二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 僕が、もしも——。【REBORN】 〜完結〜
- 日時: 2010/08/18 17:19
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
人間不信と言います、宜しくお願いします。
主人公・壊崎終夜(かいざき しゅうや)
ツナと瓜二つの少女で、男装をしている。
:お知らせ:
樹さん、コメ有難うございます!
100クリック有難うございます!まことに感謝します!
お陰で《完結》することが出来ました!
小説を見てくださった方々に、感謝を込めて。
終:「有難うございます!」
ツ:「有難うございます!」
・目次
—序章— 霧 >>1
—Flame,01— 転校生 >>2 >>3
—Flame,02— 劫火 >>4 >>5
—Flame,03— 傷痕 >>6 >>7
—Flame,04— 絆と、 >>9 >>10
〜未来編〜
—Flame,05— 未来の世界 >>11 >>12
—Flame,06— 十年後の彼と彼女 >>13 >>14 >>15
—Flame,07— 霧と夜と空 >>16 >>17 >>18
—Flame,08— マーレリングとボンゴレリング >>19 >>20 >>21
〜未来チョイス編〜
—Flame,09— それぞれの思い >>22 >>23
—Flame,10— チョイス開始 >>24 >>25
—Flame,11— 大空と夜空 >>26 >>27 >>28
〜Ⅰ世ファミリー編〜
—Flame,12— 初代大空 >>29 >>30
—Flame,13— 記憶 >>31 >>32
〜未来決戦編〜
—Flame,14— 決戦 >>33 >>34 >>35
—Flame,15— 二つの炎 >>36 >>37
—Flame,16— 大空と夜空と———。 >>38 >>39
—Flame,17— 涙 >>40 >>41
—未来編・エピローグ— >>42
〜最終編〜
—Flame,18— 傷ついた心 >>43 >>44
—Flame,19— 君への贈り物 >>45
—EPiLOGUE— >>46
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.14 )
- 日時: 2010/08/16 18:56
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「・・・ッ」
「終夜君、諦めなよ」
「誰が諦めるか」
肩から血を流している彼女は、僕に怒りの目を向けてきた。
僕は彼女に一歩ずつ近づきながら、追い詰める。
「ハハッ・・・だけど、その傷じゃまず僕には勝てないよ」
「勝てなくてもッ・・・お前の情報を漏らす事くらいは出来るッ・・・」
終夜君の目には、強い意志と、硬い意思が宿っていた。
覚悟をした瞳で——僕を見る。
(可愛くて仕方が無いじゃない)
僕は、彼女に手を差し出した。
「終夜君。キミは本当はつらいんでしょう?」
「何、が」
「綱吉君に「 要らない 」って言われて」
「!」
終夜君の目に、明らかな動揺が浮かんでいた。
僕は口の端を吊り上げた。
「ねぇ、僕と一緒に来ない?」
そんな風に、終夜君の耳元でささやいた。
悪魔の様な、声を。
「僕と一緒に、ボンゴレと戦わない?」
「・・・———俺は、綱吉が・・・」
「その綱吉君は、君の事を必要としてないんだろう?だったら居ても意味が無いじゃないか」
「!」
「キミは——ボンゴレには不必要なんだ」
そういうと、終夜君の目からは光は失われた。
長い髪が、きらきらと光る。
「さぁ、いこう」
僕は、彼の手を握った。
彼は、光の無い瞳で、僕を見ていた。
(コレで、キミは僕の物だった)
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.15 )
- 日時: 2010/08/16 19:21
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「・・・」
「十代目・・・」
十代目の部屋に入ると、十代目は写真を見ていた。
監視カメラか、盗撮用のカメラに映っていた写真らしい。
苦しげに見ていたのは、壊崎の写真だったのは、見ずとも判った。
「大丈夫ですか、十代目。顔色が良くないですよ」
「あぁ・・・大丈夫だよ、獄寺君」
そういってるけども十代目の表情は——良くなかった。
「・・・」
『沢田綱吉は何時発狂しても可笑しくない精神状態だろうね』
『・・・』
『彼にとって大空は彼女だったのだから、ね』
雲雀はそんな風に話していた。
この前、十代目を精神科に連れて行った時の結果を教えに来たのだろう。
その結果が——何時、狂っても可笑しくない状態。
『壊崎・・・』
『多分、彼女は白蘭に操られているんだろうね。だけど、彼女は白蘭のおかげで「 覚醒 」しているも同然なんだから、白蘭を倒せば彼女も———』
俺は、胸を押さえつけた。
◆
僕はそんな前の頃を思い出しながら、フフッと笑う。
「・・・白蘭」
「何?」
「髪をいじるの、止めてほしいんだけど」
僕は何時の間にか彼女の髪を解いていたらしい。
長い髪が降ろされていた。
(十年後の・・・姿そっくり、だね)
凛々しい表情は、変わらない。
違っているのは———瞳に意思を宿らせている事だけ。
「・・・」
◆
突然白蘭の手が止まった。
俺は振り向いて、白蘭の顔をうかがう。
白蘭の表情は、曇っていた。
「・・・白蘭、此処はマシュマロだけなのか?」
「あ、あぁ、他に何が食べたい?」
「甘い物」
「じゃあ、パフェ、食べる?」
「あぁ」
白蘭は、上手く笑えずに俺を見ていた。
(俺の知らない事を思い出しているような気がした)
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.16 )
- 日時: 2010/08/16 19:43
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
初めて、美しいって、思えたのに。
—Flame,07— 霧と夜と空
『白蘭様、宜しいでしょうか』
モニター越しにレオナルド・リッピの声がした。
終夜君は、不思議そうに首をかしげている。
「うん、いいよ。入ってきて」
入ってきたレオ君の表情が一瞬にして驚いた表情に変わる。
その視線は、僕の隣にいる終夜君に向けられていた。
「レオ君。どうしたの?」
僕は可笑しそうに笑う。
「・・・いえ。その方は・・・」
「あぁ、「 初めて 」会うよね?壊崎終夜君だよ」
「・・・」
レオ君は少し戸惑いながらも、僕に顔を向けた。
「入江正一様から伝言です。・・・今言っていいでしょうか?」
「うん、かまわないよ」
「・・・十年前のボンゴレ十代目が現れたと・・・」
——ガシャンッ
隣に居た終夜君が、持っていたグラスを落とした。
(凄く不安そうな顔してるね・・・だけど、君を行かせるわけには行かない)
「ダメだよ、終夜君」
「・・・何で」
「だって危ないからだよ。君が居なくなったら僕はどうすればいいの?」
「・・・判った」
終夜君はスッと、僕の隣に大人しく座った。
すると終夜君が急にレオ君をうかがい始めた。
「どうしたの?」
「・・・何でも無い」
そういって、ソッポを向いた。
◆
白蘭の部屋に入ったとたん、一番先に目に入ったのは十年前の彼女の姿だった。
長い髪はピン止めやゴムで纏められ、ロングに提げられていた。
多分、白蘭が降ろさせたのだろう。
十年後の彼女と———重ねた事がわかった。
すると彼女は急に僕の事を伺い始めた。
(・・・「 超直感 」ですか)
僕は誰にも見えないようにクスッと笑った。
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.17 )
- 日時: 2010/08/16 20:19
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
甘いパフェが口一杯に広がっていった。
俺はチラリと白蘭を伺う。
俺の食べている姿を見ながら、ニコニコニコニコ笑う白蘭に、俺は視線を逸らした。
「どうしたの?」
「・・・見られてたら誰だって食べづらい」
「あぁ、ゴメンね」
そういって視線を違う場所に逸らしていた。
俺はパフェを再び口に運んでいた。
「あぁ、そうだ。終夜君。少し基地の中を探索してきなよ」
「・・・何で?」
「そうしたほうがいいでしょ?君、ホワイトスペルでもブラックスペルでもないんだから」
「・・・」
ブラックスペルとホワイトスペルの事は白蘭から説明を受けていた。
俺は———そのどちらでもないらしい。
ミルフィオーレとい連合している組織に所属しているから、だそうだ。
俺はソファーから立ち上がって、白蘭の部屋を後にする。
◆
「やっと二人きりになれたね骸君♪」
「えぇ・・・」
レオ君の姿が薄れて、現れたのは六道骸だった。
「じゃあ、僕を楽しませてよね・・・」
僕は、クスッと笑った。
◆
「ブラックスペル、か」
ブラックスペル——ジェッソが作っている組織に来てみた。
部屋の中からはビンが転がり落ちていた。
そして、お酒の匂い。
俺は顔をしかめた。
中に入ると奥に、一人の男の人が座っていた。
体に包帯を巻いている。
「何だテメェは」
「俺は壊崎終夜。しばらく世話になってるんだ」
「壊崎・・・?にしては幼い・・・まるで、十年前の沢田綱吉と同じ・・・」
俺はそこで止まる。
(沢田と同じ、か)
俺は指に嵌ったリングを見ながら表情をゆがめた。
◆
「ゲホッ」
「クローム!」
血を吐いたクロームは苦しそうに動いた。
後ろから雲雀さんが来て——。
俺は、頭の中が真っ白になっていった。
「・・・終夜君、一体何処にいるの・・・?」
一番の不安は、それだけだった。
十年後の終夜君はミルフィオーレに囚われているって言うし・・・。
それに、もしも俺達の様にこの時代に来たのだとしたら。
戻れなかったとしたら。
そう思うと、不安が一層に増していった。
俺は、祈るようにギュッと手を握った。
(それぞれの思い)
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.18 )
- 日時: 2010/08/16 21:18
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
白蘭の部屋に戻れば、部屋がボロボロだった。
俺は無言でソファーに座る。
「やぁお帰り終夜君」
「・・・この有様は何だ」
「うーん、ちょっと戦闘しちゃってねぇ」
「骸、とか?」
俺がそういうと白蘭の表情から、作り笑顔が消えた。
「知ってたんだ?」
「まぁ、「 超直感 」は一応持ってるから」
俺はそういってボロボロの天井を見上げた。
白をメインにした隊服。
俺はその隊服を見ながら、フゥッと息を吐いた。
「ねぇ、終夜君」
「何・・・」
俺はそこで言葉を失う。
白蘭が直ぐ近くまで迫っていた。
俺は後ろに引いていく。
「ねぇ、十年後のキミは此処で——僕と、何をしていたと思う?」
「———判らない」
「嘘だよ。キミは「 嘘吐き 」なんだから」
俺は、壁にぶつかる。
白蘭が俺の横の壁に手を付いた。
「キミは此処で——沢田綱吉を殺害したんだ」
—ドクンッ
鼓動が、鳴った。
(苦しい)
「銃口を向けて、ね?」
「・・・ッ」
白蘭の手が、俺の顔を覆った。
怖くて、体が震えだす。
「ねぇ、キミは———」
指の隙間から見える白蘭の表情は———。
「僕と、綱吉君。どっちが大切?」
苦しげで、儚げだった。
◆
苦しかった。
これ以上十年前の終夜を前にすることは出来なかった。
(これ以上、僕を苦しませるな)
彼女は、十年後のように——。
目には、輝きが無かった。
心を失う術は、彼女の心を侵す。
彼女の闇をいっせいに。
その跡、僕は彼女に闇を吹き込む。
十年後の君が——犯してきたことすべてを話した。
終夜君は僕の声だけを聞く人形になっていく。
心のどこかで、躊躇いがあった気がする。
(そんな物、無いはずなのに)
「終夜君、行こうか」
僕がニッコリ言うと終夜君は、
「ハイ」
只、それだけを無表情に無感情に無感傷に言った。
(気が付けば、)(頬に涙が伝っていた)
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