複雑・ファジー小説
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- 私は罪悪感に殺される 完結しました
- 日時: 2011/04/06 23:13
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: lPEuaJT1)
こんにちはonこんばんは。
この小説は以前社会問題系で書いていた、花言葉の約束の続編として書くつもりです。
前の話を知らない人でも楽しめるようにしていこうと思ってます。
ちなみにこの小説は、この前まで社会問題系で書いていましたが内容が明るくなってきたので、こちらのジャンルに移動させていただきます。
内容と題名が少し合ってないような気がしたので変えさせていただきます。
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【目次】
>>1 プロローグ
>>2 一章「ガラスの海で、溺れたい」
- Re: 私の居場所は作らない。 ( No.51 )
- 日時: 2011/03/27 21:00
- 名前: 修也@ ◆HXIbnblSOA (ID: BsB4CdF8)
>>千咲
あ〜私も夕方に寝ること、あるなぁ!
私も全然当たらないよ; 当たり前っちゃぁ、そうなんだけどw
あ、そりゃ、困るよね;; なんかゴメン><;
でも、千咲の小説はリアルでホッッッッッッントにすごいから、読んでくれてる人は多いと思うな^^
うん!人間、生きたいよね!
頑張ってね^^d
- Re: 私の居場所は作らない。 ( No.52 )
- 日時: 2011/03/28 12:06
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: XrwZbEH8)
>>修也@
まぁ、非日常なんか来るわけないよねw
いやいや、大丈夫だよー。まだまだ下手だし。もっと上を目指さないとね。
生きたいよねw
- Re: 私の居場所は作らない。 ( No.53 )
- 日時: 2011/03/28 13:51
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: XrwZbEH8)
1回目も2回目も、結局踏み出せずに終わった。
その後、すぐに自業自得と割り切れる事は出来たし、心に引っかかている記憶があったのも分かっている。
自分を嫌いになったきっかけのような人の記憶を。
馬鹿みたいに昔の記憶に縛られる私の弱さを認める事は出来ても、思い出す事はアレルギーみたいに体が拒否した。
でも、もうとっくにそれは治ってたんだよね。
だからもう少しだけ、感傷に浸ることにでもしようかな。
そろそろ、過去をちゃんと思い出してみたいしね。
小学校に入って、すぐの頃。
知らない子もたくさん居たけど、私はすぐに友達もできた。
家族や友だちに囲まれ、楽しい日々を送り、不自由ない学校生活。
その中で、ずっと私の事を見ている子が居た。
女の子で、髪が肩までの長さでツインテール。背が高くて、クラスの中でも目を引く、すごく綺麗な子。
もちろんその子の周りにはたくさんの子が集まり、すぐに人気者になった。
だけど、いつも帰りは1人で、クラスではいつも一番先に帰っていた。
掃除はその為かいつもサボって次の日に怒られていた、そんな子。
私は夏が始まってきた頃、その子が私を見てくる理由を知りたくて。
その子に話しかけようと、帰りには早歩きで追い越されても追いかけて追いかけて追いかけて。
殺されるかと一瞬思った。
襟首をいきなり掴まれて、凄い形相で睨まれて。
私は怯えて抵抗できないのを良い事にその子は私をある場所へと連れて行った。
襟首から手は離されて引きずられはしなかったけれど「来て」と睨まれながら言われたから仕方なく着いていった。
そこはどこにでもあるようなマンション。
その入り口に座って、話を聞かされた。
「私が神崎さんを見てる理由を知りたかったんでしょ」
図星だったので、頷いた私。
「いいよ。教えてあげる」
そこで話された話はこんな話だった。
- Re: 私の居場所は作らない。 ( No.54 )
- 日時: 2011/03/29 22:38
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: XrwZbEH8)
私には親が違う姉が居て、その姉の本当の名前は知らない。
どうしてかと言うと姉がその名前を毛嫌いして仮名を名乗っているから。仮名は、平仮名でさやか。さやかは私が付けた仮名。
会ったときに、「名前は教えたくない」と言われ、「じゃあ私が考える!」と言ったそうでさやかにした理由は響きが綺麗で、お姉ちゃんにぴったりだからだと母親が話してくれた。
もう私はその事を曖昧にしか覚えていなく、それは単純に忘れたから。
姉は前の親がこんな子産みたくなかった、邪魔だという酷い理由で外に捨てた。
そこを施設に届けられ、施設で暮らしてきて私の家に引き取られたそうだ。
姉は4歳で捨てられ、10歳で引き取られた。3歳違いの姉で、今は病気で入院していて、あまり重くはないが治るのが長い病気で多分学校は数年行けない。
私が早く帰るのは姉のお見舞いで、この事は先生だけ知っているが掃除をサボるのはいけないので怒られるという。
でも私は姉が大好きで、先生に怒られても毎日病院に行った。
「絶対治るからね」とか「一緒に絶対学校行こうね」と励まし続けていたが、最近姉の腕に刃物の傷があったのが見えた。
それが何か分からずに私は「なにこれ、どうしたの?」と言った。後で母親にその傷は何か聞いたが答えてくれなかったのでもう1回聞くような事はしなかった。
そしたら姉は「うるさい! 黙れ! 黙れ!」と叫び、暴れ、私を数回手で殴りつけた。
その痛みに耐えられなくなったのと混乱で私は病室を逃げ出そうとしたが、ナースコールがあるのに気付き助けを求めてボタンを押した。
看護婦さんがすぐに駆けつけ、すぐに事情を把握した看護婦さんが必死に止めてやっとその場は静まった。
私はその後、怖くて、痛くて、泣いた。泣きながら家に帰った。姉も私を止めはしなかった。
それから姉のその傷に触れただけでそういう事が起きるようになったりした。それはまだ治っていない。私もその場所に何度か居た。
私を見ていたのは姉に雰囲気が似ているから。
今日連れてきたのは仲良くなりたかった。姉の事を打ち明けて相談したかった。いきなり変な事をしてごめんね。
そう言われて、友達になって、3年生の時にその子は転校した。
これは、ただの思い出だった。
衝撃だったのは、そのずっと後。
- Re: 私は罪悪感に殺される ( No.55 )
- 日時: 2011/03/28 19:13
- 名前: 千咲 ◆864fRH2jyw (ID: XrwZbEH8)
その子の名前は高村瑞樹。私の襟首を掴んだりした子だ。
私のトラウマともなるような出来事は、その姉が起こした。
当時の私は仲良くなってからその子を瑞樹と呼び、2週間に1回は瑞樹と一緒に瑞樹の姉、さやかさんのお見舞いに行くことが日常だった。
その時にも暴れ出す事は珍しくなく、それも悪い事だが日常になっていった。暴れる理由はどんどん些細になり、看護婦さんや医者は病人の癖にあんなに暴れられるのって不思議、と呆れたりもう何をしても治せないだろうと溜め息をついて諦めていた。
それでも私達は諦めたくなんてなかった。
今思えばさやかさんは病院生活に疲れて、きっとリストカットで心を休めていたのだろう。
部屋は1人部屋だったので、何度でも手首を傷付ける事は出来たし。
その為か1人でいる事を好んでいたのも今思えば明確だった。
カッターなどで手首などを傷付けている所は一度だけ見た。
——3年生の夏休み。まだ瑞樹は転校していなかった。
私が病室のドアを開けると、その光景はすぐに目に入った。
その表情は快楽を求めるような怖いくらいの明るい笑顔。
さやかさんは、少しも躊躇うことなく手首を切っていた。
「どうせ治らないうちに死ぬんなら、生きてることの実感くらいあってもいいよね」
その目線は私達に向けられていた。当然だが気付かれていた。
怯えて立ち尽くす私より先に、瑞希はさやかさんの所に向かった。
「お姉ちゃん! やめて! やめて!」
その言葉を聞き入れもせず、カッターを取り上げようとする瑞希に手でその頬を叩く。
パシン、と乾いた音が響き、私は伏せていた顔を上げてさやかさんの所に走った。
だが、私がそこに着いた時にはもう遅く、2回目の平手打ちを瑞希は喰らってしまった。
私は痛さを少しでも和らげようと頬を手で押さえる瑞樹を守ろうとした。
瑞樹の前に立ち、カッターを奪おうとする。このままじゃ皆危ない!
「違う。こんなのじゃない!」
叫ぶ。
さやかさんは、もっと優しいのに。
初対面の私にも笑顔で話しかけてくれた。
こんな良い人が暴れるのかとも思った。
「さやかさん!」
そんな事を思っているうちに出来た隙は、暴れだしたさやかさんへのチャンスとなってしまった。
さやかさんは私を物凄い力で押し、私は呆気なくその場に倒れ、さやかさんは瑞樹に襲い掛かった。
「やめ、て……!」
床で倒れたまま私は助けを求めた。
ナースコールに気付き手を伸ばそうとしたが、届かず、
「邪魔だ! お前なんか血も繋がってない妹のくせに邪魔するな! お前もだ」
ついでのように私はさやかさんに蹴られ、瑞希は。
「もう、やだっ……!」
病室から逃げた。
でもそれは、逃げたのではなかった。と後から気付いた。
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