二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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[イナイレ]-プリンスのDNA
日時: 2012/11/05 22:32
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

前のスレは世界編沿いで書いていこうと思ったんですが、このスレは完全オリジナルです
恋愛とか途中で入ります。
もはやサッカー関係ないかも…

無理だと思った方はオリビアに蹴り飛ばされる前に去ってください!!

☆神(アフロディ)様のようなお客様☆

風風様 [inzmGO≪その心から喜びを≫]

凛々様 [イナズマイレブン【希望ノ狭間】]

レッド様 [【ダンボール戦機W】バン×ヒロと過去の追憶]

姫佳様 [イナズマGO-光の氷炎姫(アイスファイアプリンセス)]

主人公 >>01
プロローグ >>02
加賀見 実 >>43
シュリアンヌ >>65
加賀見 将 >>23
蜷川 大輔 >>115
浜崎 媛莉 >>131

第一話「その女、優樹菜・オリビア・プリンス」>>03第二話「不穏な顔」>>18
第三話「投げ込まれた妖刀」>>24第四話「加賀見 将」>>30
第五話「強い」>>35第六話「加賀見 実」>>36
第七話「皮肉なメール」>>44第八話「不洛の女帝」>>49
第九話「五教科オール3」>>52第十話「勉強の最中に…」>>53
第十二話「魅月・シュリアンヌ・プリンス」>>61第十三話「騒がしい兄弟」>>62
第十四話「食卓−コント−」>>66第十六話「カクテルの肴に事件の話を」>>68
第十七話>>70「恋夏」第十八話>>73「妖刀の真実」
第十九話>>76「異変」第二十話>>80「須藤 幹太」
第二十一話>>85第二十二話>>87
第二十三話「ぶっ倒れる」>>106第二十四話「愛媛の三戦強」>>111
第二十五話「フィックス・サンダー」>>114第二十六話「嫌味な幼馴染み」>>116
第二十七話「お見通しだアホ」>>122第二十八話「友を捨てる決断」>>123
第二十九話「あいつは」>>124第三十話「精神的支柱—マネージャー—」>>125
第三十一話「不動、弱さを見せる」>>127第三十二話「戦は嫌だ」>>130
第三十三話「揺れるハート」>>132第三十四話「体育祭中止の大号令」>>133
第三十五話「蜷川大輔≪前編≫」>>134

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Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.130 )
日時: 2012/11/03 14:51
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第三十二話 『戦は嫌だ』

「恋夏様!お方様!」

真っ白の中でオリビアは自分の前世である女性を捜す。
辺りを見回してもどこにも姿は見あたらない。

———オリビアか。待っておったぞ

赤の小桂を着た女性が背後からすっと現れた。
彼女は恋夏。
オリビアの前世で全く同じ顔をした武家の女性だ。

———今宵は友斬りの名の由来と、わたくしの生涯のことを少し話そう

「………」

———わたくしにはその方と同じく幼少の頃より付き合いのある者達が3人おったのじゃ。

一人は新谷樽人—しんや たるひと—様。
後にわたくしの夫となった殿方じゃ。
二人目は望月亀松—もちづき かめまつ—様。
樽人様の家臣でキリシタン大名であった。
三人目は愛狐—あいこ—様。
亀松様のご正室。
わたくしにとっては最も近しい姫君じゃ


新谷殿…望月殿…愛狐様…
その三人の武家の人間の名を頭の中で響かせ、舌の上で反芻した。

———その方を混乱させぬよう、いらぬ話は省こう

我らが生きたのは戦乱の世。
主君が家臣を裏切ることなど当たり前の世じゃ。
また逆も然り。
亀松様は戦以外に能がない不器用な樽人様を見限った。
樽人様も自身に忠誠を誓ったはずの亀松様が反旗を翻したことに癇癪を起こし、二方は戦をすることになったのじゃ。
双方一人の兵もいなくなってしもうた時、樽人様と亀松様は互いの腹に刀を突き刺して逝ってしまわれた…

「お方様は…どうなされたのですか……?」

———樽人様亡き後、わたくしは実家に戻る手筈であった。

しかしながら、わたくしは生き長らえることをよしとせなんだ。
樽人様が果てた"戦"というものを思う様憎んだ。
それは愛狐様も同じであったようでな、愛狐様は『どうせ死ぬ命なら、恋夏様に斬られたい』と言うた。
わたくしは愛狐様の願いを聞き届け、あの方の心の臓に"友斬り"を刺した。
愛狐様を先に殺し、わたくしも自らの喉元を切り裂いた。
…"友斬り"でな
もう、戦は嫌だったのじゃ……

つらい痛い苦しい話をしているのに、恋夏は表情を崩さない。
泣くことに疲れてしまったのだろうかと、胸の奥底でオリビアは思う。

友の絆がわかれていく悲しみ、大事な人を亡くすショックは十分すぎるほど知っている。
何かを嫌いになり、恨むことも。
浜崎が死んで、大切な人との日常がなくなることがいかに空虚かを知った。
そして、彼女の命を奪ったと言ってもいい大好きだったサッカーを嫌いになった。
絆が裂けていく悲しみはあの日の蜷川と不動の背中がオリビアのすっかすかな頭に叩き込んだ。

それ故、恋夏の心根の痛みが身を切られるよりわかっている。
自分が恋夏なら、同じことをしていただろうから。

Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.131 )
日時: 2012/11/03 16:18
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

名前:浜崎 媛莉−はまさき ひめり−

性別:女

享年:13歳

身長:162㎝

容姿
色素の濃い濃い紫のロングヘア。
常に髪は下ろしている。
チョコレートカラーの目。
陶磁器のような白い肌。

性格
天真爛漫で、感情の裏表がない。
三度の飯よりスポーツが好き。
まれに見る体育会系女子。
13歳だが、もう何百年と生きているのではないかと思うほど人生の達人。

備考
・不動、オリビア、蜷川の幼馴染みで、彼らの優秀なマネージャー
・蜷川の想い人

Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.132 )
日時: 2012/11/03 18:28
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第三十三話 『揺れるハート』

夜が明けた。
シュリアンヌは朝一番に起きて朝食の支度を始めた。
将が野球部の朝練があるため6時頃に起きてきて、七時にはもう家を出た。
オリビアは朝練がない日だったので、ゆっくりめに6時50分に起きた。
不動もほぼ同じ時間に重いまぶたを持ち上げた。
浪人の身分である実は一番遅く7時半頃、オリビアと不動が家を出る時間に起きてきた。

「「行って/来ます!!/参ります!!」」
「気いつけてや〜」

玄関を出て、オリビアは右へ曲がる。
なぜか不動も同じ方向に。
帝国学園は雷門と正反対の方角にある。
だとしたら不動が方向を間違えているか、自分が方向を間違えているか、二つに一つだ。
考えるのも億劫になり、オリビアは邪魔な思考を脳内から振り払った。
スマホから歌手音ピコの「ピコピコ☆レジェンドオブザナイト」が鳴る。
エナメルバッグからスマホを取り出してディスプレイを見ると、先日と同様に非通知だった。

「一応出ろ。出て須藤だって言ってきたらおれに代われ」

オリビアは不動の指示に従うことにした。
黙ってうなずいて一応電話に出た。

「はい…」
『僕が誰だかわかる?』
「……最狂ヤンデレ大うつけ愛媛県産」
『農作物みたいに言うな!!』

ナイス突っ込み、と胸の内で電話の向こうにいる男に賞賛を述べ、不動に代わった。

「芝居が下手なのは相変わらずか?蜷川くん」
『なんだ……わかってたのか』
「ったりめぇだ。てめぇが追っかけ回してくれてるおれの彼女から直々に聞いた」
「『!?』」

不動の爆弾発言に驚いたのはオリビアだけではなかった。
どうやら、須藤と名乗っていた蜷川大輔もそうだったようだ。

『あっそ。じゃぁ、おれにはその方が都合がいい』
「あ゛?タバコが吸いてぇ?おれ達受験生だぞ。高校受かりたくねぇのかよ」
『違うわボケ!!どうやったらそう聞き間違えるの!!?』
「悪ぃ悪ぃ。それよか、ストーカーなんてやっちまってる以上は高校受かるわけねぇか」

それ以上の会話は必要ないだろうと判断し、不動は通話を切った。
オリビアと不動に正体が割れていることを蜷川に伝えるには今ので十分だった。
不動はオリビアにスマホを返した。

「あ、明王様…」
「んぁ?」
「その…貴殿の彼女とは……」

不動はオリビアの鼻頭に人差し指を突き立てた。

「お前。ありゃマーキングだ」
「はぁ…」
「別に深い意味はねぇよ」
「い゛っ!!」

不動は突き立てた人差し指に親指を合わせてオリビアの額にデコピンをした。
鍛えようがない場所に地味な痛みを感じ、思わず額を抑えた。
オリビアはどうも腑に落ちなかった。
なぜなら自分のことを彼女だと言い切った不動に———






———少しだけときめいてしまったから

Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.133 )
日時: 2012/11/04 18:08
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第三十四話 『体育祭中止の大号令』

「「「「「「はぁああああああああああ!!!??」」」」」」

雷門中のあちこちから絶叫がこだました。
ホームルームの冒頭で各クラスの担任が知らせた内容が絶叫の原因だった。
今日は木曜日、3日後には体育祭本番が控えていた。
前項が活気づいて練習も佳境に入ってきた頃、体育祭は突然中止になった。
叫んだのは豪炎寺、秋、染岡、オリビアが在籍する3年4組も例外ではなかった。

「おい!!体育祭が中止ってどういうことだよ!!?」

オリビアの左隣の席で染岡が机を殴りつけ、担任に怒鳴り散らした。
体育祭実行委員長として体育祭を成功させようとしていた染岡の怒りは計り知れない。

「延期ならまだわかる!中止だぁ!!?」
「落ち着きなさい!これから詳しいことを話します」

染岡はいったん頭を冷やし、ドカッ、と席に着いた。

「皆さんが体育祭を楽しみにしている矢先で、学校に脅迫状が送られてきました。
要求を聞き入れなければ生徒全員を殺害すると、そういう内容です。
たった一通なら、まだしも、日に日に送られてくる枚数が増え、要求の内容も過激になっていく一方で、学校側としても無視できない事態になってしまいました。
この騒ぎの中で体育祭を行うのは生徒が危険だと、やむを得ず中止にしました」
「警察に被害届は出したんですか?」

豪炎寺が質問する。
担任はそれを肯定した。

「単なるいたずらかもしれませんが、万が一のことがありますので、警察の方にも協力を仰いでいます。
どんなに些細なことでもかまいませんので、何か情報を持っている人がいれば、直接申し出てください」

朝から飛んだ凶報だったが、ホームルームは終わった。
担任が教室を出て行ったのを皮切りにクラス中が騒がしくなる。

「全く、迷惑なことこの上ないな」
「本番すごく楽しみだったのにな……」

豪炎寺が遺憾の意を示し、秋は机に伏せ、落胆する。
二人は応援団で青組を率いている団長と副団長だ。
染岡同様、憤りと落胆が大きい。

オリビアは脅迫状を送りつけてきた犯人の候補が一人あった。
が、警察の情報力と操作能力を持ってしても見つけられるだろうか。
それほどに巧妙な手口を使い、警察の目をかいくぐってきた奴が一人、思い当たった。
奴は、各地の学校に脅迫状を送りつけ、教師とサッカー部の生徒を虐殺してきた。
たとえ、こいつが犯人かもしれません、と情報を提供しても、中学生の証拠も根拠もない話をまともに聞いてくれるほど国家権力様は子供じゃない。
やはり自分で探すしかないようだ。




———蜷川大輔を

Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.134 )
日時: 2012/11/05 18:23
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第三十五話 『蜷川 大輔』

体育祭が中止となり、雷門はいつもの日々に戻っていた。
六時限の50分授業で流れていく。
放課後は生徒全員がバラバラに部活をする。

その日のサッカー部、オリビアは全てを明るみに出した。

"愛媛の三戦強"に浜崎 媛莉という幼馴染みのマネージャーがいたこと。
彼女は自分をかばって試合中の事故で死んだこと。
蜷川、不動、そして自分が彼女の死をさかいに歪んだ価値観をかざすようになったこと。
そして、自分が蜷川に命を狙われていることを。


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