二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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〜とある科学の超電磁砲〜超能力と無能力 『オリキャラ募集中』
日時: 2010/11/09 21:43
名前: エリック (ID: uDwIp9sO)

この小説はとある科学の超電磁砲の二次創作です。

注意事項

1:作者は文章が下手です。無駄なギャグや超展開、都合よすぎる展開などがありますがご了承下さい。
2:主人公はオリキャラで、視点はオリキャラの完全固定視点です。

内容は基本的にオリキャラと科学サイドの人物を中心に話を進め、ちょいちょいインデックスのキャラも織り交ぜて行こうと思っています。

後、余談ですが僕は以前ここで小説を書いていたことがあります。
色々合って前の小説はそのままですが、文章の書き方などで分かる方がいらっしゃるかもしれません。
そういう方は、なつかしんでいただければ幸いです。

それでは、始めます。

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第3話 ( No.9 )
日時: 2010/11/11 21:25
名前: エリック (ID: uDwIp9sO)

僕「ありがとうございます。」
美「いいっていいって。大したもの用意出来ないと思うけど、まぁ期待しないで待っててよ。」
僕「本当にすみません・・・こっちがお礼を言いたくなるくらいですよ。」

プルルルルル!(電話の音)

黒「おっと・・・すみません。少し失礼しますわ。もしもし初春?どうしました?」
僕「それじゃ、いつくらいに来ればいいですか?」
美「そうねぇ・・・桜坂くんさえ良ければ、明日の放課後でもオッケーよ。」
僕「それじゃ、お待たせするのも悪いですし明日の放課後に来ます。大したものじゃなくても全然大丈夫だし、ぶっちゃけ何も無くても問題ないので。」
美「出来るだけいいものを用意しておくわね。」
僕「はい。それでは、僕はコレで失礼しま・・・」
黒「何ですって!?」

僕がこの場をさろうと別れの言葉を言い切ろうとしたまさにそのとき、隣で電話をしていた白井さんがいきなり大声を発した。
意外と距離が近かったため僕の耳の鼓膜に大声がダイレクトで響いてきて、耳が「キーン」となってしまった・・・これ直るのに時間かかるんだよな〜。

美「ど、どうしたの黒子!?」
黒「すみませんお姉さま!事件が発生いたしましたので、失礼いたしますわ!」

そういうと、白井は光の速さで走り出し、どこかへと向かって行ったようだ。
・・・テレポートを使えばいいのに。むやにやたらに能力を乱用しちゃ駄目って事なのか?緊急事態なんだったら別にいいと思うけど・・・

美「あ!ちょっと黒子!・・・行っちゃった。えぇい!追いかけるわよ、桜坂くん!」
僕「えぇ!?何で僕まで!?」
美「つべこべ言わず一緒に来なさい!ほらっ!」
僕「ちょ、ちょっと!?あわわわわ!」

御坂さんはそう言うと、僕の右手首をガッチリと掴んでものすごい勢いで白井を追いかけ始めた。
っていうか、僕まで連れて行く必要性はあるのかよ!?あー・・・もう!こうなったら、とことん付き合ってやりますよ!御坂さん!

〜数分後〜

美「ハァ・・・ハァ・・・」
僕「ぜぇ・・・ぜぇ・・・し、白井はいましたか?」
美「い、いたわ。おーい!黒子ー!」
黒「お、お姉さま!?それに桜坂くんも・・・何故ここにいらしたのですか?」
僕「さぁ?僕は無理矢理連れてこられただけだから理由は知らないよ。御坂さんに聞いてくれ。」
美「いやぁ・・・黒子が何も言わずに飛び出していくもんだから・・・つい。」
黒「つい〜じゃありませんわよ!立てこもりですわ!強盗犯が人質を取って立てこもっているのですわ!」

立てこもり事件か・・・なるほど、どうりでアンチスキルやジャッジメントがたくさんいると思ったよ。
見たところ、犯人は2人組の様だな。4階建てのビルに片方がナイフを人質に突きつけて窓際でなんか叫んでおり、もう片方はせわしなく辺りをキョロキョロしている。

僕「で、どうするんだよ?あれじゃ下手に手出しは出来ないぞ?」
黒「分かっていますわ。今アンチスキルの方が説得を行っています。終わるまでまつしかありませんわ。」
美「そんな事しなくても、実力行使に出ればいいのに。」
僕「そんな事したら人質がどうなるか分かりませんよ。ここは人質の身柄確保を優先して、なるべく犯人を刺激しないほうが懸命です。」
黒「冷静な分析ごくろうさまですわ。とにかく、お姉さまも桜坂くんも一般人なのですから、危険な事が起こらないうちに早く帰って頂きたいですわ。」

なるほどね・・・一般人を巻き込まないのもジャッジメントの仕事ってか。まぁ、そりゃそうだよなぁ。
んじゃ、ここは忠告どおりさっさと撤収しますかね・・・ん?犯人がビルの外に出てきた?

美「降参したのかしら?」
黒「いえ、かえって不利な状況になってしまいましたわ。これでは死角から飛び掛ると言った行動が出来ませんの。」
僕「なるほどな・・・向こうには人質が居るし、こっちも下手に手は出せない。んで、調子付いて外に出てきたってわけか。」

まぁ普通だったら降参か自殺行為の2択だけど、あっちには人質も居るしな・・・下手に手は出せない。
それで調子付いて外に出てきた・・・と言う訳か。視界がいい分、背後から飛び掛る事もできないし・・・かなりこっちが不利だな。

僕「犯人を拘束する方法・・・1つだけなら、あるよ。」
美&黒「「え!?」」
僕「僕がパチンコで犯人のナイフを吹っ飛ばす。その瞬間に、アンチスキルは犯人の確保と人質の保護を行う・・・どう?」
黒「パ、パチンコ!?無茶にも程がありますわ!そんなもので犯人のナイフを打ち落とせる訳が・・・」
美「あるよ。私、見たもん。桜坂くんが、あの不良がポケットからスタンガンを出した瞬間にパチンコで打ち抜いたのを。」
黒「ほ、本当ですの?」
美「えぇ。アレは相当反射神経と集中力が無かったら出来ない芸当だわ。桜坂くんの腕は本物よ。ね?」
僕「ま、そこそこ自信はありますけど。なんせ「射撃の天才」なんて異名もらってるくらいですからね。」
黒「・・・分かりましたわ。一般人を巻き込みたくはありませんが・・・頼みますわよ、桜坂くん。」
僕「了解。それじゃ、白井はアンチスキルの隊長に連絡を頼むよ。僕はあの草むらで待機するから。」
黒「分かりましたわ。・・・もしもし?こちら白井黒子です。お伝えしたい事がございますの。」
美「頑張ってね、桜坂くん。」
僕「任せてください。絶対に人質は助けます。それじゃ、許可が降りたら合図をお願いします。」
美「分かったわ、頼むわよ!」

そう言うと僕は身をかがめて素早く近くの草むらへ移動し、パチンコを出して玉をセットしヒザを突いて構える。
後は合図が来たら打つだけ・・・これを外したら終わりだ。チャンスは一回きり・・・絶対に当てる!

美(いいわよ!)
僕(合図!よし、食らえぇ!)

バチーン!

犯人1「ぐわっ!」
犯人2「な、なんだなんだ!?」
「いまだ、確保ォー!」
「うぉぉぉぉぉぉ!」

〜数分後〜

「ご協力、感謝します!」
僕「いえいえ、大したことはしてませんから。」
「ありがとうございました!それでは、我々はこれで。」

そう言うと、アンチスキルの隊長らしき人は犯人達を乗せた護送車に乗って走り去っていった。

第3話 第2部 ( No.10 )
日時: 2010/11/11 21:25
名前: エリック (ID: uDwIp9sO)


僕「あ〜・・・ドキドキしたぁ。」
美「すごいよ桜坂くん!あの距離から一発でピンポイントでナイフだけを吹っ飛ばすなんて。」
黒「恐れ入りましたわ。あの射撃の腕は本物ですわ。是非、ジャッジメントにも欲しい人材ですわね。」
僕「まぁ、僕はレベル0なんでジャッジメントは無理ですけど・・・お役に立てたんなら光栄ですよ。」
黒「今日は不良たちの件といいこの人質事件の件といい・・・2回もあなたに助けられてしまいましたわね。」
僕「あはは・・・まぁ、役に立てて良かったよ。」
美「本当にありがとうね、桜坂くん。キミがいなかったら2つともどうなってたか分からなかったよ。」
僕「いえいえ、本当に大した事してないですから。そんなにお礼言わなくていいですよ。」

僕だって、一日でこんなに事件と関わるなんて始めてだもん。つーか普通は関わらないだろ。

美「・・・そうだ!電話番号とメルアド、交換してもいいかな?」
黒「お、お姉さま!そんな、なんと大胆な!」
美「別にいいじゃないの。ね、いいわよね桜坂くん。」
僕「え?あぁ、はい。まぁ・・・いいですけど。」
美「ホラ、黒子も携帯出して!」
黒「私もですの!?・・・分かりました。」

〜交換中〜

美「よし、交換完了!」
僕「ありがとうございます。それじゃ、今度こそ僕はこれで。」
黒「今日は本当にありがとうございましたの。」
美「本当にありがとうね。それじゃ、明日待ってるよ!」
僕「はい、こちらこそ楽しみにしてます。それでは、さようなら!」

さーてと・・・それじゃさっさとスーパー行って晩御飯の材料買って、家帰ってご飯作りますかね。

〜そしてスーパーにて〜

僕「お、卵が特売かぁ。こりゃ買いだな!」
?「もらったぁ!」
僕「おぉう!?」

大安売りの残り数わずかな卵を手に取り買い物かごへ入れたと同時に、僕の横を一本の手が通過した。
びっくりして後ろを振り返ると、そこには青っぽい髪の毛のツンツンヘアーの男が卵を掴んで満面の笑みを浮かべて立っていた。・・・制服からして高校生か。

僕「あ、危ないじゃないですか!」
?「いやぁ悪ぃ悪ぃ。残り少なかったもんだからよ、走った勢いそのままで・・・」
僕「まぁ残り数わずかでしたからね・・・急ぐのも無理ないですか。」
?「貧乏学生にとってスーパーの特売品を手に入れられるかどうかは死活問題だからな。」
僕「まったくその通りですよ。卵は貴重なタンパク質供給源ですしね。」
?「お、分かってるじゃんかお前!・・・お前も俺も、お互い苦労するよなぁ。」
僕「ですね・・・ま、頑張って下さいな。」
?「おう、サンキュ。お前も頑張れよ。それじゃあな!」
僕「はい、さようなら〜。」

何だったんだろう・・・あの人は。まぁ僕と同じで、自炊している学生さんなのは分かったけど。
っと、こんな事をしている場合じゃない。早く残りの材料を買って、レジ済ませて帰らないとな・・・

〜数十分後〜

と言う訳で、ようやく家へとたどり着くことが出来た。体はもう結構ヤバイ状態だ。かなり疲れている。
だって本来ならあんな2件も事件に関わる予定なんて無かったんだもん・・・まぁ今更何を言っても後の祭りだけどさ。
それにしても・・・相変わらずボッロいアパートだよなぁ。家を見ただけで他の学生との優劣の差が一目瞭然ってどうなのよ・・・
ちなみに僕の部屋は2階の右端だ。右端と言っても1フロアに3個しかないし2階建てだから、実質は右の部屋だけどね。

僕「ただいま〜。」

・・・まぁ誰も返事してくれる人なんていないって分かりきってるけど、とりあえずこれは言っておく。
さて、それじゃさっさと晩御飯の用意しよう。今日はうどんと卵かけごはんでいいや。ごはんは昨日炊いた残りがまだあったはずだよな・・・さっさと作ろう。

〜しばらくして〜

僕「よし、出来た!んじゃ、いただきます。」

やっぱり、うどんのダシはかつおぶしで取るに限るよな〜。このダシを飲んだときの鼻に来るかつおの臭いが最高なんだよな〜。
卵かけごはんも相変わらず美味しいし。お好みでネギとかの薬味を乗せたりすると結構美味しいよ。

僕「ごちそうさま・・・さて、早く風呂入るか。」

〜数十分後〜

僕「あ〜・・・いいお湯だった。」

さてと・・・後は寝る時間まで自由時間だから、ネットサーフィンでもやるかな。ゲームでもいいけど。
学園都市のテレビってあんまり僕が好きなジャンルの番組やってないんだよな〜・・・ま、どーでもいーけどね。

僕「まぁいいや。それより、早くパソコン起動させよう。」

〜数時間後〜

僕「・・・ん?もうこんな時間か。明日も早いし・・・今日はもう寝るとしようかね。」

そ言うとパソコンを電源を落とし、部屋の電気を消す。そしてベッドに潜り込んで天井を見上げる。
あぁ・・・今日は本当に疲れた。明日に疲れが残らなきゃいいけど・・・おやすみぃ〜。・・・Zzz。

第4話 ( No.11 )
日時: 2010/11/12 21:31
名前: エリック (ID: uDwIp9sO)

ジリリリリリリリ!(目覚まし時計の音)

僕「う〜ん・・・うるさい!」

セットしておいた時間にけたたましく鳴り響く目覚まし時計を、勢いよくシバいてストップさせる。
・・・が、少々勢いよくやりすぎた。手が痛い・・・まぁいい。さっさと制服に着替えて、身支度や朝の支度をしないとな。

〜数十分後〜

僕「戸締りよし、水もよし・・・よしオッケー!」

顔洗ったし、歯磨きしたし、朝ごはん食べたし、洗濯物干したし、その他もろもろも終わったし。
うんオッケー。これで何も心配することなく学校に行けるぞ。それじゃ、行きますかね。カバンを肩からかけて、歩き出す。
ちなみに僕のカバンは手に持つタイプじゃなくて肩から下げるタイプ。こっちのほうが両手空くからね。僕はこっちのタイプのほうが好きだ。

僕「そういえば・・・今日システムスキャンの日だったっけ。ま、どーせ結果は目に見えてるけどね。」

〜10分後〜

家から徒歩で丁度10分・・・ようやく僕が通っている「中津川中学校」へと到着した。
昨日も説明したとり「おちこぼれ中学校」とか言う異名を持っていて、おちこぼれ扱いされるくらいレベルの低い生徒しか通っていないと言う別の意味でスゴイ学校だ。
おちこぼれ中学なんていわれる事から校舎もボロボロかと思いきや、案外そうでもなく校舎は3年前に建て替えたばかりだからまだ新築同然でピカピカだ。
それにおちこぼれ中学なんていわれてる割には設備も充実してるしね・・・設備だけ見れば結構いい学校だけど、生徒のレベルが低いのがネックなんだとさ。

まぁそんな説明はこの辺にして、さっさと教室に上がる事にする。下駄箱で上履きに履き替え、廊下を進む。
1年生の教室は中央練の2階だ。ここは生徒数が100人ちょいしかいないから、2階に3学年の教室が並んでいると言った状況になっている。

ガラッ。

「おはよー桜坂くん。」
僕「おはよ。」
「よぅ、桜坂。」
僕「おはよー。」

声をかけてくるクラスメイトと適当に挨拶を交わし、自分の席である窓際の後ろから2番目の席へと向かう。
ここは日当たりもいいし先生の目もあまり届かないし、ボーっとするにはもってこいの席なんだよな。
席に座ってカバンから教科書を引っ張り出して机にしまい、先生が来るまでのんびりすっかな。

〜しばらくして〜

キーンコーンカーンコーン

先生「はーい。それじゃーホームルーム始めるぞ。」
僕(ふぁぁ〜・・・来たか。)
先生「今日は先週言った通り、システムスキャンの日だ。各自体操服に着替えて、教室に集合するように。」
全員「はーい。」

〜システムスキャン実行中・・・そして放課後〜

『桜坂聖也。結果「レベル0」。』
僕「ま・・・だろうな。所詮、僕なんてこんなもんだよ。」

放課後、僕はシステムスキャンの結果の紙を眺めながら帰路に着いていた。記された表記は「レベル0」。無能力者の証だ。
まぁこうなる事は分かりきっていたけどね・・・システムスキャン中もほとんどの科目、まともに出来なかったし。

僕「あーあ・・・まったく、やってられないっての。」

麦茶をグイっと飲みながらそんな独り言を言ってみるが、そんな事を言ったところで結果が変わるわけでも無く。
まぁ別に超能力なんて焦って身につけるもんでもないだろうしな。学園都市の外で育ったから言えるセリフかもしれないが、少なくとも僕はそう思う。
自動販売機から少しはなれ、財布をしまおうとするとチャック付きのポケットの中から一枚の紙がヒラヒラと落ちてきた。

僕「学舎の園の招待状・・・あ!そうだ、忘れてた。確か御坂さん今日来いって言ってたっけか。」

そうだ、今日お礼を受け取りに学舎の園へ行くことが頭から完全にスッポ抜けていた。危ない危ない・・・
・・・今からでもいいのかな?つーか今から行かないと遅くなるよな。・・・よし、行きますか。

〜15分後〜

僕「と言う訳で着いたけど、やっぱり・・・入りづらすぎるだろコレ。」

学舎の園って言ったら前も説明したと思うが、レベルの高いお嬢様学校ばかりが集まっている場所だ。
そんな場所におちこぼれ中学の生徒が行ったら絶対に目立つ・・・しかも僕は「男」だ。恐らくこの中は「女の子」ばかりだろう。これで注目を浴びないほうがおかしい。
御坂さんも悪気は無かったんだろうけど、これはさすがにキツイ・・・う〜ん、どうしようか。昨日電話番号交換したし、かけてみるか。

ピピピ・・・プルルルル。

美「もしもし、桜坂くん?」
僕「どうも、御坂さん。あの、今学舎の園の入り口付近にいるんですけど、入りづらくて・・・」
美「あ、そうか。ごめんね、よく考えずに来てって言っちゃって。入り口まで迎えに行ってあげるから、ちょっと待っててね。」
僕「すみません。お願いします。」

ピッ。

ふぅ〜・・・とりあえず、これで注目は浴びるだろうけど少し気がラクになったのは確かだ。
それにしても、本当に御坂さんには迷惑かけっぱなしだなぁ。今度料理でも作って持って行こうかな。肉じゃがとか。

〜数分後〜

美「おーい!桜坂くん!」
黒「こんにちは、ですの。桜坂くん。」
僕「御坂さん、白井。こんにちは。すみません、わざわざ迎えに来てもらちゃって・・・」

あれから数分が経過し、御坂さんと白井が学舎の園の入り口付近まで出てきてくれた。

美「いいっていいって。桜坂くんの気持ちを何も考えなかった私にも非はあるし、気にしないで。」
僕「すみません・・・ホントに。そういえば、お2人の寮はこの中なんですか?それとも外?」
黒「私達は外の寮に住んでおりますわ。ちなみに、私とお姉さまはルームメイトですのよ。」

常盤台の寮は学舎の園の中と外にあるって聞いたけど、この2人は外なのか。

第4話 第2部 ( No.12 )
日時: 2010/11/12 21:32
名前: エリック (ID: uDwIp9sO)

僕「へぇ〜・・・アレ?でもそれだったら別に外でもいいですけど・・・」
美「この中に美味しいケーキ屋さんがあるのよ!それを桜坂くんに奢ってあげるから、それをお礼にしようと思って。」
僕「ケーキですか。いいですね、甘いものは結構好きですよ。」
黒「それは良かったですわ。甘いものが苦手でしたらどうしようかと思いましたの。・・・それでは、少し待って頂けますか?」
僕「え?いいけど・・・何で?」
美「実は、今日私たちの友達を一緒に行こうって誘ってあったのよ。それで、黒子と相談して桜坂くんも一緒にどうかな?ってなったの。」
僕「あぁ、そうだったんですね。それなら全然オッケーですよ。」

あぁなるほど、そう言う事だったのか。それだったら別に全然構わない・・・話が合うかどうかは分からないけどさ。
それにしても、学舎の園の外で待つってことはこの中にある学校の生徒じゃないのか?うーん・・・ま、来れば分かるか。

〜さらに数分後〜

?「おーい!御坂さーん!白井さーん!」
美「あ、初春さーん!佐天さーん!」
?「お待たせしました!すみません、時間より遅れてしまって・・・」
黒「気にしなくていいですわよ、初春。これくらいのタイムロスくらいどうって事ないですわ。」

あれからさらに数分が立ち、御坂さんと白井の友達と見られる女の子がこちらへとやってきた。柵川中学の制服を着ているな・・・普通にウチの近所の学校じゃないか。
女の子は2人いて、1人は黒髪のロングヘアー、もう1人は黒髪ショートで頭に何故か花飾りを付けている。

?「お!君が噂の男の子だね?不良に襲われていた常盤台の女の子を颯爽と助けた正義のヒーロー!」
僕「なんかスゲー美化されてない?そんなにカッコいいもんでもないよ?」
?「いえ、充分すごいです!私なんて、その場に遭遇したら怖くてぶるぶる震えてただけです。」
美「あはは・・・あ、紹介するわ。私達の友達で柵川中学在籍の、佐天涙子さんと初春飾利さんよ。」
涙「ども!柵川中学1年、佐天涙子で〜す!よろしく!」
飾「柵川中学1年の初春飾利です。よろしくお願いします。」
僕「佐天に初春ね。僕は中津川中学1年の桜川聖也。よろしく、2人とも。」

佐天はなんていうかこう・・・元気のいい子だな。喋り方もハキハキしてるし、今もテンション高いし。
初春は・・・結構大人しめ?口調も敬語だし、すごく礼儀正しそうだな。ま、パッと見ての印象だけどね。

美「さて・・・それじゃ全員揃った事だし、行くわよ。」
涙「はい!ケーキ楽しみだなぁ。」
飾「もぅ、佐天さんは昨日からそればっかりなんですから。」
僕「よっぽど甘いものが好きなんだな。・・・ま、気持ちは分かるけど。」
黒「確かに美味しいのはよく分かりますけども、食べすぎはお体にも良くありませんわよ?」
涙「はーい!分かってるって。」
黒「本当に分かっていますの?・・・まったく。」

そんなこんなで騒ぎながら、学舎の園の入り口であるゲートをくぐる。御坂さんと白井はパスで、僕・初春・佐天の3人は招待状を見せて通過した。
そして、学舎の園へ入った瞬間・・・僕は絶句した。町並み、雰囲気・・・何から何まで全てが違う。そう、僕とは住んでいる世界も存在している世界も違うかのような空間だった。

僕「うわぁ・・・」
涙「ん?どしたの?」
僕「あ・・・い、いやぁ、スゴイなぁと思ってね。」
涙「だよねー。いつ来てもここにはびっくりするよ。」
飾「私たちも始めてここへ来た時は桜坂くんと同じようなリアクションを取ってましたしね。」
僕「まぁここにいるのはお嬢様ばかりだし、こういうファンタスティックな雰囲気でもおかしくは無いと思うけどね。」

でもまぁ、僕にとっては居心地悪い事この上ないのは事実であって。何だよこの独特の雰囲気は・・・
やっぱり、ここの人たちは僕とは住んでいる世界が違うんだなぁって言うのを痛感させられるよ、色々な意味でね。

美「何やってるのー3人とも。行くよー!」
飾「あ、はーい!」

〜数分後〜

数分って言っても2分程度だが、学舎の園の入り口から少し歩くと目的地と思われるケーキ屋が前方に見えた。
しっかし、このケーキ屋もオシャレオーラをこれでもかと言うくらい身にまとっている。とてもじゃないが、僕が1人でこんなトコへ入ろうものなら周囲からスゴイ目で見られるだろう。
いや・・・実際、今も周囲からの好奇の目にさらされてはいる。さっきから道ゆく女の子達が僕のほうを見てはヒソヒソ話しているからだ。
そりゃそちらさんからすれば、失礼な例えになるがいわば僕は「ネズミの群れに飛び込んだハムスター」みたいなもんだから、見られるのは仕方ないと思うよ。うん。
だけど、やっぱり顔も知らない他人からジロジロ見られるのはあまり気分がいいものでは無くてだな・・・

僕「はぁ〜・・・」
黒「どうしましたの?何だか顔色が悪いようですわね?」
僕「あぁ、ちょっと疲れただけだよ。気にしないで。」
黒「そうですか・・・?無茶はなさらないでくださいね。」

白井に余計な心配をかけてしまったと反省しつつ、ケーキ屋(と言う名の僕にとって未知の世界)の中へと足を踏み入れる。
内装は・・・いかにもって感じ。うん、それだけ。別に説明する気力が無くなったとかそんなんじゃないからあしからず。

涙「わぁ〜!どれにしようかな〜?」
飾「佐天さん佐天さん!こっちにすごいのがありますよ〜!」
僕「元気がいいな・・・あの2人。」
美「本当、微笑ましいわね。」
黒「では・・・私もお姉さまと仲むつまじいお姿になりましょうぅ!」
美「あんたは別の事しか考えてないでしょーがっ!(チョップ)」
黒「あいたたた・・・何もチョップする事はございませんのではなくて?」
美「あら・・・電撃のほうが良かったかしら?(黒い笑み)」
僕(こ、怖ぇ!)黒「いえいえいえ!とんでもございませんわ!」

今御坂さんがスゲー黒い笑みを浮かべていたぞ・・・怒らせると超怖いタイプか。気をつけよう・・・

第5話 ( No.13 )
日時: 2010/11/13 21:15
名前: エリック (ID: uDwIp9sO)

美「それより、桜坂くんはもうどのケーキにするか決まった?」
僕「あぁ、僕は無難にショートケーキ辺りでいいですよ。あまり高いケーキをおごってもらうのも抵抗がありますからね。」

と言いつつ、ふいっとケーキのウインドウのほうへと目を向ける。するとそこには、美味しそうなケーキがズラリと並べられていた。
んで、その中にショートケーキを発見し近づいて見てみると「ショートケーキ800円」・・・と書いてあった。

僕「って、高ぇ!?ケーキ1つ800円とかどうなってんだ!?」
美「それじゃ、注文するわよ〜。あ、桜坂くんはショートケーキで良かったわよね?」
僕「いやいやいや、やっぱり撤回します!1つ800円のケーキとかおごってもらえませんよ!」
美「そう?800円くらい、別に出しても痛くもかゆくも無いくらいの金額なんだけどな・・・」

おいおいおい、学舎の園のお嬢様たちの金銭感覚は一体どうなってるんだ!?ケーキ1つ800円が出しても痛くもかゆくも無いだって?
こっちは800円もあれば贅沢に中華料理屋でラーメン&チャーハンセット・ミニ餃子つき680円と言う滅多に食べられないご馳走が食べられるって言うのに!
っと、少し取り乱したが、冷静に考えればお嬢様だもんな。800円なんて、はした金も同然の金額だよな・・・
僕みたいな貧乏学生にとっては800円が生死を分ける事すらあるけど、お嬢様たちは800円財布から出しても軽くならない・・・ってか。

僕「いや、一番安いモンブランでいいです。(それでも450円するけど・・・)」
美「そう?本当にいいの?遠慮しなくても・・・」
僕「い・い・で・す。・・・お願いします。」
美「わ、分かったわ。それじゃ、ショートケーキはキャンセルでモンブランでお願いします。」
店員「かしこまりました〜。」

なんか精神的な意味でスゲー疲れたよ・・・明らかにテンションダウンしながら、先に白井達が確保してくれていた席へと座る。
すぐにテーブルに突っ伏したかったが、さすがにここでそんなことをするわけにはいかないのでやめた。
僕の隣には目を輝かせながらウキウキしている佐天とそれを微笑ましく眺めている初春、そして目の前にはさっきチョップを食らってしゅんとしている白井の姿があった。

飾「あれ?どうしたんですか、桜坂くん。何だか疲れてるみたいですけど・・・」
僕「あぁ、心配すんな。大丈夫だよ。それより、白井はともかくお前らはあんな高いケーキ勝って大丈夫なのか?」
涙「もっちろん!なんてったってこの日のために貯金してたからねー!」
飾「私も、佐天さんと同じで貯金していましたから。もちろん少し高いとは思いますが、美味しいので個人的にはお値段以上だと思います。」
僕「ふーん、2人ともしっかりしてるなぁ。なんか、仲良くなれそうな気がするよ。」
涙「あ、それ私も思ってたんだー!昨日電話で桜坂くんの事聞いて楽しみにしてたけど、すっごく親しみやすいもんね。」
飾「はい。少しクールですけど、落ち着いているしお話も上手ですしね。」

この2人は御坂さんや白井みたいに(初春の頭のお花畑は除いて)強烈なインパクトも無いし、普通に一般人で普通に中学生って感じがしていい。
それに・・・僕が中津川中学に通っている事には一切触れてこないし。制服を見て分かっているはずなのに、ね。その辺りにもすごく好感を持てる。

美「はーい、お待たせ。」
涙「わぁ!来た来た!」

しばし雑談をしていると、御坂さんが全員分のケーキをトレイに載せてやって来た。お、紅茶も一緒か。
僕はモンブランと紅茶を自分の目の前に置いて、フォークを手に取る。・・・見た目からして美味しそうなんだけど、なんか食べるのに気がひける。

黒「あら、食べませんの?」
僕「あ、いやいや。そんな事無いよ。いただきます。」

いや、おごってもらった物を食べないなんてそれこそ失礼だよな。そう思い、モンブランを一口食べる。
・・・お、美味しい!栗の味がしっかりと出ているけどそんなに甘すぎないし、かなり美味しい。

僕「うん、美味しい!」
美「そう?良かった。ゆっくり味わって食べてね。」
僕「ありがとうございます。」
涙「んー!やっぱここのケーキ美味し〜!」
飾「本当ですね。いくらでも食べられそうですけど、お値段が高いのが残念です。」
僕「紅茶も美味しいし・・・ありがとうございます。」
美「喜んでもらえて良かったわ。」

御坂さんはケーキを食べる僕を見てニコニコしている。さっき白井にチョップをかました時の表情はどこへやら、すっかり明るい表情だ。
んで、チョップを食らった白井はというともう立ち直ったようで普通にケーキを食べている。切り替えの早いヤツだ・・・少し羨ましい。

涙「んぐ・・・そういえば、桜坂くんはレベルはいくつなの?」
僕「レベル?あぁ・・・0だよ0。なーんの能力も無い無能力者だよ。」
涙「そうなんだー。あ、ちなみに私もレベル0。一緒だね。」
僕「だね。ま、僕にとってはレベルなんか正直言ってどーでもいいけどね。毎日気楽に生きれればそれでいいから。」
飾「さ、サッパリしてますね・・・」
涙「あーあ、そのサッパリさが羨ましいよ。私なんて能力持てなくて悩んでた時期もあったのに。」
黒「焦らずに自分のペースでゆっくりと学習していけば、自然と能力は開花しますわ。そんなに急がなくても大丈夫ですわよ。」
美「そうそう。毎日毎日勉強ばかりじゃ息が詰まるし、息抜きもしないとね。」

常盤台に通ってる割にはあまり考え方が硬くないよな、この2人は。まぁ硬くない方が親しみやすくていいんだけどね。
・・・と、そんなこんなを話しているうちにケーキも大分食べ終えてきたようだ。僕も残りはあと少し。紅茶はまだ結構残ってるけど。


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