ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 我落多少年とカタストロフ【完結】
- 日時: 2014/06/29 22:15
- 名前: 月森和葉 ◆Moon/Z905s (ID: fCO9WxRD)
「もう、駄目なんだ」
「決まってしまっていることなんだよ」
「なんで?」
「ユウ、あたしのこと好きだって言ったよね?」
「だったら、なんでそんな顔してんの?」
「こんな僕でも」
「いつか、笑える日が来るのですか?」
「愚問だな」
はじめまして、月森和葉(つきもりかずは)と申します。
いつもは二次映像に居たり雑談板に居たりリク依頼総合にてイラスト屋をやらせて頂いたりしています。
興味が沸きましたら、是非とも見てやって下さいませ。
※ここから注意です※
●厨二嫌い、月森のことが嫌いという方は、無理に見て頂かなくてもかまいません。
●荒らしはご遠慮下さい。
●コメントをする際は、ネチケットを守りましょう。
以上でございます。
皆様に楽しんでいただけますよう。
2013年3月23日
*イメージイラスト
北城霧 >>3
立花遥香 >>5
理実悠人 >>9
日和北都 >>13
日和三波 >>25
*頂き物
たろす@様より霧 >>28
2014年6月29日完結
- Re: 我落多少年とカタストロフ ( No.1 )
- 日時: 2013/03/23 20:28
- 名前: 月森和葉 ◆Moon/Z905s (ID: BsB4CdF8)
暑い、ある夏の日。
太陽が容赦なく肌を抉る昼下がり。
「あつー」
アスファルトが太陽の光を反射して、もろに顔に熱を飛ばす。
「でも、夏休みだし」
「補習も終わったしね」
一人の少女と、二人の少年。
少女は長い髪を掻き上げ、肌を伝う汗をタオルで拭った。
時間は、現在よりもっとずっと先の未来。
今地球上に存在している全ての命が死に絶えたときに、起こるかもしれない物語。
少女の名前は、立花(たちばな)・遥香・クリストフ。
長い髪にカラフルなピンを挿し、いつも大きな眼を輝かせて笑っている。
はっきりとした、とても可愛らしい少女だ。
少年——背の高い方の——は、理実(さとみ)・悠人・ヴィラ・パニマ。
これもまたよく笑う、賑やかな少年である。
もう一方の少年——蒼い眼の——は、北城(ほくじょう)・霧・コラプス。
蒼い眼が特徴的で、もともと肌が白い。
彼は学年で成績を入学時よりトップをマークし続けている天才である。
「でもさ、なんでキリが補習に出てるの?」
「そーだよ。万年成績トップで生徒会長さんが?」
少年は、穏やかな顔で答えた。
「だって、夏休みの間は学校がないから勉強しないし……出来なくなると困るから。それに、遥香や悠人にも会いたいし」
そう言って彼は出る必要のない補習に毎回出席しては、二人の勉強を手伝ってやるのである。
毎年それをやっているものだから、彼の校内での地位はますます確立している。
「ちぇっ、キリがそう言うんだったら俺も出なくちゃいけねーじゃん」
「どっちみちユウは出なきゃいけないの!」
遥香のもっともな言葉に、悠人はむすっと唇を尖らす。
「悠人はもうちょっと勉強した方が良いね」
霧がそう言うと悠人は更に不機嫌そうな顔になり、遥香は面白そうに笑うのだった。
- Re: 我落多少年とカタストロフ ( No.2 )
- 日時: 2013/03/24 07:54
- 名前: 月森和葉 ◆Moon/Z905s (ID: BsB4CdF8)
*
「局長、マントルに変化が……」
隊員の一人がそう言った瞬間、全ての警報機が唸りを上げて鳴り始めた。
「主任! 核が変動を起こしています!」
「引力のパーセンテージが……!」
「出力が止まりません!」
これ以外にも、あちこちから異常が報告される。
「これは……」
その場に居た全ての人間が、驚きのあまりその場に立ちつくしていた。
地球が、崩壊しようとしている。
*
- Re: 我落多少年とカタストロフ ( No.3 )
- 日時: 2013/03/24 11:22
- 名前: 月森和葉 ◆Moon/Z905s (ID: BsB4CdF8)
- 参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/1184jpg.html
霧君のイメージイラストです。
やっとキャラデザが確定しました。
そのうち遥香や悠人も描けるといいな。
- Re: 我落多少年とカタストロフ ( No.4 )
- 日時: 2013/03/24 20:07
- 名前: 月森和葉 ◆Moon/Z905s (ID: BsB4CdF8)
「じゃあな、また明日」
「またねー」
三人の家への道が分かれる場所。
この道が、彼らの行き先を暗示しているのかもしれない。
一人になったとき、少年はぽつりとひとりごちた。
「……今年は、あの年か……」
その呟きに何があるのかは分からない。
でも、ただごとではない何かが込められているように思う。
「ただいま」
何事もなかったかのように、少年は家の扉を開いて言った。
「母さん? ……まだ帰ってないのか」
少年——霧のことだが——は何かと生徒会長や天才ともてはやされてはいるものの、家庭に大きな問題があった。
彼には父親が居ない。
たった一人の家族の母親も、息子と二人の家計を立てるために働いていて、同じ家に住んでいようともあまり会うこともない。
まだ高校生の少年が親に会うことが少ないというのは、これは由々しき事態である。
「……ふぅ」
スクールバッグを首から抜いて、ソファにどさりと座り込む。
暑い夏の日だというのに、家の中は何故かどんよりと重たい空気が漂っている。
まるで梅雨の雨の湿気のようだ。
制服もそのままに、霧はソファに横になる。
(……お昼ご飯、食べなきゃ……)
考えていたは良いが、そのまま眠り込んでしまった。
- Re: 我落多少年とカタストロフ ( No.5 )
- 日時: 2013/03/25 09:03
- 名前: 月森和葉 ◆Moon/Z905s (ID: BsB4CdF8)
- 参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/1189jpg.html
遥香さんのイメージイラスト、出来ました。
制服は決めてないですがセーラーです。
そんな先の時代にセーラーあるのかというツッコミはともかく。
男子は面倒だし夏だし半袖シャツに黒スラックスで良いんじゃないですかね。