ダーク・ファンタジー小説

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イギリスからの使者
日時: 2013/08/09 09:39
名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)

普段は複雑・ファジーで投稿させてもらっている者です。向こうではレメリアンズムと言う小説を書かせてもらっていますがネタ切れに陥りちょうど原稿用紙に書いていた本作を投稿することにしました。向こうの作品も時々更新しますし,こちらもできるだけ早く更新するのでよろしくお願いします。

尚,本作には歴史が絡んできますが3分2は作者の考えた架空のできごとです。ですので,実際の史実どうりの場合もありますが,ほとんどがまったく関係の無い出来事です。

簡単な作品説明 本作は途中分岐があります。A編,B編,C編があり,それぞれ主人公が違います。ですから,A編だけ読むの良いし,B編だけ読むのも結構です。A編は序章の100年後で,序章には直接関わっておりません。B編も序章の100年後ですが序章の主人公の100年後の姿がB編の主人公です。つまり,序章とB編の主人公は同じです。(A)−がA編で,(B)−がB編です。


序章はB編が始まったら読めば話がまとまるかもしれません。(一応A編の序章でもあるのですが。)

 

Re: イギリスからの使者 ( No.26 )
日時: 2013/04/27 13:29
名前: Aira+ (ID: H6B.1Ttr)

一つ一つの話がとてもこっていて、読み応えがありますね。
頑張ってください

Re: イギリスからの使者 ( No.27 )
日時: 2013/04/27 22:36
名前: 牟川 (ID: pWi.Yh66)

Aira+様,コメントありがとうございます。久しぶりのコメントで嬉しいあまりです。ただB編が不安定になってきているのでこちらとしても頑張りたいと思います。

Re: イギリスからの使者 ( No.28 )
日時: 2013/12/26 16:48
名前: 牟川 (ID: hQv1ULP5)

(B)−第5話 特別法廷(2045年12月27日)


 私にとって久しぶりの法廷だ。戦後,特高が解散されいろいろな職についている内に検事となり何度かこうやって法廷で仕事したことを思い出す。そして,予想はしていたが尋常裁判の裁判長に相当する審議長が島本首相だ。そして余程暇なのか分からないが,副審議官はCIA長官のダグラス=ブッシュである。この特別法廷は尋常の裁判とは異なり有罪・無罪を決めるものではないため,日本人以外のアメリカ人や北朝鮮の人間も審議官であったり書記官であったりする。

「では、ただいまより,特別裁判を開廷します。まず検察役の丸山忠道特別法廷検事は今回の事件についての冒頭陳述をお願いします。」

「はい、まず今回の事件は○○交番が突如火災が発生しそこで勤務中の吉村守巡査が命を落としたほか,その直後に交番の周囲を歩いていた複数の通行人の体が突然燃え出しました」

「では,弁護役の新木大平特別法廷検事はこの陳述に異論はありますか? 」
「いえ、異論は現時点ではありません」

「わかりました。では早速今回の被告人の身柄を保護した陸圧隊保安部の田村勇樹保安巡査を入廷させてください」

 早速尋問が開始されるのであった。とは言っても、あるカプ○ンの某裁判ゲームとは違って証人が勘違いをするなどのことは,ほぼ無いのでいろいろと大変な事にはならないだろう。そして保安巡査の田村が入廷した。

「ではまず田村さんは名前と職業をお願いします」
「田村勇樹、陸上制圧隊保安部,保安巡査を務めています」
「わかりました、では早速被告人を保護した時の状況を証言してください」

 審議長である島本は早速,証人に証言を求めた。

「はい,僕らが駆けつけたときに被告人が足を怪我しておりました。その際に被告人はこの火災は私のせいだと言いまして,イギリスにある武装組織の構成員かと聞いたところそんな感じの組織の幹部だと言いましたので保護しました」

 保安部の田村は一通り証言を終えたので,今度は私がその証言にいちいち文句をつけなくてはならないのだ。

「では,まず,今回の事件がイギリスの武装組織の仕業であるという証拠はこの例の飴だけですか? 」
「はいその通りです」
「では,絶対にイギリスの武装組織の仕業であり,なおかつロシアの武装組織の仕業ではないと言い切れますか? 」
「絶対とは言い切れませんが,おそらくイギリスの武装組織の仕業であるということを示す証拠ならこの例の飴がそうです」

 私がここまで追求すると検察役の丸山が質問してきた。

「新木さん、ロシアの武装組織の仕業と示す証拠が何1つ発見されていませんよ」
「丸山君、君はきちんと調べたのか? 実は昨日,事件現場に復活ニコライと書かれていた紙を発見したのだが。・・・では審議長、その紙をこちらまで持ってくるように係官にお願いします」

「わかりました。係官,その証拠品を持ってきなさい」

 ちなみに,事件現場を捜査する人間は全員,厳密な身体検査を行い何も持っていない状態で調べるのだ。そして、事件現場で発見した証拠品などは事件現場を離れる際に保管係に預けなければ証拠品と認められないだ。もちろん私はそれに従った。そして数分後,係官が法廷に入ってきてその紙を審議長の島本に提出した。

「この紙は確かに,復活ニコライと書かれていることから,今回の事件がイギリスの武装組織だけではなくロシアの武装組織である可能性も疑えます。では,開始から1時間が経過したので一度休廷とします。次の開始は20分後とします」

 島本の休廷宣言で20分間の休憩となったので,私は休憩時間内に被告人であるイリィ

に事について再度確認をとることにした。


第5話 完,次回B編6話

Re: イギリスからの使者 ( No.29 )
日時: 2013/12/26 16:43
名前: 牟川 (ID: hQv1ULP5)

(B)−第6話 敵の正体は恐るべき?


「イリィさん,聞きたいことがあるのだが火災事件は自分のせいだと言ったそうだがどういうことだ? 」

 私はイリィが保安巡査に言ったとされる「私のせいで」が非常に気になった為,イリィ本人に確認をとることにした。

「それは,私があいつらを止められなかったからです」

 イリィとても悲しそうな顔でそう言った。

「あいつとは誰のことだ? 」
「言えません,言ったらさらに無関係の人を・・・」

 やはりイリィはイギリスの武装組織の一人だということが態度でわかる。イギリスの連中は少なくてもロシアの連中とは違って無関係の人間は極力巻き込まないようにしてることが最近わかったのだ。そしてイギリス・ロシア両秘密武装組織はお互い対立しているようであり,いわば戦争中であると言ってもかまわないだろう。

「そうか,じゃあ念のためもう一度聞くけど,もしかして犯人はロシアの組織の人間なのでは? 」
「ロシアマホウ,グン,・・・」
「新木さんまもなく再会しますのでお戻りください」

 20分間の休憩が終わり私は法廷に戻ることにした。イリィが最後に言った言葉がかなり気になったがそれを確認することは恐らく法廷となるのだろう。

「ええ,では審議を再開します。先程提出された復活ニコライと書かれた紙についてですが,休憩時間内に現場にいる捜査チームらに再び捜索させたところ同じ紙が複数発見されました。よってイギリス・ロシア両方の仕業あるいはどちらかの仕業であるというのが現状です。」

 さすがは島本首相だと私は思う,休憩時間に捜査させるこの手の速さはすごい。私が感心していると北朝鮮の書記官が口を開いた。

「・・・何でわざわざハングルで書くのかな,日本で事件起こしたというのに」

 その書記官は突然ハングルと言い出した。いったい何がハングルで書かれてるのだろうか,それともただの私語なのだろうか,後者であれば即退場となるのだが。私は気になったので質問することにした。

「・・・書記官,一体何がハングルで書かれているのですか? 」
「それはもちろんこの復活ニコライという字ですよハングルで書かれてるでしょこれ」
「えっ、復活ニコライは日本語で,復活という漢字にニコライとカタカナで書かれていま
すが」

 書記官が突然ハングルで書かれていると言い出したので法廷内は混乱し始めた。まあ当然日本語で書かれているにも関わらずハングルで書かれているなどと言えばそれは混乱するだろう。だがしかし,それに追い討ちをかけるように今度は副審議官のダグラスが発言した。

「皆さん,何を言ってるのですか,復活ニコライとは英語で書かれてるでしょう日本語では書かれていませんよ。ほら、Revival Nikolay て書いてるでしょう」
「いや,どう見ても日本語ですよこれは,丸山君は? 」
「はい,日本語で書かれていますよ」

 一体何がどうなっているのか・・・1つ気づいたのは北朝鮮の書記官はハングルといい,アメリカ人であるダグラスは英語だと言い出した。と言うことは,

「被告人,この文字を書かれているように言ってください」

「ええっとWiederbelebung Nikolayです」

 やはり,私の思ったことは合っていたのかもしれんない,イリィはドイツ語で復活ニコライと言ったのだ,ダグラスたちが本当に英語に見えたりハングルで見えるのだったらドイツ人であるイリィはドイツ語に見えるのだ。

「今の被告人の言ってることが本当であるなら,日本人は日本語に見えて,朝鮮人はハングルに見えて,英語圏の人たちは英語で見えるのでないでしょうか? 」

 しかし,そうだとしても一体どういうからくりなのかが判らないが。

「新木さん,その可能性が高いがどういうからくりなのだ? 」

 案の定,島本首相もそのからくりが気になったようである。

「ええ,この審議の審議長として宣言します。この審議ではロシアの仕業であるのか被告人を始めとするイギリスの仕業なのかがわかりません,よって被告人イリィ=シュタイナーを釈放することを宣言し,及びこの審議を終了とします」

 島本は突然,終了宣言を行い審議は終了した。



 審議が終了した後,私は陸圧隊の本部で今回の審議で発覚したことをまとめていたところ,山川参謀長がものすごく驚いた表情で走ってきた。

「新木総司令,あの,先程の被告人の持ち物を勝手に調べたところ,その,このようなパンフレットが見つかりました。」
「見せて見ろ」

 そのパンフレットを見ると,何とそのパンフレットにはロンドン魔法騎士団と書かれておりいろいろな詳細が書かれていた。一見何かのサーカス団体とかと間違えるだろうが,もしかしたら,この世に魔法があるのかもしれないと示すものかもしれない。

「山川,正直言って魔法という物はないと思うが,今ロンドンにいる佐東准参謀に調査するように言っておけ,それとこの○○教会も調べるようにな!,それと追加で向こうに捜査チームも派遣すると言っておけ」
「了解しました」



第6話 完,次回B編7話

Re: イギリスからの使者 ( No.30 )
日時: 2013/07/19 17:47
名前: 牟川 (ID: tgcfolY3)

(A)−第12話 開かれるダンボール


 俺は,ロンドン魔法学校に帰ったら即自分の部屋に入った。しかしながら今日はいろんな話を聞いたものだった。まず,各編集社でテロだの幽霊だのCIAとか,そして美紀が突然に俺たちの故郷である東沖の隠された計画など国家機密に相当するようなことを聞いたのだ。

「はあ,今日は疲れたなまったく。・・・・・,そう言えば親父にこのダンボールの中身みても良いとか言ってたよな」

 俺は義父である大平に託されたこのダンボールの中身に最初はまったく気にしていなかったが,次第に気になってきたのだ。

「開けて見るか」

 そして,俺は義父の特高時代の捜査資料が沢山入っているそのダンボールをついに開いた。開けると早速何かの事件ファイルらしき物が出てきた。

(何,陸軍将兵襲撃事件?・・・,吉岸中佐を始め約20名近くの兵士を殺害・・・)

 陸軍将兵襲撃事件・・・。聞いたことも無い事件である。226事件などの反乱事件は有名であるが陸軍将兵襲撃事件という事件は学校の授業や,戦争関連のことをインターネットで調べた際,そのような記述は何処にもなかった。

(下士官の1人が偶然にも犯人と思われるイギリス人女性を写真に収めている・・・。ってよく撮れたなこの人。)

 ファイルの中には白黒の写真が一枚入っていたので,俺はその写真を見てみると,とんでもない物が写っていた。

(えっ,どういうことだ,こ,この顔,ラ,ラメリー理事長の顔にそっくりじゃないか!)

 白黒ではっきりはわからないが,この間聖サンターズ学園の生徒会室で出会ったラメリー理事長の顔にそっくりであった。なんというか,幼い感じの顔でしかも10歳前後の背しかないのが特徴だ。そして資料本体の最後の欄に犯人は手がかり1つ残さず行方不明と書かれていたのだった。

(・・・・,も,もしかして,こ,この犯人は魔法使いなのか?)

 100年も前の事件でラメリー理事長にそっくりな顔の人間が容疑者扱いされているのは一体どういうことなのか?・・・またはただに偶然なのか。そして義父である大平は本当は何者なのだろうか。俺はこのダンボールを開けて複数の疑惑などが生じた。そして,ダンボールから次のファイルを取り出すと,そのファイルに挟んである紙にはこう書いていた。

《イギリスとロシアには秘密の武装組織があり我が日本で様々な事件を起こしている早急に手を打たなければならない,私としてはそれに対抗する組織を作るべきだと考えている。 参議院議員 新木大平》

 イギリスとロシアそれぞれこの2国には魔法関係の組織があるのだが,魔法組織の存在を知らない義父はイギリスとロシアには何らかの武装組織があると調べているようであった。それはともかく,どうやら義父は参議院議員を務めたことがわかった。

(親父って参議院議員だったのか。初めて知ったぞ)

 そして,そのファイルをめくっていくと今度は東沖についての記述が出てきた。

《イギリス秘密組織が東沖で謀反もしくはそれに準ずる又はそれに相当する計画を進めている可能性大,さらに東沖に住んでいるドイツやイギリス国籍の人間が独立デモを何度か行っている模様である。早急に何らかの対策を講じるべきである。案としては自治政府をつくらせることが良いかと思う。1990年,建設大臣  新木大平》

(な,何だって,確か美紀は当時の首相が突然東沖を特別行政区にする計画を発表した結果,美紀の父さんたちの東沖独立計画が頓挫したとか言っていたぞ,って言うか親父が大臣だったとは)

 ※

『こちらA班,前方に巨大な建物発見,佐東准参謀,突入しますか?』

 ロンドン魔法騎士団付属高校の敷地内に武装したとある部隊が侵入したのであった。


第12話 完,次回A編13話


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