BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 【銀魂】腐小説おきば
- 日時: 2014/03/25 23:22
- 名前: もるたん (ID: T8WGJY2W)
銀魂の腐小説おきばです。
オリキャラも出ます。
長州寄りの話が多くなるかと思います。。。
- Re: 【銀魂】腐小説おきば ( No.13 )
- 日時: 2014/04/01 23:13
- 名前: もるたん (ID: T8WGJY2W)
> リチュさん
あ、そうか、これ銀土か!!
- Re: 【銀魂】腐小説おきば ( No.14 )
- 日時: 2014/04/01 23:20
- 名前: もるたん (ID: T8WGJY2W)
すらりとした陰影が夜空に映える。どこか儚げで、それでいてしなやかさを併せ持つ肢体は男達を魅了して止まない。
「さっちゃんはね、銀さんのバナナなら全部食べられるんだよ。うふふのふ♪」
——本性さえ、知らなければ。
「…テンション下がるから止めてくんないかな。セクハラだよセクハラ」
「この指バナナ、銀さんのバナナ。皮剥けズル剥けうっふっふっふふふっふ行ーくわーよ、全蔵ッ」
「突然だなオイィィィィィ!!!」
——任務完了。
——な関係のさっちゃんと全蔵との縁談が、今持ち上がっていると言う。と言うか、ほぼ纏まりつつあると言う。
「いやあ、本当、おめでとう。本ッ当におめでとう。お似合いだよキミタチ。美男美女カップルだよキミタチ。いやあ羨ましい。そろそろ年貢の納め時だね、キミタチ」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。あの女だけは絶っ対嫌だ俺の心が折れる。俺の心が死ぬぅぅぅ」
「まあ、キミも彼女もちょうど適齢期だよね。ホラ、女性は出産適齢期ってのもあるからさ。たくさん産んで幸せな家庭を築いてね」
「銀さんのチ●ポ四六時中ペロペロ妄想してる女抱けるかァァァァァァ!俺は尻派だァァァァァァ」
「あー分かる分かる。意外と気持ち良いよねーアレ。なんかこう、ウォシュレット何度もやっちゃう的な」
「あ、分かる?」
「分かる分かる——て言うかお前、さっちゃんにやってもらうとこ想像してみ?」
「ん?……い、嫌だ!お、俺はもっと清楚で可憐な…」
「うん。まあ、照れちゃう気持ちは分かるけどね。まだ新婚さんだもんね。初々しいよね」
「ち、違う違う違う」
「でもホラ、こういうのって初めにお願いしといた方が良いよ。何年か経ってからお願いしたら倦怠期と相俟って半径5m以内立ち入り禁止になっちゃうよ。掲示板に質問されちゃうよ」
「大丈夫だよ!さっちゃんもう知ってるよ!!」
「あら。あらららららら」
「——て、そうじゃなくてッ、仕事仲間は皆…」
「んもーう、すっかりラ、ブ、ラ、ブぅー♪♪♪」
「違うんだあああああああ!!!」
と、全蔵が頭を掻き毟っているのを、万事屋の屋根から覗きこみ、
「うふふふふ。その調子その調子。余裕顔してるけど銀さんの心の中は嫉妬の嵐よ。銀さんの頭の中は私の淫らな姿でいっぱいよ。うふふふふ。うふふふふふふ…」
さっちゃんは一人、いつもとっても幸せそう。
- Re: 【銀魂】腐小説おきば ( No.15 )
- 日時: 2014/04/02 22:35
- 名前: もるたん (ID: T8WGJY2W)
あそこに、例えば酔っ払いがいるとしましょう。
例えば、絡み酒だとしましょう。
それから、恋人が一緒だとしましょう。
彼は、多分、恋人が好きで好きで仕方ないでしょう。
「ねえねえ、そう思うよねえ?そう思うっしょ?ね?だから多分、そういうことなんだと思うんだよね、ね?ね?」
恋人は何が“そう”なのか全く分からないまま、相槌を打って酒を飲みます。
「だから、俺は思うわけ。貞操って大事よ。大事にしなくちゃいけないわけですよ」
お前が言うな、と思いながら、恋人は曖昧に頷きます。
「あいつなんか見てみ?もう大変だから。大変ガバガバだから(笑)」
下品な奴、と思いながら、それでも恋人は知らず知らず微笑んでいます。
「まあそれが良いっちゃ良いんだけどよ」
このまま下品な話が続くなら水でもぶっかけてやろう、と恋人は考え始めます。
「あらあ、お客さんったら趣味悪いわよう。そんなアバズレさっさと忘れちゃいなさいよう」
ウェイトレス(?)が横槍を入れてきました。
「アバズレの臭みっつーのは味わった事ある奴しか分かんないよ。クセになるんだよなァ、アレ」
「クサヤみたいな?」
「俺アレ苦手だけどね」
けらけらと笑う彼と上品に笑うウェイトレスを見比べて、恋人は小さく溜め息をつきます。
「折角こんな素敵な人がいるのにねえ」
ウェイトレスは恋人に意味ありげな視線をくれて、別の客の元へ行きました。
恋人はそろそろ帰り支度をしなければなりません。その旨伝えると、彼は巻き付いて泣き真似をします。離れろ離れろと言いつつ、恋人は満更でも無い気持ちです。しかし帰らねばならないのも真実。些か困った頃合いに、
「くすくすくす」
と、彼が笑いました。
「テメエはやっぱり甘ちゃんだなあ」
その声音、その目色は先程までとは打って変わって冷徹さに満ちていて、彼が酒には酔っていない事を悟りました。
「馬鹿にしやがってッ」
恋人は彼を突飛ばし、店を出ていきました。
——店の扉が閉まった後で、先程の店員が現れてジョッキ一杯の水を彼に掛けました。
「ッツメテ!何!!?」
彼は飛び上がって辺りを見回し、
「あ——…れ?あれ?」
いる筈の人が居ない事に気付き、店員に視線を向けると、
「また現れたわよ、ブラック銀さん。早くお祓いしてもらったら」
領収書を置いて去っていった。
「…——ノオオオオオオオ!!!!」
月夜に谺する遠吠えの、なんともの悲しいことでしょう。
- Re: 【銀魂】腐小説おきば ( No.16 )
- 日時: 2014/04/02 22:45
- 名前: もるたん (ID: T8WGJY2W)
「それ以来多串君とコンタクトが取れないんだよォォォオイオイオイ」
泣き崩れ銀時に心底辟易しながら、
「いや、あの、喩え話じゃなかったんですか」
蔵七は一応建前を確認してみる。
「それは照れ隠しだろうぅぅオイオイオイ」
良い年ぶっこいたオッサンが照れるな、と言いたい。と言うか、照れるようなことするな、と言いたい。
「…まあ、偶々じゃないですか。忙しいんですよきっと」
“それ以来”って、昨日の今日である。昨日の今日で同じ店に別の人間を連れて来る方が問題あると思う。
(——いや、まあ、)
銀時にとって蔵七はその程度、と言うことなのだろうが。
(………。)
小太郎に“その程度”扱いされるのはアリだが、銀時だとムカつく。
(なんだろうこのカンジ)
自分の中にまだ知らない感情を見つけて分析していると、
「大串くんに嫌われたら俺生きていけないィィィィ」
五月蝿い。
「そしたらヅラを殺して俺も死ぬうゥゥゥ」
なんでだっ。
蔵七は息を多めに吐いてから、
「——で、一体どうすれば良いんで」
どうでも良いから早く解放して欲しい。
「ヅラの首持ってけば会ってくれるかなって」
「……」
頭痛くなってきた。
「会ったら後は押し倒すだけだからイッツイージーb」
「……」
「だから、ヅラの居場所教えて下さい」
「……」
「このとおーり!!」
「……」
結局、この人は、何に対してもこんな感じで素直じゃないから周りがヤキモキするのだなあ、と、変に感心しながら、蔵七は携帯電話を取り出した。
ピッポッパ、トゥルルルル……プツ。
「あ、もしもしオッキー?私クラッチだよ☆久し振りィ〜うふふもうやっだぁ〜オッキー変わらずぅ〜。そっち今ヒジリンいる?いる?いる?え〜なんか暗いの??キモイ〜〜。うちのギンタローもなんかキモくってぇ、うん、そうそう。困っちゃうよねえぇ。所詮痴話喧嘩だもんねえぇ。あ、こっちこれる?わーいありがとう★うん、待ってる。じゃあね〜、チュっ」
ぽちっと切断。
「5分くらいで着くそうですよ」
「いやお前ナニソレ?!」
酔いが醒めるのを通り越して青醒めているが、それに構う暇は無く、
「ドエスッコクラブ.comで知り合ったんです。便利な世の中になりましたね」
蔵七は彼らが来る前に消えなければならないので、
「じゃ、今度こそ頑張って下さいね。お酒飲み過ぎないよーに!チュっ!」
駆け足で店を出ると、人混みの向こうに赤いサイレンが見える。
(仕事熱心だなあ)
彼らに任せとけば未来は明るいかも、と、蔵七はちょっと思った。
- Re: 【銀魂】腐小説おきば ( No.17 )
- 日時: 2014/04/04 21:43
- 名前: もるたん (ID: T8WGJY2W)
ひらひらと落ちる木の葉が美しい様に、戦場で舞う小太郎は美しい。黒い瞳が真っ直ぐと戦局を捉え、黒い髪が戦場を泳ぎ、白い肌がそこかしこで残像となる。天人の血が少しずつ小太郎の体を重くし、やがて大地に絡め取られるかの様に膝を着く。天人は、もちろん、殺れると確信する。しかし小太郎の刃が小太郎を奮い起こし、小太郎は再び舞う事になる。
赤い靴を履いた少女が躍り続ける呪いを掛けられ、最後に両足を失ってしまう物語を聞いた時、晋助は小太郎そのものだと思った。彼もまた、両腕を失うまで舞い続けるに違いない。
最近、女を抱きながら小太郎の事ばかり考えている自分に、晋助は苦笑する。別に小太郎の替わりに女を抱いているという意味ではなく、女が幸せそうに喘ぐ姿を見ながら小太郎を哀れだと思うのだ。戦場でも戦場を離れても、小太郎は何かに操られてやっと生きている。生きたい、したい、楽しい、苦しい、迷い、決意…そういったものが一切感じられず、ただひたすら刀を振るう。ただひたすら相手の意のままに振る舞う。元々態度に出ない奴だから気付くのが遅れだが、今の小太郎は、松塾時代とは確実に違う。それに気付かなかった自分が腹立たしい。
「晋様、わっちを見ておくんなさい」
女が甘く囁くのへ口付けて、晋助は体を離した。
「酒は、あるか」
女が不服そうな表情を作るが、晋助が何も言わないで見つめていると、袿姿で酒支度をしに行った。
晋助は寝床から出て窓辺に寄りかかり、煙管に火を着けた。一つ、煙を吐ききった頃に、女は戻ってきた。
温い熱燗と猪口を受け取って、
「お前はもう寝な。ゆっくり休むと良い」
女は盛大に傷ついた顔をした後、
「なら、お言葉に甘えます」
色っぽく頭を下げて、寝床に潜りこんだ。意外とすぐに聞こえてきた寝息に、女の持つ強かさを感じて晋助は少し笑った。
小太郎と銀時がツルんでいると聞いて、始めは耳を疑い、それから憤った。あの大戦の後、銀時が姿を消して、小太郎は微かに人間らしい表情を見せた。攘夷派浪士の摘発が厳しくなり、袂を分かつ夜は、生真面目に組織の存続を語っており、昔の小太郎が戻ってきた事を感じた。“淡々と”ではなく“生真面目に”語るのが小太郎らしさなのだと合点がいった。小太郎の傍には周布や村田が残ったし、新しく伊藤や井上も加わって、万事任せられると思った。
それが——何故、今更…。
「関係あるかは分かりませんが、最近周布と村田が亡くなっていますね。周布は自殺で村田は暗殺だとか。上層部の勢力争いが激化して、一派から離脱する者も出てきているようです」
弱体化した組織の救世主として“白夜叉”が欲しかったのか。
「なら何故こっちへ来ねえ。伝説っぷりなら鬼兵隊だって負けてねえだろ」
嘯くと、
「喰われるからでしょう」
武市は即答の後、
「もっとも、接触する動きはあった様です。本格的に動く前に白夜叉が見つかった為、一先ず無職の方へ注力する事にした、というところでしょうか」
武市はあまり白夜叉を好きではないらしい。
「桂は、良いと言ったのか」
「言ったのでしょう。率先して白夜叉との交渉にあたってましたから」
渋面作って腕を組んだ晋助を、自分と同じく白夜叉嫌いなのだと解釈して、武市は上機嫌で続けた。
「今、ちょうど紅桜の試験使用を考えていたところです。白夜叉と桂なら天人共も喜びますし、ちょうど良いかと思いますが…」
睨み掛けて、思い直した。
「そうだな」
小太郎と銀時の“今”を、この目で見たくなった。
戦況を見下ろして、なる程と思った。
(立場が変わってやがる)
銀時が小太郎の一挙手一投足に常にイラついていた戦時中と異なり、今は、小太郎が銀時から離れまいとしている。銀時の方は、ともすれば小太郎の気配を忘れている。銀時の周りをチョロチョロ嗅ぎ回る小太郎は、犬ッコロみたいにはしゃいでいた。
(なる程ね)
あれが本来の小太郎なのだと、得心が行った。
(幸せそうで何よりだ)
安心した。
(なら、——)
自分はもう彼らから卒業して良いだろう、と思った。彼らが飛び降り消えた海を眺めながら、自分は彼らより先に死ぬだろうと思った。