ダーク・ファンタジー小説
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- Lost School【第二章準備中】
- 日時: 2016/07/24 15:11
- 名前: ロスト (ID: wJ5a6rJS)
初めまして、ロストと申します! 稚拙な文章ではありますが、温かく見守っていただければ幸いです^^
とある公立高校のとあるクラス。彼らが紡いだ物語は語られることなくその姿を消す。
————これは、少年少女たちの青春と恐怖の物語である。
b;ft;ot@a9h/yr.k\esdkmkt@qlw@3.→これは彼らが直面する呪いと死の物語である。
tl7/efcbie.→狩矢冥はそこにいる
目次
不知火中等教育学校4年4組名簿&キャラ紹介
>>52-53
作者コメント
>>6 >>13 >>19 >>26 >>32 >>38 >>44 >>50 >>56 >>62 >>66
作中論文
>>16 >>33-34 >>58
序章 A Peaceful Days
>>1-5 >>7-12 >>14-18 >>20-23 >>25 >>27-31 >>33-37 >>39-43 >>45-49
Before the story begins 〜A conversation〜
>>51
第一章 ある平和な日
>>54-55 >>57-61 >>63-65
- Re: Lost School ( No.4 )
- 日時: 2015/12/30 18:54
- 名前: ロスト (ID: Joe8I4Fa)
同日AM8:25 同所 point:楠炎真
土井が友達に呼び出されて教室から出て行った後、俺と翔太は頬をさすりながら、
「朝っぱらから酷い目にあったな」
「そうだね……」
いまだに頬がヒリヒリする。やりすぎだよ。
「災難だったな、2人とも」
「秀……見てたんなら助けろよ」
秀は笑顔でこっちに近づいてきた。図ったようなタイミングなのは気になるが。
「見てて面白かったぞ。翔太のあんな顔めったに拝めないからな」
「赤井……後で覚えてろよ」
「おい翔太、怖いぞ」
さっきも言ったが、この2人とは入学時からの親友だ。俺たちの出会いはそれはそれは不思議なもんだったが、こいつらと出会えてよかったと思う。
「大体、赤井は宿題終わったの?」
「あん? まだだけど」
「どうしてキョトンとしてるの!? 早く終わらせなよ!」
秀は『宿題終わってませんけどなにか?』というような表情を浮かべている。駄目だこいつ。アホの申し子だよ。いや、こいつの父親は弁護士だし母親は看護士だから、本当は頭がいいはずなんだよ。
「いや違うんだよ翔太、俺はお前たちに話があって来たんだよ」
「……何?」
「炎真、翔太……おはよう」
その刹那、俺と翔太の思考が停止した。
え、こいつはそれを言うためだけにここに来たのか? 宿題を中断して?
「もう駄目だ。秀、お前はアホの申し子だよ。はい、翔太どうぞ」
「赤井、僕は君が怖いよ」
「何で?」
キョトンとしてんじゃねぇよっ!
「赤井、おはよう」
そう言いながら秀の頬を思いっきり引っ叩いた翔太も怖いのだが、それを言うと俺も引っ叩かれそうだからやめておこう。
「痛いぞ翔太! なにすんだよ!?」
「はいはいごめんごめん。さて、君は宿題意を終わらせようね」
「ちょ、やめろよ翔太、俺が重いからって襟を引っ張るなよ!」
何度も言うようだが、これも日常茶飯事なのだ。だから誰も突っ込まない。まあ、これも仲がいいから許されることなんだろうな。
翔太は秀を引っ張りながら秀の席へと連れて行き、まるで母親のように秀を監視しだした。
俺はため息を吐き、トイレに行くために教室をでていった。
- Re: Lost School ( No.5 )
- 日時: 2016/02/06 23:52
- 名前: ロスト (ID: L29ov/4C)
同日AM8:28 不知火中等教育学校2階男子トイレ point:楠炎真
トイレの汚い学校は風紀が乱れている。確かそんな言葉を聞いたことがある。確かに、不良はトイレにたまるような描写を漫画とかでよく見かける。そう考えると、うちの学校は良いほうなのだろう。いや、まだ10年の歴史しかない学校が不良の集まりになるはずがないか。
「早く土曜日になんねぇかなー。マジでだるいわ」
「確かにな。ああ、そういえばお前上手くいってんの?」
「何がだよ」
「彼女とだよ。なんか最近マンネリ気味みたいだし」
「あー、やっぱ分かっちゃう? そうなんだよ、最近冷めてきちゃってな。別れようかなとか思ってんだけどさ、どう思う?」
どう思う? じゃねぇよ。入り辛えよ。なんでトイレでそんな話をしてるんだよ。大体、恋愛ってそんなに軽いもんなの!?
「次は土井あたり狙ってみるか」
「やめとけって、絶対相手にされねぇよ。あいつは英二一筋なんだから」
「やっぱそうかー」
もういいかな。入っていいかな。つーかもう限界、入る。
「お、炎真じゃん、おはよう!」
「おはようじゃねぇよお前ら。なんつー話してんだよ」
トイレの中にいたのは大堀大吾と森正だ。
大堀も森もラグビー部に所属していて、身長の高さも相俟ってゴツイ。6年——つまり高校3年生にも負けないくらいの体格のよさだ。大堀は黒の長髪をオールバックにしていて、狼を連想させるような風貌をしている。逆に森は筋肉質ではあるがさわやかな顔をしている。肩までかかる後ろ髪、目が隠れるほどのながさの前髪。ゴツくなければ完全にホスト系だ。
「あ、そっかわりぃ。炎真はまだまだピュアなんだっけ」
「ぶっは、マジで!? もうそろそろ彼女の1人でもつくったらどうよ。こんなにゴツイ大吾でも彼女がいるんだぞ?」
「正はもう乗り換えようとしてるしな」
こ、こいつら……許さん!
「ほら、赤木がいるじゃねぇか。告らねぇの?」
「ぶっ!? な、なんで俺が未来に!」
赤木未来。大堀が挙げた人物は俺の小学校からの幼馴染だ。いつもオドオドしてて守ってやりたくなるような奴だ。
「あ、そういえば英二見てないか?」
「いや、見てないぞ」
森は目にかかった前髪を払いながら尋ねる。そんなに気になるなら切ればいいじゃねぇか。
英二、とは松井英二のことで、大堀と森、松井の3人はうちのクラスのヤンチャ3人組として有名だ。その3人の中でも松井はリーダー的な存在で、土井と同様、クラスのまとめ役として活躍している。
「この時間帯に来てないってことは……また告られてるのか」
「は!?」
「もしかしたら、赤木さんが告ってたりしてな」
「森、てめぇ……」
「あはは、怒るなよ。英二は土井以外相手にしないからよ」
そこじゃねぇんだよ!
- Re: Lost School ( No.6 )
- 日時: 2015/12/30 23:06
- 名前: ロスト (ID: Joe8I4Fa)
さて、皆様こんばんは、ロストです。
とりあえず5個話を書いたので作者コメントをば。
大多数の方が5話〜10話読んでからその作品を読み続けるかを決めていらっしゃるようですね^^ まあ、私もそんな感じです(笑)
突然ですが、ここまでを読んで「なんだよシリアスな雰囲気ゼロじゃねぇか!」と思った方手を挙げて!!
大丈夫です。私も挙げます。
んー、とりあえずシリアス感を出すために一番最初のコメントに暗号を書いておいたんですが、気づきました? 是非、解読してみてくださいな。今後の展開を示唆する文章になりますので。
ちなみに、パソコンで見ている方にヒントです。お手元を確認しながら解読してみてください。
さて、話は変わりまして——というか、もう最後なんですけども。
『Lost School』、今後の展開にご期待ください。よろしくお願いいたします^^
……気づいてる方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ序章なんですよね。
- Re: Lost School ( No.7 )
- 日時: 2016/07/16 00:54
- 名前: ロスト (ID: wJ5a6rJS)
同日AM8:30 不知火中等教育学校4-4教室 point:楠炎真
教室に戻ってくると、さっきよりも人が増えていた。しかし、俺の隣の席の女子——紅崎凍子はまだ来ていないようだ。
12月5日、つまり今度の日曜日はうちの学校の文化祭がある。もちろん盛大に行われるのだが、来校するのは主に地域のご老人たちだ。田舎であることもその要因のひとつだが、それ以上に知名度の無さが響いている。
そもそも、国が造った学校なのだから国が何かしらの措置をとってくれてもいいだろうに、やはり試験的導入だからなのか様子見という姿勢をとっている。
まあ、その辺は大人の話で、俺たち生徒はそれなりに楽しんでいる。何せ、年に一度の無礼講だ。楽しまない手は無い。生徒会をはじめとする実行委員会もバリバリ働くし、クラス単位でも様々な出し物を考える。予算には限りがあるため、ド派手なことはできないがお化け屋敷だとか喫茶店とか、普通に思い浮かぶようなことは大体できる。だから楽しいのだ。
さて、なぜ俺がこんな話をしたのかというと、俺が実行委員会に所属しているからだ。普段はそこまで表に出ないほうなのだが、秀や翔太に推され、引き受けることになった。別に嫌な気はしていない。逆に楽しいくらいだ。
だが、1つだけ不満がある。それが、彼女の存在だ。
「楠、水無月先輩が呼んでるよ」
席に着こうとした時、翔太が半笑いしながら廊下を指差していた。
ため息を吐きながら廊下を見ると、一見すると中学生に見える身長の低い黒髪ツインテールの少女が立っていた。整った顔立ち、大きな瞳は見ているこっちが引き込まれそうだ。要するに、超絶美少女。これでもう少し身長が高ければ完璧なのだが、天は二物を与えず。ちなみに彼女は6年生である。
「今、失礼なことを考えてやがりましたね?」
廊下まで歩いていくと、彼女は俺を下から睨みつけて言った。
水無月沙織。さきほど俺がため息を吐いた理由は、この先輩に懐かれているからとかではない。
水無月先輩は別名『鬼の風紀委員長』。
そう、文化祭において実行委員会が『表の活躍者』ならば『裏の活躍者』とも称される風紀委員をまとめ上げる最強の存在、それこそが彼女——水無月沙織なのだ。
- Re: Lost School ( No.8 )
- 日時: 2016/01/03 22:45
- 名前: ロスト (ID: 39RfU1Y2)
同日AM8:31 同所 point:楠炎真
「つーわけでですね、今日の放課後空けといてくだせー。約束を破ったら……ウチの権限を全力行使しますんで、よろです」
それだけ言うと、水無月先輩はツインテールを揺らしながら自分の教室へと戻っていった。後姿だけ見れば、やはり幼さを感じさせる。
実のところ、俺は怒られると思っていた。いや、特に思い当たる節は無いのだが、水無月先輩の呼び出しはいつも説教だからな。まあ、実行委員なんだから仕方無いのかもしれないが。
「あ、まさか放課後空けとけって、説教のことか!? ……帰ろうかな」
そんなことしたって無駄だということは俺が一番分かっている。経験者は語る、だ。
「ああ、とんだ災難だよ……」
「どうしたの、炎真?」
ついでにロッカーから教科書を取ろうとしていると、後ろから女子を声が聞こえた。いや、俺のことを炎真と呼ぶ女子は1人しかいない。
「未来か……おはよう」
赤木未来。すでに名前は出していたと思うが、俺の幼馴染である。茶色と黒色が混じった髪をショートカットにしている。タレ目、逆三角形の顔、そしてその髪型。さらに俺よりも高い身長が加わることで、美少女と言うより美少年と言った方がいいくらいだ。実際、洋服を買いに行ったときに男用の服を薦められたという逸話を持っている。
だが、そんな未来は凄く気が弱い。特に男子に対しては。俺以外の男子と話しているところは見たことが無い。
「おはよう……その、どうしたの?」
「え?」
「えっと、なんか元気がなさそうだから……」
「そ、そうか? いや、大丈夫。ありがとうな、心配してくれて」
「うん……」
腑に落ちないような表情を見せながらも、未来は教室へと入っていった。
——赤木さんが告ってたりしてな。
不意に、森の言葉が浮かんだ。そういえば、今日は来るのが遅かった。未来は帰宅部だから遅くなる理由なほとんど無い。だとすれば、まさか、本当に!?
いやいやそんなことあるはずが無いだって未来が男子と喋ってるところなんて見たことないし大体あいつが誰に告白しようが俺には関係の無い話でだから俺はまったく気にしてないそうだよ俺には関係ないんだ!
内心いろいろなことを考えながら、俺は平静を装いつつ教室に入る。近くの席の女子と話している未来を横目で見ながら。
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