ダーク・ファンタジー小説
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- Lost School【第二章準備中】
- 日時: 2016/07/24 15:11
- 名前: ロスト (ID: wJ5a6rJS)
初めまして、ロストと申します! 稚拙な文章ではありますが、温かく見守っていただければ幸いです^^
とある公立高校のとあるクラス。彼らが紡いだ物語は語られることなくその姿を消す。
————これは、少年少女たちの青春と恐怖の物語である。
b;ft;ot@a9h/yr.k\esdkmkt@qlw@3.→これは彼らが直面する呪いと死の物語である。
tl7/efcbie.→狩矢冥はそこにいる
目次
不知火中等教育学校4年4組名簿&キャラ紹介
>>52-53
作者コメント
>>6 >>13 >>19 >>26 >>32 >>38 >>44 >>50 >>56 >>62 >>66
作中論文
>>16 >>33-34 >>58
序章 A Peaceful Days
>>1-5 >>7-12 >>14-18 >>20-23 >>25 >>27-31 >>33-37 >>39-43 >>45-49
Before the story begins 〜A conversation〜
>>51
第一章 ある平和な日
>>54-55 >>57-61 >>63-65
- Re: Lost School ( No.24 )
- 日時: 2016/02/28 22:53
- 名前: ロスト (ID: xNEWqzJN)
申し訳ありません。
ただいま体調を崩しておりまして…再開までもう少し時間をいただくことになると思います。
なんとか3月中には復帰致しますので、もうしばらくお待ちください(・・;)
- Re: Lost School ( No.25 )
- 日時: 2016/03/16 20:44
- 名前: ロスト (ID: WtPXn5LU)
同日同時刻 同所 point:楠炎真
先輩が玄関のチャイムを鳴らすと、中から返事が返ってきた。どうやら紅崎は在宅中のようだ。繰り返し言うが、紅崎の印象は『異様』。だから、こんな普通の光景にさえ驚いてしまうのだ。
「もしかして、あんたさん緊張してるんですか? 表情が固まってますよ」
「き、緊張なんてしてませんよ。ただ……」
「ただ?」
先輩は訝しげな表情でこちらを見つめてくる。
「……いえ、なんでもないです」
「変な人ですね。ま、いいですけど」
深く追求してこない性格は本当に助かる。俺に興味がないだけというなら少し落ち込むが、それでも先輩のこういうところは助かるのだ。
なにせ、紅崎の『異様』さとこの『普通』の状況とのギャップに驚いているだなんて、言えるわけがないのだから。
少し経って、ドアの向こうからパタパタという音が聞こえ、鍵が開いた。
「沙織、ごめんね。さっきまで寝てたから髪型が……えっ!?」
ドアを開けながら出てきた紅崎は俺を見るなり、思考が停止したように固まった。
長い黒髪を後ろで1つにまとめ、そのまとめた束を肩にかけて前に垂らしている。前髪も長く、左側はかき上げているが右側は右目を隠すように垂らしている。凛とした顔立ちをしており、間違いなく可愛いの部類に入るだろう。身長も俺より拳1つ分低いくらいで、彼女に出来たらどれほど自慢出来るだろうか。
さて、ここまでは彼女の『普通』の部分だ。ここからが俺が『異様』だと言う所以である。
まずは、隠していない左目。日本人ではまず見かけない赤色。カラコンなんかではない。透き通るような赤色をしているのだ。それから、彼女の纏っているオーラ。不思議な威圧感を覚えるそのオーラは俺でも分かるくらいだ。彼女自身、他人を拒絶しているわけではないのだろうが、それでもクラスメート以上の関係にはなれないだろう。
ひょっこり顔だけをだしている彼女だが、それが丁度外の闇と家の中の光の境界にいるため、余計に不気味さが増す。
さて、さっきから固まっていらっしゃる紅崎さんだが、未だに動く気配はない。どうやらまだ現状を理解出来ていないようだ。
先輩はというと、クックックッと必死に笑いを堪えている。もしかして、俺が来ることを伝えてなかったのか?
すると、突然もの凄い勢いでドアが閉められ、家の中から激しい物音が聞こえてきた。
遂に我慢できなくなったのか、ケラケラと笑い出す小悪魔を横目に、俺は呆然と立ち尽くしていた。
- Re: Lost School【復帰】 ( No.26 )
- 日時: 2016/03/15 01:48
- 名前: ロスト (ID: WtPXn5LU)
さてさて、約一ヶ月ぶりの更新です。ご心配をおかけいたしまして、申し訳ありません。完全復帰したロストです。
いやはや、この一ヶ月間は結構大変でしたね(笑) 最初は忙しいだけでしたが、中盤から頭痛に吐き気とが続き、食欲が起きない状況でした。ただ、忙しさから病院には行かず、気合で治しましたよ。
では、メタな話はこれくらいにして。
今回は遂に最重要キャラの内の1人、紅崎凍子が登場しました。彼女は本編の終盤まで絡んできますので、序章では伏線たっぷりです。表現したかったのは彼女の『普通』と『異様』のギャップですね。まあ、難しい表現ですよ。
そもそも、高校生の男子が(委員長同伴とは言え)独り暮らしをしているクラスメートの女子の家に行くのはどうなんでしょうね?
私にとっては楠そこ代われ状態なんですけども。今時の中高生では普通なんですかね。うーむ、なんだか怖い。
では、こんな時間ですし今回はここまでで。
少しずつ動き出す物語。ある方からのアドバイスで序章の構成を練り直しました。ここからは予定よりハイスピードです。どうか、お付き合いくださいませ。
改めまして、今回はご心配をおかけして申し訳ありませんでした。今後も応援していただけると幸いです。
では、また5話後にお会いいたしましょう。
- Re: Lost School【復帰】 ( No.27 )
- 日時: 2016/03/15 23:17
- 名前: ロスト (ID: WtPXn5LU)
同日PM5:41 紅崎家リビング point:楠炎真
きっちりと片付けられた綺麗なリビングで、テーブルを囲み紅崎と先輩、そして俺の3人は椅子に座っていた。
「…………」
「…………」
「もぐもぐ、これおいしーですね」
自分でもぐもぐとか言う人初めて見たよ。というか、どうして先輩は平気なんだ。この重い空気、嫌だよ帰りたいよ。
ちなみに、先輩が食べているのは紅崎が震える手で出したクッキーである。
「なんですか2人とも。葬式みたいな雰囲気出してんじゃねーですよ」
「いや、多分全面的に先輩のせいだと思うんですけど」
紅崎は俺と目を合わせようとしない。急いで着替えたのか、青のストライプのセーターにジーパンというなんとも言えないファッションである。
「ウチのせいにしてんじゃねーですよ。懲罰房です」
「うわっ、横暴だ! 職権乱用だ!」
「あーあー、男がグチグチ言ってんじゃねーですよ。懲罰房アンド永久奉仕です」
なんだこの風紀委員長は。もはやあんたの方が犯罪者だよ。
「誰が犯罪者ですか」
「人の心を読むなっ!」
ふと紅崎の方を見ると、俯いたまま小刻みに震えていた。やばい、さすがに怒ってるのか?
「ふっ……あはははっ!」
「紅崎……?」
紅崎は目に涙を浮かべながら笑っていた。隠されていて分からないが、恐らく右目にも涙が浮かんでいるだろう。
「2人って、案外仲が良かったんだね。でも沙織、突然楠君を連れてくるだなんて酷いよ」
「もぐもぐ、それは申し訳なかったですもぐもぐ」
「沙織、それ気に入ったの?」
「むふー、病み付きになりそーです」
あれ、俺の隣にいる人は本当に水無月沙織先輩なのか? 普段の彼女からは想像も出来ないくらいくつろいでる。この2人、本当にどういう関係なんだろうか。
この時、ようやく時間が動き出したような不思議な感覚が俺を包み込んだ。
- Re: Lost School【復帰】 ( No.28 )
- 日時: 2016/03/20 01:21
- 名前: ロスト (ID: WtPXn5LU)
同日PM6:00 同所 point:楠炎真
談笑は続く。
だが、俺は違和感を感じていた。
その正体は多分、薄れている小学校時代の記憶だ。前にも言ったと思うが、俺は小学校の時のことを断片的にしか覚えていない。
覚えているのは、俺が児童会の会長だったこと。紅崎が副会長だったこと。あとは、未来とよく遊んでいたこと。いや、これに関しても曖昧ではあるのだが。
もちろん、小学校低学年の記憶ならはっきり覚えている人なんか殆どいないだろう。だが、俺の場合は高学年の記憶すら怪しい。
まあ、だからと言って今の生活に支障があるわけではないのだが。
それにしても、紅崎と先輩の接点には納得がいかない。そう、これが違和感の正体の1つだろう。
辛うじてある記憶上では、紅崎は殆ど喋らない女の子で況してや上級生と喋ってる所なんか想像も出来ない。なのに何故こんなにも親しいのだ。
そもそも先輩自体もそこまで社交的ではない。その名前こそ知れ渡っているが、友達といる所は見たことが無い。まあ、わざわざ6年生の教室に行くことなんて無いから本当のところはよく分からないのだが、それでも下級生とこんなにも親しいなんて絶対に想像できない。
この2人の接点とは何なのだろうか。
直接聞いてみるか……?
いや、ちょっと待て。
もしかしたらこの疑問を解決できるかもしれない。
俺の記憶には1つの矛盾があるんだ。
それは、もちろん紅崎のことだ。
児童会の会長と副会長は選挙で決められる。厳密に言うと、会長選における1位が会長、2位が副会長になる。俺も会長選を闘ったのだからはっきり覚えている。
だとしたら、おかしくないか?
紅崎のイメージは殆ど喋らない暗い女子。なのに、選挙で2位だった。となるとやはり矛盾している。
さて、ここでこう考えてみよう。
——紅崎に関する記憶が間違っている。
これがどういう意味を表すのかは分からないが、そう考えてみると合点がいく。
紅崎は今みたいに明るい子で、上級生とも繋がりがあった。とすれば先輩との接点も浮かび上がる。
だが、正直これが正しいとも思えない。
事実今の紅崎にはどこか近寄り難いオーラがある。だから、クラスでも半ば孤立状態だ。話せば普通の女の子なのだが、話しかけるまでに勇気がいる。
こんな状況が小学校時代にも無かったとは言い切れない。
何が正しいのだろうか。俺の記憶が間違っているとしたら、どうして?
……まただ。
小学校時代の記憶を思い出そうとする度にこんな声が聞こえてくる気がする。
——オモイダスナ
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