複雑・ファジー小説
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- 私は罪悪感に殺される 完結しました
- 日時: 2011/04/06 23:13
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: lPEuaJT1)
こんにちはonこんばんは。
この小説は以前社会問題系で書いていた、花言葉の約束の続編として書くつもりです。
前の話を知らない人でも楽しめるようにしていこうと思ってます。
ちなみにこの小説は、この前まで社会問題系で書いていましたが内容が明るくなってきたので、こちらのジャンルに移動させていただきます。
内容と題名が少し合ってないような気がしたので変えさせていただきます。
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【目次】
>>1 プロローグ
>>2 一章「ガラスの海で、溺れたい」
- Re: 私は罪悪感に殺される ( No.56 )
- 日時: 2011/03/28 17:08
- 名前: 修也@ ◆HXIbnblSOA (ID: BsB4CdF8)
>>千咲
琴音ちゃんにそういう友達がいたんだ・・・
確かに響きのいい名前だね!さやかって
でも、そのさやかさんも大変な過去があったんだね・・・・><
そして血の繋がりはないけど妹の瑞樹を殴ったり・・・。精神的(?)に苦しい状況にいたんだろうね・・・
瑞樹はなんで、病室を出たんだろう??
続きが気になるよ! 頑張ってね^^d
- Re: 私は罪悪感に殺される ( No.57 )
- 日時: 2011/03/28 20:01
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: XrwZbEH8)
>>修也@
そういう友達だよw
さやかは見てるアニメから取ってたりする。響きいいからいいなと思って。
美人で優しいけど少し疲れすぎてるのかもしれないね、さやかは。
- Re: 私は罪悪感に殺される ( No.58 )
- 日時: 2011/03/29 09:37
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: XrwZbEH8)
瑞樹が私を置いて逃げたのだと勘違いして、私は泣きそうになった。
出会いは変かもしれないけれど、いつしか大切な友達、いや、親友になっていた事を改めて実感した。
さやかさんはそんなことを考えている間も暴れ続け、私が震えながらも立ち上がろうとした時に襟首を掴まれた。
裏切られた、という気持ちが心に押し寄せ、それでも歯を食いしばって耐える。
「何で、何であたしが病気になんなくちゃいけないのよ……!」
その言葉を聞きながら、私は思い出す。
瑞樹を追いかけた時にそうされたように、怯える事しかできない私。
「親にあんな酷い事された後捨てられてさ、施設で不自由な生活送ってさ、やっと引き取られてせっかく自由な生活ができると思ったのにね。瑞樹にさやかって名前貰って、友達も普通に居て、このまま上手くいけば幸せになれるはずだったのに」
睨まれも、殴られもしない。
そこにあるのは、泣き笑いの表情。
「羨ましいよ、ホント。幸せなのがさ。瑞樹や琴音ちゃんに八つ当たりばっかしてさ。看護婦さんや医者にも呆れられて。自業自得だけど後悔してるよ、今更」
襟首を掴んでいた手が離される。
「ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんね……」
うわごとのように繰り返される。
その時、瑞樹が戻ってきた。
「置いて行ってごめんね……看護婦さん探してた。でも、逃げなさい。後で何とかするから。だけだった」
その息は苦しそうで、看護婦さんを探す時に全力疾走したのが分かった。多分怒られもしたはずだ。
「瑞樹……?」
私は瑞樹の元へと駆け寄る。
瑞樹は、ごめんね、琴音と呟いてさやかさんの方を見た。
「お姉ちゃん」
さやかさんは、暴れてはいない。
「今まで、ごめんね」
さやかさんが、はっきりと言う。
瑞樹からの返答はない。
さやかさんはカッターを握る。
強く、握る。
- Re: 私は罪悪感に殺される ( No.59 )
- 日時: 2011/03/29 12:51
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: XrwZbEH8)
「どうしても許せないなら、殺していいよ」
カッターがさやかさんの手から落ちる。
固い床の上に音を立てて、カッターは落ちる。
「あたしを、殺.していいよ」
言葉がさやかさんの口から紡がれる。
瑞樹は、カッターを拾ってさやかさんの元へと駆け寄った。私もその後ろに着いて行く。
「そんなの、できるわけない」
瑞樹が言う。本当に、その通りだった。
「お姉ちゃん、だから」
瑞樹がカッターを握り締める。
「これで一緒。もう寂しくないよ」
あはは、と静かに笑う瑞樹。
何が起こるのか、全然わからなかった。
見えたのは、その手から出ている血、血、血、血。
「瑞樹……なにしたの?」
混乱する私。
「なにって、切ったの」
笑顔で話す瑞樹。
その笑顔が、怖かった。
「お姉ちゃん、大丈夫だよ。私はずっと傍に居るから」
さやかさんの手を握り締めて、明るい声で答える瑞樹。
その手首から溢れる鮮血がベッドのシーツにシミを作っていく。
「瑞樹、お願いだからしっかりしてよぉ……」
さやかさんがその手を強く握り返し、強く目を瞑って、声を殺して泣いた。
瑞樹が、おかしくなった。
混乱する頭の中に、その事実だけが強く伝わる。
「誰か……っ!」
病室のドアを開き、閉める。
助けて、助けてと小さく呟き、なるべく走らないようにして、それでも急ぐ。
瑞樹がそうしたように助けを求めるつもりが、いつのまにか私は病院から逃げていた。
その後の記憶はあやふやだったが、家に向かってとにかく走って走って走ったような気がする。
家に帰った後、心配する親の言葉を無視して部屋に逃げ込み、泣いた。
唇を噛んで、声を押し殺して。
あの時の私は本当にバカで、卑怯者だった。
逃げてしまった事への罪悪感と現実から逃げたい気持ちが混ざり、心が痛くなった。
……私は、弱虫で卑怯者だ。
- Re: 私は罪悪感に殺される ( No.60 )
- 日時: 2011/03/29 21:07
- 名前: 修也@ ◆HXIbnblSOA (ID: BsB4CdF8)
>>千咲
さやか、疲れてるのか・・・・
そりゃ、疲れたら、誰かに八つ当たりして、誰かを困らせることはありそうだね;
瑞樹、全力疾走するくらい、さやかのこと、心配してたんだね!えらい!!
瑞樹はなんで、自分の手首を切ったんだ!??
2人で仲良くなって、寂しくなくなったのに・・・・
その後、瑞樹はどうなったんだろう??
頑張ってね^^d
PS 人間って、弱虫な生き物なのかもなぁ・・・・って最近思った;
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