ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

Lost School【第二章準備中】
日時: 2016/07/24 15:11
名前: ロスト (ID: wJ5a6rJS)

初めまして、ロストと申します! 稚拙な文章ではありますが、温かく見守っていただければ幸いです^^



 とある公立高校のとあるクラス。彼らが紡いだ物語は語られることなくその姿を消す。
 ————これは、少年少女たちの青春と恐怖の物語である。



 
b;ft;ot@a9h/yr.k\esdkmkt@qlw@3.→これは彼らが直面する呪いと死の物語である。

tl7/efcbie.→狩矢冥はそこにいる


目次
不知火中等教育学校4年4組名簿&キャラ紹介
 >>52-53

作者コメント
 >>6 >>13 >>19 >>26 >>32 >>38 >>44 >>50 >>56 >>62 >>66

作中論文
 >>16 >>33-34 >>58

序章 A Peaceful Days
 >>1-5 >>7-12 >>14-18 >>20-23 >>25 >>27-31 >>33-37 >>39-43 >>45-49

Before the story begins 〜A conversation〜
 >>51

第一章 ある平和な日
 >>54-55 >>57-61 >>63-65

Re: Lost School【復帰】 ( No.29 )
日時: 2016/03/20 01:52
名前: ロスト (ID: WtPXn5LU)

 同日同時刻 同所 point:楠炎真

「楠君、大丈夫?」
 紅崎に声をかけられて、ようやく我に返る。
「どうしたんですかボーッとして。もしかして、まだ熱が治ってねーんですか?」
「熱って?」
 先輩は今日の出来事を話し始めた。紅崎は時々俺に視線を送りながら相槌を打っている。
「沙織……病人を無理矢理連れてきちゃ駄目じゃない。楠君も無理しなくていいのに」
 思わず反論しそうになったがグッと堪える。だって、先輩の横暴をばらすわけにはいかないもん。百倍返しされるからな!
「そ、そういえば独り暮らしで一軒家ってのも珍しいよな」
 俺はなんとか話題を逸らそうとした。
 だが、次の瞬間紅崎の雰囲気が一変したのだ。さっきまでの明るい雰囲気が一気に闇を帯びていく。赤色の瞳からは光が失われ、まるで人形のように冷たい色へと変わる。
 俺は質問を間違えたと直感した。
 気まずい空気が流れる。さっきとは違う。気まずいというよりも冷たいと形容すべきか。
 紅崎は静かに息を吐く。
 その動作に俺の心臓の鼓動が速まる。
 どうしてこんな時に限って先輩は助け舟を出してくれないんだ。ああ畜生、まだクッキーの虜になっていやがる!

「お姉ちゃんがいたの」

 紅崎は背筋を伸ばし、お手本のような座り方をして低い声で言った。
「……いた?」
「うん。今は消息不明。4年前から連絡が取れなくて……」
「えっと、その、すまん。俺そんなこと知らなくてさ」
 なんとか言い訳をするが、紅崎の冷たい瞳は変わらない。俺をじっと見つめ、俺はその視線から逃げることが出来ない。
「……ううん、貴方は知っているはず」
「え?」
「いや、なんでもないわ。とにかく、あんまりプライベートに踏み込みすぎるのは良くないよ?」
 ようやく、紅崎の瞳に光が戻る。
「ああ。ごめんな」
 俺は安堵し、視線を少し逸らす。
 紅崎は少し姿勢を崩して、辛うじて残っているクッキーに手を出す。それに対して先輩が不満そうな声を出していたが、彼女は気にせずに1枚取って食べた。俺? もちろん食べれなかったよ。

 その後また少し談笑があって、俺たちは解散した。と言っても先輩は俺が帰ってからも少しの間居座っていたようだが。

Re: Lost School【復帰】 ( No.30 )
日時: 2016/03/30 12:57
名前: ロスト (ID: 90mHMWes)

 12月5日AM8:14 不知火中等教育学校体育館 point:楠炎真

 待ちに待った文化祭! みんなで力を合わせて頑張るぞっ☆
「こら楠君、現実逃避しない!」
 グッと親指を立てた右手を突き出す俺に、瀬戸薫子せとかおるこは怒鳴る。
 彼女はうちのクラスの学級委員長兼文化祭実行委員。ああもう、漢字が多い! とにかく真面目人間でセミロングの黒髪を忙しそうに揺らしている。
「大体、当日にこんな仕事があるなんて聞いてないぞ!?」
 今俺がやってるのは体育館のステージ設営だ。
 文化祭では軽音部がライブをしたり、空手部が演舞を披露したりする。そのためのステージを作っているのだが、これがまた重労働。
 他の実行委員は誘導やクラスへの説明などで大忙しだ。
「聞いてなかったの? 水無月先輩が説明してたわよ!? あ、あの時は楠君いなかったっけ」
「あんの鬼畜風紀委員長め!!」
 この前のプリントといい、あの人は俺に対していい加減すぎる。いっそのこと、紅崎宅での姿をばらしてやろうか!
「あ……その、楠君、後ろ」
「ああ!?」
 イライラし始めた俺は瀬戸の怯える姿になんの疑問も持たず、怒りの篭った声を出しながら瀬戸が指差した方向を見る。
 具体的には俺の背後。

「誰が鬼畜風紀委員長ですか。返答次第では懲罰房ですよ」

 もう一度言うが、この時の俺は非情にイライラしていた。故に、背後にいたのが誰かも確認せずに俺は返事をしてしまった。
「そのまんまだよ! 水無月先輩め……次会ったら精神的にケチョンケチョンにして——ってあるぇぇぇぇ!?」
 なんと背後にいたのは中学生のツインテール少女——ではなく、鬼畜風紀委員長だった。その顔には不気味な笑顔が浮かんでいる。
「ほう、精神的にケチョンケチョンですか。どんな攻撃をしてくるのか楽しみですね。後戻りなんて出来ねーですよ? さ、どうぞ」
 血の気が引いてくのが分かる。冷や汗が垂れていくのも分かる。なのに俺は現状が分からなかった。
 つまり、混乱していたのだ。だからこんなことを言ってしまったのだ。

「それはもちろん、この前紅崎の家で先輩がくつろいでいた姿をがぶっ!!」

 その拳は重かった。
 ふんっ! という声と共に振り下ろされた先輩の拳は俺の脳天に直撃し、妙な声をあげた俺はその場に倒れ、深い眠りについたのであった。

Re: Lost School【復帰】 ( No.31 )
日時: 2016/05/03 01:16
名前: ロスト (ID: obDW75wI)

 同日同時刻 同所 point:楠炎真

「いやね、さすがにやり過ぎだと思うんだわ。まだズキズキするし」
 なんとかステージを作り終えた俺たちは最終確認のため、ステージの上に登って強度を確かめていた。
「まあ、さっきのは楠君にも非があるというか……」
「瀬戸!? お前まで敵に回るのかよ!」
 正直泣きそうだった。
 瀬戸は髪を指先で弄りながら、
「先輩だって女の子なんだからさ、もっと優しくしないと」
 うーん、どう言い返そうか。非常に迷うところではあるが、とりあえずこう答えておくか。

「瀬戸、頼むからこれ以上俺を追い込まないでくれ……」

 瀬戸は首を傾げたが、クスクスと笑いながら、

「本当に先輩と仲が良いんだね」

 秀だったらぶん殴ってた。

Re: Lost School【復帰】 ( No.32 )
日時: 2016/05/04 23:02
名前: ロスト (ID: obDW75wI)

 さて、5話書き終わるまでに約2ヶ月かかっちゃうロストです。

 この2ヶ月間なにがあったかというと、まず3月末から4月初めにかけて熊本にお引越し。ここからは言わなくても分かりますね。
 まあ、執筆している時点で分かるかと思いますが私は無事ですし、生活には困っておりません。


 さあ、現状報告はここまでにして、ようやく文化祭に突入した序章。大丈夫です、そこまで長くはしません。というか私も早く本編に移りたいので元来のストーリーからかなり凝縮しております。
 元々序章はキャラ紹介のためのものですので。

 んで、今後の予定を。
 次の更新から2話連続で論文調の文章を出します。とはいえ、前のほど長くはありません。
 

 さてさて、今回の5話、結構な情報量だと思います。特に紅崎宅での会話ではこの作品における重要なワードがいくつか出てきています。頭の片隅にでもおいていただけると今後の展開が少し理解しやすくなるかと。


 空欄の多い作者コメント。それではまた5話後にお会いいたしましょう。

Re: Lost School【復帰】 ( No.33 )
日時: 2016/07/12 21:25
名前: ロスト (ID: wJ5a6rJS)

 ?月?日時刻不明 ??? point:???

 生物の死とは不思議なものである。
 生物の死とは自己認識出来ないものである。言い換えれば、他の生物によってしか死という現象は認識されないということだ。
 事実、自分が死んだかなど確認のしようがない。幽霊になれば分かる? いや、そもそも幽霊に思考があるかどうかなんて分からない。であればやはり死は自分では確認できないものなのだ。

 さて、ここで『異世界の死』と『生物の死』を比較してみよう。
 『異世界の死』は、言うまでもなく消滅と同義である。前にも書いたが、異世界は人間によって『既知』となった時に消滅する。
 つまり、他の生物によって『異世界の死』は訪れる。『生物の死』と同じだ。
 だが、それではつまらない。何か異なる点はないだろうか。
 どうやら存在するようだ。論じてみよう。
 簡潔に述べれば『異世界の命は複数個ある』だ。分かるぞ、ポカンとしている君の顔が。
 異世界についてこう述べたはずだ。異世界とは個人によって数も場所も異なる、と。
 Cという異世界が存在するとしよう。これを君が『既知』にしたら、Cは消滅する……君の中では。
 しかし、私にとってCはまだ『未知』である。つまり、Cはまだ消滅していない……私の中では。
 さあ、今ここでどのような状態が起こっているだろうか? 少し考える時間をあげよう。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。