かい今後の作戦を考えたり,いつでも部隊をだせるように準備を指示することにした。しかし、私が本部へ戻ると,とんでもない報告が待っていた。
第2話 完, 次回,B編第3話