二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼 沖田総司
- 日時: 2011/01/30 17:20
- 名前: さくら (ID: w/qk2kZO)
初めて書きます。
下手ですがどうぞ読んでやってください。
こういう方はお断り。
荒らし目当て
沖田好きな方はぜひどうぞ。
基本的沖田ですが、時々他のメンバーも出てくるかも…?
温かい目で読んでやってください。
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- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.95 )
- 日時: 2012/08/13 20:15
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
千鶴ちゃん大丈夫か!!?
沖田さん暴走止まったけど…
健気な千鶴大好き!!
さくら、これからもガンバ。
私の方ものぞきにきてね、今色々募集してんの♪
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.96 )
- 日時: 2012/09/01 18:00
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
桜舞姫さん
更新頑張るよ〜
なんか書いてて思ったけど
暗いねぇーもっと明るくいきたいなぁ
ゲームは章を増すごとにシリアスになっていくから仕方ないけど…
ゲームで言えばまだ四章あたりだからもっと頑張るー
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.97 )
- 日時: 2012/09/01 18:55
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
奉行所に着くと宵闇の帳は少し薄らいでいた。
玄関に入ろうとしたところで、待ち構えていた土方に出迎えられる。
「どこほっつき歩いてやがった」
総司の体は返り血を大量に浴びて、服や顔が血まみれだった。集中力や緊張感を持っていれば返り血などまず大量に浴びることはない。相手が大勢か、または乱心していなければこうまで血を浴びることはないと、いくつもの修羅場を潜り抜けてきた土方にはすぐにわかった。
「どこだっていいじゃないですか。規則を破ったのは僕です。僕に処罰をするなら今のうちですよ?」
総司はその腕に抱く千鶴を庇うつもりか、彼女が飛び出してきたのは自分の責任であると言っている。
「何の処罰を受ければいいですか?私闘の禁?士道不覚悟?」
「総司」
自棄になっている総司を隣に立つ左之助が制した。
土方は閉じていた目をゆっくりと上げる。
「お咎めはなしだ。とっととその体をどうにかしろ。気絶してるそいつも処罰はなしだ」
そう言い残して土方は踵を返して奉行所に戻ってしまった。
「ああ見えてかなり心配してたみたいだぜ。近藤さんも峠は越えたし、お前もそういきり立つなよ」
「近藤さんが…良かった」
左之助の言葉に安堵したのか、総司派少しだけ表情を柔らかくした。
「それよりも千鶴だ。早く横にしてやる方がいいのではないのか?」
「おぉ、そうだな。おい、総司。こいつは俺が部屋まで連れて行くから、お前は井戸に言って体拭いてこい」
少し名残惜しそうに総司は千鶴を見つめた後、渋々左之助に引き渡した。
そのまま言われたとおり井戸の方へと向かう。
幸いにも夜の警護が終わった後らしい。他の隊士達と遭遇して騒がれることはなかった。
井戸に着くと大きな樽に水を満たし、そこに羽織を浸ける。
桶の水を頭からかぶり、それでも流し落とせない血は手ぬぐいで拭き取る。
真冬の行水は身も凍る冷たさだったが、今の総司には関係なかった。
安堵と後悔が胸に渦巻き、苦悶する。
近藤が助かり、ほっとする一面。戦場に千鶴を連れ出し、そして乱心していたとは言え彼女に刀を向けてしまった。
狂気で我を忘れていたにせよ、それは許されない行為だ。
しばらく呆然と立っていた総司は、後ろに立つ人影に気づけなかった。
「濡れ鼠だな」
「……」
土方は乾いた手ぬぐいを総司に投げる。
仕方なくそれで体を拭く。
「近藤さんのことは聞いたのか?」
「えぇ。近藤さんが助かったので、僕は土方さんを許そうと思います」
総司の言葉に目を丸くした土方は、一瞬悲しそうに瞳を揺るがせたが、すぐにそれは掻き消えた。
「相手は誰だったんだ?」
「薩摩藩です」
「長州じゃなかったのか」
しばらく思案していた土方は、総司の視線に気がつき小首をかしげた。
「何だ」
「いいえ。別に」
この人が自分を心配していたなどと到底理解できない総司は、土方の問いに答えることもなくつっけんどんに答えた。
「千鶴はただ気絶していただけだ。今山崎が診てる」
「でしょうね。誰だってあんな血の量を見たら———」
「それも一因だろうが、そうじゃねぇ」
総司の言葉を遮ると、土方は腕を組んで言葉を続けた。
「近藤さんの狙撃を聞いて、取り乱してた奴が飲まず食わずで、心配して丸一日眠ってなかったからだよ」
「えっ…」
近藤のことを聞かされたのは昨日の早朝。それから部屋に引きこもってしまった総司を心配して、千鶴はずっと気を揉んでいたらしい。
「どれだけ心配と迷惑を周りにかけりゃ気が済むんだ。だいたいお前は———」
「土方さんも心配したんですか?」
「あ?」
総司は少しの間目を伏せた後、まっすぐに土方を見据えた。
「僕は土方さんが大嫌いです。近藤さんのことも次があったら許しません」
「…てめぇ」
「けど、今回は僕にも非がありました———失礼します」
総司はそう言い残すと、部屋に戻っていった。
土方はしばらくの間その場を動けなかった。
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.98 )
- 日時: 2012/09/15 17:30
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
総司はその足でまっすぐに千鶴の部屋に向かった。
案の定診察を終えた山崎がちょうど部屋から出てきて鉢合わせとなる。
「あぁ沖田さん、帰ったんですか」
「まぁね。千鶴ちゃんは…」
山崎は昨日からずっと近藤の看病につきっきりだったため、恐らく一睡もしていないのだろう。目の下に黒いクマができあがっていた。疲れきった表情で山崎は総司の問いに答える。
「十分に睡眠をとればすぐに良くなりますよ。全く彼女は少し自己管理が足りないようですね。それは沖田さんにも言えることですが…」
「へぇ?何で?」
「そんな体で、しかも真冬に歩き回らないで下さい。ずぶ濡れじゃないですか」
「頭はちゃんと拭いたよ?」
「服を着替えてきて下さい!全く、そんな体でいれば風邪をひくのは目に見えているでしょう!だから沖田さんは…」
山崎は単に自分の患者を増やしたくないのか、その性格からくるおせっかいか、総司を指差して忠告する。
総司は山崎と言い争うことも面倒になり、踵を返してひとまず自室に戻ることにした。
山崎の小言を背中で聞きながら、総司は部屋に戻り着物を脱ぐ。
全身に水を被ったおかげで体は冷え切っていた。かじかんだ手で洗い立ての着物に袖を通す。
着替えを済ませるとまた千鶴の部屋に戻った。そこには山崎の姿はなく、千鶴ただ一人だけが部屋に横になっていた。
千鶴を起こさないようにそっと障子を閉め、そっと枕もっとに腰を下ろす。
穏やかな寝顔に総司は胸を撫で下ろした。
どうやら本当に睡眠不足だったらしい。規則正しい寝息を聞いて総司は目を細めた。
黒く澄んだ瞳は今は閉ざされている。その目の下、小さいが切り傷があった。恐らく総司が刀の切っ先を向けたときにかすったのだろう。
今はもう血は止まり、千鶴の持つ超人的な治癒力で傷は塞がろうとしていた。
だが微かに漂う甘い香りに総司は眉根を寄せる。
「この香り…」
総司が暴走していた時に、千鶴は身を挺して止めてくれた。その時甘い芳香に我に返ったのだ。千鶴の言葉はもちろんだったが、その香りにも目が覚めたのだ。
「あの時の香りは…これだったんだ」
今にも口にしたくなるような甘い香り。今まで血の臭いを嗅いできたが、こんなにも欲を刺激される香りは初めてだった。
欲しい。飲みたい。
心のどこかで血を求めて叫んでいる自分がいる。
だが、それだけはしたくない。一番愛しい人に牙を立てて血を貪るなど出来ない。
何より、自分は総司は千鶴に刃を向けた。そんな者にそんな欲求を満たす権限などない。
自分は彼女を傷付けようとした。それは事実で。
だが、きっと彼女は目が覚めれば何事もなかったように笑ってくれるだろう。許してくれるだろう。
『私は沖田さんの鞘になりたいんです———』
彼女の言葉が思い出される。
思えば自分にはもったいない言葉だ。
新撰組の刀であることが信念であり、近藤さんのためだとも思っていた。そのために今まで走ってきた。刀を振り続けてきた。
けれど最近内に潜む鬼が牙を剥くようになった。その鬼が目を覚ませば、今回のように暴走してしまう。
その内に眠る鬼が総司は怖くなっていた。恐怖を感じたのは久しぶりで、不安になった。いつか本当に自我をなくしてしまうのではないのか。
そう思っていた矢先の、彼女の言葉。
正直嬉しい。彼女が枷となることで、狂うこともなくなるのではないか。
「…でも、そんなことあり得ないんだよ」
弱々しく総司は呟いた。
「僕は愚かだから。前もそう。僕は臆病で、大切な人を得るのが怖い」
手にしてしまえばそれを失う恐怖が伴う。
「大丈夫だって、傍にいるって君は言ってくれたよね。だから僕は君に想いを伝えられた。だけど———」
愚かな自分はこうして狂ってしまう。内に居座る鬼を抑えられない。
「こんな僕じゃ、君の傍にはいられない」
そんな資格などない。
「君はそれでも笑って大丈夫だって言ってくれるんだろうね」
けれどそれでは駄目だ。彼女に甘えていればいずれ傷付けてしまう。
「今回はまだ大丈夫だったけど…僕は自信がない」
鬼が目を覚ませば、鞘など容易く斬ってしまうだろう。
「…ごめんね。千鶴ちゃん。僕は君が好きだよ。でも———」
自分といるとこの子を傷付けてしまう。今はそれが怖い———。
手に入れれば失う恐怖に怯え、傍に居れば傷付ける恐怖に怯え。
大切だから。誰よりも。愛しくて堪らない。
「でも、僕は刀でいたい。ここに居る以上、僕の役目はこれしかないんだ」
新撰組になるもっと前。壬生狼と呼ばれていた頃から決めたこと。
「新撰組のために…って僕も本当に馬鹿だよね」
この信念は譲れない。
「ごめんね…千鶴ちゃん」
傍にいて傷付けてしまうなら、離れよう。それが、彼女のためであり、自分のためである。
「ごめんね…ごめんね…ごめん」
総司は目の前で眠る千鶴の手をとって、両手で優しく包んだ。
何度も、何度も。慟哭のように謝り、総司はそれでも自分が許せなかった。
その時だけ。総司の大きな背中は小さく見えた。
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.99 )
- 日時: 2012/09/22 22:40
- 名前: 神威咲夜 (ID: kAWEuRKf)
初めまして、咲夜です。長い小説ですね、まだ全部読んでませんが、とても面白いです。これからも頑張ってください!
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